JPH0329326Y2 - - Google Patents

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JPH0329326Y2
JPH0329326Y2 JP1986125266U JP12526686U JPH0329326Y2 JP H0329326 Y2 JPH0329326 Y2 JP H0329326Y2 JP 1986125266 U JP1986125266 U JP 1986125266U JP 12526686 U JP12526686 U JP 12526686U JP H0329326 Y2 JPH0329326 Y2 JP H0329326Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
本考案は、製造コストの低い経済的に有利な耐
摩耗性・耐食性腕時計外装品に関するものであ
る。 従来、腕時計ケースや金属バンドのめつきは、
例えば添付図面の第3図に示すように、黄銅、洋
白、ステンレススチールなどの金属素材Aの表面
上に、まず下地めつきとしてニツケルめつき層
4′を3〜5μmの厚さに施したのち、その上に基
部めつきとして18K金合金めつき層2′を3μmの
厚さに施し、最終仕上として22〜23K金合金めつ
き層3′を2μmの厚さに施す方法がとられている。
この場合、基部めつきとして施される18K金合金
めつき層には、金−銀、金−銅−カドミウム、金
−パラジウムなどの合金めつきが用いられ、また
最終仕上として施される22〜23K金合金めつき層
には、金−ニツケル又は金−コバルトなどの合金
めつきが用いられる。 このような構成で腕時計や金属バンドに各種の
めつき層が施されるのは、美観や作業性やコスト
などの問題に由来する。すなわち、下地のニツケ
ルめつき層は、金属素材のピンホール、巣、キズ
などの欠陥を補い、さらに光沢や密着性を維持す
るために施される。また基部の18K金合金めつき
層については、最終仕上の22〜23K金合金めつき
が、それを施す際に析出速度が遅く、かつつきま
わり(平準化)が悪いなど作業性に劣るため厚付
には向かないこと、たとえこの22〜23K金合金め
つきを厚付したとしても、流行色が変化するたび
にコストの高い厚付光沢めつきを開発せねばなら
ないことなどの作業性やコスト的要因、あるいは
光沢度の要求などの点から、基部の18K金合金め
つき層が施される。また最終仕上の22〜23K金合
金めつき層は、調色層ともいわれるように、市場
の要望する流行色やデザインに合わせるなど美観
的要因によつて施される。 しかしながら、このような従来のめつき構造に
おいては、基部の18K金合金めつき層が厚さ2〜
3μm、また最終仕上の22〜23K金合金めつき層が
2μm、合計4〜5μmの金めつき層の厚さを有して
おり、このように金めつき層が厚くてコストが高
くつくにもかかわらず、その耐摩耗年数が2.3〜
2.5年程度であるという欠点を有している。 本考案者は、このような事情に鑑み、金めつき
層厚を減少してコストを低くし、かつ耐摩耗性及
び耐食性が従来品と同等か、あるいはそれ以上で
ある腕時計外装品を得るべく鋭意検討を重ねた結
果、金属素材の表面上にリンを含むニツケル合金
層、10〜17Kの金合金属、22〜23Kの金合金属を
それぞれめつきにより形成させたのち、非酸化雰
囲気中で熱処理すれば、耐摩耗性、耐食性が向上
し、わずか2μmの厚さの金合金属でも、従来の
5μmの厚さの金合金属に匹敵する物性を示すこと
を見出し、この知見に基づいて本考案をなすに至
つた。 すなわち、本考案は、所要の形状に成形した金
属素材の表面上に、リンを含むニツケル合金めつ
き層、10〜17Kの金合金めつき層、22〜23Kの金
合金めつき層を順次形成させたのち、真空炉又は
非酸化炉中で熱処理して成る耐摩耗性・耐食性腕
時計めつき外装品を提供するものである。 本考案の1例を添付図面に従つて説明すると、
第1図及び第2図はそれぞれめつきされた腕時計
ケース及び金属バンドの断面図、第4図及び第5
図は本考案の腕時計ケース又は金属バンドの熱処
理前のめつき部断面図であつて、第4図において
金属素材Aの表面に、厚さ2μmのリンを含むニツ
ケル合金めつき層1を施し、次いでその上に厚さ
1μmの10〜17Kの金合金めつき層2を施し、最後
に仕上として厚さ1μmの22〜23Kの金合金めつき
層3を施す。この際、所望に応じ、これらのめつ
きを施すに先立つて、第5図に示すように金属素
材Aの表面にニツケルめつき層4を施すこともで
きる。 次に、このようにして各種めつき層が施された
腕時計ケース又は金属バンドを真空炉又は非酸化
炉中で熱処理を行う。この熱処理は、金属素材A
が黄銅の場合は310〜330℃の温度で1時間、ステ
ンレススチールの場合は390〜410℃の温度で1時
間行われる。この熱処理の前後において、外観上
の変化は全く認められないにもかかわらず、熱処
理後は耐摩耗性や耐食性が向上している。この理
由については、必ずしも明らかではないが、X線
マイクロアナライザーを用いてリンを含むニツケ
ル合金めつき層の、10〜17K金合金層との境界面
から素地側への金元素の存在量を測定したとこ
ろ、1.5μmの距離においてもかなりの金が認めら
れることから、第6図に示すように、各めつき層
間でめつきを構成する金属元素の拡散が起こつた
であろうと考えられる。 すなわち、本考案においては、第一層としてリ
ンを含すニツケル系合金を用いているため、これ
が熱処理により硬化し、硬度を増大させるととも
に第二層から第一層への金の拡散が行われ、これ
が耐食性の向上に寄与していると考えられる。こ
の第一層中のリン含有量には特に制限はないが通
常7〜12重量%の範囲内で選ばれる。このように
して得られた腕時計外装品は、金めつき層厚が従
来品の約1/2であつて製造コストが低く、その上
耐摩耗性及び耐食性において従来品と同等かある
いはそれ以上である。 本考案においては、第二層と第三層との間にも
金元素の拡散が起つていると思われるが、外観的
にはほとんど変化は認められないし、また従来品
は、めつき層の摩耗が進行するにともない各層の
色相変化が認められたにもかかわらず、本考案で
はほとんど認められないことからみて、その拡散
量は極めて少ないものと考えられる。 次に、実施例によつて本考案をさらに詳細に説
明する。 なお、実施例中の各試験は次に示す方法に従つ
た。 (1) 耐摩耗性試験; サラシ布を重ねてたたみ、距離15cm、荷重2Kg
で腕時計側面(リユーズと反応側の9時部分)往
復摩擦し、各めつき層の減り始めから次の層が全
面的に現れるまでの回数を記録する。 (2) 耐食性試験; 次の組成をもつ人工汗を脱色した発泡スチロー
ルに浸み込ませ、その上に試料を置き、開放雰囲
気で室温にて100時間の暴露を行い、耐食性を調
べた。 (3) 人工汗の組成; 食 塩 20g/ 尿 素 2g/ 乳 酸 2g/ PH4.3〜4.4 (4) 金元素拡散状態の測定; 測定機器としてX線マイクロアナライザー
(XMAと略称する。堀場EMAX−1500)を使用
し、めつき層各断面に電子線スポツトを当て、放
出される特性X線の数を金、ニツケルについてそ
れぞれカウントし、その比より金のカラツトを標
準検量線より求めた。 標準検量線は、含有率既知の金−銅合金を造
り、XMAでそれぞれ測定し、金と銅とのカウン
ト比を求めて作成した。 次に、実施例により本考案をさらに詳細に説明
する。 実施例 1 黄銅素地の上に、リンを含むニツケル合金めつ
き層2μm、17K金−ニツケル合金めつき層1μm及
び23K金−ニツケル合金めつき層1μmを順次形成
させたのち、真空炉中、320℃において1時間加
熱した。 この熱処理おいて、最外層すなわち23K金−ニ
ツケル合金層の色調には全く変化が認められなか
つた。 また、その断面の顕微鏡写真を比較したとこ
ろ、いずれも画然と3層が識別され、熱処理の前
後において、ほとんど変化は認められなかつた。 次いで、このようにして得ためつき物について
耐摩耗性試験を行つた結果を第1表に示す。 なお、比較のために、黄銅素地上に、リンを含
まないニツケルめつき層3μm、18K金−銀合金め
つき層2μm及び23K金−ニツケル合金めつき層
2μmを順次形成させた従来品について同様の試験
を行つた結果を併記した。
【表】 第1表から分るように、本考案のめつき層構成
品は、最外層の23K金−ニツケル合金層の厚さが
1/2であるにもかかわらず、従来品のめつき層構
成品と同等ないしはより優れた耐摩耗性を示す。 次に、本考案品についての金元素拡散状態の測
定結果を第2表に示す。
【表】 注)測定位置としては、17K金−ニツケル合金め
つき層とリンを含むニツケル合金めつき層境
界面から素地側への距離を用いた。 この結果から、熱処理により第二層から第一層
への金元素の拡散が行われていることが分る。 実施例 2 ステンレス鋼材で作成した4種の異なつた形状
の時計バンドにそれぞれリンを含むニツケル合金
めつき、17K金−ニツケル合金めつき及び23K金
−ニツケル合金めつきのみを施したものについて
耐食性試験を行い、その結果を第3表に示す。 なお、時計バンドの形状のうち、アジロとは上
板と下板とを中駒とつなぎを兼ねた構造として連
結したもの、メツシユとは帯状の金網をバンドの
形状に裁断しプレスしたもの、板巻とは本駒を中
芯の板材に外カバーの板にきつく巻き付けること
によつて形成し、これをつなぎ駒で連結したも
の、ラセンとは、中芯に断面台形の線状体をラセ
ン状に巻き付けたものである。
【表】 この表から明らかなように、本考案品は従来品
よりも金合金めつき層が薄いにもかかわらず良好
な耐食性を示す。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図はそれぞれめつきされた腕時
計ケース及び金属バンドの断面図、第3図は従来
の腕時計ケース又は金属バンドのめつき部断面
図、第4図及び第5図は本考案の腕時計ケース又
は金属バンドの熱処理前のめつき部断面図、第6
図は第4図で示される本考案の腕時計ケース又は
金属バンドを熱処理したのちのめつき部断面図で
ある。 図中符号Aは金属素材、Bはめつき部、1はリ
ンを含むニツケル合金めつき層、2,2′は10〜
17Kの金合金めつき層、3,3′は22〜23Kの金
合金めつき層、4,4′はニツケルめつき層であ
る。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 所要の形状に成形した金属素材の表面上に、リ
    ンを含むニツケル合金めつき層、10〜17Kの金合
    金めつき層、22〜23Kの金合金めつき層を順次形
    成させたのち、真空炉又は非酸化炉中で熱処理し
    て成る耐摩耗性・耐食性腕時計めつき外装品。
JP1986125266U 1986-08-18 1986-08-18 Expired JPH0329326Y2 (ja)

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JP1986125266U JPH0329326Y2 (ja) 1986-08-18 1986-08-18

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5848693A (ja) * 1981-09-18 1983-03-22 Seiko Instr & Electronics Ltd 時計用外装部品

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