JPH0327456B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この発明は、例えば熱処理炉や自動組立機等に
ワークを一定の姿勢で供給するワーク整列供給装
置に関する。

［従来の技術］ ワークを自動的に処理する、例えば自動組立機
や熱処理炉等にあつては、ワークの姿勢を全て同
一にして処理することが、処理能率や工程管理上
望ましい。そのため、例えばランダムな姿勢のワ
ークを視覚認識し、そのワークの姿勢に応じて把
持して所定の位置に移動して、予め設定された姿
勢に制御して供給するものや、高周波振動を与
え、所定の方向に搬送しつつ、予め設定された姿
勢のもののみ所定位置に供給するボウルフイーダ
と称されるもの等々があり、ワークの大小、形
状、数量等に応じて種々使い分けられていた。

その一つに、ホツパと押上げ手段を利用して、
所定の姿勢のもののみベルトコンベア等の搬送手
段上に載置し、後工程に送る第５図に示すような
供給装置がある。

すなわち、このワーク整列供給装置は、例えば
円柱状のワーク１０がランダムに投入されて貯蔵
するホツパ１と、ホツパ１の傾斜方向下部の導出
部１ａに位置するワークの押上げ手段２と、ホツ
パ１の導出部１ａ側において同ホツパ１の側壁の
一部を構成するように配置された仕切板３と、こ
の仕切板３を隔ててホツパ１のワーク貯蔵部４と
隣接し、ワーク載置面が仕切板３の上端面３ａと
ほぼ一致するベルトコンベア５ａを備えたワーク
搬送手段５とから主に構成されている。

ホツパ１には、ワーク１０がその重力により一
定の方向（図において下方向）に移動し、導出部
１ａ側に位置するように傾斜面１ｂが設けられて
おり、上記導出部１ａの開口部には、押上げ手段
２の押上げ板２ａが位置している。押上げ板２ａ
は、最下降時には、その上端面７ａが傾斜面１ｂ
の下端もしくはそれよりも下方に位置するように
なつている。この場合、押上げ板２ａの上端面７
ａは上記ホツパ１の傾斜面１ｂと平行をなす傾斜
面となつている。また、押上げ板２ａは、その下
方に配置されているエアシリンダ６ａのロツド８
ａに連結されており、このロツド８ａを介して上
下方向に駆動される。仕切板３は、鉛直方向に押
上げ板２ａと平行に設けられ、ベルトコンベア５
ａを有するワーク搬送手段５と上記ワーク貯蔵部
４との間を隔離している。この仕切板３において
もその上端面３ａには押上げ板２ａの上端面７ａ
と同様な傾斜角がつけられている。

ワーク搬送手段５は、ワーク１０を所定の姿勢
の状態で第６図に示すような熱処理炉９に供給す
る場合に、図示しない振分け装置を有し、この振
分け装置によりワーク１０を図示矢印Ａ方向に押
して、ワーク１０をベルトコンベア５ａ上から操
作部の載置台１１上に載置する。載置台１１上に
ワーク１０が載置されると、エアシリンダ１２が
作動して、ロツド１２ａを図示矢印Ｂ方向に移動
させる。これによりワーク１０は、ロツド１２ａ
先端の押圧部材１２ｂにより矢印Ｃ方向に押さ
れ、載置台１１の先端部に取付けられているフオ
ーク状の載置桟１１ａ上に移動する。この状態か
ら、エアシリンダ１３を作動させて、載置台１１
を矢印Ｄ方向に移動させ、載置桟１１ａを熱処理
炉９中に挿入し、炉内の回転台１４上にワーク１
０を載置する。載置後、エアシリンダ１３が逆方
向に作動し、載置台１１も元の位置に復帰して上
述の動作が繰り返される。

このような熱処理炉９を用いた場合、炉内の回
転台１４上におけるワーク１０の配置が処理効率
や処理条件に差異をもたらす。したがつて、効率
よく、かつ、処理条件を一定にするためには、例
えば回転台１４の半径方向にワーク１０の長軸を
一致させて整然と載置することが望ましい。

このため、上記のような例のものでは、ベルト
コンベア５ａによつて搬送されるときに、すでに
予め設定された姿勢になつていることが要求され
る。

［発明が解決しようとする問題点］ ところで、上記のような供給装置にあつては、
例えば円柱状のワーク１０をベルトコンベア５ａ
上に載置する際に、ワーク１０が横に寝かされた
状態で押上げ板２の上端面７ａに支持されている
場合には、該上端面７ａが仕切板３の上端面３ａ
より高くなると仕切板３側へ転動するが、第７図
ａ，ｂに示すように、ワーク１０の切断端面が押
上げ板２ａの上端面７ａに支持された直立状態で
は、押上げ板２ａにより矢印Ｅ方向に押し上げら
れ、その上端面７ａが仕切板３の上端面３ａより
実質的に高い位置に達しても、ワーク１０が仕切
板３（ベルトコンベア５ａ）側に転動しない場合
が生じる。この現象は、ワーク１０の重心Ｇが押
上げ板２ａの板厚の範囲内の鉛直上方に位置し、
かつ、摩擦角が該上端面７ａの傾斜によるすべり
角よりも大きい場合に特に顕著で、摩擦力がすべ
り力に勝つてワーク１０は該上端面７ａに乗つた
まま、押上げ板２ａが降下してもそのままの状態
を維持することになる。換言すると、ワーク１０
は押上げ板２ａ上端面７ａに乗つたまま上下運動
するだけで、ワーク貯蔵部４に落下して入れ換わ
るということもなく、撹拌性が低下してワークの
供給効率が落ちるという結果を招いていた。

この発明は、上記従来技術の問題点に鑑みてな
されたもので、その目的は、所定の姿勢でワーク
搬送手段にワークを供給できない場合には、すべ
からく他のワークと入れ換換えて、所定の姿勢で
ワークをワーク搬送手段に供給できる効率の良い
ワーク整列供給装置を提供することにある。

［問題点を解決するための手段］ 従来技術が抱える問題点を解決し、上記目的を
達成するため、この発明は、多数のワークを貯蔵
するホツパと、該ホツパの導出部側に同ホツパの
側壁の一部を構成するように配置される仕切板
と、該仕切板の反ホツパ側に隣接されたベルトコ
ンベア等からなる搬送手段と、上記ホツパの導出
部において上記仕切板に沿つて上下動し上記ホツ
パ内のワークを所定の姿勢で上記搬送手段に向け
て押し上げる押上げ手段とを備えてなるワーク整
列供給装置において、上記押上げ手段は、上記仕
切板に対して平行に配列された複数の押上げ板を
有し、上記ワークの押し上げ時には、上記各押上
げ板を同時に上昇させ、下降時には、上記仕切板
に対して距離の離れているものから下降させるよ
うにしている。

［作 用］ これによれば、直立状態で押上げられた搬送手
段に対して供給されないワークは、押上げ手段の
下降動作時にその上端面上でバランスを失ない、
ホツパのワーク貯蔵部側に落下する。これによ
り、押上げ手段の再上昇動作時には、異なつたワ
ーク、あるいは落下したワークであつても異つた
姿勢で再度押し上げることができる。したがつ
て、同一のワークが単に昇降動作することはな
く、常にワークを搬送手段に対して一定の姿勢で
供給することが可能になる。

［実施例］ 以下、この発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。

第１図ないし第４図は、この発明の実施例に係
るワーク整列供給装置を説明するためのもので、
第１図はワーク整列供給装置の第２図におけるＭ
−Ｍ線断面図、第２図は同ワーク整列供給装置の
概略平面図、第３図および第４図は動作説明図で
ある。なお、以下の説明において、前記従来例と
同一もしくは同一とみなせる構成要素には同一の
符号を付してある。

第１図、第２図において、ホツパ１は従来例と
同様に、ワーク導出側に下り勾配がつけられた傾
斜面１ｂを有し、この傾斜面１ｂ上にワーク貯蔵
部４が形成されている。傾斜面１ｂの下端の導出
部１ａには、仕切板３に対して平行に上下動する
例えば１対の押上げ板２２ａ，２３ａが配設され
ているとともに、この実施例においては、仕切板
３の反ワーク貯蔵部４側にも仕切板３に対して平
行に上下動する例えば１対の押上げ板２４ａ，２
５ａが配置されている。各押上げ板２２ａ，２３
ａ，２４ａ，２５ａの下方には、ロツド２２ｂ，
２３ｂ，２４ｂ，２５ｂを介してエアシリンダ２
２ｃ，２３ｃ，２４ｃ，２５ｃがそれぞれ連結さ
れている。すなわち、この例では１対の押上げ板
２２ａ，２３ａにより第１の押上げ手段２２が構
成され、同じく１対の押上げ板２４ａ，２５ａに
より第２の押上げ手段２４が構成されており、し
かもこれらの各押上げ手段２２，２４は高さ方向
に沿つて２段に配置されている。

ワーク搬送手段５は、互いに平行に配設された
ベルトコンベア５ａ，５ｂと第２図に示すように
ベルト搬送方向と直交する方向にシリンダが駆動
される振分け装置１５とを備えている。このワー
ク搬送手段５のワーク貯蔵部４側に位置する側板
５ｃは、押上げ板２４ａ，２５ａに対して、押上
げ板２２ａ，２３ａに対する仕切板３と同様の機
能を備え、この実施例では上記のように第１およ
び第２の押上げ手段２２，２４が高さ方向に沿つ
て２段に配置されていることから、押上げ板２４
ａ，２５ａの最下降位置における上端面２４ｄ，
２５ｄは仕切板３の上端面３ａとほぼ同一の高さ
位置にあり、押上げ板２４ａ，２５ａの最上昇位
置における上端面２４ｄ，２５ｄの高さは、側板
５ｃの高さとほぼ一致する。この場合において、
各押上げ板の上端面２２ｄ，２３ｄ，２４ｄおよ
び２５ｄと好ましくは仕切板３および側板５ｃの
各上端面には、上記した従来例同様、搬送手段５
側に向けて下り勾配となる傾斜面に形成されてい
る。その他、特に説明しない各部は、前記従来例
と同様、あるいは同等に構成されているので、そ
れに関する説明は省略する。

次に、上記のように構成されたワーク整列供給
装置の動作について説明する。

概略的には、第１図において導出部１ａまで導
びかれたＰ位置にあるワーク１０は押上げ板２２
ａ，２３ａにより仕切板３の上方に押し上げら
れ、円柱形のワーク１０の円周面が押上げ板２２
ａ，２３ａの上面２２ｄ，２３ｄにおいて仕切板
３と平行に載置されたもののみ、第４図ａ，ｂの
矢印Ｉ，Ｊ方向にころがり移動して、仕切板３の
上記押上げ板２２ａ，２３ａと反対側に位置する
押上げ板２４ａ，２５ａの上端面２４ｄ，２５ｄ
上に載置される。すなわち、前記Ｐ位置からＱ位
置まで押し上げられる。そして、Ｑ位置から、押
上げ板２４ａ，２５ａによりさらに押し上げら
れ、側板５ｃの上端面５ｄをのり超えてＲ位置に
至り、第１のベルトコンベア５ａ上に載置され
る。

上記過程で、押上げ板２２ａ，２３ａ（２４ａ，
２５ａも同様）は、第３図ａ，ｂに示すように押
し上げ時には両者ともエアシリンダ２２ｃ，２３
ｃの動作により同時に第４図ｂに示した位置まで
上昇し、下降時には、第３図ｃに示すように仕切
板３から離れた側すなわちホツパ１側の押上げ板
２３ａが先に下降する。このため、第４図ａ，ｂ
に示したように、ワーク１０の円周面が押上げ板
２２ａ，２３ａの上端面２２ｄ，２３ｄ上に載置
され、かつ仕切板３に対して平行な一定の姿勢の
ときのみ矢印Ｉ，Ｊ方向へのワーク１０の移動は
可能になるが、第３図ａに示したようにワーク１
０の切断端面が押上げ板２２ａ，２３ａの上端面
２２ｄ，２３ｄに乗つている場合には、第３図ｃ
および第４図ａに示すようにバランスを失つて矢
印Ｋ，Ｌ方向に落下することになる。

したがつて、所定の姿勢で押し上げられないも
のは、落下してホツパ１のワーク貯蔵部４に戻さ
れ、他のものと撹拌されるので、押上げ板２２
ａ，２３ａが下降すると、再度他のワーク１０を
上端面２２ｄ，２３ｄ上に載置して、上記動作を
間断なくおこなうことができる。

押上げ板２４ａ，２５ａも上記と同様の動作を
おこなうが、前記押上げ板２２ａ，２３ａと動作
を関連づけられており、押上げ板２２ａ，２３ａ
が第３図ｂおよび第４図ｂ位置まで上昇した後、
押し上げ動作をおこなうように設定されている。
このことと、押上げ板２２ａ，２３ａ，２４ａ，
２５ａが幅方向に比較的大きな寸法をとつてある
ことから、ベルトコンベア５ａ，５ｂによつて搬
送される間に、押上げ板２４ａ，２５ａによつて
押し上げられたワーク１０が、第１のベルトコン
ベア５ａ上のＲ位置にあるワーク１０を押して第
２のベルトコンベア５ｂ上のＳ位置に移動させ、
２段に形成されたベルトコンベア５ａ，５ｂ上を
それぞれ一定の姿勢で後工程に搬送することがで
きる。これにより、ワーク１０を効率よく整列せ
しめて供給することが可能となる。そして、搬送
されたワーク１０は、ベルトコンベア５ａ，５ｂ
の搬送方向下流側に設けられた上記の振分け装置
１５により、所定の位置で振り分けられる。

なお、上記実施例にあつては、押上げ板２２
ａ，２３ａ（２４ａ，２５ａ）を２枚、すなわち、
対に形成した例について説明しているが、ワーク
１０の形状によつては、さらに多数枚の押上げ板
すなわち押上げ手段を設け、押上げ手段の動作を
制御することにより一定の姿勢を設定して供給・
搬送することも可能である。すなわち、円柱状の
ワークについて言えば、大径のものから小径のも
のまで対応することができる。また、上記実施例
では押上げ手段２２，２４を高さ方向に沿つて２
段に配置しているが、ワーク等との関係にもよる
が１段もしくは３段以上の配置としてもよい。ベ
ルトコンベアについても同様に、上記実施例の２
列に限定されるものではない。

［発明の効果］ これまでの説明で明らかなように、少くとも１
対の押上げ板を組み合せてなるこの発明によれ
ば、それら各押上げ板の昇降動作を制御すること
により、所定の姿勢で押し上げることができなか
つたワークをホツパ内に落下させることができる
ので、ワークの撹拌性を向上させ、間断なく整列
供給動作をおこなわせることが可能となり、ワー
クの供給効率の向上を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第４図はこの発明の実施例を説明
するためのもので、第１図は同実施例に係るワー
ク整列供給装置の第２図におけるＭ−Ｍ線断面
図、第２図はワーク整列供給装置の概略平面図、
第３図ａ，ｂ，ｃおよび第４図ａ，ｂはそれぞれ
同装置の押上げ手段の動作説明図、第５図ないし
第７図は従来例を説明するためのもので、第５図
は従来例に係るワーク整列供給装置の概略断面
図、第６図は同装置の使用例を示す説明図、第７
図ａ，ｂは同装置の押上げ手段の動作説明図であ
る。 図中、１はホツパ、１ａは導出部、３は仕切
板、５はワーク搬送手段、５ｃは側板、１０はワ
ーク、２２，２４は押上げ手段、２２ａ，２３
ａ，２４ａ，２５ａは押上げ板である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 多数のワークを貯蔵するホツパと、該ホツパ
   の導出部側に同ホツパの側壁の一部を構成するよ
   うに配置される仕切板と、該仕切板の反ホツパ側
   に隣接されたベルトコンベア等からなる搬送手段
   と、上記ホツパの導出部において上記仕切板に沿
   つて上下動し上記ホツパ内のワークを所定の姿勢
   で上記搬送手段に向けて押し上げる押上げ手段と
   を備えてなるワーク整列供給装置において、 上記押上げ手段は、上記仕切板に対して平行に
   配列された複数の押上げ板を有し、上記ワークの
   押し上げ時には、上記各押上げ板を同時に上昇さ
   せ、下降時には、上記仕切板に対して距離の離れ
   ているものから下降するようにしたことを特徴と
   するワーク整列供給装置。 ２ 上記各押上げ板の上端面には、上記搬送手段
   側に向けて下がり勾配となる傾斜が付けられてい
   ることを特徴とする特許請求の範囲第１項に記載
   のワーク整列供給装置。