JPH032687Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、車両の運転状態に応じて自動的にエ
ンジンを停止または、始動させるエンジン自動停
止始動装置に関する。

（従来技術） 近年、一部の自動車には、走行時に交差点など
で停車し、エンジンの回転数がアイドリング時の
回転数と同等になつた場合、エンジンが自動的に
停止し、再始動の際は通常の発進操作、即ち、ク
ラツチペダルの踏込み操作などを行なうと、スタ
ータースイツチが自動的にオンとなり、エンジン
が始動するというエンジン自動停止始動装置（以
下アイドルストツプ装置という）が搭載されてい
る。このようなアイドルストツプ装置の搭載によ
り、エンジンのアイドリング時の燃料は節約さ
れ、車両の走行時のみエンジンが運転されるの
で、排気ガスの減少、燃料の節減の効果が大であ
る。

このアイドルストツプ装置は、エンジンの制御
や運転に関連の各種の制御装置や、センサよりの
信号を電子制御装置に入力し、これらの信号が所
定の条件に達するとエンジンが停止し、また他の
所定の条件に達すると、スターターにより、エン
ジンが再始動することとなる。

（従来技術の問題点） このようなアイドルストツプ装置の始動操作の
構成は、第２図に示すように、クラツチスイツチ
１よりの指令、チエンジギヤのニユートラルスイ
ツチ２よりの指令、およびエンジン回転センサ３
よりの指令を論理積回路９に入力し、該論理積回
路９よりの出力にてスターター８を作動させ、エ
ンジンを始動させる構成となつている。従つて発
進待ちのエンジンにおいて、クラツチを踏込み、
ギヤをニユートラルにして、スターターを自動的
に作動させてエンジンを始動中、エンジンが自力
回転に至るまでの間にギヤシフトを行なうと、ニ
ユートラルスイツチ２がオフとなつてスターター
は作動を中止してエンジンの始動は完成に至らな
い。

この状態を第４図の処理フロー図にて説明する
と、発進待ちで停止の状態のエンジンにおいて、
ステツプにてクラツチペダルを踏込み、ステツ
プにてギヤをニユートラルにすると、スタータ
ーはオンとなりエンジンは始動を開始する。つぎ
にエンジンが自力回転するまでの間に、ギヤをシ
フトするとステツプのNOのフローに従い、ス
ターターはオフとなり、エンジンは始動の中途の
ため停止してしまう。なおステツプにてギヤを
シフトせず、ニユートラルのままなればYESの
フローに従い、エンジンの回転を検出するセンサ
よりの指令によつてエンジン始動を確認すれば、
スターターはオフとなる。上述のように第２図の
構成ではエンジンの始動中にギヤシフトを行う
と、エンジンストツプとなつて迅速な発進ができ
ず、通路上においては交通妨害や交通事故の原因
となる欠点がある。

なお、スターターが中途でオフとなるのを防止
のため、始動指令にオフレデイタイマを用いる方
法もあるが、完全に防止はできない。

（考案の目的） 本考案の目的は、上記の如き従来の欠点を解消
し、エンジンの始動中にチエンジギヤのシフト操
作を行なつても、エンジンストツプすることな
く、エンジンの始動が完成するようなエンジン自
動停止始動装置を提供することにある。

（考案の概要） 本考案は、エンジン自動停止始動装置におい
て、クラツチスイツチよりの信号と、ニユートラ
ルスイツチよりの信号とを入力した論理積回路の
出力を論理和回路に入れ、該論理和回路よりの信
号とエンジン回転センサよりの信号を入力した論
理積回路の信号をスターターへの始動指令とする
とともに、前記論理和回路へも入力して、始動指
令を保持し、エンジンの始動が完成するようなエ
ンジン自動停止始動装置が提供される。

（実施例） 次に本考案の実施例を図面を用いて詳細に説明
する。

第１図は、本考案に係るエンジン自動停止始動
装置の一実施例を示す構成ブロツク図で、１はク
ラツチペダルを踏込むとオンとなるクラツチスイ
ツチ、２はチエンジギヤがニユートラルの位置に
あるとオンとなるニユートラルスイツチ、３はエ
ンジンの回転センサでエンジンの回転数が所定の
値以上（例えば400回転／分）になるとオンにな
るセンサである。つぎに、４および５は論理回路
の論理積回路、６は論理和回路、７は否定回路で
あり、これらの回路網の出力、即ち、論理積回路
５よりスターター８へ接続されている。

このような構成の実施例につき、その作動を説
明すると、エンジンが停止しており回転センサ３
からの信号は負であるが、否定回路７により論理
積回路５の片方へは正が入力されている。この状
態において、クラツチペダルを踏込み、ギヤをニ
ユートラルにすると、クラツチスイツチ１およ
び、ニユートラルスイツチ２からの、ともに正の
信号が論理積回路４に入力され、該論理積回路４
の出力は正となる。従つて論理和回路６の出力も
正となるので、接続されている論理積回路５にお
いては、すでに入力の片方が正となつているの
で、該論理積回路５の出力は正となり、スタータ
ー８への始動指令が発せられ、エンジンは始動を
開始する。なお、始動の発令と同時に論理和回路
６の片方の入力も正となるので、該論理和回路６
の出力は正に保持されることとなり、運転者のギ
ヤシフト操作が、エンジン始動途中に行われて
も、この保持操作のため、スターター８は回転を
続ける。したがつて、エンジン回転数が所定の値
に到達して回転センサ３が指令を発するまで、即
ち、エンジン始動が完成するまで、スターター８
への始動指令は続いているので、始動ミスは防止
できることとなる。

つぎに、本実施例における上述の作動を第３図
の処理フロー図にて説明すると、発進待ちのエン
ジンにおいて、クラツチペダルを踏込み、ギヤを
ニユートラルにすると、ステツプＡおよび、ステ
ツプＢの判定はともにYESのフローをたどり、
スターターはオンとなる。つぎにエンジンが始動
途中にて、即ちステツプＣのNOのフローにてク
ラツチペダルを離すと、ステツプＤのYESに従
い、ステツプＡに戻ることとなり、また、クラツ
チペダルを離さなければ、ステツプＤのNOのフ
ローとなり、回転センサのONの指令のあるまで
スターターは回転し、エンジン始動は完成するこ
ととなる。

（考案の効果） 以上詳細に説明したように、本考案は、エンジ
ン自動停止始動装置において、エンジンの始動の
作動の間に、チエンジギヤのシフト操作を行つて
も、始動指令を保持する論理回路を設けたので、
エンジンストツプすることなく、エンジン始動は
完成する。したがつて運転者は迅速な発進を行う
ことができ、道路上においての交通妨害や交通事
故の原因となる戸惑いが防止でき、始動指令にオ
フレデイタイマを用いる必要もない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るエンジン自動停止始動装
置の一実施例を示す構成ブロツク図、第２図は従
来例の構成ブロツク図、第３図は本考案に係る実
施例の処理フロー図、第４図は従来例の処理フロ
ー図である。 １……クラツチスイツチ、２……ニユートラル
スイツチ、３……回転センサ、８……スタータ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車両の各部の動作を検出する各種センサおよび
   スイツチの指令を受け、これらに基づいて所定の
   条件にて自動的に停止または始動させるエンジン
   自動停止始動装置において、クラツチペダルの踏
   込にて作動するスイツチよりの信号と、チエンジ
   ギヤのニユートラル位置にて作動するスイツチよ
   りの信号とを入力した論理積回路の出力を論理和
   回路に入れ、該論理和回路よりの信号とエンジン
   回転センサよりの信号を入力した論理積回路の信
   号をスターターへの始動指令とするとともに、前
   記論理和回路へも入力して、始動指令を保持する
   ことを特徴とするエンジン自動停止始動装置。