JPH0327179Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は機械式駐車装置の安全装置に関するも
のである。

〔従来技術〕

従来より機械式駐車装置における事故として最
もよく起るものに自動車のドアが完全に閉まり切
つていない状態で駐車装置を運転したがために、
運転中にドアが開放して駐車装置内部の機器と接
触を起す、いわゆる半ドアによる事故がある。

この事故の対策としては、第２図に示すよう
に、ケージ床１の側面に半ドア事故防止レバー２
ａと従レバー２ｂ，２ｃとで平行四辺形状に構成
された半ドア事故防止レバー装置２を回動自在に
設け、たとえ自動車のドアが半ドアであつても、
運転中の衝撃によりドアがケージ１の床幅から食
み出して接触破損事故を引き起こさないように工
夫したものがよく使用されている。

そして最近、例えば第３図に示すような地下に
自動車を格納する上部乗入れ式の垂直循環機械式
駐車装置においては、第４図に示すように、出入
口３に位置するケージ１（この場合はケージ床そ
のものになる）の両側に予め昇降自在に設けられ
た電動式の側歩道４の側端に、ローラ５を新たに
回動自在に備え、この側歩道４の昇降動作を利用
して、ローラ５により直接半ドア事故防止レバー
装置２を動作させ、半ドア事故防止レバー装置２
のみを駆動する特別な駆動装置を必要としない安
全装置を構成するようになつてきている。

即ち、ケージ１が最上部の出入口３の位置まで
駆動されて停止すると、第３図及び第４図におい
て簡単のため左側の側歩道の動きのみを説明すれ
ば滑車６が電動機７により時計方向に回転し、ロ
ープ８を介して側歩道４を下降させる。この側歩
道４はローラ４ａ，４ｂを備え、このローラ４
ａ，４ｂがガイドレール９に案内されて下降する
が、側端に設けられたローラ５が半ドア事故防止
レバー装置２の半ドア事故防止レバー２ａに係合
してもさらに下降運動を続けるため、半ドア事故
防止レバー２ａはローラ５に係合された状態で側
歩道４に連動して下降する。したがつて第２図で
示す従レバー２ｂ，２ｃは復帰バネ２ｄのバネ圧
に抗して第２図の時計方向に回転し二点鎖線で示
す水平状態に順次移行する。そして、側歩道４が
ケージ１の真横に位置したとき電動機７が停止す
るため、側歩道４と連動して半ドア事故防止レバ
ー２ａは下降位置（不作用位置）で停止し、運転
車が自動車の扉を開閉して自由に側歩道４上に乗
り降りし、自動車の搬出入ができる。一方、ケー
ジ１を出入口３の位置から循環駆動させる場合に
は、ケージの循環駆動が始まる前に電動機７が逆
転して側歩道４をガイドレール９に沿つて上昇さ
せると、この上昇運動につれて、従レバー２ｃが
復帰バネ２ｄにより屈曲部を中心に第２図に示す
反時計方向に回転し、半ドア事故防止レバー２ａ
を作用位置まで上昇させて自動車のドアの開閉を
不能にするものである。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかし、このような装置では、例えば自動車の
ドアが全開の状態のままであつたり、あるいは最
近の自動車に多く見られるドアミラー部分がケー
ジから食み出ていたりしている場合には、側歩道
４自体を動かすことができず、又万一不注意によ
り側歩道４を昇降させると、側歩道４と自動車の
ドアあるいは側歩道４とドアミラーなど、要する
に側歩道４とケージ１から食み出ている物体とが
衝突して大きな事故を引き起す恐れがあつた。

本考案は上記の点に鑑みなされたもので側歩道
の昇降をきわめて安全に行える安全装置を提供す
ることを目的とする。

〔問題を解決するための手段〕

本考案は、自動車を格納するケージの側方をガ
イドレールにそつて電動で昇降する側歩道を備え
た機械式駐車装置において、側歩道にはケージ側
端部に非接触の障害物検出装置を設け、該障害物
検出装置が側歩道の移動経路に障害物を検出した
とき、側歩道の昇降動作を停止させる指令を発す
るものである。

〔作 用〕

上述の如く構成すれば、側歩道の移動経路上の
障害物に側歩道が衝突するようなことがなくな
る。

〔実施例〕

以下、本考案による安全装置の一実施例につい
て図面を用いて説明する。

第１図は本考案による安全装置を備えた側歩道
の一例を示す斜視図、第５図はこの安全装置の動
作説明図であり、図中第２図乃至第４図と同一符
号のものは同一のものを示すが、１０はたとえば
側歩道４のケージ１側、かつ出入口３側上端に設
けられた投光器、１１はたとえば側歩道４のケー
ジ１側、かつ反出入口３側上端に設けられた受光
器で、通常投光器１０から発せられた光は受光器
１１に受光されている。

このような構成であれば、万一ケージ１に格納
された自動車１２のドア１２ａあるいはドアミラ
ー１２ｂが第５図に示すようにケージ１の側面か
ら食み出ている状態のまま駐車装置の運転に先だ
ち側歩道４を上昇させても、上昇途中で投光器１
０の光線１０ａが自動車１２のドア１２ａあるい
はドアミラー１２ｂに遮られ、側歩道４の上昇経
路に何らかの障害物が存在することが予めわかる
ことになる。尚、この投光器１０と受光器１１の
取付ける高さ位置は、投光器１０の光線１０ａが
遮られて側歩道４をすぐに停止させたとき側歩道
４が障害物に衝突しないだけの距離よりも高くす
る必要があるが、上昇開始前の光線１０ａと側歩
道４の間に存在する障害物は検出できないので、
光電装置はできるだけ側歩道４の上面に近い位置
に設けた方がよい。

以上の説明では、側歩道が上昇する場合のみ安
全がはかれる装置について述べたが、この光電装
置を側歩道の下面に設ければ、側歩道が下降する
場合にも安全がはかれることは容易に理解でき
る。

又、以上の説明では、従来の半ドア事故防止装
置をケージに設けていない場合について述べた
が、この従来の半ドア事故防止装置を本考案装置
と併用して、側歩道の下面には光電装置を設けな
いように構成することもできる。これは、この半
ドア事故防止装置が存在すれば側歩道が下降する
際に側歩道が自動車のドア等に接触する恐れが極
めて低くなるからである。

〔考案の効果〕

以上述べたように本考案は、側歩道のケージに
対向する側に非接触の障害物検出装置を設けたた
め、自動車のドアに限らず、あらゆる障害物を事
前に検出して事故を予防できるものである。

この障害物検出装置は光電装置の他に超音波に
よるものであつてもよく実施例に限定されない。

要するに側歩道の全長にわたつて非接触で障害
物を検出できるものであれば何でもよい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による安全装置を備えた側歩道
の一例を示す斜視図、第２図は半ドア事故防止レ
バー装置の構成を示す図、第３図は上部乗入れの
垂直循環式駐車装置の一例を示す正面図、第４図
は従来の側歩道とケージの半ドア事故防止レバー
との係合状態を示す拡大図、第５図は本考案によ
る安全装置の動作を説明する説明図である。 １…ケージ、４…側歩道、９…ガイドレール、
１０…投光器、１０ａ…光線、１１…受光器、１
２…自動車。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 自動車を格納するケージの側方をガイドレー
   ルにそつて電動で昇降する側歩道を備えた機械
   式駐車装置において、 前記側歩道には前記ケージ側端部に非接触の
   障害物検出装置を設け、該障害物検出装置が前
   記側歩道の移動経路に障害物を検出したとき、
   前記側歩道の昇降動作を停止させる指令を発す
   ることを特徴とする機械式駐車装置の安全装
   置。 (2) 前記障害物検出装置は投光器及び受光器から
   なる光電装置であることを特徴とする実用新案
   登録請求の範囲第１項記載の機械式駐車装置の
   安全装置。 (3) 前記障害物検出装置は前記側歩道の上面に設
   けたことを特徴とする実用新案登録請求の範囲
   第１項記載の機械式駐車装置の安全装置。 (4) 前記障害物検出装置は前記側歩道の下面に設
   けたことを特徴とする実用新案登録請求の範囲
   第１項記載の機械式駐車装置の安全装置。