JPH0330139Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、前面に設けた発射操作部の操作によ
り打球発射装置を駆動すると共に、この打球発射
装置の駆動と関連して変動入賞装置を始動、停止
させるようにしたパチンコ機に関するものであ
る。

駆動源の作動により打球の受け入れ状態を変換
する変動入賞装置を設けた従来のパチンコ機は、
打球が特定入賞口に入るなどの特定条件が成立し
たときに上記駆動源を始動して変動入賞装置の打
球受け入れ状態を変換するものが殆んどである。
斯るパチンコ機は、変動入賞装置の駆動源に電力
を供給する電気回路と、打球発射装置の駆動源に
電力を供給する電気回路とが全く別な系統であ
り、このため配線が複雑である。

また、遊技者の有無に拘らず、常時可動部材を
動かして、打球の受け入れ状態を時々刻々と変化
させる変動入賞装置を設けたパチンコ機が従来か
らある。しかし斯るパチンコ機は、上記可動部材
を動かす駆動源の電気回路と、打球発射装置の電
気回路とが全く別系統であるため、配線が複雑で
あり、また変動入賞装置の駆動源を常時作動し続
けるので不経済である。

本考案は上記に鑑み提案されたもので、発射操
作部のスタートスイツチを打球発射装置の電力供
給回路に接続すると共に、該電力供給回路に変動
入賞装置の駆動源を接続し、スタートスイツチの
操作によつて打球発射装置を駆動するとともに、
打球発射装置の駆動に関連して変動入賞装置を始
動、停止させるようにすることにより、電気配線
を簡略化することができると共に、スタートスイ
ツチを操作し始めたときに遊技開始の実感を与え
ることができ、しかも消費電力を節約できるパチ
ンコ機を提供しようとするものである。

以下本考案の実施例の図面にもとづいて説明す
る。

パチンコ機１は遊技盤２の表面にガイドレール
３で囲まれる遊技部４を有し、該遊技部４内には
無数の障害釘（図示せず）、変動入賞装置５や入
賞６を設けたもので、ガイドレール３の基端部に
設けた打球発射装置７によつて発射した打球が遊
技部４内を流下する過程で入賞口６や変動入賞装
置５へ入つてセーフになるか、或いはそのまま流
下してアウトになるかを遊技するものである。

打球発射装置７は、第２図で示すように、ガイ
ドレール３の基端部の発射位置８に１個宛供給さ
れた球を発射杆９で弾発するものである。発射杆
９は上部に弾発部１０を、途中には球供給装置１
１を作動する鉤形杆１２を有し駆動源としてのロ
ータリーソレノイド１３の出力軸１４に止着さ
れ、常にはリターンスプリング１５で付勢されて
後方のストツパーゴム１６に突き当つて静止する
ように付勢されている。ロータリーソレノイド１
３は内部にコイルを巻成したステータ、ステータ
で発生した磁界により回動するロータを有し、該
ロータに前記出力軸１４が取付けられている。そ
してコイルに通電するとステータに磁界が発生し
てロータが急激に回動し、発射杆９がリターンス
プリング１５の付勢に抗して急激に回動するので
弾発部１０が発射位置８の打球をガイドレールに
沿い発射するのである。このロータリーソレノイ
ド１３は電力供給回路１７に電気的に接続する。
該電力供給回路１７は発振器１８及び電力増幅回
路１９などから構成し、発振器１８はパチンコ機
１前面に設けた発射操作部２０のスタートスイツ
チ２に電気的に接続する。したがつて、スタート
スイツチ２１がONになると発振器１８は一定間
隔（例えば１分間に100個）でパルスを発生する。
該パルスは電力増幅回路１９で増幅され、ロータ
リーソレノイド１３を瞬間的に励磁する。ロータ
リーソレノイド１３が励磁すると、発射杆９は勢
いよく回動して発射位置８へ供給された球を発射
する。発振器１８はスタートスイツチ２１がON
になつている限り継続してパルスを発信するの
で、発射杆９は繰り返して連続的に回動し、その
都度球供給装置１１を作動させて発射位置８へ球
を１個宛供給すると共に発射位置８へ供給した球
を発射する。

遊技盤２の表面に設けた変動入賞装置５は、打
球が入り易い状態と入り難い状態を交互に形成す
るように変動するものであり、遊技部４内に臨む
変動部２２及び遊技盤裏側の駆動部２３から成
る。変動部２２は、遊技盤２の表面に設けた基板
２４及び該基板２４上で回転する回転体２５から
成る。該基板２４は上方に打球の流下を遮る壁部
２６を有し、該壁部２６の頂部には球の直径より
も若干横長な打球通過口２７を開設する。回転体
２５は遊技盤２裏側の駆動部２３の駆動源であ
る、例えばパルスモータ２８の出力軸２８′に止
着され、壁部２６の下方で回転する円板であり、
表面には弧状の壁で挟まれた打球を導く溝２９を
上下対称に設けてあり、該溝２９は円板の外周部
に解放した打球入口３０を、終端部には遊技盤２
裏側に設けた賞球排出樋３１へ通ずる打球出口３
２を有する。駆動部２３の駆動源であるパルスモ
ータ２８は打球発射装置７を電気的に制御する電
力供給回路１７に電気的に接続する。したがつ
て、電力供給回路１７内の発振器１８で発生する
パルスは電力増幅回路１９で増幅されて打球発射
装置７を作動すると同時に変動入賞装置５のパル
スモータ２８へ伝送される。パルスを受信したパ
ルスモータ２８は、予め設定した回転量（例えば
１のパルス信号でπ／30）だけ回転する。したが
つて、パルスモータ２８の出力軸２８′に止着し
た回転体２５は発振器１８で発生するパルスに同
期して間歇的に回動し、変動入賞装置５はパルス
を受信する度に、即ち打球発射装置７が作動する
度に、間歇的に変動して、打球を受け入り易い状
態から受け入り難い状態へ、或いは受け入り難い
状態から受け入れ易い状態へ変化し、発振器１８
がパルスを30発信すると回転体２５は半周して元
の状態に復帰する。

このような変動入賞装置５を有するパチンコ機
１で遊技すると次のようになる。

遊技者がパチンコ機１前面の上部受皿３３に球
を入れ、発射操作部２０を操作してスタートスイ
ツチ２１をONにすると、スタートスイツチ２１
に接続する電力供給回路１７の発振器１８が瞬間
的パルスを連続的に発生する。パルスは電力増幅
回路部１９で増幅され、ロータリーソレノイド１
３を作動すると同時にパルスモータ２８を作動す
る。増幅されたパルスを受信したロータリーソレ
ノイド１３は瞬間的に励磁して発射杆９を勢いよ
く回動する。発射杆９が回動すると、途中に設け
た鉤形杆１２が作動杆３４を回動して球供給杆３
５を下降する。該球供給杆３５は上昇する度に上
部受皿３３内の球を１個宛発射位置８へ供給す
る。スタートスイツチ２１がONである限り発振
器１８は継続してパルスを発振するので、ロータ
リーソレノイド１３はパルス信号を受信する度に
発射杆９を付勢して連続的に球を発射する。発射
された打球はガイドレール３を介して遊技部４内
に入り流下する。遊技部４内の変動入賞装置５は
発振器１８がパルスを発生する度に、パルスモー
タ２８が設定量（例えばπ／30）ずつ回転するの
で、該パルスモータ２８の出力軸２８′に設けた
回転体２５は設定量（例えばπ／30）ずつ変動す
る。即ち変動入賞装置５は遊技者が発射操作部２
０を操作すると直ぐに動き始める。したがつて遊
技者は、打球発射の外に変動入賞装置５の動作に
よつても遊技開始の実感を得ることができる。変
動入賞装置５は、第３図で示すように、打球通過
口２７の真下に溝２９の打球入口３０が位置する
と打球を受け入れ易い状態となる。このような状
態において、打球通過口２７を通過した打球は、
そのほとんどが打球入口３０から溝２９内へ入
る。溝２９内へ入つた打球は流下して打球出口３
２から基板２４の裏側の賞球排出樋３１へ排出さ
れる。該賞球排出樋３１へ排出された球は賞球検
出器（図示せず）によつて検知され、賞球排出装
置（図示せず）を作動してパチンコ機前面に設け
た上部受皿３３或いは下部受皿３６へ賞球を排出
する。なお上記変動入賞装置５は、スタートスイ
ツチ２１をOFFにするとパルスモータ２８の作
動が停止する。したがつて上記の様に打球を受け
入れ易い状態の時に上部受皿３３内の球が無くな
つた場合には、スタートスイツチ２１をOFFに
して変動入賞装置５を打球が入り易い状態に維持
したままで新たな球を借りに行くことができる。
パルスモータ２８に設けた回動体２５は、発振器
１８がパルスを発生する度に順次回動して変動す
る。したがつて、打球入口３０は次第に打球通過
口２７から離れ、打球を受け入れ難い状態に変動
する。最も打球を受け入れ難い状態は、第５図で
示すように各溝２９の打球入口３０が水平に位置
するときである。この状態においては、打球通過
口２７を通過して変動入賞装置５の内部へ入つた
打球は一旦溝２９の側壁２９′に載り、そのほと
んどは打球入口３０から溝２９内へ入ることがで
きずそのまま落下してしまう。したがつて、この
状態ではほとんど入賞することがなく遊技部の下
方に流下する。

打球の発射勢の調節は発射操作部２０のハンド
ル３７を操作して調節する。ハンドルを操作する
と、パチンコ機１裏側に設けた可変ボリユーム３
８が電気的に接続する電力供給回路１７の電力増
幅回路１９の作動を調節して、ロータリーソレノ
イド１３の励磁強さを加減する。ロータリーソレ
ノイド１３の励磁強さが変化すると発射杆９を付
勢する強さが変化し、したがつて、打球の発射勢
が変化する。

尚、変動入賞装置５は回動体をパルスモータに
よつて回動するものに限らず、第６，７図で示す
ように、ソレノイド３９と該ソレノイド３９に接
続する可動片４０を作動して、打球が通過する開
口部４１を開閉し、打球を受け入り易い状態と受
け入れない状態を交互に形成するようにしてもよ
い。

また、変動入賞装置５は発振器１８からのパル
ス毎に変動するものに限らず、例えば、電気制御
部と変動入賞装置の間にパルスカウンタを設け、
該パルスカウンタによりパルスを規定量（例えば
10パルス）通過させ、その後、規定量（例えば10
パルス）だけ遮断するようにしてもよい。この様
な構成の変動入賞装置は打球を10個発射する間は
入賞する確率が高く、その後10個の打球を発射す
る間は入賞する確率が低下するので変化に豊んだ
遊技を行なうことができる。

即ち、本案における変動入賞装置は、打球の受
け入れ状態が変換可能であつて、その動作が打球
発射装置の駆動と関連して始動、停止できる構成
であればよい。

尚、本考案は回転ソレノイドを用いる打球発射
装置に限定されるものではなく、パルスに同期し
て打球を発射する打球発射装置を有するものであ
れば、コイルと鉄心から成るソレノイドや、複数
のコイルをガイドレールに設けたリニヤモータ式
の発射装置でもよい。

以上説明したように本考案によれば、発射操作
部に設けたスタートスイツチを、打球発射装置の
駆動源に電力を供給する電力供給回路に接続し、
変動入賞装置の駆動源を上記電力供給回路に接続
するので、電気配線を従来のパチンコ機よりも簡
略化することができ、また、スタートスイツチを
操作し始めたときに遊技開始の実感を与えると共
に、遊技中における興趣を従来以上に高めること
ができる。更に本案は、スタートスイツチをON
にしている間だけ変動入賞装置の駆動源が作動す
るようにしてあるので、遊技の有無に拘らず変動
入賞装置の可動部材を動かす従来のパチンコ機に
比べて、消費電力を節約することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので第１図は正
面図、第２図は打球発射装置の斜視図、第３図は
変動入賞装置の正面図、第４図は変動入賞装置の
側面図、第５図は打球を最も入り難く変動した変
動入賞装置の正面図、第６図は変動入賞装置の他
の実施例を示す概略正面図、第７図は第６図で示
す変動入賞装置の側面図、第８図は配線ブロツク
図である。 １……パチンコ機、２……遊技盤、５……変動
入賞装置、７……打球発射装置、１８……発振
器、２３……駆動部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 発射操作部に設けたスタートスイツチを、打球
   発射装置の駆動源に電力を供給する電力供給回路
   に接続し、駆動源の作動により打球の受け入れ状
   態が変換可能な変動入賞装置の駆動源を上記電力
   供給回路に接続し、スタートスイツチの操作によ
   り打球発射装置を駆動するとともに、打球発射装
   置の駆動と関連して変動入賞装置を始動、停止さ
   せるようにしたことを特徴とするパチンコ機。