JPH0327233B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は遠心脱水機の脱水篭、衣類乾燥機の回
転ドラム等といつた回転機器の被回転体を回転駆
動する駆動装置に関するもので、詳しくは、被回
転体に回転を与える駆動部を軸方向空隙誘導モー
タにて構成し、前記軸方向空隙誘導モータのロー
タ上面に浮動状態にて配配したブレーキライニン
グによつて、確実に制動を行なわせるものであ
る。

以下、本発明を二槽式洗濯機に実施した場合の
実施例を添付図面を参照して説明する。図におい
て、１は二槽式洗濯機の筐体、２は脱水槽、３は
脱水槽２内に脱水回転自在に配した脱水篭、４は
一端を脱水篭３の底部に連結した脱水軸、５はベ
ローズ、６はシール部材、７は軸受部である。

Ｍは軸方向空隙誘導モータで、ステータ８、ロ
ータ９およびモータ軸１０を備える。ステータ８
は鉄心８ａ、コイル８ｂ等を、例えば不燃性熱硬
化型ポリエステル等の樹脂材料でモールド一体化
して構成する。

ロータ９はロータ鉄心９ａをアルミニウム地金
第２種（D1V；通称シルミンという。）でダイカ
ストモールドし、かつデイスク状に形成したもの
であつて、その回転中心となるボス部には、一例
としてキー溝９ｂ加工が施され、モータ軸１０に
施したキー１０ａとの係合にて軸方向には摺動自
在に、かつ回転方向には常時係着状態で連結する
ように構成してある。

１１，１２はステータ８に設けたモータ軸受
で、モータ軸１０を回転自在に軸支する。１３は
モータ軸１０の上端と前記脱水軸４の他端とを連
結するためのカツプリング、１４は駆動部を弾性
的に支持する複数個のサスペンシヨンである。

１５は平板状でかつリング状をなしたブレーキ
ライニングであり、その摺動面はロータ９の外
面、即ち、ロータ９上面と相対して位置しかつ、
このブレーキライニング１５はロータ９と固定板
１６との間に浮動状態にて組込まれている。

１６ａは固定板１６の周縁部に形成した複数個
の空気孔で、ロータ９の回転時に、ロータ９の外
周に一体に形成したフイン９ｃによつて生じた風
がこの空気孔１６ａを通つて圧送され、この際の
空気の流動によつて、ステータ８、ロータ９が冷
却される。

１７はばねで、モータ軸受１１およびこれに当
接したスペーサ１８を介してステータ８とロータ
９との間に介在してあり、常時ロータ９をステー
タ８から引離す方向に押圧付勢し、この付勢力に
よつて上記したロータ９の上面とブレーキライニ
ング１５と固定板１６との三者のサンドイツチ状
の当接がなされる。この状態は第３図に示した通
りである。そして、上記ステータ８側に通電され
ると、その界磁力によつてロータ９はステータ８
側に軸方向にて吸引移動し回転する。すなわち、
ロータ９の上面にブレーキライニング１５があ
り、ブレーキライニング１５と固定１６との間に
はすき間が生じている。

１９はサスペンシヨン取付ねじで、固定板１
６、ステータ８およびサスペンシヨン１４の三者
を、サスペンシヨン１４支持用の支え具２０に対
し、ブレーキライニング１５上面と、固定板１６
とのすき間調整用のバネ座金２１を介して螺着固
定している。

２２は脱水蓋であり、脱水篭３の上方開口を開
閉自在としており、駆動部への通電状態におい
て、この脱水蓋２２を開くことにより、蓋スイツ
チ（図示せず）が開路して軸方向空隙誘導モータ
Ｍへの通電がオフされる。この時、ロータ９はば
ね１７の力によつて、モータ軸１０の長さ方向に
てステータ８から離れる方向に移動し、ロータ９
上面のブレーキライニング１５が固定板１６に当
接し、回転中の脱水篭３には制動がかかりその回
転が停止する。

又、逆に上記軸方向空〓誘導モータＭに通電さ
れた時には、ロータ９は、ステータ８の鉄心８ａ
コイル８ｂ等により設定された磁界力により、そ
のロータ鉄心９ａが吸引され、これと同時に、ロ
ータ９は下方に下がるので、同時にブレーキライ
ニング１５が固定板から離れて制動が解除され、
脱水篭３の回転による脱水運転が開始されること
になる。

２３はモータ軸受１２に外方からの水滴又はほ
こり等が入いらない様に内部にグリースを塗布し
たフエルト等を収容して防塵したキヤツプであ
る。２４はモータ軸１０の下端に設けたフアン
で、ステータ８の下方に位置し、その回転によつ
てステータ８を冷却する。

２５は洗濯槽で、内底部には誘導モータ２６に
よつて回転し洗濯物を撹拌するパルセータ２７を
有する。２８は水道蛇口に接続した給水ホース、
２９，３０は洗濯槽２５内および脱水槽２内への
給水経路で、特に給水経路３０は脱水篭３内の洗
濯物に給水し、その後脱水回転させ、これを制動
させるというサイクルをくり返す、いわゆる、ス
ピンリンスを行なわせるためのものである。

以上のように本発明によれば、軸方向空隙誘導
モータによつて被回転体を回動させる構成におい
て、ロータ上面側にブレーキライニングを浮動状
態にて位置させることにより、ブレーキライニン
グを固定しない、きわめてシンプルで容易な制動
機構を備えることができ、組立時及びメンテナン
ス時において手間のかからない構造を提供でき
る。しかも、制動時には、ブレーキライニングの
両面が制動に寄与することが可能で、制動性能の
向上を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例における二槽式洗濯機
の縦断面図、第２図はその駆動部を示す上面図、
第３図は同半断面状態の側面図、第４図はそのブ
レーキライニングを示し、同図Ａはその平面図、
同図Ｂは断面図である。 ３…脱水篭（被回転体）、Ｍ…軸方向空隙誘導
モータ、８…ステータ、９…ロータ、１５…ブレ
ーキライニング、１７…ばね。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 被回転体を回転させる駆動部を軸方向空隙誘
   導モータにて構成し、この誘導モータは、ステー
   タと、このステータに設けた軸受によつて回転自
   在に軸支されたモータ軸と、このモータ軸に対し
   軸方向に摺動自在で回転方向には連結されたロー
   タとを備え、前記ステータとロータとの間にばね
   を配設し、上記誘導モータへの非通電時に、前記
   ばねの付勢力によつて軸方向に前記ロータが移動
   するように構成し、前記ロータの移動により、前
   記ロータ上面に浮動状態に組込まれたブレーキラ
   イニングが制動状態に移行するように構成した回
   転機器の駆動装置。