JP2005509581A - 昇降路アクセス検知システム - Google Patents

Abstract

偶数階のドア位置監視用の安全チェーンと、奇数階のドア位置監視用の安全チェーンと、ピットドア位置監視用の安全チェーンと、の３つの安全チェーンを備え、かつ、ピットドアや乗り場ドアの開放を検知したときに、エレベータを別の階にゆっくり移動させ、続いて、開いたピットドアや乗り場ドアを閉じることを特徴とする、改良昇降路アクセス検知システムに関する。

Description

本発明は、エレベータの安全性を向上する方法とその装置に関し、より具体的には、エレベータ昇降路内への侵入検知に関する。

メカニックや保守員や立入許可のない者のような人々は、エレベータかごの突然の予想外の動きによって怪我をする場合がある。立入許可された者が昇降路内に立ち入ったときに安全手順に従うことや立入許可のない者が立ち入ったときにかごが動かないことが確保されるように、昇降路ドアやエレベータドアの状況が常に監視される。

各乗り場ドアやかごドアが閉じているかを判定できるようにこれらのドアに設けられたスイッチを監視することが従来からよく知られている。各ドアの上記スイッチは、安全チェーンを構成するように通常直列に接続される。上記ドアの１つでも開いていれば、かごの高速移動は抑制される。上記ドアが閉じて安全チェーンが構成されると、かごは通常運転の再開を許可される。

しかしながら、従来技術には、乗客がかごに乗り込みもしくはかごから出られるようにエレベータドアとこれに対応する乗り場ドアとが開くと、上記安全チェーンが切断されてしまうという問題がある。第２の開いた乗り場ドアは検知不可能となる。これにより、かごが通常運転になるまで止まっている間に、何者かが昇降路の底部にあるピット領域に入り込んだり、かごの上部に乗り込んでしまうおそれがある。一旦、全ての上記ドアが閉じると、エレベータは通常運転を再開するため、かご上やピットにいる人に怪我をさせてしまうことになる。

従って、昇降路内に立入った許可のない者の存在を検知する方法や装置の改良が要求されている。

本発明の目的は、昇降路内にいる立入許可のない者の存在を検知する方法やその装置を改良することを含む。

本発明によれば、第１の安全チェーンは、偶数階の乗り場に設けられたドアセンサから構成される。第２の安全チェーンは、奇数階の乗り場に設けられたドアセンサから構成され、第３の安全チェーンは、昇降路の底部にアクセスを可能とするピットドアに設けられたドアセンサから構成される。また、幾つかのエレベータの据え付けにおいては、最下階の乗り場ドアがピットへのアクセスを可能とする。

上記の第１、第２および第３の安全チェーンは、エレベータコントローラに設けられたソフトウェアやロジックによって監視される。エレベータかごおよび安全チェーンの状況に応じて、上記コントローラは上記かごを通常運転にさせておくか、もしくは、上記かごを停止させ、上記かごを最も近い階に案内する。上記かごは、上記コントローラがリセット信号を受信するまで、その場に停止し続ける。

乗り場ドアがいずれも開いていなければ、昇降路への立入りはあり得ない。従って、上記コントローラは、３つの安全チェーンの状況の監視し、通常運転を許可し続ける。

第１のシナリオでは、上記コントローラは、上記かごが通常運転で動いているか、および、乗り場ドアが開いているか、を判定する。両方の条件が満足すれば、上記コントローラは上記かごを止める。上記ロジックは、次に、ピットドアが開いているか、もしくは、かご上部より上の乗り場ドアが開いているか、の判定に進む。いずれか一方の条件が満足すれば、上記かごが停止し、上記ドアが閉まった後に、低速度で乗り場に進み、乗客が出られるように停止する。上記かごは、リセット信号を受信しかつ開いていたピットドアや乗り場ドアが閉まるまで、その場に停止し続ける。上記かごはその後、通常運転を再開する。

上記かごが所定の乗り場に停止しかつこれに対応した乗り場ドアが開いた条件の第２のシナリオでは、ピットドアの開放もしくは上記かごより上の階のドアの開放を検知したときに、上記かごは停止を続ける。上記エレベータは、リセット信号を検知したときに通常運転に戻ることを許される。

本発明によれば、昇降路検知システム１０は、ピット乗り場ドア１２と昇降路１６の各乗り場に対応付けられた一連の乗り場ドア１４を含む。ドアセンサ２０が、上記ピットドア１２の開閉を判定するように上記ピットドア１２に対応付けられている。ドアセンサ１８が、各対応付けられた乗り場ドア１４の開閉を監視する。各センサ１８，２０は、３つの安全チェーン２８，３０，３２のうちの１つに直列に接続されている。第１の安全チェーン２８は、偶数階つまりＰｉｔ＋２，Ｐｉｔ＋４、用のセンサ１８を含む。第２の安全チェーン３０は、奇数階つまりＰｉｔ＋１〜Ｐｉｔ＋５、用のセンサ１８を含み、第３の安全チェーン３２は、ピットドアセンサ２０を含む。

２つの乗り場ドア１４が開いてしまう大半の理由は、かご２４の上部や昇降路１６の底部にあるピット１７にアクセスしようとすることにある。図示のピット１７は、ピットアクセス専用のドア１２を備える。しかしながら、このピット領域とは、単に、昇降路の底部のことをいい、最下階の乗り場から梯子をつたってアクセス可能であってもよいし、もしくは、単に最下階の乗り場越しにアクセス可能であってもよい。従って、もしエレベータ２４が偶数階に停止している場合に、かご２４の上部にアクセスしようとする人は、一つの上の階つまり奇数階のドアを開くだろう。上記偶数階と上記奇数階を２つの別々のチェーンで接続することにより、ロジック１００は立入許可なくかご２４の上部にアクセスをしようとする者を検知することが可能となる。立入許可のないピット１７へのアクセスもほぼ同様な方法で検知され得る。ピット用に別個の安全チェーン３２を備え、開いた乗り場ドア１４と同時に開いたピットドア１２を検知することによって、許可のない立入りが検出される。

コントローラ２２は、図２に示すようなロジック機能を実行して各安全チェーン２８，３０，３２を監視する。この監視サブルーチン１００は、ステップ１０２から開始し、コントローラは、第１の安全チェーン２８、第２の安全チェーン３０、第３の安全チェーン３２を経由した乗り場センサ１８とピットセンサ２０とからの信号と、昇降路１６内のエレベータかご２４の動きと、を監視する。

ステップ１０４では、上記ロジックは、いずれかの乗り場ドア１４、もしくは、ピットドア１２が開いているかどうかを判定する。ドア１４，１２のいずれかが開くと、第１の安全チェーン２８、第２の安全チェーン３０、第３の安全チェーン３２のいずれかが遮断される。いずれのドアも開いてなければ、誰も昇降路に立入ることができず、上記ロジックは上記ステップ１０２に戻る。第１の安全チェーン２８、第２の安全チェーン３０、第３の安全チェーン３２のいずれかが遮断されていたら、乗り場ドア１４もしくはピットドア１２が開いていることを示し、上記ロジックはステップ１０６に進む。この実施例では、ドアＰｉｔ＋２が開いており第１の安全チェーン２８が遮断していると仮定する。ステップ１０６では、上記ロジックはエレベータ２４が動いているかどうかを判定する。かご２４が動いていれば、何者かが昇降路１６に許可なくアクセスしようとしている可能性がある。従って、上記ロジックは、エレベータかご２４がこれ以上動かないように停止させるステップ１０８に進む。

次に、上記ロジックは、第３の安全チェーン３２の遮断状態によりピットドア１２が開いているかどうかを判定するステップ１１０に進む。上記ピットドア１２が開いていれば、上記ロジックはステップ１１２に進み、コントローラ２２は、乗客がエレベータ２４から出られるように低速度でかご２４を別の乗り場に案内する。上記かご２４は、外部スイッチ２６からリセット信号３４が上記コントローラ２２によって受信されるまで、上記乗り場に停止する。

ピットドア１２が開いていなければ、上記ロジックは、その他の安全チェーン（この実施例では、第２の安全チェーン３０）が開いていないかどうかを判定するステップ１１４に進む。上記第２の安全チェーン３０が遮断していれば、上記ロジックはステップ１１２に進み、上記エレベータかご２４は、乗客がこのエレベータかご２４から出られるように低速度で別の乗り場に案内される。第２の安全チェーン３０も第３の安全チェーン３２も遮断していなければ、上記かご２４は停止状態を続け、上記ロジックは上記プロセスを繰り返すためにステップ１０２に戻る。一旦上記ドアが閉じると、上記エレベータは通常の運転に戻る。

何者かがエレベータかご２４の上部にもしくはピット１７に許可なくアクセスしようとする第２のシナリオがある。この場合、上記ロジックは、ステップ１０４において、乗り場ドア１４が開いているかどうかをまず判定し、そして、エレベータかご２４が所定の乗り場１４で停止しているかどうか判定するステップ１０６に進む。これらの２つの条件が満足すれば、上記ロジックは第３の安全チェーン３２が開いているかどうかを判定するステップ１１０に進む。上記第３の安全チェーン３２が開いている場合は、ピットドア１２が開いていることを示し、そして、上記ロジックはステップ１１２に進む。上記エレベータは、コントローラ２２が外部スイッチ２６を介してリセット信号３４を受信するまで、上記停止位置にとどまる。上記リセット信号３４は、上記コントローラ上のスイッチ、ピットスイッチ、もしくは、その他の適切な信号により生ずる。

上記第３の安全チェーン３２が遮断していなければ、上記ロジックは、かごより上のドアが開いているかどうかを検知するステップ１１４に進む。上記かごが奇数階に停止していると仮定すると、上記ロジックは第１の安全チェーン２８が遮断しているかどうかを判定する。この実施例では、これは偶数階の一つが開いていることを示す。偶数階のドア１４が開いていれば、上記ロジックはステップ１１２に進む。上記かご２４は、外部リセット信号３４が受信されるまで上記乗り場に停止し続ける。第３の安全チェーン３２に対応付けられたピットドア１２もしくは第１の安全チェーン２８に対応付けられた乗り場ドア１４のいずれも開いていなければ、上記ロジックはステップ１０２に戻り、上記プロセスを繰り返す。

上述の説明は、例示的なものであって、制限を付するものでない。上述の教示に照らし、本発明に対し多くの改良や変更が成し得よう。本発明の好適な態様が開示されたが、当業者であれば、所定の改良が本発明の範囲内に入ることを認識し得よう。従って、本発明は、特段の記載がなければ、添付の特許請求の範囲内において定められる。よって、添付の特許請求の範囲は、本発明の実質的な範囲と内容を定めるにあたり検討されるべきものである。

好適な態様による本発明の概略図。 本発明の監視ロジックを示す高位のフロー図。

Claims (10)

1. 第１の乗り場ドアが開いているかどうかを判定する段階と、
   エレベータかごが動いているかどうかを判定する段階と、
   上記かごより上にもしくは上記かごより下に位置した第２の乗り場ドアが開いているかどうかを判定する段階と、
   上記第１の乗り場ドアが開いており、かつ、上記かごが動いており、かつ、上記第２の乗り場ドアが開いていることを判定したときに、上記エレベータかごの動きを制限する昇降路検知モードを実行する段階と、
   を含むエレベータ昇降路への侵入検知方法。
2. 上記昇降路検知モードは、上記かごの動きを止める前に上記かご内の乗客を脱出させるために乗り場に上記かごを移動させる段階をさらに含むことを特徴とする、請求項１に記載のエレベータ昇降路への侵入検知方法。
3. リセット命令を受け取ると通常の運転を再開する段階をさらに含む、請求項１に記載のエレベータ昇降路への侵入検知方法。
4. 上記第１の乗り場ドアが開いており、かつ、上記かごが動いていることを判定したときに、上記かごの動きを抑制する段階をさらに含む、請求項１に記載のエレベータ昇降路への侵入検知方法。
5. 乗り場ドアが開いているかどうかを判定する段階と、
   エレベータかごが動いているかどうかを判定する段階と、
   ピットアクセス用ドアが開いているかどうかを判定する段階と、
   上記乗り場ドアが開いており、かつ、上記かごが動いておらず、かつ、上記ピットアクセス用ドアが開いていることを判定したときに、エレベータコントローラがかごの動きを禁止する昇降路検知モードを実行する段階と、
   を含むエレベータ昇降路のピットへの侵入検知方法。
6. 上記昇降路検知モードは、上記かご内の乗客を脱出させるために別の乗り場ドアに上記かごを移動させる段階をさらに含むことを特徴とする、請求項５に記載のエレベータ昇降路のピットへの侵入検知方法。
7. リセット命令を受け取ると通常の運転を再開する段階をさらに含む、請求項５に記載のエレベータ昇降路のピットへの侵入検知方法。
8. 昇降路が、複数の乗り場ドアと、各乗り場に設けられかつ上記乗り場ドアの位置を監視するドアセンサと、上記昇降路の底部に位置しかつアクセスを可能にするピットドアを備えたピットと、を含み、かつ、上記ピットドアの位置はピットドアセンサによって監視され、かつ、上記昇降路がその内部でエレベータかごが移動するように適合した昇降路における、昇降路検知システムであって、
   電気的に直列に接続された第１のセットの乗り場ドアセンサを含んだ第１の安全チェーンと、
   電気的に直列に接続された第２のセットの乗り場ドアセンサを含んだ第２の安全チェーンと、
   上記第１・第２の安全チェーンを監視し、かつ、上記昇降路内の上記エレベータかごの動きを制御するコントローラと、
   を備え、かつ、
   上記コントローラは、上記エレベータかごが動いておらず、かつ、上記第１・第２の安全チェーンが開いていることを判定したときに、上記エレベータを所定の乗り場に移動・停止させることを特徴とする、昇降路検知システム。
9. 上記コントローラはエレベータかごを低速度で移動させることを特徴とする、請求項８に記載の昇降路検知システム。
10. 上記ピットドアセンサを含んだ第３の安全チェーンをさらに含み、かつ、
    上記コントローラは、上記エレベータかごが動いておらず、かつ、上記の第１・第２の安全チェーンのいずれかが開いており、かつ、上記第３の安全チェーンが開いていることを判定したときに、上記エレベータかごを所定の乗り場に移動・停止させることを特徴とする、請求項８に記載の昇降路検知システム。

Images