JPS6141100Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は磁性キヤリアとトナーを混合した２成
分現像剤を用いるトナー像転写形プリンターに係
り、特に複写機に好適である。

磁性キヤリアとトナーよりなる現像剤を使用す
る複写機は、現像剤の搬送に磁石が利用できるた
め従来のカスケード法などに比べ現像装置が小形
化できる外、キヤリアが近接電極の効果を兼ねる
ため、周辺効果の少ない高品位画像が得られるこ
となどで広く応用されている。

しかしながら本考案であれば現像時にトナーの
みが感光体へ静電吸着されて感光体静電潜像を顕
像化するのであるが、幾分かはキヤリアも飛散し
感光面へ吸着あるいは付着する。この現象は前記
現像剤のトナー濃度が低いとき顕著である。

一方複写工程は周知の如く帯電した感光体を光
像により露光して感光体上に潜像を形成した後、
現像装置により感光体上の潜像をトナー像に変
え、このトナー像を被転写体である紙に転写し複
写物を再生する。転写後の感光体は、除電後、感
光体上に残留するトナーを除去する清浄工程を経
て再使用される。

従つて感光体再使用のための清浄工程時、前述
のキヤリアが感光体上に存在するときキヤリアが
一般に鉄を主成分とした磁性体であるため、キヤ
リアに比較し硬度の低い感光体を傷付る結果とな
る。特に清浄作用をウレタンゴムなどの弾性体の
エツジで削り取るドクターブレード式クリーナの
ような動作で行うものにあつては、その損傷が大
きく、一般にこのクリーナ前部にはキヤリア捕獲
用のマグネツトが設置されている。

この捕獲されたキヤリアは次第にマグネツト表
面に堆積し遂には感光体を逆に損傷するに到るた
め、マグネツトよりキヤリアを除去するメカニズ
ム又は手で除去する必要があつた。

又、感光体へ転写紙を接せしめ、トナーと逆極
性の帯電器によりトナーを転写紙へ転写する際、
転写後、転写紙に残留する転写電荷により感光体
と転写紙が静電吸着するため、転写紙の感光体よ
りの分離が困難となり、いわゆる紙づまりの主原
因となつている。これを防止するため転写工程
後、交流コロナにより転写紙の除電を行ない前記
問題点を解決しようとする方法がとられている
が、除電効果が周囲条件（温度、湿度、紙質な
ど）により左右され、完全な紙離れができなかつ
た。

本考案の目的は、従来技術の問題点を解決する
ことにある。

本考案は転写後、紙分離工程個所にマグネツト
を配置し、感光体より転写紙上へ付着キヤリアを
吸着せしめるとともに、この吸引力で紙分離効果
を向上させることである。

本考案を実施例図面に基づいて説明する。

１はガラス等の透明材料でできた原稿台で図の
矢印の如く往復動できるよう構成され、図示しな
い原稿が載置される。２は光源である。３は原稿
台１上の図示しない原稿像をミラー４を介して、
感光ドラム６周上に結像するためのレンズであ
る。尚感光ドラム６は、ドラムシヤフト５に支持
され、原稿台の実線矢印で示す移動と同期して矢
印の方向に回転される。７は、感光体周上に均一
に電荷を付与するコロナ帯電器である。８は現像
装置で、磁性キヤリアとトナーよりなる現像剤に
よる磁気ブラシ８′を有し、該磁気ブラシは、前
記感光体とその穂先を接して配置されている。９
は給紙ユニツトで、転写紙１０を内蔵している。
１１ａ〜１１ｃはガイドローラーで転写紙１０を
搬送する。１２ａ及び１２ｂは、ガイド板で１２
ａにより転写紙１０を感光ドラム面に接するよう
方向づけ、１２ｂにより転写後の転写紙１０をガ
イドローラー１１ｃに向けて案内する。１３は転
写器でトナーと逆極性の高圧コロナにより、感光
ドラム６上のトナー像を転写紙１０に転写するも
のである。１４は転写後の転写紙１０に残留する
電荷（転写器で付与された）を除電するための紙
除電器で、一般に交流高圧コロナにより行われ
る。１４′は前記紙除電器の非磁性体によりなる
一端を逆Ｌ状に形成した部分で転写マグネツト１
５のホルダーを兼ねている。転写マグネツト１５
は棒状の永久磁石で前記ホルダー１４′と脱着可
能に取付られている。１６は、感光ドラム６上に
残留する電荷を除電する除電器である。１７は転
写しきれずに残留するトナーをドラム６上より除
去するためのドクターブレードで、ウレタンゴム
などの耐摩耗性を有する弾性体でトナー回収箱１
８に取付られている。トナー回収箱１８は、支持
ピン１９に回転可能に取付られ、ドクターブレー
ド１７の先端がドラムに均一に接するよう図示し
ないバネでドラム側に取付けられている。２０
は、残留トナー中に小量存在するキヤリアを取り
去るためのキヤリアゲツターである。

帯電器７により一様帯電された感光ドラム６は
ランプ２、レンズ３、ミラー４により原稿像がド
ラム上に投影され静電潜像が形成される。潜像は
現像器８の磁気ブラシ８′により現像される。次
いで給紙ユニツト９より給紙される転写紙１０が
ガイドローラー１１ａ，１１ｂおよび、ガイド板
１２ａにより案内され、１３の転写器により転写
紙１０の反ドラム面に、コロナ帯電されトナーを
転写紙１０へ吸着せしめ、ドラム６上のトナー像
は転写される。

この転写時の転写紙１０への電荷付与のため感
光ドラム６へ転写紙１０が静電吸着しているのを
解除するため、さらに転写紙反ドラム側より交流
コロナ帯電を紙除電器１４により印加する。この
除電により転写紙１０は感光ドラム６より分離す
る際転写マグネツト１５により小量存在するドラ
ム表面のトナー像中のキヤリアも同時に転写紙側
に転写される。

この場合、一般にトナー像中に存在するキヤリ
アは小量であるため、像の乱れは無視できる。

一方、このキヤリア転写は一般にドラムがアル
ミ筒状物にセレン化合物などのいずれも非磁性体
で構成されているため、転写紙１０にはドラム６
より分離する方向に吸引力が作用して紙分離効果
が高められる。キヤリアは転写紙１０上に付着し
たままガイド板１２ｂ及びガイドローラー１１ｃ
に案内され図示しない定着部に導かれる。従つ
て、マグネツト１５へのキヤリア付着はほとんど
なくマグネツト１５のクリーニングに対する保守
はほとんど不要となる。又、付着してもほとんど
ホルダー部１４′に吸着しており、ホルダー１
４′よりマグネツト１５を取り外すことによりホ
ルダー１４′上のキヤリアは吸着力が除去され容
易に清掃できる。

転写後のドラム６は除電器１６で残留する電荷
を放電し、転写残りのトナーはドクターブレード
１７により取り除かれ、トナー回収箱１８に回収
され、初期状態に再生されたドラム６は削述工程
をくり返し複写工程を続ける。

尚２０は転写マグネツト１５で除去できなかつ
たキヤリアを再獲捕し、ドクターブレード１７に
よる感光ドラム６のキヤリア損傷を防止する。

尚複写機で説明したが同様方式のプリンターに
あつても効果は同じである。

以上のように本考案によれば、 (1) 磁性キヤリアを紙分離工程で取るため、キヤ
リア捕獲マグネツトへのキヤリア堆積が著しく
少なくなり、メンテナンスフリーとなる。

(2) 転写後の紙分離が確実になり、紙トラブルが
なくなる。

などの効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案複写機の断面図である。 ６……感光ドラム、８……現像器、８′……磁
気ブラシ、１０……転写紙、１３……転写器、１
４……紙除電器、１４′……マグネツトホルダ
ー、１５……転写マグネツト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 磁性キヤリアとトナーよりなる現像剤を使用し
   て感光体表面に形成したトナー像を転写紙に転写
   する複写機に於いて、感光体表面に形成されたト
   ナー像中の磁性キヤリアを転写紙に吸着せしめる
   磁石を紙分離装置に含ませたことを特微とする複
   写機。