JPH0328295B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この発明は合成樹脂の射出成形、特に薄肉成形
品を型内にてスプル及び複数のゲートを一体に有
する枝状ランナと切断することのできる金型に関
する。

（従来の技術） 従来のピンポイントゲートタイプの３プレート
金型は、第４図に示すように、可動型１と固定型
２との間にランナプレート３とを有する。またラ
ンナプレート３はランナストリツパプレート４を
備え、その両方にはストツプピン５が挿通してあ
る。

上記可動型１にはキヤビテイ６と、ランナプレ
ート３と可動型１の開き量を制限するためのスト
ツプピン７を挿入する段付穴と、上記ストツプピ
ン５の逃げ穴が設けられている。

上記ランナプレート３は、キヤビテイ６に対向
して成形品の一面を形成する面と、その面に刻設
されゲート８に通じる反対面のランナの樹脂路９
と、上記ランナストリツパプレート４との開き量
を制限する上記ストツプピン５と、上記ストツプ
ピン７を挿入する２つの段付穴を向きを逆に設け
ると共に、ランナストリツパプレート４との間に
設けられ両者を常時押圧するスプリング１０を収
める凹穴を有する。

上記ランナストリツパプレート４は、ランナプ
レート側に上記スプリング１０の一端を収める凹
穴と、スプルブツシユ、ランナロツクピン１１が
貫通収納される穴を有し、上記固定型２とは固定
型２に挿入された先端をランナストリツパプレー
ト４にねじ着したストツプボルト１２で開き制限
される。

上記固定型２は、型締時ランナストリツパプレ
ート４を貫通して、樹脂路９に連通するスプル穴
を有するスプルブツシユ１３を突出固着すると共
に、同様に樹脂路９内に、先端アンダカツト部を
突出させた２本の上記ランナロツクピン１１が固
着してある。

更に固定型２は上記ストツプボルト１２が一定
ストローク内で進退する段付穴と、ストツプピン
５の逃げ穴を有する。

そして固定型２は成形機の固定盤１４に、また
可動型１は可動盤１５に取付けられ、可動盤１は
図示無き型締装置と固定盤１４とにわたり横架さ
れたタイバ１６によつてガイドされて、型締装置
により進退移動する型締ラム１７によつて開閉作
動する構造よりなる。

（発明が解決しようとする問題点） 上記従来の３プレート金型を用いて、型開き時
に型内にて成形品１８と枝状ランナ１９とを切断
する場合には、そこに採用されるゲートはピンゲ
ートとなるため、ゲート径の大きさは成形品の内
厚の８割以下に制限される。

したがつて、成形品の厚肉が薄くなるとゲート
径の大きさも小さく制限されて、樹脂が注入され
難くなる。例えば、肉厚が0.1mmの成形品では、
ゲート径は最大でも0.08mmとなり、キヤビテイへ
の樹脂の注入が困難となる。仮に可能であつたと
しても、そのような小さなゲートを金型に設ける
ことは頗る困難なことである。

また８割以上のゲート径では、第６図に示すよ
うに、ゲートカツト時に成形品１８がランンナ１
９と一体のゲート８ａに引張られて破断し、成形
品１８に穴２１が生ずる。

このような事情から、従来の３プレート金型を
薄物成形品の射出成形に利用することができず、
薄物成形品を多数個取りする場合には、２プレー
ト金型を用い、後加工により薄物成形品と枝状ス
プルとの離型を行つている。

（問題点を解決するための手段） この発明は上記事情により考えられたものであ
つて、その目的とするところは、薄肉成形品であ
つても成形品を損傷させることなく、３プレート
金型を用いて成形品と枝状ランナとを型内にて切
断することができる極めて生産能率に優つた新た
な薄物成形用金型を提供することにある。

上記目的によるこの発明の薄物成形用金型は、
可動型と固定型との間にランナプレートを有し、
ランナを離型したのち成形品を離型する型開構造
の３プレート金型において、樹脂路と接続したゲ
ートの片側面を平坦面に形成し、そのゲートの平
坦面側を上記可動型に設けられた薄物成形用キヤ
ビテイの側端面に、ゲート先端をキヤビテイより
も可動型内方へ突出させて直角に連設し、そのゲ
ートとキヤビテイとの連通部分の断面積をゲート
断面積より小さく形成してなることを特長とする
ものである。

（作用） 上記構成よりなる金型では、射出充填、冷却完
了後型開きすると、枝状ランナはランナロツクピ
ンによつて固定型側に保持され、成形品は可動型
とランナプレートに挟着されたまま移動せしめら
れる。

その際、ゲートと成形品の連通部分の断面積
を、ゲート断面積より小さく形成してあるため、
該連通部分に、型開きにより剪断力が発生して、
成形品と枝状ランナは切断される。

更にこの発明を第１図から第３図に示す実施例
により具体的に説明する。

（実施例） この実施例における３プレート金型は、可動型
３０に設けたキヤビテイ３１とゲート３２との部
分を除いて、他の構造は第４図に示す従来構造と
同一であるので、その詳細は省略して示す。

上記キヤビテイ３１は肉厚0.15mmの板体からな
る薄肉成形品３３を成形する深さからなり、その
キヤビテイ３１の両側端面に、上記ゲート３２が
交差連通させて設けてある。

このゲート３２は半径１mmの半円断面からな
り、0.3mmほど先端部をキヤビテイ３１より可動
型内方へ突出して、平坦面側をキヤビテイ３１に
連通させてある。またその連通部分の断面積は、
キヤビテイ３１の深さに関係なく、ゲート３２の
断面積よりも小さく形成されるが、キヤビテイ側
端面の断面積よりもゲート３２の断面積が著しく
大きいときには、図示のようにキヤビテイ側端面
が連通部分となる。

このゲート３２の後端は、ランナプレート３４
とランナストリツパプレート３５との間のランナ
の樹脂路３６と連通している。

上記構造の金型では、従来構造の場合と同様に
型開が生ずる。

まずランナプレート３４と、ランナストリツパ
プレート３５の間に、常時押圧されているスプリ
ング（第４図参照）の作用により、ランナプレー
ト３４とランナストリツパプレート３５の間が開
く。その際、枝状ランナ３７はランナロツクピン
３８のアンダカツトによりランナストリツパプレ
ート側に残され、薄肉成形品３３は可動型３０と
ランナプレート３４に挟着されたまま左方に移動
されるので、薄肉成形品品３３とゲート３２ａの
接続部に剪断力が発生し、それにより薄肉成形品
３３と枝状ランナ３７は第３図に示すように切断
される。

（発明の効果） この発明は上述のように、樹脂路３６と接続し
たゲート３２の片側面を平坦面に形成し、そのゲ
ートの平坦面側を上記可動型３０に設けられた薄
物成形用キヤビテイ３１の側端面に、ゲート先端
を該キヤビテイよりも可動型内方へ突出させて直
角に連設し、そのゲート３１とキヤビテイ３１と
の連通部分の断面積を、ゲート断面積よりも小さ
く形成したことから、型開時に枝状ランナの一部
であるゲートを、引張応力により途中で切れるこ
となく切断できる。しかも、ゲート先端がキヤビ
テイ位置より内方に設けられているため、剪断力
がより有効に作用し、切断面の荒れが少ない。

またキヤビテイ３１と、ゲート３２の平坦面側
とに連通部分の断面積も、従来のピンポイントゲ
ートより大きくできることから、薄肉成形品であ
つても充分な樹脂路を確保でき、成形性を向上さ
せるばかりか、成形品表面にゲート痕が残らず、
成形品質が向上する等著効を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明に係る薄物成形用金型の型閉
時における要部縦断面図、第２図は型開時の要部
縦断面図、第３図は成形品とゲートとの切断状態
とを示す斜視図、第４図は型締装置に取付けた状
態における従来の３プレート金型の断面図、第５
図は型開時の部分断面図、第６図は従来の成形品
とゲートとの切断状態を示す斜視図である。 ３０……可動型、３１……キヤビテイ、３２…
…ゲート、３３……薄肉成形品、３４……ランナ
プレート、３５……ランナストリツパプレート、
３６……ランナの樹脂路、３７……枝状ランナ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 可動型と固定型との間にランナプレートを有
   し、ランナを離型したのち成形品を離型する型開
   構造の３プレート金型において、樹脂路と接続し
   たゲートの片側面の平坦面に形成し、そのゲート
   の平坦面側を上記可動型に設けられた薄物成形用
   キヤビテイの側端面に、ゲート先端を該キヤビテ
   イよりも可動型内方へ突出させて直角に連設し、
   そのゲートとキヤビテイとの連通部分の断面積を
   ゲート断面積より小さく形成してなることを特徴
   とする薄肉成形用金型。