JPH03271379A - 塗装用ステンレス鋼板および塗装鋼板 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は塗装用ステンレス鋼板および塗装鋼板に関する
。

〈従来の技術〉 ステンレス鋼は耐食性に優れているため化学工業をはじ
め各種の分野で広（使用されている。　さらに近年では
大型建築物の内装材としてエツチング、研磨、着色など
の表面処理ステンレス鋼に対する需要が増大してきた。

　と（にエツチング、研磨などを併用した着色ステンレ
ス鋼は高い意匠性のためホテル、マンション等の玄関用
材料などとして普及しつつある。

こうした着色ステンレス鋼には、高濃度クロム酸溶液等
で生成される表面酸化皮膜を利用した化学発色が多く用
いられており、屋根材等で使用されている塗装ステンレ
ス鋼は用いられない。　これは着色顔料による塗装着色
のためにステンレス表面が完全に隠されてしまうためで
、素地の研磨、エツチングなどが反映しないためである
。　一方、化学着色ステンレス鋼は極めて薄い酸化皮膜
による光の干渉効果による発色のため素地の研磨仕上げ
に依存した色調が得られる多様性を有している。

しかしながら、塗装法は化学着色法よりはるかに容易に
使用出来、耐指紋性などの点で優位であり、内装材とし
て使用した場合の保存、管理が容易になる。　そのため
、塗装法においても素地表面を活かす透明着色塗装が検
討されてきたが、塗膜の耐久性、加工性ならびに耐候性
のすべてを満足する透明着色塗装ステンレス鋼は得られ
ないのが現状である。

〈発明が解決しようとする課題〉 このような塗装ステンレス鋼は種々の複雑な加工が施さ
れる場合が多い、　その際加工が厳しく施された箇所で
塗料が剥離しやすい等の問題があり、そのため加工の厳
しい用途にはその使用が限定されていた。

ステンレス鋼はその表面に生成している不動態皮膜のた
め耐食性は優れる反面、表面が不活性のため塗装をはじ
めとする表面処理が困難な材料である。　とくに電気め
っきの場合には電気化学的に不動態皮膜を除去すること
が必須である。

しかし塗装の場合はこのような完璧な塗装前処理を行な
うことは実際上不可能であり、特に成形加工を施した物
に対しては出来るだけ容易な塗装前処理でなくてはなら
ない。

さらに、建築用材料として使用される場合、ロール成形
、プレスなどにより曲げ加工されるのが大半で、曲げ部
の曲率半径を小さ（するほど加工度は著しく増大するた
め、塗装ステンレス鋼では塗膜の加工に対する密着性と
加工部での耐久密着性が重要である。

塗装のための前処理法としては下記のものがある。

■　研磨、ショツトブラスト、ダルスキンパス等の機械
的手段により表面にマクロ的凹凸を形成。

■　リン酸塩処理、クロメート処理等の化成処理（公開
特許公報、昭５７−１６１０６９．１６１０７０）。

■　タンニン酸、ポリアクリル酸等の有機酸に浸漬また
は有機酸のスプレー塗布。

■　無機酸による酸洗によりミクロ的凹凸を形成すると
ともに表面を活性化させる。

上記■〜■の処理は単独または組合せて実施されるが、
■は透明着色塗装では素材の仕上げ面として指定される
ため任意に選定することは出来ない、　上記■〜■の化
学的な処理は密着性向上に効果的であるが以下に示す欠
点を有している。

その欠点は■〜■の化学処理によりステンレス表面が変
色あるいは不規則な着色を生じることである。

透明着色塗装ステンレス鋼では、着色顔料を少な（し素
材の表面の仕上げが見える淡い着色塗装であるので、密
着性を向上させるための前処理により素材表面が呈色あ
るいはシミ状になってはいけない。　■のクロメート処
理では呈色の少ないタイプが開発されつつあるがまだ充
分とは言い難い。

く課題を解決するための手段〉 そこで本発明者らは素材表面を化学的、機械的に荒らす
ことなく塗膜の密着性を向上させるための前処理方法を
検討し、これによりステンレス鋼板表面の呈色を防止す
るとともに光沢性および塗膜密着性の優れた透明着色ス
テンレス鋼の開発に成功した。

すなわち本発明は全クロム量が０．５ｍｇ／ｍ″以上、
５０　ｍｇ／ｍ’以下であり、全クロム量のうち３価ク
ロムが６０％以上を占め、３価クロム量が４０　ｍｇ／
ｍ”以下のクロメート皮膜を鋼板表面に有することを特
徴とする塗装用ステンレス鋼板を提供するものである。

上記クロメート処理鋼板上には透明着色樹脂が被覆され
ているのがよい。

以下、本発明の具体的構成について詳細に説明する。　
本発明において、透明とは広く半透明をも含む。

まず、本発明で対象とするステンレス冷延鋼板（本発明
では銅帯をも含む意に用いる）は熱延鋼帯を所定板厚に
冷間圧延したのち、焼鈍酸洗あるいは光輝焼鈍を行って
冷間圧延で生じた内部歪の除去と適正な機械的性質を付
与されて提供される。　その後、必要に応じてショツト
ブラスト、ダルスキンバス、研磨等の手段により表面の
仕上りを調整し、塗装素材として使用される。

ステンレス鋼の鋼種は特に限定するまでも無く任意の鋼
種が使用可能であるが、外装材として使用する場合には
５ＵＳ３０４以上の高耐食性ステンレス鋼が奨められる
。

使用される塗料系は特に限定する必要はな（、使用目的
に応じて選定される。　建築外装パネル材のごとく最も
厳しい環境にさらされる場合には、耐候性に優れたフッ
素樹脂塗料が望ましい。　ただし、いずれの塗料系にお
いても樹脂の透光性が高（かつ塗料中の顔料成分の添加
が少なく、その結果得られる塗膜がいわゆる透明着色を
呈し塗膜外から素材表面を観察できる場合に本発明の効
果が最も発揮される。

本願の特長は、ステンレス鋼板の塗装用前処理としてク
ロメート被覆を行なう点にある。

クロメートを塗装前処理に用いるのは普通鋼では一般に
行なわれており、ステンレス鋼においても近年の塗装ス
テンレス鋼の普及とともに実用化されている。

しかしながら、これまでの塗装鋼板（ステンレス鋼の場
合も含め）の大部分は着色を目的とした顔料の多い塗料
を使用するタイプで塗膜には透明性がなく、その結果塗
装原板が普通鋼、ステンレス鋼あるいはアルミニウム板
など異なっていても外観上区別がつかない。　従　って
、塗装前処理としては塗膜密着性を確保できれば任意の
処理が適用できた。

しかし、ステンレス表面の優れた光沢あるいは多様な表
面仕上げを塗装後も観察できる透明着色塗装が実用化さ
れて（ると、従来の塗装前処理では呈色あるいは光沢劣
化を生じるため透明着色塗装には用いることができない
。

そこで、本発明におけるクロメート処理においては塗膜
に対する密着性を確保するとともにクロメート皮膜の透
光性を得ることを目的として開発を行なった結果、クロ
メート皮膜中の全クロム量が０　、５　ｍｇ／ｍ”以上
５０　ｍｇ／ｍ”以下であり、全クロム量のうち３価ク
ロムの占める割合が６０％以上で、３価クロム量は４０
　ｍｇ／ｍ”以下に制御することにより塗膜密着性と透
明性を両立することに成功した。

全クロム中での３価クロムの含有量が６０％未満になり
、６価クロムの比率が増大するとクロメート皮膜の透光
性が失なわれ褐色のシミ状呈色を生じる。

また、３価クロムが４０　ｍｇ／ｍ″を越えると全体が
緑色を呈するので好ましくない。　全クロム量が０　、
５　Ｂ／ａ”未満になると塗膜密着性の改善が得られず
、５０　ｍｇ／ｍ”超になると３価クロムの含有量が６
０％以上であっても白〜緑で透明性が失われる。

クロメート皮膜中にはコロイダルシリカあるいはアクリ
ル等の有機樹脂を含んでいてもよ（、前処理における塗
布方法（ロールコート、カーテンフロー　スプレーなど
）あるいは塗料との適合性をふまえてより広く応用可能
である。

クロメート処理に際しては、充分な脱脂と洗浄により得
た清浄な鋼板表面に上記クロメート液を塗布したのち２
５０℃以下の温度で乾燥させるのが望ましい。

このように前処理して得られた塗装用鋼板には樹脂が塗
装されて塗装ステンレス鋼板として用いられる。　塗装
する樹脂としては、フッ素樹脂、アクリル−シリコン樹
脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、
塩化ビニール樹脂、ウレタン樹脂などを挙げることがで
き、この塗装方法は任意である。

〈実施例〉 以下、本発明を実施例に基づいて具体的に述べる。

（実施例１） ＳＵＳ３０４の板厚１．５ｍｍのヘアライン研磨材を使
用し、これをアルカリ脱脂により清浄化したのち、６価
クロムから３価クロムへの還元率３０％、６０％、９０
％のクロメート液をロールコータ−で塗布し、７０℃で
乾燥することにより表１に示す全クロム量のクロメート
処理塗装原板を得た。　塗装にけ透明性の高いフッ素樹
脂クリアー塗料、ニューガーメット＃９３００クリヤー
［東亜ペイント■製］を用い、ロールコータ−にて塗布
後１９０℃×５分の乾燥で厚さ２０μｍの塗膜を生成し
た。　結果を表１に示す。

透明着色塗装のための前処理として使用できるかを判定
するためクリアー塗膜下での表面変化を目視観察すると
ともに、塗膜の密着性を塗料一般試験方法ＪＩＳ　　Ｋ
５４００の６．１５に準じて、基盤目セロハンテープ剥
離試験と基盤目エリクセン加工（６ｍｍ張出）後のセロ
ハンテープ剥離試験を実施した。

表１に示したごと（、密着性はクロメート処理をした材
料ではすべて良好で脱脂のみに対し著しい改善が得られ
た。　しかし、塗膜下表面の状態をみると、３価クロム
比率が低い比較例１．２．３および５では、６価クロム
に起因する褐色のシミ状模様が発生し、また３価クロム
量の多い比較例４．６および７では緑白色の呈色を生じ
た。

全クロム量、３価クロム比率、および３価クロム量の適
切な発明例１〜５では、塗膜下表面は脱脂のみの例と変
わらず良好であった。　これに塗膜を施した塗装鋼板の
密着性も勿論良好であった。

〈発明の効果〉 以上詳述したように、本発明によればステンレス鋼板表
面の呈色を防止するとともに塗料とステンレス表面との
密着性を従来法のそれに比べ著しく向上せしめ得るので
、建材等の過酷な加工にも耐え、幅広い用途にも適用し
得る。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）全クロム量が０．５ｍｇ／ｍ＾２以上、５０ｍｇ
   ／ｍ＾２以下であり、全クロム量のうち３価クロムが６
   ０％以上を占め、３価クロム量が４０ｍｇ／ｍ＾２以下
   のクロメート皮膜を鋼板表面に有することを特徴とする
   塗装用ステンレス鋼板。
2. （２）請求項１に記載の塗装用鋼板上に透明着色樹脂が
   被覆されている塗装鋼板。