JPH0245880Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 技術分野 この考案は、電子写真複写装置において、感光
体表面に残留する未転写トナーを磁気ブラシによ
つて除去する磁気ブラシクリーニング装置に関す
る。

従来技術 一般に、電子写真複写装置は、帯電、露光によ
つて感光体表面に原稿画像に対応した静電潜像を
形成し、この静電潜像にトナーを付着させて顕像
化して、このトナー像を転写紙に転写し、定着処
理して原稿のコピーを形成する。

ところで、この場合、転写工程で感光体表面の
トナーをすべて転写紙に転移させることは困難で
あり、転写工程終了後の感光体表面には未転写の
トナーが残留し、この状態で次の複写工程を実行
すると、この残留トナーが新しく形成されるトナ
ー像と共に転写されるため、コピー品質で著しく
悪くなる。

そのため、一般に、転写工程終了後、クリーニ
ング装置によつて感光体表面に残留する未転写の
トナーを除去するようにしている。

このようなクリーニング装置として、例えば第
１図に示すような磁気ブラシを使用する磁気ブラ
シクリーニング装置がある。

この磁気ブラシクリーニング装置１は、矢示Ｐ
方向に回転する感光体ドラム２の周囲に除電チヤ
ージヤ３に続いて配置してあり、プリントスター
トと同時に動作を開始する。

そして、まず、筐体４の内部にクリーニングス
リーブ５から約３mmの間隔を置いて設けたドクタ
ブレード７と仕切板８と図示しない両側板とによ
つて形成されているキヤリアタンク９内に滞留し
たクリーニング剤である鉄粉等からなる導電性の
磁性体キヤリアＣが、図に仮想線矢印で示すよう
に、ドクタブレード７に規制されて適正量だけク
リーニングスリーブ５上に供給される。

このクリーニングスリーブ５の内部には４個の
マグネツト６を固定設置してあり、その磁界によ
つてキヤリアＣがクリーニングスリーブ５の周面
に磁気的にブラシ状に付着して磁気ブラシ１１が
形成される。

そして、この磁性体キヤリアは、クリーニング
スリーブ５の矢示Ｑ方向の回転によつて移動され
て感光体ドラム２の転写工程後の表面に接触し、
そこに残留する約20％のトナーを付着させて除去
する。

その後、このクリーニングスリーブ５上の磁性
体キヤリアは、マグネツト６による磁界が弱くな
つた位置に達すると、第１の汲上スリーブ１２内
に固定設置したマグネツト１３によつて吸引され
て第１の汲上スリーブ１２上に転移し、第１の汲
上スリーブ１２の矢示Ｓ方向の回転によつて上方
に移送される。

さらに、第１の汲上スリーブ１２上の磁性体キ
ヤリアは、マグネツト１３による磁界が弱くなつ
た位置に達すると、第２の汲上スリーブ１５内に
固定設置したマグネツト１６によつて吸引されて
第２の汲上スリーブ１５上に転移し、第２の汲上
スリーブ１５の矢示Ｔ方向の回転によつて移送さ
れる。

そして、第２の汲上スリーブ１５上の磁性体キ
ヤリアは、マグネツト１６による磁界が弱くなつ
たところで、第２の汲上スリーブ１５上から離れ
てガイド板１８に案内されて滑り落ち矢示Ｒ方向
に回動するトナー回収ローラ１９と２本のロツド
状対向電極２０，２０との間を通過してキヤリア
タンク９内に落下する。

このとき、トナー回収ローラ１９には、電源２
１によつてトナーの帯電極性と逆極性、すなわち
感光体ドラム２の帯電極性と同極性の電圧を印加
してあり、また対向電極２０，２０は図示のよう
に接地するか又はトナー回収ローラ１９に印加す
る電圧よりも小さい電圧を印加している。

それによつて、トナー回収ローラ１９と２本の
対向電極２０，２０との間に形成される電界内を
磁性体キヤリアが通過することにより、磁性体キ
ヤリアに付着しているトナーがトナー回収ローラ
１９の外周面に分離転移して付着するので、キヤ
リアタンク９には清浄な磁性体キヤリアＣのみが
供給される。

一方、トナー回収ローラ１９の外周面に付着し
たトナーは、ピツクオフブレード２２によつて剥
離されてトナー受皿２３内に落下し、スクリユー
コンベア２４で装着外に排出されて再使用され
る。

このように、従来の磁気ブラシ装置にあつて
は、磁性体キヤリアからトナーを分離するための
電界を発生させるために、トナー回収ローラ１９
の側方下部に、これに近接して対向電極２０を配
設し、このトナー回収ローラと対向電極との間を
トナーが付着した磁性体キヤリアが自動落下する
ようになつている。

そのため、トナー回収ローラと対向電極との間
に導電性の磁性体キヤリアが詰まり、この磁性体
キヤリアを介してトナー回収ローラと対向電極と
の間にクリークが発生し、クリーニング性能が低
下するという問題があつた。

目 的 この考案は、上記の問題点に鑑みてなされたも
のであり、上述のような磁気ブラシクリーニング
装置において、トナー回収ローラと対向電極との
間に磁性体キヤリアが詰まることを防止してクリ
ーニング性能を維持できるようにすることを目的
とする。

構成及び実施例 以下、この考案の構成を一実施例にもとづいて
説明する。

第２図は、この考案を実施した磁気ブラシクリ
ーニング装置の一例を示す概略構成図である。な
お、第１図と対応する部分には同一符号を付して
あり、その部分の説明は省略する。

この磁気ブラシクリーニング装置１０において
は、第２の汲上スリーブ１５からトナー回収ロー
ラ１９にトナーが付着したクリーニング剤であ
る。

磁性体キヤリアを案内するガイド板２８を、ア
ルミ等の導電性材料で接地している。

すなわち、このガイド板２８を、電源２１によ
つてトナーの帯電極性と逆極性（この例では正）
の電圧を印加されたトナー回収ローラ１９との間
に、磁性体キヤリアからトナーを分離させるため
に電界を発生させる対向電極として兼用してい
る。

したがつて、第１図の従来例に設けられている
２本のロツド状対向電極２０は不要になるので設
置していない。

また、この実施例ではガイド板２８とトナー回
収ローラ１９との間に、先端部をトナー回収ロー
ラ１９と磁性体キヤリアとが接触を開始する位置
付近に臨ませた絶縁材製の剤溢れ防止板２９を、
筐体４に固定して設けている。

その他の構成は、第１図に示した従来例と同様
である。

次に、このようにして構成した実施例の作用に
ついて説明する。

磁気ブラシクリーニング装置１０においては、
まず従来と同様に、プリントスタートによつて、
各スリーブの回転及びトナー回収ローラ１９への
電圧の印加が行なわれ、感光体ドラム２に残留し
たトナーを付着除去した磁性体キヤリアＣは、ク
リーニングスリーブ５から第１、第２の汲上スリ
ーブ１２，１５にて順次移送され、第２の汲上ス
リーブ１５のマグネツト１６の磁界が弱くなつた
ところで、第２の汲上スリーブ１５上から離れて
ガイド板２８に案内されてその上を滑り落ち、ト
ナー回収ローラ１９とガイド板２８との間を通過
して、キヤリアタンク９内に落下する。

このとき、トナー回収ローラ１９には、電源２
１によつて正電圧が印加され、ガイド板２８は接
地されているため、トナー回収ローラ１９とガイ
ド板２８との間に電界が発生しており、負に帯電
しているトナーが磁性体キヤリアから分離してト
ナー回収ローラ１９の外周面に吸着されるので、
キヤリアタンク８には清浄な磁性体キヤリアＣの
みが落下する。

この場合、磁性体キヤリアＣは、トナー回収ロ
ーラ１９とガイド板２８との間の下方にはその落
下を防げる障害物がないので、スムーズにキヤリ
アタンク９へ落下する。

このように、この磁気ブラシクリーニング装置
においては、磁性体キヤリアをトナー回収ローラ
に案内するガイド板を、トナー回収ローラとの間
で磁性体キヤリアに付着したトナーを分離するた
めの電界を発生させる対向電極に兼用したので、
磁性体キヤリアの落下経路中に対向電極を別に設
ける必要がなく、磁性体キヤリアの落下経路を開
放できる。

それによつて、磁性体キヤリアの流れがスムー
ズになり、トナー回収ローラと対向電極（ガイド
板）との間に磁性体キヤリアが詰つてリークが発
生することによりトナー回収能力が低下すること
がなく、安定してクリーニング性能を維持でき
る。

ところで、ガイド板２８上での磁性体キヤリア
の流れが悪くなると、落下する量よりも、第２の
汲上スリーブ１５から送られてくる量の方が多く
なつて、第３図に示すようにガイド板２８上にク
リーニング剤である磁性体キヤリアＣが滞留し、
それがトナー回収ローラ１９によつてトナーと共
に矢示Ｒ方向に搬送されてしまう恐れがある。

そのため、この実施例では剤溢れ防止板２９を
設けてあるので、第４図に示すように、磁性体キ
ヤリアＣはこの剤溢れ防止板２９とガイド板２８
との間に滞留し、トナー回収ローラ１９によつて
矢示Ｒ方向に搬送されることはない。

したがつて、装置内の磁性体キヤリアの絶対量
が減少することがなく、キヤリアを補給しなくて
もクリーニング性能を長期間維持できる。

しかし、ガイド板２８の傾斜角度やトナー回収
ローラ１９との間隔等を適当に選ぶことにより、
この剤溢れ防止板２９を省略することもできる。

効 果 以上説明してきたように、この考案によれば、
トナー回収ローラと対向電極との間に、磁性体キ
ヤリアが詰つてリークが発生するのを防止できる
ので、クリーニング性能を常に維持できる。

また、トナー回収ローラとの間に電界を発生さ
せるための対向電極として、このトナー回収ロー
ラにクリーニング剤を案内するガイド板を兼用す
るため、従来のようにロツド状対向電極を別に設
けるのに比べてコストを低減できる効果もある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、従来の磁気ブラシクリーニング装置
の一例を示す概略構成図、第２図は、この考案の
一実施例を示す概略構成図、第３図及び第４図
は、第２図の実施例における剤溢れ防止板の作用
説明に供する説明図である。 ２…感光体ドラム、３…除電チヤージヤ、１，
１０…磁気ブラシクリーニング装置、５…クリー
ニングスリーブ、７…ドクタブレード、９…キヤ
リアタンク、１１…磁気ブラシ、１２…第１の汲
上スリーブ、１５…第２の汲上スリーブ、１８，
２８…ガイド板、１９…トナー回収ローラ、２１
…電源、２２…ピツクオフブレード、２３…トナ
ー受皿、２９…剤溢れ防止板、Ｃ…磁性体キヤリ
ア（クリーニング剤）、Ｔ…トナー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 感光体表面に残留した未転写のトナーを付着さ
   せるクリーニング剤を、クリーニングスリーブか
   ら分離して循環させ、その循環経路中に前記クリ
   ーニング剤に付着したトナーを回収するトナー回
   収ローラを配置すると共に、前記トナー回収ロー
   ラに近接して、、該トナー回収ローラに前記クリ
   ーニング剤を案内するガイド板を設けた磁気ブラ
   シクリーニング装置において、前記トナー回収ロ
   ーラに前記トナーの帯電極性と逆極性の電圧を印
   加するとともに、前記ガイド板を接地するか又は
   前記トナー回収ローラに印加する電圧よりも小さ
   い電圧を印加して、前記トナー回収ローラと前記
   ガイド板との間に電界を発生させるようにしたこ
   とを特徴とする磁気ブラシクリーニング装置。