JPH0330828Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は寒冷地において、水道水の凍結防止
のために地中深く配管された給水管１６に接続し
て用いられる深部設置用水道メータに関する。寒
冷地（主として北海道地方）では水道水の凍結を
無くする為に、第１図に示すように水道の給水管
１６、水道メータＷ等は地表下１ｍ〜1.5ｍ程度
に地中に埋設され、水道メータの周辺から直上に
地表に及ぶ直管状の埋設枠１７を載せてその周囲
を埋めこんであるが、水道メータの検定期間の満
了な別の給水管へ移転等に際して水道メータを取
外し取付ける必要が生じたときに、従来は作業者
が入れる大きさの穴ができるまで埋設枠１７の周
りを給水管１６の深さに堀り下げて埋設枠１７を
掘り出し、その後で水道メータＷと給水管１６と
のねじ接続を緩めて水道メータＷを取外し又は取
付けて締めつけていた。

従つて水道メータＷの付け外しの度毎に多量の
土砂の掘り起こしやそれに伴う埋設枠１７の再設
置には多くの時間を必要とするので、この必要が
ない深部設置用水道メータの実現が要望されてい
た。

この要望に応ずるものとして、実開昭55−
113925号公報に、従来の水道メータとは全く異な
る構成の給水管に直接に接続すべき流入口及び流
出口をもつ下部ケースと、その上に、垂直中心線
の回りを回動自在に載り、計量装置を内蔵し、外
側に手動工具が回動のために係合すべき回動係合
部と釣り上げのために係合すべき釣り上げ係合部
とをもつメータ本体との両構成部分を、前記垂直
中心線につき同心円をなす環状の、互いに離れて
位置する内側接触部及び外側接触部で全周的に接
触した関係に結合してなり、内側接触部が囲む面
と内側外側両接触部の間の面とのうちの、一方を
経由して前記流入口と前記計測装置の流入側とが
連通し、他方を経由して前記流出口と前記計測装
置の流出側とが連通する深部設置用水道メータが
示されている。

この公報に記載のものでは、下部ケースに対し
メータ本体がねじこみにより結合されていて、専
用取付工具を地表上から埋設枠１７に挿入し回動
係合部及び釣り上わ係合部に係合させて回すこと
により、メータ本体を下部ケースに対して着脱す
るものであるが、このものでは、埋設枠１７内で
の下部ケースに対するメータ本体の結合に当たつ
て、ねじこむ部分を同心的に合致させること及び
ねじの口を合わせることがきわめて困難であるほ
か、水道メータの設置当初はねじ部が垂直姿勢に
なつていても永年（検定満了までの８ケ月）の地
中設置においては、埋設土砂の移動、振動等によ
り、水道メータの垂直姿勢が維持できずに多少で
も姿勢が傾斜すると地表上からの深さが１ｍ以上
もあるから、地表上から専用取付工具を使用して
のメータ本体の付け外しが困難な場合も生ずると
いう不安があつた。

この考案は上端部に上蓋８を螺着して内部に計
量装置を一体に保持した取脱可能な本体ケース１
の外周に、工具係合用の複数の突起５を設け、そ
の下側に後記する下部ケース２に支承される鍔状
片１′を突設し、該鍔状片の下側外周に案内斜面
をもつた複数の爪部３を設け、更に下端に外周が
椀状に細まつた挿入案内面１ｄを形成し且つ下底
部に流入開口部を設けるとともに、左右両端に給
水管に接続される流入口と流出口をもつた固定側
下部ケース２に、上端部に前記本体ケースの鍔状
片とパツキン９を介して支承する斜状支承部を形
成し、該支承部の下側内面に前記本体ケースの爪
部に係合する爪部と同数の係合部４を備えた筒状
の立上り壁２ｃを上方に突出形成し、該立上り壁
２ｃの上端開口縁に位置決め突片７を突設し、且
つ本体ケースの上記流入開口部の周辺をパツキン
１０を介して支承する支承部を形成し、前記本体
ケース１を固定側下部ケース２に対し本体ケース
１の下端を下部ケース２の立上り壁２内に挿入し
て、爪部３と係合部４により突起５と位置決め突
片７を当突させてバヨネツト結合することにより
本体ケースの鍔状片１′が、下部ケースの支承部
にパツキン９，１０を介して支承されるように
し、更に上記本体ケース１又はこれに１体に結合
された部材に、本体ケースを昇降させるための手
動工具の係合部を設けたものである。

第２図にこの考案の実施例を示す。図中１は計
量水が下方から流入し側面から流出する本体ケー
スで下半部は下端近辺で次第に細い先端円柱部を
なし、羽根車ケース１ａと羽根車１ｂとからなる
計測装置、及び羽根車１ｂの回転に連動して積算
計数する指示部１ｃを内蔵し、指示部１ｃは上蓋
８で水漏れのないよう緊締されていて本体ケース
１に付いているもの全体がメータ本体を構成して
いる。２は下部ケースで給水管１６と接続するた
めの流入口２ａと流出口２ｂ及びメータ本体を挿
入するために本体ケース１の先細円柱部より大径
の上部開口１８を備える。

メータ本体を通過した水道水は本体ケース１と
下部ケース２の立上り壁２ｃの間に流出路６を通
過して流出口２ｂへ流出する。

第３図に示すように本体ケース１の外周には、
結合用係合部として、水平に半径方向に突出した
複数個の爪部３が設けてあり、下部ケースの立上
り壁２ｃにも結合用係合部として、本体ケース１
の方向に突出して前記爪部３と係合する係合部４
を爪部３と対応する位置に同数だけ設けて、外
側、内側各接触部のメータ本体側部分をなし結合
状態でメータ本体自身に上向きの力を及ぼすオー
リングガスケツト９，１０で両接触部の水密を保
ちつつ本体ケース１と下部ケース２とを1/4回転
で結合させるバヨネツト構造としてある。

本体ケース１の爪部３は下部ケース２の係合部
４との嵌合を容易にするための斜面部分３ａと嵌
合面となる平面部分３ｂを備えている。

第４図に示すように本体ケース１の外周には、
回動係合部として、後述する専用取付工具と係合
する突起５が４ケ所に設けてある。又、上蓋８の
下側は全周に亘る釣り上げ係合部となつている。
本体ケース１の羽根車ケース１ａの収納部からの
計量水の流出路は下部ケース２の立上り壁２ｃと
本体ケース１の外壁との間の空間６に連通してい
るが空間６は十分に広いので水流に乱れを生ぜず
又本体ケース１の下半部外周は、下端近辺で次第
に細くし椀状に細まつた挿入案内面１ｄを形成し
て下部ケース２への挿入を容易にしてある。下部
ケース２の外形は通常の水道メータのケースと
ほゞ同じで立上り壁２ｃの高さが約1/2に低くく
してある。

本体ケース１は第２図の断面図でわかる通り１
重の円筒形状であるから鋳造は容易である。

次に下部ケース２と本体ケース１とのバヨネツ
ト結合について説明する。

第５図はこの考案による水道メータの専用取付
工具を示す。この専用取付工具はハンドル１１を
回転すると主軸１２が回転し、主軸１２の先端に
は本体ケース１の４箇所の突起５に遊合する欠部
１３を有し、スプリング圧接部１４を有する本体
ケース１の保持筒１５を２箇所に固設してある。
主軸１２の長さは給水管路の埋設深さに合わせて
１〜２ｍに製作してある。

まず設置済の水道メータＷを取外すときは、給
水弁（図示しない）を閉じてメータ内の水圧を下
げた上第１図に示すような埋設枠１７内に前記保
持筒１５をメータ本体の本体ケース１に向けて下
ろし４箇所の突起５を保持筒１５の凹部１３には
め込む。すると圧接部１４が上蓋８の外周を越え
て下端の本体ケースの外壁に圧接し本体ケース１
を上方に引き上げる時に本体ケース１が脱落しな
いように保持する。このような状態にしたらハン
ドル１１を強い力で左回転するとバヨネツト結合
していた爪部３が係合部４から外れ、本体ケース
１を上方に引き上げられるようになる。

主軸１２を上方に持ち上げれば、本体ケース１
を地表上に出すことができる。

次に取付けるべきメータ本体を保持筒１５に手
操作で結合させて圧接部１４で保持し、埋設枠１
７内を下ろし本体ケース１の挿入案内面１ｄで案
内しつつ下部ケース２の立上り壁２ｃ内に嵌合さ
せ、位置決めしてから1/4回転右回転してバヨネ
ツト結合して水道メータの取付けを終える。

この考案によれば、本体ケース１の下端外周が
椀状に細まつた挿入案内面１ｄに形成されている
ので、本体ケースの下部ケースに対する嵌合が螺
合式のものに比し極めて容易に行なわれる許りで
なく、バヨネツト結合と相埃つて両ケースの接
続、取外しが極めて容易に行なわれる。

その上この考案においては、本体ケースの下半
部が立上り壁２ｃ内に没入し、パツキン９，１０
を介して本体ケースを、その中間部と下底部の２
ケ所で水密的に支承したから、下部ケースに対
し、本体ケースを安定して組み付けることができ
る上に、バヨネツト結合により本体ケースの回動
操作が僅かでよいことは勿論であるが、下部ケー
スに位置決め突片７を設けたので、バヨネツト結
合時、該突起７に本体ケースの特定の突起５を係
合させることにより流入口２ａ、流出口２ｂに対
する本体ケースの向きを常に一定に位置決めでき
るもので器差性能に影響を及ぼすことがない。

【図面の簡単な説明】

第１図は深部設置用水道メータの地中深く埋設
された状態を示す縦断面図、第２図はこの考案の
一実施例を示す断面図、第３図は本体ケースの側
面図、第４図は第３図の上面図、第５図はこの考
案の深部設置用水道メータの設置状態において、
下部ケースに対するメータ本体の付け外しに使用
する専用工具の斜視図、第６図は下部ケースの側
断面図である。 １……本体ケース（メータ本体）、１ａ……計
量装置（メータ本体）、１ｂ……計量装置（メー
タ本体）、１ｃ……積算指示部、２……下部ケー
ス、２ａ……流入口、２ｂ……流出口、３……爪
部（結合用係合部）、４……係合部（結合用係合
部）、５……突起部（回動係合部）、８……上蓋
（釣り上げ係合部）、９……オーリングガスケツト
（外側接触部）、１０……オーリングガスケツト
（内側接触部）、２ｃ……立上り壁（円筒はめあい
部）、１ｄ……下半部外周（円筒はめあい部）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上端部に上蓋８を螺着して内部に計量装置を一
   体に保持した取脱可能な本体ケース１の外周に、
   工具係合用の複数の突起５を設け、その下側に後
   記する下部ケース２に支承される鍔状片１′を突
   設し、該鍔状片の下側外周に案内斜面をもつた複
   数の爪部３を設け、更に下端に外周が椀状に細ま
   つた挿入案内面１ｄを形成し且つ下底部に流入開
   口部を設けるとともに、左右両端に給水管に接続
   される流入口と流出口をもつた固定側下部ケース
   ２に、上端部に前記本体ケースの鍔状片とパツキ
   ン９を介して支承する斜状支承部を形成し、該支
   承部の下側内面に前記本体ケースの爪部に係合す
   る爪部と同数の係合部４を備えた筒状の立上り壁
   ２ｃを上方に突出形成し、該立上り壁２ｃの上端
   開口縁に位置決め突片７を突設し、且つ本体ケー
   スの上記流入開口部の周辺をパツキン１０を介し
   て支承する支承部を形成し、前記本体ケース１を
   固定側下部ケース２に対し本体ケース１の下端を
   下部ケース２の立上り壁２内に挿入して、爪部３
   と係合部４により突起５と位置決め突片７を当突
   させてバヨネツト結合することにより本体ケース
   の鍔状片１′が、下部ケースの支承部にパツキン
   ９，１０を介して支承されるようにし、更に上記
   本体ケース１又はこれに１体に結合された部材
   に、本体ケースを昇降させるための手動工具の係
   合部を設けたことを特徴とする深部設置用水道メ
   ータ。