JPH032806B2 - - Google Patents

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JPH032806B2
JPH032806B2 JP25416084A JP25416084A JPH032806B2 JP H032806 B2 JPH032806 B2 JP H032806B2 JP 25416084 A JP25416084 A JP 25416084A JP 25416084 A JP25416084 A JP 25416084A JP H032806 B2 JPH032806 B2 JP H032806B2
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JP
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carbon
mixture
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sio
powder
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JP25416084A
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Toshihiko Funabashi
Ryoji Uchimura
Masao Oguchi
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JFE Steel Corp
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Kawasaki Steel Corp
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、ジルコン粉末から高純度の未安定化
ジルコニア(酸化ジルコニウム:ZrO2)粉末を
製造する方法に関し、この明細書で述べる技術内
容は、ジルコン粉末と炭素含有物とを混合し、減
圧脱珪熱処理を施すことにより、ジルコン粉末中
のシリカ成分を気相中に揮散除去して高純度の未
安定化ジルコニア粉末を製造する方法に関するも
のである。 かかるジルコニア(ZrO2)は高融点(2700℃
以上)を有する酸化物で、各種耐火材料として汎
用されている。さらに、近年では固体電解質とし
て酸素センサーや研磨材、電子セラミツクス用等
の分野における原料としての用途が拡大しつつあ
る。 (従来技術) 一般的なジルコニア製造技術として現在知られ
ている主なものには、炭素脱珪アーク炉溶融
法、アルカリ溶融法がある。 上記の製造法は、ジルコンサンドに炭素、
CaOなどの安定化剤、および鉄くずを添加してア
ーク炉中のSiO2分を気相中へ揮散させ、あるい
は鉄と反応させてフエロシリコンとすることによ
りZrO2成分と分離し、同時にCaOなどの安定化
剤をZrO2に固溶させて安定化ジルコニアを得る
方法である。この方法は、安価なジルコニアが得
られ、大規模な製造には向いているが、高純度の
ジルコニア粉末を得ることができないという問題
点があつた。さらに、アーク炉中で溶融させるた
めに相当の高温を必要として時間がかかり、ま
た、得られたジルコニアブロツクを粉砕するため
にもエネルギーが必要となり、省エネルギーの観
点からも問題が残つていた。 上記の製造法は、ジルコンサンドとアルカリ
を溶融反応させてジルコン中のSiO2分をアルカ
リけい酸塩として洗浄除去し、一方ZrO2成分は
ジルコン酸ソーダとした後、酸処理などのプロセ
スを経て、オキシ塩化ジルコニア(ZrOCl2)に
する。そしてこのオキシ塩化ジルコニウムは水に
可溶であるから、PH調整を行つて水酸化ジルコニ
ウムとし、熱処理してジルコニアを得る方法であ
る。この方法は、上記の製造法と比べて純度99
%以上の高純度のジルコニアが得られるが、欠点
は製造プロセスが複雑であるために生産性が悪
く、コストが非常に高くつくことである。 その他のジルコニア製造技術としては、特開昭
58−15021号公報として開示されたものがある。
この技術は、ジルコンサンドと炭素粉末を混合し
て造粒し、さらに該粒状物の周囲に炭素粒状物を
付着させて非酸化性雰囲気中で加熱することによ
り、SiO2分を気相中に出すと同時に炭素粒状物
と反応させてジルコニアとSiCを同時に製造する
という技術に関するものである。しかし、このジ
ルコニアを製造する既知技術も、ZrO2中にSiO2
成分がかなり残留したり、SiCがZrO2中に混入し
たりするおそれがあり、また、反応させるのに高
温度、長時間を必要とし、純度、生産性の面で問
題点があつた。 (発明が解決しようとする問題点) 本発明の目的は、ジルコニア粉末から未安定化
ジルコニアを製造する方法に関しての従来技術の
もつ上述のような問題点、すなわち高純度の未安
定化ジルコニアが安価にかつ効率良く製造できな
いという問題点を解決することにある。 本発明者らの研究によると、ジルコンからのジ
ルコニアの製造に関する従来の炭素脱珪法につい
て鋭意検討を行つた結果、ジルコンの脱珪時にい
かに効率良くシリカ成分からのSiO蒸気を除去す
るかが製造上非常に重要であることを見出し、そ
のために本発明者らは先に特願昭59−65130号
(特開昭60−210530号)あるいは特願昭59−95756
号(特公平2−5688号)として提案したように、
減圧下で炭素脱珪するという新規技術に想到し
た。減圧下で炭素脱珪すれば、従来の炭素脱珪法
よりも低温、短時間の熱処理で効率良くジルコニ
アが製造できるが、製造条件によつてはSiO2
残留し、高純度なジルコニア粉末が得られないこ
ともあつた。 (問題点を解決するための手段) そこで本発明者らは、常に高純度なジルコニア
を安定的に製造する方法について研究した。 ジルコン粉末と炭素含有物の混合物を減圧下で
熱処理して脱珪し、ジルコニアを製造する場合に
おいては、得られるジルコニアの純度に及ぼす製
造上の主な因子として、ジルコン粉末と炭素含有
物の配合割合、圧力、熱処理温度あるいは熱処理
時間等が挙げられる。こうした因子に関して本発
明者らは種々検討を加えたところ、高純度なジル
コン粉末を安定的に製造するためには、ジルコン
粉末と炭素含有物の配合に関してそれらの配合割
合ばかりでなく、混合方法についても特別な配慮
が必要であることを見出した。 そこで本発明は、上記課題解決のために、ジル
コン粉末中のSiO2と炭素含有物中のCとのモル
比(C/SiO2)が0.4〜2.0の範囲内となるような
配合割合にかかるジルコン粉末と炭素含有物との
配合物を調製し、この配合物を前記炭素含有物に
溶剤を加えるか加熱することにより、炭素含有物
の少なくとも一部が流動化した状態の混合物ある
いはその混合物の成形体を得、かかる混合物もし
くはその成形体を0.6気圧以下の減圧下において
1300〜2000℃の温度範囲で熱処理し、さらに必要
に応じて前記処理の後に酸化処理を行うことを主
たる構成要素にする高純度の未安定化ジルコニア
の製造方法を提案する。 (作用) ジルコン粉末と炭素含有物とを混合し、高温で
熱処理した場合、下記(1)式により、脱珪反応が進
行する。 ZrO2・SiO2(s)+C(s) →ZrO2(s)+SiO(g)+CO(g) (1) SiO2(s)+C(s)→SiO(g)+CO(g) (2) (1)式の反応を1気圧下で継続して進行させるた
めに必要な熱力学的な温度条件を(2)式の反応から
計算すると1750℃以上という高温度となる。とこ
ろが、上記したような減圧脱珪法を採用すれば、
(1)式の反応を進行させるために必要な熱力学的な
温度の下限は、1気圧下のとき1750℃であるのに
対して、同じく(2)式から計算して0.1気圧下では
1640℃、0.01気圧下では1540℃、0.001気圧下で
は1450℃となり、圧力を1桁下げれば、脱珪に必
要な熱処理温度の下限は100℃前後低下すること
がわかる。このことから炭素により還元脱珪を減
圧下で行えば、低温度、短時間の熱処理により、
ジルコン粉末からジルコニアが効率良く製造でき
ることがわかる。 本発明方法で使用するジルコン粉末は、ジルコ
ンサンドを粉砕したものでよく、ただ(1)式の反応
を速やかに進行させるためには細かい方が望まし
い。また、高純度のジルコニアを得るためには
ZrO2とSiO2以外の不純物成分はなるべく少ない
方が良い。 本発明においてジルコン粉末と炭素含有物との
配合割合および混合の方法につき、上記課題解決
手段のように限定した根拠は、以下に述べる実験
結果に基づくものである。 実験 ZrO2+SiO2が99.5wt%の平均粒径1.5μmのジ
ルコン粉末に、第1表に示す種々の炭素含有物を
表中に示す混合方法で混合し、その混合物を
0.001気圧以下の減圧下1600℃で2時間減圧脱珪
熱処理を行つた。さらに脱珪熱処理後800℃で2
時間大気中で酸化処理を行い、得られたジルコニ
ア中のSiO2残留量を定量分析した。その結果を
第1表に示す。
【表】 上記表から明らかなように、No.1の石油コーク
スのように微細な炭素含有物を使用すれば、
SiO2残留量は比較的少なくなるが、石炭ピツチ、
ポリビニルアルコール、ポリエチレンのように粗
い炭素含有物の場合ジルコン粉末と均一に混合さ
れず、SiO2残留量が多く、脱珪が不十分である。
このような場合、本発明のように、混合物に炭素
含有物の溶剤を用いるか、あるいは炭素含有物が
ジルコン粉末と均一に混合するように、熱を加え
ると、さらには第1表No.8に示すように熱と溶剤
を同時に加えるかして炭素含有物の少なくとも一
部を流動化状態にして混合するのが極めて有効で
ある。この場合は第1表中のNo.3、4、6、8、
に示すようにいずれもSiO2分析値が0.5wt%以下
となつている。 実験 ZrO2+SiO2が99.5wt%の平均粒径1.5μmのジ
ルコン粉末に第2表に示すC/SiO2(モル比)と
なるように固定炭素70%、50〜200μmの石炭ピ
ツチ粉末を配合し、150℃の加熱下で混合し、そ
の混合物を0.001気圧以下の減圧下1600℃で2時
間減圧脱珪熱処理を行つた。脱珪熱処理後、粉末
入線回析によりなつた結晶相の固定を行い、さら
に800℃で2時間大気中で酸化処理を行つて得ら
れたジルコニア中のSiO2残留量を定量分析した。
その結果を第2表に示す。
【表】
【表】 上述したように本発明にあつては、ジルコン粉
末中のシリカと炭素含有物中の炭素とのモル比
(C/SiO2)が0.4〜2.0となるようにジルコン粉
末と炭素含有物とを配合するが、この範囲内に限
定される理由は、次のとおりである。すなわち、
第2表から明らかなように、ジルコンと炭素含有
物との比(モル比C/SiO2)が0.4より小さいと
ジルコンを完全に脱珪するのに炭素が不足して脱
珪処理後もジルコンが残留し、逆にC/SiO2(モ
ル比)が2より大きいと、ジルコン中のSiO2
還元してSiO蒸気として除去するのに十分な炭素
量ではあるが、炭素が多いために還元性となり過
ぎ、ZrSi、Zr5Si3といつたジルコニウムの金属け
い化物が生成し、Si残留量が増加し、最終的に得
られるZrO2中のSiO2量が増加するので良くない。
従つて、ジルコニアの純度を良好に保つために
は、ジルコン中のシリカと炭素含有物なかの炭素
量をC/SiO2(モル比)で表して0.4〜2.0の範囲
内に限定する必要がある。本発明において用いら
れる炭素含有物中の炭素とは1000℃以下で揮発す
る成分を除いた高温で脱珪反応に関与する炭素で
ある。 例えば炭素含有物として、石炭コークス、石油
コークスよりも石油ピツチ、あるいは、ポリエチ
レンのような熱可塑性樹脂、ポリビニルアルコー
ルのような水溶性樹脂といつた熱または溶剤を加
えることによつて流動化する方が、ジルコン粉末
との均一な混合が達成されて脱珪が容易となり、
得られるジルコニアも高純度となる。 要するに本発明は、ジルコン粉末と炭素含有物
に対して、さらに、上記の炭素含有物の溶剤を加
えるか熱を付加して、炭素含有物を流動化状態に
して混合を行う。このようになる理由は、ジルコ
ンの脱珪反応を十分に進行させるためには、とり
わけジルコン粉末と炭素含有物とを均一な混合状
態にすることが必須条件だからである。なお、本
発明におけるジルコン粉末と炭素含有物の混合
は、乳鉢のような手動混合、あるいはニーダータ
イプの機械混合でもよい。 次に本発明においては、ジルコン粉末と炭素含
有物の混合粉末のままで減圧脱珪のための熱処理
を施しても、あるいはそれら混合粉末を予め所定
の大きさに成形したペレツト状の成形体にして熱
処理しても効果に差は生じない。上記減圧脱珪の
ための熱処理温度は1300〜2000℃の範囲内とす
る。この温度範囲に限定する理由は、1300℃より
も低いと真空度を上げて長時間減圧熱処理を行つ
ても、完全には脱珪できずにジルコンが残留し、
逆に2000℃よりも高いと、エネルギーコストがか
かりすぎて経済的に合わないからである。なお、
反応効率、熱処理コスト等を綜合的に考えると
1400〜1800℃の範囲が好適熱処理温度である。 次に本発明においてはジルコン粉末と炭素含有
物の混合物、あるいはその成形体を0.6気圧以下
で脱珪熱処理を施すが、0.6気圧以下に限定する
理由は0.6気圧よりも圧力が大きいとSiO蒸気を効
果的に除去できず、得られたジルコニア中に
SiO2が残留して高純度のジルコニア粉末が得ら
れないからである。 また、本発明の実施の際に用いられる減圧雰囲
気としては、炭素含有物の酸化による焼損を避け
るために、N2、Ar、COなどの非酸化性ガス雰囲
気が好適である。 本発明では、減圧熱処理によつて生成する結晶
はほとんどがZrO2で、ジルコンと炭素の混合割
合によつては第2表に示すように一部ZrO、ZrC
などが生成する。そうした場合、脱珪のための熱
処理後において酸化処理を行いZrO、ZrO2にし
て、さらに、高純度化が達成される。 本発明においては、ジルコン中のシリカを完全
に脱珪させるために、ジルコン中のシリカに相当
するモル比よりも炭素量が若干過剰になるように
炭素含有物を配合する場合もある。そうした場
合、脱珪の熱処理条件によつては、ZrO、ZrCさ
らにはこれらの固溶体が生成する。要するに本発
明における酸化処理とは、ZrOやZrCを酸化して
ZrO2にするために行う処理である。同時に熱処
理後残留している炭素があれば、それも酸化して
気相中に揮散させて除去する。酸化処理時の温度
は、600〜900℃の範囲が適当である。 (実施例) ZrO2とSiO2の合計含有量が99.6%の平均粒径
が1.5μmのジルコン粉末と第3表に示す各種の炭
素含有物とから同じく第3表に示すようなジルコ
ン粉末中のシリカと炭素含有物の炭素のモル比
(C/SiO2)と混合方法によつて調製した混合物
を得、この混合物を20mmφ×20mmの成形体にし
て、1700℃2時間0.01気圧の熱処理条件で減圧脱
珪処理を行い、熱処理後、ZrO2純度の分析を行
つた。さらに、900℃の大気中で酸化処理を行い、
ZrO2純度、SiO2残留量の分析を行つた。分析結
果を同じく第3表に示す。
【表】 この第3表のZrO2、SiO2の分析結果から明ら
かなように、ジルコン粉末と炭素含有物とを混合
する際に炭素含有物の溶剤を加えるか、あるいは
加熱して混合することにより、使用した炭素含有
物が粗くてもSiO2残留量の低い高純度なジルコ
ニア粉末が得られていることが最終的には酸化処
理して98.5%以上の高純度なジルコニア粉末が得
られている。 (発明の効果) 以上述べたように本発明によれば、安価で高純
度な未安定化状態のジルコニア粉末が確実に効率
良く製造できる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 ジルコン粉末と炭素含有物の混合物を加熱処
    理することにより脱珪してジルコニアを製造する
    際に ジルコン粉末中のSiO2と炭素含有物中のCと
    のモル比(C/SiO2)が0.4〜2.0の範囲内となる
    ような配合割合にかかるジルコン粉末と炭素含有
    物との配合物を調製し、この配合物を前記炭素含
    有物に溶剤を加えるか加熱することにより、炭素
    含有物の少なくとも一部が流動化した状態の混合
    物あるいはその混合物の成形体を得、かかる混合
    物もしくはその成形体を0.6気圧以下の減圧下に
    おいて1300〜2000℃の温度範囲で熱処理すること
    を特徴とする高純度ジルコニア粉末の製造方法。 2 ジルコン粉末と炭素含有物の混合物を加熱処
    理することにより脱珪してジルコニアを製造する
    際に、 ジルコン粉末中のSiO2と炭素含有物中のCと
    のモル比(C/SiO2)が0.4〜2.0の範囲内となる
    ような配合割合にかかるジルコン粉末と炭素含有
    物との配合物を調製し、この配合物を前記炭素含
    有物に溶剤を加えるか加熱することにより、炭素
    含有物の少なくとも一部が流動化した状態の混合
    物あるいはその混合物の成形体を得、かかる混合
    物もしくはその成形体を0.6気圧以下の減圧下に
    おいて1300〜2000℃の温度範囲で熱処理し、引き
    続いて酸化処理を施すことを特徴とする高純度ジ
    ルコニア粉末の製造方法。
JP59254160A 1984-04-03 1984-12-03 高純度ジルコニア粉末の製造方法 Granted JPS61132517A (ja)

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