JPH032924Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、像担持体上に残留する磁性現像剤を
フアーブラシを用いて除去するクリーニング装置
に用いる複写機における現像剤回収装置に関す
る。

電子写真複写機やフアクシミリに代表される静
電画像記録装置においては、原稿を露光走査して
得られる反射光または電気情報信号により感光体
または誘電体上に原稿または電気情報の静電潜像
を形成し、この静電潜像を現像して可視像とし、
この可視像を記録紙に転写した後定着して記録像
を形成している。第１図は従来の電子写真複写機
の概略構成を示しており、矢印（実線）方向に移
動する原稿台１上に載置した原稿Ｇを照明ランプ
２で照射し、原稿Ｇからの反射光を矢印方向に回
転する回転ドラム３の感光体３ａ上に投射して感
光体３ａ上に原稿Ｇの静電潜像を形成する。回転
ドラム３の周辺には感光体３ａを一様に帯電する
帯電極４と、現像装置５と、転写電極６と、分離
電極７と、除電電極８と、クリーニング装置９
（フアーブラシ方式）とが順次に配置されている。
静電潜像は現像装置５による現像されて可視像と
され、可視像はカセツトなどの給紙装置１０から
搬送装置１１により給紙された記録紙Ｐに転写電
極６により転写される。転写後記録紙Ｐは分離電
極７により感光体３ａから分離され、搬送装置１
２により定着装置１３に搬送され、そこで定着さ
れて排紙皿１４に排紙される。

上記装置において、感光体３ａを繰り返し使用
できるようにするために、上記一連の電子写真の
プロセスのうち転写処理後感光体３ａの表面に残
留する電荷およびトナーを除去する必要があり、
残留電荷な除電電極８により、また残留トナーは
クリーニング装置９によりそれぞれ除去してい
る。

電子写真複写機に使用されるクリーニング装置
としては、フアーブラシ式、ブレード式、磁気ブ
ラシ式など種々知られている。フアーブラシ式は
兎などの動物の毛または合成繊維などで作つたフ
アーブラシを連続回転させ、感光体表面に残留す
るトナーを除去し、フアーブラシに付着したトナ
ーを真空吸引するかフアンで吸引してフイルタで
回収したり、電気的にバイアスした回収ローラ上
に静電的に移して回収したり、または磁性トナー
の場合にはフアーブラシに付着した磁性トナーを
磁石により磁気的に吸着して回収する方法があ
る。一方、磁気ブラシ式は内部に極性の異なる磁
石群を交互に配置した非磁性円筒スリーブを感光
体表面に近接して設け、上記円筒スリーブ上にキ
ヤリヤを吸着して回転するか磁石群を回転するこ
とにより感光体表面上に残留するトナーを吸着し
て除去し、スリーブ表面のトナーはブレードなど
で掻き落して回収する方法である。近年複写機が
高速化し、感光体の移動速度が増加するに伴ない
ブレード方式では充分なクリーニングが行なえな
いこともあり高速複写機においてフアーブラシ方
式が最も良好な装置とされてきた。また特にフア
ーブラシは感光体、特にセレンドラムの表面をブ
レードのように押圧しないため傷が付かず、また
細かな固形物がブレードに付着して傷を付けるこ
ともなく、感光体の長寿命化が可能であるなどの
特長がある。このような理由からフアーブラシ式
クリーニング装置が好んで使用される傾向にあ
る。

そこで従来のフアーブラシ式クリーニング装置
のうち磁石を利用した磁気的な回収方法について
考えてみると、従来知られている回収方法にはマ
グネツトロール式と固定マグネツト式とがある。
マグネツトロール式は、磁石から成るマグネツト
ロールを収容した非磁性体スリーブをフアーブラ
シに近接して設け、マグネツトロールまたは非磁
性体スリーブのいずれかを回転させることにより
ブラシに付着した磁性トナーをスリーブ上に磁気
的に吸着して回収する方法である。この方法で
は、マグネツトロールまたは非磁性体スリーブの
回転にモータなどの駆動源や駆動機構が必要にな
るため構造が複雑になり、またマグネツトロール
はコストが高いためクリーニング装置のコスト高
を招く。このためマグネツトロール式の代わりに
固定した板状のマグネツト部材をフアーブラシに
近接して設けて磁性トナーを回収する固定マグネ
ツト式が提案されている。第２図はこの種の従来
の固定マグネツト回収方式のフアーブラシ式クリ
ーニング装置の概略線図であり、ケースハウジン
グ１５内には円筒状磁石１６を内蔵したフアーブ
ラシ１７と、このフアーブラシ１７と接触する位
置に非磁性体吸着板１８とが設けられている。こ
の非磁性体吸着板１８にはフアーブラシ１７と接
触する位置の近くにＮ極が位置するように板状の
マグネツト部材１９が挿入されている。ケースハ
ウジング１５の開口部ではフアーブラシ１７と回
転ドラム２０とが接触するようにしてあり、いま
回転ドラムが矢印方向に回転すると、回転ドラム
２０上の残留トナーＴはブラシ１７により払拭さ
れ、フアーブラシ１７に付着したトナーＴはフア
ーブラシ１７の回転に伴つて非磁性体吸着板１８
に近づくと、マグネツト部材１９によりこの非磁
性体吸着板１８上に磁気的に吸着される。こうし
て回転ドラム２０上に残留したトナーＴを回収す
ることができる。

ところで、このような板状のマグネツト部材を
用いたフアーブラシ式クリーニング装置では、ト
ナーの充分な回収効果を得るためにマグネツト部
材１９をフアーブラシ１７に近接して設け、この
フアーブラシ１７と非磁性体吸着板１８との間に
磁界の強さを大きくしている。このようにすれば
フアーブラシ１７に付着したトナーはほとんど非
磁性体吸着板１８上に移るので回収効果は上る
が、吸着板１８上に蓄積されるトナーが増すため
にフアーブラシ１７がトナーで汚れることにな
り、その結果トナーが感光体表面に再び付着する
おそれがある。しかも吸着板１８へのトナーの蓄
積が比較的早いので、このトナーを頻繁に除去す
る必要がある。

そこで吸着板１８へのトナーの蓄積容量を増
し、回収トナーがフアーブラシに触れないように
マグネツト部材１９をフアーブラシ１７から遠ざ
けると、フアーブラシ１７と吸着板１８との間の
磁界の強さが小さくなるため、トナーが充分に回
収できなくなるという問題がある。

本考案は上記のような欠点を一掃するため特に
提案されたもので、像担持体上に残留する磁性現
像剤をフアーブラシを用いて除去し、その後回収
するクリーニング装置において、現像剤回収容器
を取外し可能とし、その回収容器にフアーブラシ
近傍に及ぶ磁界を形成するように現像剤回収容器
の外側にその回収容器から取外し可能な磁界形成
部材を設けるようにしたものである。

このようにすることにより、フアーブラシの近
傍に磁界が形成されるので、トナーが充分に回収
でき、さらにフアーブラシと磁界形成部材とが比
較的離れているので、フアーブラシの近傍にトナ
ーが蓄積することがなく、フアーブラシがトナー
で汚れることがない。

以下図面に基づいて本考案を説明する。

第３図は本考案によるフアーブラシ式クリーニ
ング装置の構成を示す概略図である。図において
２１は像担持体として用いた感光体２１ａを有す
る回転ドラム、２２はテフロンやアクリルなどの
絶縁性繊維または導電性繊維から成るフアーブラ
シ、２３はフアーブラシ２２と接触する位置に設
けられたステンレスなどの非磁性体で作られたフ
リツカーバー、２４は回収したトナーを収容する
ための非磁性体でたとえば合成樹脂製回収容器、
２５は回収容器２４の外周部のうちフアーブラシ
２２から最も離れた位置に設けたフエライト磁石
などの永久磁石、２６は回収容器２４の上面およ
び下面の外周部と永久磁石２５とに接するように
コ字形に設けた鉄板から成る磁性体、２７は一端
が感光体２１ａ上に軽く接し、他端が回収容器２
４の下面先端に接するように設けたマイラーなど
のトナーガイド板、２８は開閉可能な可動板２８
ａを有するハウジングである。

さて、上記構成のクリーニング装置により磁性
トナーを除去するには、矢印方向に回転する回転
ドラム２１を擦過するようにフアーブラシ２２を
矢印方向に回転させ感光体２１ａの表面に付着し
ている磁性トナーＴをフアーブラシ２２により払
拭する。フアーブラシ２２に付着した磁性トナー
はフアーブラシ２２と接触する位置に設けたフリ
ツカーバー２３によつて払い落される。この払い
落された磁性トナーはフアーブラシ２２の接線方
向に飛散して回収容器２４内に収容される。

一方、回収容器２４内では第４図イに示したよ
うに磁性体２６は永久磁石２５により磁化されて
いるため、永久磁石２５のＮ極から出る磁力線は
磁性体の上面および下面のほぼ全領域に向う。従
つて回収容器２４内にはフアーブラシ２２に近い
領域にまで磁界が形成されるので、フアーブラシ
２２から遊離した磁性トナーはこの磁界によつて
永久磁石２５および磁性体２６の方向に吸引され
る。こうして回収容器２４内で磁性トナーの充分
な回収効果を得ることができる。これに対して、
従来の場合は、第４図ロに示したように、永久磁
石２５のＮ極さら出る磁力線は回収容器２４の上
面および下面の一部分だけを通過して永久磁石２
５のＳ極に向う。このため回収容器２４内には永
久磁石２５の近傍にだけ磁界が形成されることに
なり、フアーブラシ２２の近傍には磁界が及ばな
いのでフアーブラシ２２から遊離した磁性トナー
は磁力により永久磁石２５の方向に吸引されにく
くなり、充分な回収効果を得ることができない。

こうして回収容器２４内に回収した磁性トナー
がある程度収容されたとき、第５図イに示すよう
にハウジング２８の可動板２８ａを開いて回収容
器２４を永久磁石２５および磁性体２６とともに
ハウジング２８から抜き出し、第５図ロに示すよ
うに回収容器２４に蓋２９をかぶせた後永久磁石
２５と磁性体２６とを取りはずし回収容器２４ご
と廃棄すればよい。このようにすれば、回収容器
２４内に回収した磁性トナーは飛散することな
く、また手を汚すことなく不用になつた磁性トナ
ーを廃棄することができる。またこの磁性トナー
は廃棄することなく再利用することもできる。

次に本考案によるフアーブラシ式クリーニング
装置により回収容器内に回収される磁性トナーの
回収量データの一例を示す。

回収容器内に回収可能な最大回収量；200ｇ以
上 コピー1000枚当りの残留トナー量：６〜８ｇ メンテナンスサイクルを２万コピーとした時の
トナー回収量：120〜160ｇ このデータからわかるように、２万コピーをした
時のトナー回収量は最大回収量よりかなり少な
い。また装置のメンテナンスは２万コピーごとに
行なうことから、回収したトナーは２万コピーご
とのメンテナンス時期に廃棄すれば充分である。

第６図イ〜トは、本考案によるフアーブラシ式
クリーニング装置におけるトナー回収のための永
久磁石または磁性体の配置例とこのとき回収容器
内に形成される磁界の様子を示した他の実施例
で、いずれの実施例における永久磁石と磁性体の
配置でも回収容器２６内で充分広がりのある磁界
を形成することができるので、トナーの充分な回
収効果を得ることができる。

このように本実施例では、フアーブラシからマ
グネツト部材を離して設けたので、回収トナーの
蓄積容量を増すことが可能となり、かつマグネツ
ト部材にトナーが蓄積する心配がない、また回収
トナーを頻繁に除去する必要がなくなるととも
に、回収トナーによりフアーブラシが汚れるとい
うこともなくなる。また磁性体を回収容器の外側
に設けたので、フアーブラシの近くまで磁界が形
成され、トナーが充分に回収できる。

以上説明したように本考案は、像担持体上に残
留する磁性現像剤をフアーブラシを用いて除去
し、その後回収するクリーニング装置において、
現像剤回収容器を取外し可能とし、その回収容器
内でフアーブラシ近傍に及ぶ磁界を形成するよう
に現像剤回収容器の外側にその回収容器から取外
し可能な磁界形成部材を設けるようにしたもので
ある。このようにすることにより、フアーブラシ
の近傍に磁界が形成されるので、クリーニング装
置で飛散したトナーが充分に回収でき、さらにフ
アーブラシと磁界形成部材とが離れているので、
フアーブラシがトナーで汚れることがなくまた外
部に対するトナーの飛散も防止できるなどの効果
がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は静電記録装置の概略構成図、第２図は
従来のフアーブラシ式クリーニング装置の一実施
例を示す概略線図、第３図は本考案によるフアー
ブラシ式クリーニング装置の一実施例を示す概略
線図、第４図イおよびロは現像剤回収容器内に形
成される磁界の様子を比較して示す図、第５図イ
およびロは本考案による現像剤回収容器を取りは
ずす状態を示す図、第６図イ〜トは本考案による
現像剤回収容器の外周部に設ける磁界形成部材の
配置例と、現像剤回収容器内に形成される磁界の
様子を示す図である。 １……原稿台、２……照明ランプ、３，２０，
２１……回転ドラム、４……帯電極、５……現像
装置、６……転写電極、７……分離電極、８……
除電電極、９……クリーニング装置、１０……給
紙装置、１１，１２……搬送装置、１３……定着
装置、１４……排紙皿、１５……ケースハウジン
グ、１６……円筒状磁石、１７，２２……フアー
ブラシ、１８……非磁性吸着板、１９……板状マ
グネツト部材、２３……フリツカーバー、２４…
…回収容器、２５……永久磁石、２６……磁性
体、２７……トナーガイド板、２８……ハウジン
グ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 像担持体上に残留する磁性現像剤をフアーブ
   ラシを用いて除去し、回収するクリーニング装
   置において、前記フアーブラシから現像剤を遊
   離させる現像剤遊離手段と、前記フアーブラシ
   の少なくとも一部を囲むように配置され、且つ
   複写機から取外し可能な現像剤回収容器と、前
   記現像剤回収容器内にフアーブラシ近傍におよ
   ぶ磁界を形成するように前記現像剤回収容器の
   外側に設けられ該回収容器から取外し可能な磁
   界形成部材とを有することを特徴とする複写機
   における現像剤回収装置。 (2) 前記磁界形成部材が磁石であることを特徴と
   する実用新案登録請求の範囲第１項に記載の現
   像剤回収装置。 (3) 前記磁界形成部材が磁石と、該磁石が接触し
   て配置された磁性体とから成ることを特徴とす
   る実用新案登録請求の範囲第１項に記載の現像
   剤回収装置。