JP2573843Y2 - ユニットバスの洗い場カウンター - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、洗い場側に面した側部
が曲面に形成された浴槽と、前記洗い場を挟んで前記浴
槽と対向する浴室壁部とにわたって、前記洗い場の隅部
に設置自在なカウンター本体を設け、前記カウンター本
体から前記洗い場への垂れ壁部を設けてあるユニットバ
スの洗い場カウンターに関する。

【０００２】

【従来の技術】ユニットバスは、そのユニットバスが設
置される建物の設計に基づいて、浴室内の浴槽と洗い場
との位置関係を設定して、その位置関係に合わせて各浴
槽・洗い場等のユニットを組み付けることで、品質の一
定した浴室の形成を、短期間に簡単に実施できる特徴を
備えており、品質安定性・汎用性が高く評価されてい
る。更には、上述のユニットバスの機能性・美観性の向
上を目指して工夫されたものとして、例えば、洗い場側
に面した浴槽の側部を、下方ほど引退するような曲面に
形成することで、蹴込状部分を確保してバスタブへの出
入りを楽にすると共に、洗い場面積の広がりによる視覚
上の広さを感じさせるものがある。

【０００３】この種のユニットバスの洗い場カウンター
は、浴槽と、洗い場を挟んで前記浴槽と対向する浴室壁
部とにわたって前記洗い場の隅部に設置されるわけであ
るが、浴室内の配置計画によって、洗い場の一端側の隅
部に設置される場合や、又は、洗い場の他端側の隅部に
設置される場合がある。従って、従来の洗い場カウンタ
ーとしては、その垂れ壁部一端側に、曲面からなる前記
浴槽の側部に沿って接当させる突出部を一体連設してあ
る一端側専用のものと、洗い場カウンターの垂れ壁部他
端側に、前記突出部を一体連設してある他端側専用のも
のとがそれぞれ個別にあり、前記浴槽と洗い場との位置
関係に合わせてそれら各洗い場カウンターを使い分けて
設置していた。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】上述した従来のユニッ
トバスの洗い場カウンターによれば、垂れ壁部の一端側
に前記突出部を一体連設した一端側専用のものと、垂れ
壁部の他端側に前記突出部を一体連設した他端側専用の
ものとを、それぞれ個別に生産しておかなければなら
ず、生産手間が掛かると共に、常備部品の点数が多くな
るから部品管理にも手間が掛かり、同時に、ストックヤ
ードも広い範囲が必要となる等、生産性・保管管理性が
わるく、それに伴うコストが高いという欠点があった。

【０００５】従って、本考案の目的は、上記欠点に鑑
み、生産性・保管管理性に富んだユニットバスの洗い場
カウンターを提供するところにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
の本考案におけるユニットバスの洗い場カウンターの特
徴構成は、洗い場側に面した側部が曲面に形成された浴
槽と前記洗い場を挟んで前記浴槽と対向する浴室壁部と
にわたった状態で、前記洗い場の隅部に設置自在なカウ
ンター本体と、前記カウンター本体から前記洗い場への
垂れ壁部とにわたる補強側壁部を、前記カウンター本体
の両端部に設け、曲面に形成された浴槽の側部に沿って
端縁が接当自在な突出部を、前記垂れ壁部の両端部にそ
れぞれ一体連設し、前記補強側壁部と前記突出部との間
に、前記突出部除去用の凹溝部を設けてあるところにあ
る。

【０００７】

【作用】本考案におけるユニットバスの洗い場カウンタ
ーの特徴構成によれば、曲面に形成された浴槽の側部に
沿って端縁が接当自在な突出部を、前記垂れ壁部の両端
部にそれぞれ一体連設し、前記補強側壁部と前記突出部
との間に、前記突出部除去用の凹溝部を設けてあるか
ら、一方の突出部を、曲面に形成された浴槽の側部に接
当させ、他方の突出部は、前記凹溝部によってカウンタ
ー本体から除去することによって、浴槽と洗い場との位
置関係に合った洗い場カウンターとして設置することが
可能となり、また、浴槽と洗い場との位置関係が左右逆
の浴室に設置する場合には、他方の突出部を、曲面に形
成された浴槽の側部に接当させ、一方の突出部は、前記
凹溝部によってカウンター本体から除去することによっ
て、逆配置の浴槽と洗い場との位置関係に合った洗い場
カウンターとして設置することが可能となる。即ち、現
場で簡単な加工をするだけで、浴槽と洗い場との位置関
係が異なるケースにも対応することが可能となり、従来
のように、それぞれの浴室内配置に対応する専用の洗い
場カウンターを各別に常備する必要がなくなる。この様
に、兼用化が実現して、生産コストや管理コストを共に
低減することが可能となる。

【０００８】また、カウンター本体と、前記カウンター
本体から前記洗い場への垂れ壁部とにわたる補強側壁部
を、前記カウンター本体の両端部に設けてあるから、洗
い場カウンターの剛性を向上させることができると共
に、洗い場を挟んで前記浴槽と対向する浴室壁部に、前
記補強側壁部を沿わせた状態に洗い場カウンターを設置
することができ、安定した状態に洗い場カウンターを据
え付けることが可能となる。

【０００９】

【考案の効果】従って、本考案のユニットバスの洗い場
カウンターによれば、生産性・保管管理性を共に向上さ
せることができて、ユニットバスとしてのコストダウン
が可能となると同時に、洗い場カウンターそのものの剛
性が高くなり、且つ、据え付け易くなって、品質の向上
をも叶えることが可能となった。

【００１０】

【実施例】以下に本考案の実施例を図面に基づいて説明
する。

【００１１】図３・４は、本考案に係わる一実施例のユ
ニットバスの洗い場カウンターＣを備えて構成されたユ
ニットバスＢを示すもので、ユニットバスＢは、浴槽Ｔ
を構成する浴槽ユニット１を設け、前記浴槽ユニット１
の片側に隣接させて設置して洗い場Ａを構成する洗い場
ユニット２を設け、前記浴槽ユニット１・洗い場ユニッ
ト２の上部空間を囲って内空部に浴室Ｙを形成する壁ユ
ニット３（浴室壁部Ｗを構成）と天井ユニットとを設
け、前記浴室Ｙに隣接する脱衣室との出入口となるドア
ユニット５を設けて構成してあり、前記各ユニット１，
２，３，５は、夫々を組み付けることによって、内空部
に浴室Ｙを形成できるように構成されている。

【００１２】前記浴槽ユニット１は、浴槽部６と、その
浴槽部６を受けて支持する浴槽カウンター７とから構成
してあり、前記浴槽カウンター７は、前記浴槽部６の上
縁鍔状部が載置される天板部分７ａと、前記天板部分７
ａから前記洗い場ユニット２にわたる垂れ壁状の浴槽外
カバー７ｂからなる。また、前記天板部分７ａには、図
には示さないが、前記浴槽Ｔを支持するための金属製枠
体を内装してあり、その金属製枠体を支持脚によって受
けることで、浴槽ユニット１は支持されている。前記浴
槽Ｔの洗い場Ａ側に面した側部を構成する前記浴槽外カ
バー７ｂは、下方ほど浴槽部６に近接するよう引退した
曲面に形成してあり、洗い場面積の拡大を図ると共に、
前記浴槽外カバー７ｂの引退した部分が蹴込み部とな
り、浴槽部６への入浴に際して、例えば、高齢者や身障
者でも浴槽部６により近接した位置に立って安全に入浴
することができるように配慮してある。

【００１３】前記洗い場ユニット２は、床部分を構成す
る防水パン８と、前記防水パン８上に載置した状態にし
て取り付けられる洗い場カウンターＣとから構成してあ
る。前記防水パン８は、周縁部を上方に屈曲させた状態
に形成してあり、防水パン８上に流れ落ちた水が、防水
パン８を越えて下部に漏れないようにしてある。また、
防水パン８には、図には示さないが、支持用の金属製枠
体を内装してあり、その金属製枠体を支持脚によって受
けることで、洗い場ユニット１を支持できるように構成
されている。

【００１４】次に、前記洗い場カウンターＣについて、
その詳細を説明すると、ユニットバスＢに組み込まれる
前の状態においては、図１に示すように、シャワーや洗
い場用カラン等の混合水栓９が取り付けられる天板部を
構成するカウンター本体１０と、前記カウンター本体１
０から前記防水パン８にわたる垂れ壁部１１とを設けて
構成してある。また、洗い場カウンターＣの裏面側に
は、前記垂れ壁部１１と前記カウンター本体１０とにわ
たる補強側壁部１２を、前記カウンター本体１０の両端
部に設けてある。

【００１５】前記カウンター本体１０は、前記浴槽外カ
バー７ｂの上縁部から、前記洗い場Ａを挟んで前記浴槽
Ｔが対向する浴室壁部Ｗにわたった長さに形成してあ
る。

【００１６】前記垂れ壁部１１は、図２に示すように、
裏面側に湾曲する形状で、且つ、下方が裏面側へ引退し
た状態に形成してあり、前記浴槽外カバー７ｂの曲面形
成の場合と同様に、洗い場面積の拡大を図り、視覚上で
の広さを感じ取れるように構成してある。また、前記垂
れ壁部１１の両端部には、その面方向に沿って突出する
突出部１３を各別に一体連設してあり、前記両突出部１
３の端縁は、それぞれ、曲面に形成された前記浴槽外カ
バー７ｂに沿って接当自在な形状に形成してある。更
に、前記垂れ壁部１１には、前記補強側壁部１２と、そ
の補強側壁部１２に近い方の前記突出部１３との間に、
前記突出部１３除去用の凹溝部１４を設けてあり、前記
浴槽壁部Ｗに位置させる側の前記突出部１３を、必要に
応じて、前記凹溝部１４で切り離して除去することが可
能となる。一方、垂れ壁部１１の中間部には、前記混合
水栓１０に対する点検口１５を設けてあり、この点検口
１５には、着脱自在な蓋を設けてある。

【００１７】〔別実施例〕 以下に別実施例を説明する。前記突出部１３は、先の実
施例で説明したように、下方ほど浴槽部６に近接するよ
う引退した曲面に形成してある浴槽Ｔの側部に沿って端
縁が接当自在なものに限定されるものではなく、浴槽Ｔ
の側部の形状が異なった形状に形成されている場合に
は、その側部に沿って端縁が接当自在な形状に形成する
ことも可能である。

【００１８】尚、実用新案登録請求の範囲の項に、図面
との対照を便利にするために符号を記すが、該記入によ
り本考案は添付図面の構成に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例の洗い場カウンターの裏面視断面図

【図２】実施例の洗い場カウンターを示す斜視図

【図３】ユニットバスを示す側面視断面図

【図４】ユニットバスを示す上面視断面図

【符号の説明】

１０ カウンター本体 １１ 垂れ壁部 １２ 補強側壁部 １３ 突出部 １４ 凹溝部 Ａ 洗い場 Ｔ 浴槽 Ｗ 浴室壁部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 平５−11889（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) A47K 4/00 E04H 1/12 301

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 洗い場（Ａ）側に面した側部が曲面に形
   成された浴槽（Ｔ）と、前記洗い場（Ａ）を挟んで前記
   浴槽（Ｔ）と対向する浴室壁部（Ｗ）とにわたって、前
   記洗い場（Ａ）の隅部に設置自在なカウンター本体（１
   ０）を設け、前記カウンター本体（１０）から前記洗い
   場（Ａ）への垂れ壁部（１１）を設けてあるユニットバ
   スの洗い場カウンターであって、 前記垂れ壁部（１１）と前記カウンター本体（１０）と
   にわたる補強側壁部（１２）を、前記カウンター本体
   （１０）の両端部に設け、曲面に形成された前記浴槽
   （Ｔ）の側部に沿って端縁が接当自在な突出部（１３）
   を、前記垂れ壁部（１１）の両端部にそれぞれ一体連設
   し、前記補強側壁部（１２）と前記突出部（１３）との
   間に、前記突出部（１３）除去用の凹溝部（１４）を設
   けてあるユニットバスの洗い場カウンター。