JPH0326723B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は道路橋の継目部に構築する道路のジヨ
イントに関する。

（従来技術） 道路のジヨイントに関し、道路継目部の遊間を
覆う継目部舗装を橋面舗装に連ねて施す盲目地型
式のものは一般に知られている。例えば、日本道
路協会発行の道路橋伸縮装置便覧第５頁には、対
向する床版の遊間に防水目地を詰め、その上に舗
装を施してカツター目地を設けたものが記載され
ている。

従来の盲目地型式のジヨイントの場合、施工当
初は車両が通過しても騒音、振動等を生ずること
がなく車両走行に対しては理想的な状態にある。
しかし、床版の伸縮や撓みによる床版端部の上下
動などにより、舗装に不規則なひび割れが入り易
く、このひび割れが道路巾方向に広がり、ひび割
れ部分において舗装が車両通過時の衝撃を受けて
欠けあるいはくずれていき、巾の広い溝が道路巾
方向の全体に生ずることがある。

（発明の目的） 本発明は、かかる点に鑑み、盲目地型式のジヨ
イントにおいて、継目部の舗装でのひび割れの発
生を抑制すること、そして、ひび割れを生じても
それが道路巾方向の全体に広がらないようにする
こと、つまりひび割れが道路巾方向において不連
続となるようにしてその発達を抑えることを目的
とする。

（発明の構成） 本発明に係る道路のジヨイントは、道路継目部
の遊間を覆う継目部舗装が、上記遊間を存して相
対する一方の橋体の上面に施された橋面舗装と、
他方の橋体の上面もしくは橋台の上面に施された
橋面舗装との間に施された道路を前提とし、かか
る道路において、上記継目部舗装には、この継目
部舗装の一方の橋体に支持された舗装部から他方
の橋体もしくは橋台に支持された舗装部にわたつ
て延びる複数の板状の舗装保護部材が、各々板面
を垂直にし且つ上端を路面に露出せしめて道路巾
方向に間隔をおいて埋設されていることを特徴と
するものである。

上記道路のジヨイントにおいては、一方の橋体
に支持された舗装部と、他方の橋体もしくは橋台
に支持された舗装部との境界部に橋体の伸縮等に
よる応力が集中するが、それによつて相隣る舗装
保護部材間にひび割れが発生しても、このひび割
れは舗装保護部材によつて道路巾方向に発達する
ことが抑えられる。特に、上記舗装保護部材は、
その上端が路面に露出しているから、路面におい
てひび割れが道路巾方向に発達することが抑えら
れる。

すなわち、路面に開口するひび割れを生じた場
合、このひび割れは開口縁部に輪荷重を衝撃的に
受けてこの開口縁部が崩れ、ひび割れの開口巾が
漸次大きくなつていく傾向にあるが、このような
路面に開口するひび割れを生じても、このひび割
れは道路巾方向に拡がらず、よつて、道路継目部
の全面にわたつて車両走行性が急激に悪化してい
くという事態を避けることができる。

（発明の効果） 従つて、本発明によれば、継目部舗装に、一方
の橋体に支持された舗装部から他方の橋体もしく
は橋台に支持された舗装部にわたつて延びる複数
の板状の舗装保護部材を、板面を垂直にして且つ
上端を路面に露出せしめて道路巾方向に間隔をお
いて埋設したから、相隣る舗装保護部材間にひび
割れを生じても、このひび割れが道路巾方向に拡
がることを防止でき、特にひび割れが路面に開口
した状態で道路巾方向に拡がることを防止するこ
とができ、良好な車両走行性を長期間にわたり維
持することができる。

（実施例） 以下、本発明の実施例を図面に基いて説明す
る。

実施例 １ 本例のジヨイントは第１図および第２図に示さ
れている。このジヨイントにおいて、１は橋体
（床版）２，２の遊間であり、この遊間１の上部
に一対の継手部材３，３が設けられている。この
継手部材３，３は間隙を存して対向する縦基板
４，４と、この縦基板４，４の下端において遊間
１側へ突出した突出部５，５とを備える。縦基板
４からは背部にアンカー６が突出し、このアンカ
ー６は橋体２の端部の切欠部７に打設したコンク
リート部８に埋設されている。突出部５の端面は
第２図に示す如く波形となつている。

上記継手部材３，３の間には突出部５，５で支
持したゴム、発泡材等によるバツクアツプ材９が
設けられ、このバツクアツプ材９の上に舗装材を
充填した舗装材充填部１０が設けられている。そ
して、上記橋体２，２の切欠部７，７間の上方に
は橋面舗装１１，１１および舗装材充填部１０に
連なる（一体となつている）継目部舗装１２が施
されていて、この継目部舗装１２に複数の舗装保
護部材１３が道路巾方向に間隔をおいて埋設され
ている。

本例の舗装保護部材１３は、板面を垂直して橋
長方向へ延びる板状体であつて、一方の橋体２側
において基部１３ａが支持筋１４，１４を介して
上記アンカー６に結合され、この基部１３ａから
継手部材３，３を越えるわたり部１３ｂが他方の
橋体２側へ延びている。つまり、この舗装保護部
材１３は、一方の橋体２に支持された舗装部１２
ａから他方の橋体２に支持した舗装部１２ｂにわ
たつて両舗装部１２ａ，１２ｂの境界部を越えて
延びている。また、舗装保護部材１３の上端は遊
間側では道路表面に略一致させて水平となつて路
面に露出していて、この水平部分から後方へ下降
傾斜し、さらに舗装保護部材１３の前側上端部に
は丸みが付されている。

そうして、第２図にも示される如く、一方の橋
体２の上に基部１３ａを設けた舗装保護部材１
３，１３のわたり部１３ｂ，１３ｂの間に、他方
の橋体２の上に基部１３ａを設けた舗装保護部材
１３のわたり部１３ｂが臨むようになされてい
る。

本実施例のジヨイントにおいては、継目部舗装
１２の両舗装部１２ａ，１２ｂの境界部に橋体２
の伸縮等による応力が集中するが、舗装保護部材
１３のわたり部１３ｂがこの両舗装部１２ａ，１
２ｂを結合していてひび割れの発生を抑える。

また、上記境界部にひび割れが生じた場合にお
いて、そのひび割れはわたり部１３ｂによつて道
路表面に達することが抑えられるとともに、隣合
うわたり部１３ｂ，１３ｂの間にひび割れが生じ
ても、このひび割れが道路巾方向に広がつていく
ことがわたり部１３ｂで阻止される。

舗装保護部材１３の後部上端を下降傾斜せしめ
たのは、舗装の摩耗を考慮したものであり、摩耗
により舗装保護部材１３が道路表面上に若干突出
しても、車両は傾斜部分からタイヤが舗装保護部
材１３に乗り上がり、大きな衝撃を受けない。

また、継手部材３，３の間の舗装材充填部１０
は、継目部舗装１２を橋体側に係止する作用を呈
し、継目部舗装１２のずれ動きないし剥離を防止
するとともに、ひび割れを生じ易い部分の舗装厚
を厚くすることでひび割れを制御する。

実施例 ２ 本例のジヨイントは第３図および第４図に示さ
れている。

本例の場合、橋体２，２の切欠部７，７の間に
層厚な継目部舗装１５を施し、この継目部舗装１
５に一方の橋面舗装１１から他方の橋面舗装１１
に至る舗装保護部材１６を設けている。また、遊
間１は橋架板（蓋）１７を両切欠部７，７に渡し
て塞いでいる。

上記舗装保護部材１６は、実施例１と同様に板
状をなし、中央部上端は水平で道路表面に略一致
し、両側部がそれぞれ逆方向へ下降傾斜してお
り、また、中央部下端は橋面１８よりも下げられ
ていて、橋体２と継目部舗装１５とを結合する結
合筋１９ａに対し支持筋１９ｂを介して支持され
ている。

上記ジヨイントにおいては、橋体２の伸縮に伴
ない、一方の橋体２に固定した橋架板１７が他方
の橋体２の切欠部７の上を相対的に移動する。継
目部舗装１５に関し、橋架板１７の上に位置する
舗装は橋架板１７が固定されている橋体２に対し
橋架板１７を介して支持されており、継目部舗装
１５は橋架板１７の可動端（第３図で右端）位置
を境界部として一方の橋体２に支持された舗装部
１５ａと他方の橋体２に支持され舗装部１５ｂと
を連ねて構成されていることになる。そうして、
舗装保護部材１６は上記両舗装部１５ａ，１５ｂ
にまたがつて設けられていることになる。

本実施例の場合、舗装保護部材１６は実施例１
と同様に上記両舗装部１５ａ，１５ｂを結合して
ずれ止めおよび舗装全体の強化をなし、また、ひ
び割れが道路巾方向に広がることを防止する効を
奏するが、両端部が橋面舗装１１，１１に埋込ま
れているから、その効果がより大きくなる。ま
た、継目部舗装１５が層厚に形成されているか
ら、ひび割れも生じ難い。

なお、上記実施例では、舗装保護部材を橋長方
向に延ばしているが、第５図に示す如く遊間１を
覆う継目部舗装２０において、各舗装保護部材２
１を橋長方向に対する斜方向に配設してもよい。

また、橋体としては、鋼桁にコンクリート床版
を設けた鋼橋の他、プレストレストコンクリート
桁橋、レインホースドコンクリート桁橋、鋼床版
橋でもよい。

また、本発明は一方を橋体とし他方を橋台とす
る道路継目部においても上記実施例と同様の構造
で適用することができる。

（発明の効果） 本発明によれば、舗装保護部材にて一方の橋体
に支持した舗装部と他方の橋体若しくは橋台に支
持された舗装部とが結合されるため、舗装の強化
が図れてひび割れの発生を抑えることができると
ともに、ひび割れが局部的に生じてもこのひび割
れが道路巾方向に広がることが舗装保護部材にて
防止され、長時期にわたつて良好な車両走行性を
維持することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示し、第１図は実施例
１のジヨイントを橋長方向に切断して示す断面
図、第２図は同例のジヨイントに関し舗装前の状
態を示す平面図、第３図および第４図は実施例２
に関する第１図および第２図と同様の図、第５図
は舗装保護部材の配列の一例を示す平面図であ
る。 １……遊間、２……橋体、１１……橋面舗装、
１２，１５，２０……継目部舗装、１２ａ，１２
ｂ，１５ａ，１５ｂ……舗装部、１３，１６，２
１……舗装保護部材。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 道路継目部の遊間を覆う継目部舗装が、上記
   遊間を存して相対する一方の橋体の上面に施され
   た橋面舗装と、他方の橋体の上面もしくは橋台の
   上面に施された橋面舗装との間に施された道路に
   おいて、上記継目部舗装には、この継目部舗装の
   一方の橋体に支持された舗装部から他方の橋体も
   しくは橋台に支持された舗装部にわたつて延びる
   複数の板状の舗装保護部材が、各々板面を垂直に
   し且つ上端を路面に露出せしめて道路巾方向に間
   隔をおいて埋設されていることを特徴とする道路
   のジヨイント。