JPH0325390B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は枚葉紙輪転印刷機の排紙装置に関し、
特にくわえ爪列を有し、くわえ爪開放カムによつ
てそれらくわえ爪の開放が司られるチエンデリバ
リ式の排紙装置から、それらくわえ爪の開放を遅
延させることによつて、印刷された枚葉紙を検査
用または選別用に取出す装置に関する。

［従来の技術］ 印刷後の枚葉紙を検査用として取出す通常の方
法は、機械の運転中、枚葉紙前方の突当て板をお
ろした後、枚葉紙を丁度それが到達した瞬時に手
で外に取出し、突当て板を急いで元の位置に戻す
という方法である。

機械の印刷速度が高く、したがつて搬送されて
来る枚葉紙の速度が速いときには特に、この枚葉
紙取出し方法は運転者にとつて極めて困難なもの
であり、運転者の熟練度に大きな要求を課すこと
となる。ここで、軽視できない障害の危険の問題
も場合によつて起る。さらにまた、印刷されたば
かりの紙面がこれに手が触れることによつて汚れ
る。

現今の印刷技術としてあるものについて述べる
ならば、先ず英国特許第782298号明細書を挙げる
ことができ、これは前記の手操作を助けるための
補助装置をその内容としている。すなわち、枚葉
紙前方の突当て板をおろせば枚葉紙すべり板が形
成され、その面の上で検査用枚葉紙が外に向けて
送出されるというものである。

このような装置では、前方の枚葉紙突当て板に
渡すちよつと手前でくわえ爪が開いたときにのみ
枚葉紙の取出しが可能である。その理由は、もし
そうでなければ、枚葉紙突当て板の近くに到達し
た枚葉紙が、枚葉紙の前縁がすでに誘導表面の下
方にあり、そしてまた枚葉紙突当て板の枚葉紙突
当て面によつて阻止される程にすでに深く沈めら
れるからである。しかしながら、そのような遅い
開放は今日では通常の非常に高速の印刷速度の場
合には許されない。その理由は、この場合、枚葉
紙の前方の枚葉紙突当て板に高速に突き当たるか
らである。このことは、よく知られているよう
に、くわえ爪によつて離された枚葉紙の制動によ
つて阻止されなければならない。しかしながら、
効果的な制動はくわえ爪の実質的に早い開きによ
つて行なわれる。

上記に似たものが西独国特許明細書第394052号
に記載されている。これによれば、印刷後の枚葉
紙の取出しは、くわえ爪開放カムが遊びの状態に
おかれ、枚葉紙が後刻始めて第２のくわえ爪開放
カムによつてくわえ爪から離されることによつて
達成される。平常の印刷作業中は働いているくわ
え爪開放カムを遊びの状態にすることが、このも
のを側方向に移動させるという比較的面倒な方法
で行なわれており、また、先に進んだ印刷後の枚
葉紙は、チエンのくわえ爪からの遅延された切離
しの後中間台の上にかなり不揃いの状態で到達
し、そこから取出される。

最初にとり上げた例と同様に、この場合もその
作動方式が高い印刷速度に達しておらず、それ故
今日の要求に合うものでない。

最後にとり上げたい特開昭58−47749号公報に
おいても検査用枚葉紙取出し装置において記され
ているが、このものでは互に前後して２つのくわ
え爪開放カムがあり、そのうちの１つがその旋回
運動によつて働く状態および働かない状態に移動
されうる。

第１のくわえ爪開放カムを働かない状態に入れ
るための操作装置が機械の側面に設けられている
ので、外方に向つて送出される検査用枚葉紙を直
接手で掴んで取出すことが運転者にとつて不可能
であり、それ故に追加的な排紙受け台（パイル）
が必要とされる。

［発明が解決しようとする課題］ 以上のような技術の現状から出発して本発明が
目的とするのは、前記のような欠点を排除するこ
とができ、十分に高い印刷速度においてあらゆる
種類の紙での印刷品質に影響を与えることなく、
特にまた運転者にとつて危険がなく、簡単でまた
確実な印刷後の枚葉紙の取出しが保証されるよう
な装置を提供することにある。

［課題を解決するための手段］ この課題は本発明によれば特許請求の範囲第１
項にその特徴を記している装置によつて解決され
る。

［作用］ 本発明による装置の利点はその取扱いが極めて
簡単であることである。

例えば、検査用に１枚だけ枚葉紙を取出すに
は、把手をつかんで棒をほんの短時間動かすこと
によりくわえ爪開放カムを回転させるだけでよ
い。

本発明において実質的に有利であることは、運
転者が枚葉紙の送出される場所、すなわち排紙装
置の端面部の領域に位置を占めて、例えば片方の
手で把手を握つて棒を移動させ、他の片方の手で
搬送装置から外に向けて送出される枚葉紙を受取
ることができることである。したがつて、追加的
な排紙受け台（パイル）は必要としない。さら
に、本発明では、１つだけのくわえ爪開放カムが
用いられているので装置が低コストで済むことで
ある。

［実施例］ 次に、本発明の実施例について図面を参照して
説明する。

第１図は枚葉紙排紙装置の後端部における構造
を示す。

側壁１，２の内側において回転軸３上に後部チ
エンホイル４，５が回転不能に取付けられてお
り、それらの上にチエン６，９がかかつて走行
し、これらチエン６，９上にしかるべく間隔を置
いて取付けられたくわえ爪列７が枚葉紙８を排紙
パイル４５に送る。回転軸３には、くわえ爪列７
のカムローラ１８が当接する、円板の形をしたく
わえ爪開放カム３７が回転可能に取付けられてい
る。

くわえ爪開放カム３７の上部領域には、側壁２
の端面部から突出するように棒３９が連結点３８
において連結されている。棒３９の連結点３８と
は反対側に把手４２が取付けられ、ストツパ４７
が固定され、側壁２に固定された支持台４１を貫
通している。支持台４１と把手４２の間に棒３９
を取囲むように圧縮ばね４０が設けられている。
棒３９、圧縮ばね４０、支持台４１、把手４２、
ストツパ４７は回転操作用装置を構成している。

くわえ爪開放カム３７は、把手４２により棒３
９が圧縮ばね４０のばね力に抗して押込まれない
場合には、図に実線で示した第１の回転位置をと
り、把手４２により棒３９を圧縮ばね４０のばね
力に抗して図に破線で示す位置まで押込むと図に
破線で示す第２の回転位置まで角度αだけ回転す
る。くわえ爪列７は、くわえ爪開放カム３７が第
１の回転位置にあるとき排紙パイル４５の上方で
開き、くわえ爪開放カム３７が第２の回転位置に
あるとき枚葉紙突当て板１２を通り過ぎた位置で
開く。くわえ爪開放カム３７が第２の回転位置に
あるとき把手４２から手を離せば棒３９は圧縮ば
ね４０のばね力により実線で示す元の位置に復帰
し、したがつてくわえ爪開放カム３７は第１の回
転位置に自動的に復帰する。

なお、圧縮ばね４０のばね力は、くわえ爪列７
のカムローラ１８がくわえ爪開放カム３７に力を
及ぼすことによりくわえ爪開放カム３７が意に反
して回転することが起り得ないよう定めてある。

印刷後の枚葉紙取出しを行なう場合には、例え
ば手で把手４２により棒３９を、圧縮ばね４０の
ばね力に抗して枚葉紙搬送方向と逆の方向に図に
点線で示す位置まで押込むと（この時、把手４２
は側壁２の端面部に突当る）、くわえ爪開放カム
３７は時計方向に決まつた回転角度αだけ回転
し、くわえ爪列７は枚葉紙突当て板１２を通り越
して移動する。この動作は極めて短時間のうちに
行なわれうる。この結果、くわえ爪の開放はくわ
え爪開放カム３７に沿つて走行するカムローラ１
８により遅延して、すなわち枚葉紙８が排紙パイ
ル４５の上方を通り過ぎた後に始めて行なわれ
る。枚葉紙８はくわえ爪からの時間遅延の切離し
の後に直ちに、回転する吸引式ローラ４３によつ
て受取られ、この吸引式ローラ４３が枚葉紙８の
以降の搬送を司り、枚葉紙８を案内通路４４に押
し跡をつけることなく導き、外方へ送り出す。

［発明の効果］ 以上説明したように本発明は、後部チエンホイ
ルの回転軸に回転可能に取付けられたくわえ爪開
放カムと、このくわえ爪開放カムの回転操作用装
置により、十分に高い印刷速度においてあらゆる
種類の紙での印刷品質に影響を与えることなく、
特にまた運転者にとつて危険がなく、簡単でまた
確実な印刷後の枚葉紙の取出しが低コストで保証
される効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による印刷後の枚葉紙取出し装
置を含めたチエンデリバリ式排紙装置の後部チエ
ンホイルの側面図である。 １，２……機械の側壁、３……回転軸、４，５
……後部チエンホイル、６，９……チエン、７…
…くわえ爪列、８……枚葉紙、１２……枚葉紙突
当て板、１８……くわえ爪列７のカムローラ、３
７……くわえ爪開放カム、３８……連結点、３９
……棒、４０……圧縮ばね、４１……支持台、４
２……把手、４３……吸引式ローラ、４４……案
内走路、４５……排紙パイル、４７……ストツ
パ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ くわえ爪開放カムによつてくわえ爪の開放が
   司られるくわえ爪列が設けられたチエンデリバリ
   式の排紙装置を有する枚葉紙輪転印刷機の前記排
   紙装置から、前記くわえ爪の開放を遅延させるこ
   とによつて印刷後の枚葉紙を検査用または選別用
   に取出す装置であつて、 後部チエンホイル４，５の回転軸３に回転可能
   に取付けられ、前記くわえ爪のカムローラ１８が
   当接し、前記くわえ爪の開放を司どるくわえ爪開
   放カム３７と、 前記くわえ爪開放カム３７に連結されており、
   前記くわえ爪によつて排紙パイル４５の方へ搬送
   され前記くわえ爪開放カム３７によつて前記くわ
   え爪が開くことにより解放される枚葉紙が前記く
   わえ爪開放カム３７の第１の回転位置では排紙パ
   イル４５上に落下し、前記くわえ爪開放カム３７
   の第２の回転位置では前記排紙パイル４５の上方
   を通過して解放されるように、前記くわえ爪開放
   カム３７を第１の回転位置から第２の回転位置へ
   決まつた角度αだけ旋回させることができ、かつ
   前記くわえ爪開放カム３７を第２の回転位置から
   第１の回転位置へ復帰させる回転操作用装置３９
   〜４２，４７とを有する、印刷後の枚葉紙を検査
   用または選別用に取出す装置。 ２ 前記回転操作用装置３９〜４２，４７が実質
   的に前記くわえ爪開放カム３７に連結された棒３
   ９で成つており、その一端、すなわち機械の側壁
   ２の後端部から突出した端には把手４２がついて
   おり、これにより前記棒３９を水平方向、すなわ
   ち枚葉紙搬送方向あるいはその逆の方向に動かし
   うる特許請求の範囲第１項に記載の装置。 ３ 前記回転操作用装置３９〜４２，４７が、機
   械の側壁２に固定され、前記棒３９が貫通する支
   持台４１と、前記支持台４１をはさんで前記把手
   ４２とは反対側の、前記棒３９の部分に固定され
   ているストツパ４７と、前記把手４２と前記支持
   台４１の間に前記棒３９を取り囲むように設けら
   れた圧縮ばね４０をさらに含んでおり、 前記棒３９は、前記圧縮ばね４０のばね力に抗
   して動かされないときには前記くわえ爪開放カム
   ３７を第１の回転位置に保持し、前記圧縮ばね４
   ０のばね力に抗して所定の距離移動されると前記
   くわえ爪開放カム３７を第２の回転位置まで回転
   させる特許請求の範囲第２項に記載の装置。 ４ 遅延して前記くわえ爪から離された枚葉紙８
   が、実質的に吸引式ローラ４３と案内走路４４で
   なる搬送装置に送り込まれ、外部へと送出される
   特許請求の範囲第１項に記載の装置。