JPH0326351Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、副変速用のシフトアームをロータリ
変速又はロータリ動力断続用に兼用できるように
して、仕様型式の異つた耕耘機間に簡単に兼用で
きるようにした耕耘機の変速装置に係るものであ
る。

従来の技術 副変速とロータリ変速とのいずれの操作をも行
なえるようにした耕耘機では、ミツシヨンケース
内にロータリ変速ギヤと副変速ギヤとを設け、操
作体を回動させることにより、これに連動するシ
フタ軸に枢着したシフトフオークがロータリ変速
ギヤをスライドさせてロータリ変速を行い、上記
操作体を前後に摺動させることにより、これに連
動してシフトアームが扇動し、副変速ギヤをスラ
イドさせて副変速を行えるようにした変速装置が
知られている。

本考案が解決しようとする問題点 ところが、上記のような変速装置のミツシヨン
ケースを、必要に応じて簡易な構造で安価な仕様
型式の耕耘機に兼用させたものであるが、従来の
変速装置では、ロータリクラツチを操作するだけ
でも、シフター軸やシフトフオークが必要とな
り、構造が複雑で重量が大となり、価格高となる
等の問題点があつた。

本考案は上記の如き実状に鑑み、これらの問題
点を解決すべく創案されたものであつて、殊に副
変速用のシフトアームを反転させてロータリ変速
又はロータリ動力断続用にも使用できるようにし
て、標準仕様型式の変速装置を、ロータリ変速又
はクラツチのみを備えた簡易な構造で安価な仕様
型式の耕耘機にも何等複雑な構造とすることなく
容易に兼用させることができる耕耘機の変速装置
を提供することを目的としたものである。

問題点を解決するための手段 上記の目的を達成するため本考案が講じた技術
的手段は、特に、幅変速ギヤのスライド軸と、ロ
ータリ用スライド軸との中間に、回動自在のシフ
トアームを上記両軸の作る平面と直交する方向に
設け、上記シフトアームには副変速ギヤに接する
フオーク部を設けてシフトアームの扇動により副
変速せしめると共に、上記シフトアームの反転操
作により、副変速ギヤに接するフオーク部がロー
タリ変速又はロータリ動力断続のみを備えた変速
装置のロータリ変速ギヤ又はロータリクラツチに
接して、ロータリ変速又はロータリ動力断続操作
が可能となるように構成したことを特徴とするも
のである。

考案の作用 上記の如く構成することにより、標準仕様型式
の場合には、ミツシヨンケース内の副変速ギヤと
ロータリ変速ギヤとを、それぞれのスライド軸に
そつてスライドさせ自由に副変速およびロータリ
変速をさせることができる。そして、ロータリ変
速又はロータリ動力断続のみを備えた簡易な仕様
型式である耕耘機に兼用した場合には、副変速ギ
ヤのスライド軸とロータリ用スライド軸との中間
に設けたシフトアームを反転操作すれば副変速ギ
ヤに接していたフオーク部がロータリ変速ギヤ又
はロータリクラツチに接するので、殊更重量の重
いロータリクラツチ用のシフトフオーク等を設け
ることなく、ロータリ変速又はロータリ動力断続
操作をすることができるものである。

実施例 本考案の構成を図面に示された実施例について
説明すれば、１は耕耘機であつて、走行車輪２を
備えた機体３の前部にエンジン４を搭載し、機体
３の後部にはロータリ作業機５が装着されてい
る。６は変速装置であつて、ミツシヨンケース７
の内部に、ロータリ変速ギヤ８を摺動自在に嵌挿
したロータリ用スライド軸９が左右方向に軸支さ
れており、ミツシヨンケース７を貫通して、上記
スライド軸９と直交する前後方向にロータリ変速
軸１０が回動自在に設けられている。そして上記
ロータリ変速軸１０の回動操作により、ロータリ
変速軸１０に連動するシフター軸１１に枢着した
シフトフオーク１２がロータリ変速ギヤ８を摺動
させてロータリ変速を行なうようになつている。

１３は副変速ギヤ１４が摺動自在に嵌着された
スライド軸であつて、前記スライド軸９と平行し
てミツシヨンケース７内に軸支されている。１５
はミツシヨンケース７を貫通して上記両スライド
軸９，１３の中間にあり、両軸９，１３の作る平
面と直交する上下方向に設けられた回動自在のシ
フトアームであつて、該シフトアーム１５の下端
部には副変速ギヤ１４に接するフオーク部１６が
延出形成されており、シフトアーム１５の上端部
はアーム１７を介して前記ロータリ変速軸１０に
連動連結されている。そしてロータリ変速軸１０
を前後に摺動させると、これに連動してシフトア
ーム１５が扇動し、フオーク部１６が副変速ギヤ
１４を摺動させて幅変速を行うようになつてい
る。

次に、上記ミツシヨンケース７を兼用させて簡
易な仕様型式の耕耘機に使用する場合には、第３
図に示すようにシフトアーム１５を回動操作して
フオーク部１６をロータリ用スライド軸９側に突
出させれば、フオーク部１６がロータリクラツチ
１８または、該ロータリクラツチ１８に代えて装
着されるロータリ変速ギヤに接するようになつて
いる。そしてアーム１７に代えてワイヤ２２をス
プリング２３を介してシフトアーム１５の上端部
に連結して、ワイヤ２２の先端をハンドル部の操
作部材と連結し、運転位置でロータリクラツチ１
８操作又はロータリ変速操作が行えるようになつ
ている。１９は主変速レバー、２０は主クラツチ
レバー、２１はサイドクラツチレバーである。

上記の如き構成において、耕耘機が標準仕様型
式の場合には、第２図に示すようにロータリ変速
軸１０を回動、又は前後に摺動させることにより
自由に幅変速操作とロータリ変速操作を行うこと
ができる。そして耕耘機１がロータリクラツチ１
８のみを備えた簡易な仕様型式である場合には、
第３図に示すようにシフトアーム１５を反転操作
してフオーク部１６をロータリ用スライド軸９側
に突出させれば、フオーク部１６がロータリクラ
ツチ１８に接するので、ハンドル部の操作部材の
操作によりワイヤ２２を介してロータリクラツチ
１８を断続させて、ロータリ部への動力を断続す
ることができる。また耕耘機１がロータリ変速の
みを備えた簡易な仕様型式の場合は、シフトアー
ム１５を反転操作すれば、ロータリ用スライド軸
９側に突出したフオーク部１６が、ロータリクラ
ツチ１８に代えて装着されるロータリ変速ギヤに
接するので操作部材の操作によりロータリ変速を
することができる。このため、標準仕様型式のミ
ツシヨンケース７を、ロータリクラツチ１８又は
ロータリ変速のみを備えた簡易な仕様型式のもの
にそのまま兼用しても、従来のように殊更ロータ
リクラツチを作動させるロータリ変速軸１０やシ
フトフオーク１２等の複雑な部材を設ける必要は
なく構造が簡単軽量となつて安価な耕耘機を提供
することができる。

考案の効果 これを要するに本考案は、ミツシヨンケース内
に幅変速ギヤのスライド軸と、ロータリ用スライ
ド軸とを並設して、副変速とロータリ変速又はロ
ータリ動力断続のいずれの操作もできるようにし
た耕耘機の変速装置において、上記副変速ギヤの
スライド軸とロータリ用スライド軸との中間に、
回動自在のシフトアームを上記両軸の作る平面と
直交する方向に設け、上記シフトアームには副変
速ギヤに接するフオーク部を設けてシフトアーム
の扇動により副変速せしめると共に、上記シフト
アームの反転操作により、副変速ギヤに接するフ
オーク部がロータリ変速又はロータリ動力断続の
みを備えた変速装置のロータリ変速ギヤ又はロー
タリクラツチに接してロータリ変速又はロータリ
動力断続操作が可能となるように構成したから、
耕耘機が標準仕様型式の場合には副変速操作とロ
ータリ変速操作とを自由に行うことができるもの
でありながら、同一のミツシヨンケースをロータ
リ変速又はロータリクラツチのみを備えた簡易な
仕様型式の耕耘機に採用した場合には、従来のよ
うに殊更重くて複雑なロータリ変速軸やシフトフ
オークを設ける必要はなく、容易に異つた仕様型
式のものに兼用できて安価な機材にすることがで
きる等、極めて有用な実用的効果を奏するもので
ある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る耕耘機における変速機の実
施例を示すものであつて、第１図は耕耘機の全体
側面図、第２図は標準仕様型式の場合の要部の断
面図、第３図は簡易な仕様型式とした場合の要部
の断面図である。 図中、１……耕耘機、７……ミツシヨンケー
ス、８……ロータリ変速ギヤ、９，１３……スラ
イド軸、１４……副変速ギヤ、１５……シフトア
ーム、１６……フオーク部、１８……ロータリク
ラツチである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ミツシヨンケース内に副変速ギヤのスライド軸
   と、ロータリ用スライド軸を並設して、副変速と
   ロータリ変速又はロータリ動力断続のいずれの操
   作もできるようにした耕耘機の変速装置におい
   て、上記副変速ギヤのスライド軸とロータリ用ス
   ライド軸との中間に、回動自在のシフトアームを
   上記両軸の作る平面と直交する方向に設け、上記
   シフトアームには副変速ギヤに接するフオーク部
   を設けてシフトアームの扇動により副変速せしめ
   ると共に、上記シフトアームの反転操作により、
   副変速ギヤに接するフオーク部がロータリ変速又
   はロータリ動力断続のみを備えた変速装置のロー
   タリ変速ギヤ又はロータリクラツチに接してロー
   タリ変速又はロータリ動力断続操作が可能となる
   ように構成したことを特徴とする耕耘機における
   変速装置。