JPH0329510Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は衛生設備ユニツトに関するものであ
る。

（従来の技術とその問題点） 衛生設備ユニツトとして従来から知られている
ものにユニツトバスルームがある。

このユニツトバスルームは例えば実開昭59−
184596号公報に開示される如く、壁パネルを組み
立てて構成されるユニツトルーム内に便器、水洗
い或いは洗面等に使用する水洗器、浴槽、シヤワ
ー等を集合させて設置し、省スペース化を図つた
ものである。

ところで、上記ユニツトバスルームを設置する
ホテルやマンシヨン等においてはユニツト全体を
従来のものより更にコンパクト化することを要望
される場合がある。

このコンパクト化の要望を満足すべくユニツト
バスルームにおいて浴槽を省略しシヤワーとその
使用時におけるシヤワー浴スペースを残すことが
考えられる。

ところが、この様に浴槽を省略しても依然とし
てユニツトルーム内において便器及び水洗器が独
立してスペースを占有し、且つシヤワー浴スペー
スが残るためユニツトルーム内の省スペース化は
僅かであつてユニツト全体の大幅なコンパクト化
は期待できない。

そこで、水洗器をシヤワー浴スペースと便器ス
ペースとにわたつて移動可能とすることによりシ
ヤワー浴スペースと便器スペースとを夫々シヤワ
ーの非使用時と使用時とで水洗器の使用スペース
に兼用して省スペース化を図ることが考えられ
る。

しかし、該水洗器を便器の設置スペース側へ移
動させた状態でシヤワーを使用すると、その使用
時における水はねで便器が濡れてしまう惧れがあ
る。

（考案が解決しようとする課題） 本考案は上述した従来事情に鑑みてなされたも
のであり、その目的とする処は、水洗器をシヤワ
ー浴スペースと便器スペースとにわたつて移動自
在に支持すると共に、その支持手段によつて便器
への水はねを防ぎ、かつ水洗器の移動をきわめて
容易に行えるようにすることにある。

（課題を解決するための手段） 以上の目的を達成するために、本考案衛生設備
ユニツトは、ユニツトルーム内に便器スペースと
シヤワー浴スペースを隣接せしめ、且つ該両スペ
ース間には便器の収容部を有するエプロン付カウ
ンターを介して水洗器を移動可能に配設してな
り、前記エプロン付カウンターは平面略三角形状
に形成すると共に、任意の頂点側に設けるヒンジ
を介してルーム側壁に回動可能に取付支持され、
前記ヒンジはエプロン付カウンターに向けて突出
する支持片を備えてルーム側壁に固定される固定
金具と、前記支持片先端に枢着し且つエプロン付
カウンターに設けた凹欠部内に固定される可動金
具とから形成し、さらにエプロン付カウンターの
エプロン部下端にはキヤスターを設けたことを特
徴とする。

（作用） 以上の構成によれば、シヤワー浴スペースと便
器スペースとを夫々シヤワー非使用時と使用時と
で水洗器の使用スペースに兼用して省スペース化
を図ると共に、シヤワーの使用時においてはエプ
ロン付カウンターの収容部内に便器を収容して便
器への水はねを防ぐ。また、エプロン付カウンタ
ーを平面略三角形状に形成し、任意の頂点側をル
ーム側壁から突出する支持片先端に枢着すると共
に、エプロン部下端にキヤスター設けたことで、
このエプロン付カウンターの回動、即ち水洗器の
移動をきわめてスムーズに行える。さらに、ヒン
ジの可動金具がエプロン付カウンターの外面より
内側に位置するので、同カウンターの外面をルー
ム側壁に近接させて両者間の〓間を出来る限り小
さくする。

（実施例） 以下、本考案衛生設備ユニツトの一実施例を図
面に基いて説明する。

衛生設備ユニツトは第１図に示す如く、ユニツ
トルームＲ内に便器スペースS₁とシヤワー浴スペ
ースS₂を隣接して形成すると共に、水洗器ｂを前
記両スペースS₁，S₂間に移動可能に配設して構成
される。

ユニツトルームＲは平面矩形を呈する床パン
R₁周縁に複数枚の壁パネルR₂₀，R₂₁，R₂₂……を
立上げてルーム側壁を形成し、且つ上面を天井パ
ネルR₃で閉塞した周知の構造のもので、このユ
ニツトルームＲ内の任意のコーナー部R₁₀₀に便器
ａを設置して上記便器スペースS₁が形成され、そ
のコーナー部R₁₀₀周囲にシヤワー浴スペースS₂が
形成される。該シヤワー浴スペースS₂内、詳しく
は前記コーナー部R₁₀₀に隣接する壁パネルR₂₀に
はシヤワー吐水用の水栓ｃが取付けられる。

尚、便器ａをコーナー部R₁₀₀に設置することに
より、便器ａの後半部周囲に生じるデツドスペー
スを出来る限り小さくでき、より一層の省スペー
ス化を図れる。

水洗器ｂはエプロン付カウンターｄを介してシ
ヤワー浴スペースS₂と便器スペースS₁との間で移
動可能に設置され、その便器スペースS₁への移動
位置で前記エプロン付カウンターｄが便器ａを収
容して覆うようになつている。

エプロン付カウンターｄは、図示の如く平面略
三角形状に形成したカウンター部d₁の上面に水洗
器ｂを設け、且つカウンター部d₁の周縁からエプ
ロン部d₂を垂下してなり、任意の頂点d′側を、第
３図の如くヒンジ１を介して壁パネルR₂₀に回動
可能に取付け、これにより水洗器ｂを便器スペー
スS₁とシヤワー浴スペースS₂間にわたつて回動自
在とするものである（第７図〜第１０図参照）。

カウンター部d₁の便器スペースS₁側の外周部に
は平坦なストツパ面d₃が形成されており、エプロ
ン付カウンターｄを便器スペースS₁側へ回動させ
た際、前記ストツパ面d₃がコーナー部R₁₀₀の後面
R₁₀₀′に当接してその回動を停止する。

エプロン部d₂はカウンター部d₁と別体に構成さ
れ、エプロン付カウンターｄがシヤワー浴スペー
スS₁側に設置された状態で便器ａの側部上方に対
応する側の側面、即ち前記カウンター部d₁のスト
ツパ面d₃下方の側面に凹部ｅを介して紙巻器ｆが
取り付けられる。また、該凹部ｅの下端に連なる
面を切欠して開放し、その開放部内側に便器ａを
収容する収容部d₄が設けられる。

エプロン部d₂の下端はキヤスター４を介して床
パンR₁に接地し、エプロン付カウンターｄの回
動、即ち水洗器ｂの移動をより円滑に行えるよう
にしてある。

ヒンジ１は壁パネルR₂₀側に固定する固定金具
２と、エプロン付カウンターｄのエプロン部d₂側
に取付けられて前記固定金具１に回動可能に支持
される可動金具３とからなつている（第３図〜第
６図参照）。

固定金具２は壁パネルR₂₀に固定される固定片
２ａと該固定片２ａから突出する支持片２ｂとに
より平面Ｔ字形に形成され、該支持片２ｂの先端
には支軸２ｄを備えた支持パイプ２ｃが溶接され
ている。

可動金具３はその中間部に連結パイプ３ａを設
けて、エプロン部d₂に設けた凹欠部５内にネジ止
めされ、該連結パイプ３ａを前記固定金具２にお
ける支持片２ｂ先端の支軸２ｄに樹脂製ワツシヤ
６を介して挿着することにより、固定金具２に回
動可能に連結して支持する。

尚、図中７はタンク、８は照明燈、９は鏡、１
０は棚である。

以上の構成からなる本実施例の衛生設備ユニツ
トによれば、水栓ｃを使用してシヤワー浴を行う
際にはエプロン付カウンターｄを便器スペースS₁
側に回動させて水洗器ｂを便器スペースS₁に位置
させる。その時エプロン付カウンターｄが便器ａ
を覆い、便器ａへの水はねを防ぐ（第１０図、第
１１図）。

また、便器ａの使用時にはエプロン付カウンタ
ーｄをシヤワー浴スペースS₂側に回動させて水洗
器ｂをシヤワー浴スペースS₂に位置させる（第１
図、第２図）。

また、エプロン付カウンターｄの回動を、壁パ
ネルR₂₀から突出する支持片２ｂを備えたヒンジ
１と、エプロン部d₂下端のキヤスター４を介して
行うので、水洗器ｂの移動をきわめてスムーズに
行える。

さらに、ヒンジ１の可動金具３がエプロン部d₂
の外面より内側に位置するので、エプロン付カウ
ンターｄの外面をルーム側壁に近接させて、その
両者に余分な〓間が形成される虞れを防ぐ。

（考案の効果） 本考案衛生設備ユニツトは以上説明したように
構成したので、シヤワーの非使用時と使用時とで
夫々シヤワー浴スペース及び便器スペースを水洗
器の使用スペースに兼用でき、従つてユニツト全
体を大幅にコンパクト化することが可能になる。

また、シヤワーの使用時において便器をエプロ
ン付カウンターで覆い、水はねによつて便器が濡
れることを防止できる。さらに、ルーム壁から突
出する支持片の先端に可動金具を枢着するヒン
ジ、及びキヤスターによつて、水洗器の移動をき
わめて容易に行うことができる。また、ヒンジの
可動金具をエプロン付カウンターの外面より内側
に位置させて、エプロン付カウンターの外面とル
ーム側壁間を可能な限り近接せしめ、前記両者間
に余分な〓間が形成されるような不具合をなくす
等、多くの効果を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案衛生設備ユニツトの一実施例を示
し、第１図は便器の使用状態を示すルーム内の斜
視図、第２図は第１図の２−２線断面図、第３図
は第１図の３−３線拡大断面図、第４図は第３図
の４−４線拡大断面図、第５図はエプロン付カウ
ンターとヒンジの分解斜視図、第６図はヒンジの
斜視図、第７図〜第９図は夫々エプロン付カウン
ターの回動状態を示す横断平面図、第１０図はシ
ヤワー浴スペースの使用状態を示すルーム内の斜
視図、第１１図は第１０図の１１−１１線断面図
である。 尚、図中、Ｒ：ユニツトルーム、S₁：便器スペ
ース、S₂：シヤワー浴スペース、ａ：便器、d₄：
収容部、ｄ：エプロン付カウンター、ｂ：水洗
器、１：ヒンジ、２ｂ：支持片、２：固定金具、
５：凹欠部、３：可動金具、d₂：エプロン部、
４：キヤスター。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ユニツトルーム内に便器スペースとシヤワー浴
   スペースを隣接せしめ、且つ該両スペース間には
   便器の収容部を有するエプロン付カウンターを介
   して水洗器を移動可能に配設してなり、前記エプ
   ロン付カウンターは平面略三角形状に形成すると
   共に、任意の頂点側に設けるヒンジを介してルー
   ム側壁に回動可能に取付支持され、前記ヒンジは
   エプロン付カウンターに向けて突出する支持片を
   備えてルーム側壁に固定される固定金具と、前記
   支持片先端に枢着し且つエプロン付カウンターに
   設けた凹欠部内に固定される可動金具とから形成
   し、さらにエプロン付カウンターのエプロン部下
   端にはキヤスターを設けたことを特徴とする衛生
   設備ユニツト。