JPH03249195A - 溶接缶用極薄Snめっき鋼板及びその製造方法 - Google Patents

溶接缶用極薄Snめっき鋼板及びその製造方法

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JPH03249195A
JPH03249195A JP4809290A JP4809290A JPH03249195A JP H03249195 A JPH03249195 A JP H03249195A JP 4809290 A JP4809290 A JP 4809290A JP 4809290 A JP4809290 A JP 4809290A JP H03249195 A JPH03249195 A JP H03249195A
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吉則 余村
Shinya Amami
真也 雨海
Tomoyoshi Okita
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(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、食缶なと製缶に際して缶胴の継ぎ目を溶接
によってシームする缶用材で、塗装後耐食性や加工後の
耐食性など缶用材としての諸特性に加えて溶接性の優れ
た缶用鋼板に関する。
[従来技術] 現在、缶用材として最も大量に用いられているものにS
nめっき鋼板とティンフリースチールとがある。Snめ
っき鋼板は前世紀から用いられて来たもので、缶用材と
してのSnめっき鋼板の持つ特性は極めて優れたもので
ある。しかしながら、よく知られているように、Snは
資源的に限られたものであることから、Snめっき鋼板
開発の歴史は又Snを節約する技術の歴史でもある。
缶胴は四角形の缶用材を丸めてその両端がシームされて
作られるが、このシーム技術もSnめっき鋼板のSnの
節約に応じて開発され、半田付けに始まり現在では溶接
法、接着法等が実用されている。
ティンフリースチールはCrめっき鋼板であり、全<S
nを用いないものであるが、残念ながら、有機材料を用
いた接着法によるシームしか行えず、溶接法が実用でき
ない、接着法では、接着剤に耐熱性の限界や接着時間に
伴う生産性の低下等があり、使用上、工程上の制限を受
ける。溶接法では、継ぎ口部を重ねて銅線電極の間に挟
み、ロールによって加圧しながら電気抵抗加熱溶接を行
う、このとき、ティンフリースチールでは被膜表面に絶
縁体である酸化物が多く、継ぎ目表面同士の接触電気抵
抗が大き過ぎて高電圧を印加しなければならない、高電
圧をかけると局部的に過剰電流が流れチリと呼ばれるス
プラシュが発生する。現在では、めっき最表層に少量の
Snが存在することで、これが解消されることが判り、
このSnの最小量は0.05g/m2であるといわれて
いる、即ち、溶接缶用極薄Snめっき鋼板の開発では、
缶用材としての耐食性や加工性等の緒特性に加えて、溶
接時に最小量のSnを残すことに力が注がれている。
一般には、溶接前に缶内塗料が焼き付けられ、この際に
鋼板上にめっきされたSnは拡散するFeと合金化し金
属Snの特性を失う、Snのみをめっきしその上に化成
処理を施したSnめっき鋼板では、この点を考慮しSn
を1.1g/m”まで減じたいわゆる#10ぶりきまで
が実用されている。これに対して、更にSn量を減じて
も前記した他の緒特性とともに溶接性を損なわないめっ
き被膜構成として、Sn層の下にCrのめっき層を設け
ることが検討されている0例えば、特開昭62−139
898では、鋼板表面に0.01g / 、z乃至0.
2g/m”のCrをめっきし、このめっき層の上にSn
をめっきすることによってSnめっき量を0.1g/m
”まで節減することが提案されている。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、Crめっき層の表面にはCrの酸化物や
水酸化物の存在が免れず、したがって、この上にSnめ
っきを施そうとすると、Snめっき被膜の付着性が悪く
、被膜の均一性が得られないと同時に電着効率低下する
。即ち、上層のSnは十分に活用されていない。
この発明はこの問題を解決するためになされたもので、
少量のSnを十分に活用することにより、Snの量を節
約しても、耐食性、塗装性その他の缶用材としての緒特
性とともに溶接性に優れた溶接缶用8iiff S n
めっき鋼板の提供を目的とするものである。
[課題を解決するための手段] この目的を達成するための手段は、鋼板の表面にCrめ
っき層を有し、このCrめっき層の上にNiめっき層を
有し、そのNiめっき層の上に0.05g/=2以上1
.0g/m”以下の均一なSnめっき層を有する溶接缶
用極fil S nめっき鋼板と、この溶接缶用極薄S
nめっき鋼板を製造する方法であって、この方法は、冷
延鋼板の表面に均一にCrめっきを施し、形成されたC
rめっき層の上に、N1を気めっきを施し、その上に0
.05g/m”以上1.0g/m”以下のSnめっきを
施す溶接缶用極薄Snめっき鋼板の製造方法である。又
、上記の溶接缶用極薄Snめっき鋼板において、望まし
いめっき量の範囲はCrめっき層が0.01g/m2以
上0.2g/m2以下であり、Niめっき層が0.01
g/m”以上0.2g/m2以下である。
[作用] 最下層のCrめっき層が、めっき鋼板に耐食性を与える
と共に塗装焼き付は時の5n−Fe合金化を抑制するこ
とは、よく知られている。もう一つのCrめっき層の作
用として電位勾配を緩和する作用がある。NiはFe較
べてがなり責なる電位を有し、食缶内のように電解質が
存在するとFeをアノードとした電池を形成し、Feの
溶出を促進作用があるが、Crの電位はNfとFeとの
中間に位置し、NiとFeの電位差を緩和し前記電池の
形成を防ぎ、Feの溶出を抑制する。
しかし、このCrめっき層の欠点としてその上にSnめ
っきを施そうとすると、めっきの付着効率が低下する現
象がある。この効率の低下を防ぐためにNiめつき層が
大きな効果を発揮する。金属Crの表面では酸化物或い
は水酸化物が生成され易く、Snの析出が抑制されるの
で、これら酸化物などが存在するとその上のめつき層は
被膜を形成して剥離し易い、これに加え、析出しなSn
の表面拡散も容易でないため、均一なSnめっき層を得
ることが困難である。このため、Snめつき時にその電
着効率が著しく低下する。これに対して、Ni電気めっ
き時にはCrの酸化物等が還元され易く、又Niは表面
拡散性に富んでいるので、Crめっき層上でも均一性の
良い被膜を形成する。その上、Ni表面では酸化物等も
少なく、Niめっき層の表面ではSnの析出点も豊富に
かつ均一に分布し、加えて表面拡散も容易に行われて均
一な被膜が形成されめっき効率が向上する。
製造方法において、冷延鋼板の表面に均一にCrめっき
を施し、この形成されたCrめっき層の上にNi電気め
っきを施すのは、上記したNi電気めっきの還元作用と
、Niめつき層表面が持つSnめっきにとって優位な性
状とを利用するためである。めっき性の総合結果として
現れるめっき効率を調べてみるとこの優位性が明瞭に判
る。
第1図は、Ni電気めっき層の厚さを変えてSnめっき
の効率を調べた結果である6図で、縦軸はSnめっき効
率、横軸はN1めっき付着量である0両者の間には明ら
かに関係があり、N1めつき付着量が0.01g/m”
近くになるとSnめつき効率は急に向上し、0.02g
/+n2では80%に達する。その後は、Niが増えて
も効率上昇は緩やかである。Ni電気めっきを行わなか
った場合、Snめっき効率は40%よりかなり低く、S
nの析出や表面拡散が非常に抑制されていることが推定
される。更に、Snめつき表面を観察すると、効率80
%以上のものは平滑であったが、40%以下のものは粗
く不均一であった。
このように、Ni電気めっきを施した後その上にSnめ
っきを施すと、均一なSnめつき層が形成され、被膜は
薄くても効率よく表面全体を覆うことができる。又、こ
のNiめつき層は、Crめっき層とSnめつき層との間
に存在すると、非常に薄くても、極めて有効に塗装焼き
付は時の5n−Fe合金化を抑制し、200℃で10分
間の塗装焼き付は後も、殆どのSnが金属Snの状態で
残る。これと類似した効果はCrめつき層にもあるが、
Niめつき層の存在によって極めて顕著に現れる。この
ため、合金化するSn量だけ余分にめっきせずに済み、
少量で溶接性を確保することができる。これに加えて、
Crめつき層は加工を受けたとき亀裂が生じ易い傾向に
あるが、Niめっき層はSnめっき層と共に亀裂を覆い
これを補う。
Snめっき層はシーム溶接部にあっては、Sn特有の軟
らかさと低い融点のために電気抵抗加熱溶接時の接触抵
抗を減じ良好な溶接を可能にし、又、缶内容物充填後は
耐食被膜として機能する。
Snめっき量は溶接性を確保するだけあればよいが、余
り少ないと溶接時にチリが発生するおそれもあり O−
05sr /m’L1Fは必要である−ここで得られる
Snめつ、き層は均一であるので、付着量は少なくても
溶接性、耐食性に対し共に有効に作用する。又、Sn量
は多い程溶接性は向上するが、増量の効果は徐々に小さ
くなるので、Sn節約の観点からも、1.0g/m”を
上限とすることが妥当て゛ある。
このように、鋼板の表面にCrめつき層を有し、このC
rめっき層の上にNiめっき層を有し、そのNiめっき
層の上に片面当たり0.05g/II+2以上のSnめ
っき層を有する複層にめっきされた缶用鋼板であると、
Sn量の少ないめっき皮膜構成であっても、塗装性や耐
食性などの缶用材の諸特性を満たした上に、十分な溶接
性を具備することができる。
Niめっきの量については、極めて薄いめっき層でSn
めっき効率、5n−Fe合金化抑制及び耐食性について
の効果を発揮するが、実用的に安定した効果を得るため
には0.01g/m”以上であることが好ましい、又、
Niめつき量は多いほど耐食性は高まるが、Snめっき
効率向上効果も5n−Fe合金化抑制効果も0.2g/
m”では既に飽和するので、省資源及び経済的観点から
は0.2g/m2以下が適当である。
最下層のCrめつき層については、5n−Fe合金化の
抑制はNiめつき層と協同で行い、又、耐食性被膜の役
割はSnめっき層及びN1めつき層と協同で果たすので
、Crめつき量は少なくてもよいが、実用的に安定した
効果を得るためには0.01g/m”以上であることが
好ましい。Cr量が多過ぎた場合、例えば、1.0g/
m”を超えると、この層は硬いので溶接時に接合面の柔
軟性を欠け、接触抵抗が増え溶接性にとって好ましくな
い、5n−Fe合金化抑制効果も0.2g/m”を超え
ると飽和してくるので、省資源及び経済的観点からも、
0.2g/m”以下が実際的である。
[実施例] (実施例1) 冷延鋼板の表面に、NH4F  添加浴を用いてCrを
0.1g/m2めっきし、このめっき層の上に引き続き
0.02g/m’のNi電気めっきを施し、その上に、
量、を変えて、Snめっきを施し、最後にクロメート処
理を行った。同時に、比較のために、Niをめっきしな
かったもの及び鋼板に直接Snをめっきしたもの等を作
製し、これらを試験片として、製缶時の塗料焼き付は条
件と同じく、板温205℃で10分間空焼きし、このと
き合金化したSnの量を調べた。クロメート処理には、
一般に用いられている重クロム酸ソーダ浴を用い、めっ
きの条件は各々次のようであった。
Crめつき: Cr O3200g / rr? (NH4)F         3 g/m”浴温  
          50℃ 電流密度       40 A / d m”Niめ
っき: NiS ○4・6H2O NiC12・6 N20 HsB Os H 浴温 24 0  g / m” 4 5  g / m” 3 0  g / m” 2.6 50 ℃ を流密度       40 A / d m”Snめ
っき: Sn”                   30g
/m”フェノールスルフォン酸 70 g / rn2
光沢剤          5 g / m2浴温  
           50℃電流密度       
20 A / d m”調べた結果を第1表に示す。
第1表 試験Na 1乃至5はこの発明の実施例で、合金化した
Snは蛍光X線分析で検出されず、その量を零とみなし
た。因に、O,001g/m”の合金化Sn量があれば
検出される。一方、CrめつきとNiめっきとを同時に
、即ち合金めっきを、施した上にSnめっきを施した試
験N[L 6では、40%近いSnが合金化し、更にC
rめつきもNiめつきも施さなかった試験Na 7では
70%近いSnが合金化した。又、Crめつきの上にS
nめっきを施した従来例では、30〜40%程度のSn
が合金化した。
(実施例2) Crめっき、Niめっき及びSnめつきの量を変えてめ
っきした後クロメート処理を施した試験片について、耐
食性、溶接性を調べた。めっきは実施例1と同様に行い
、クロメート処理には、無水クロム酸50g/ρに弗化
アンモン1g/ρを添加した周知の浴を用いた。供試材
には1、比較のために発明の範囲外の比較例と従来技術
によるCrめっき層の上にSnをめっきした従来例とを
含めた。
耐食性調査では、加工後耐食性、鉄溶出試験、塗膜下耐
食性試験を行った。
加工後耐食性は、製缶時の巻き締め加工後の耐食性を調
べるもので、試験片を二つに折り曲げ、これを食塩1,
5%、クエン酸1.5%を含む水溶液に38℃で96時
間浸漬した後、鉄の発錆を調べた。二つに折り曲げると
き、その間にスペーサーを全く挿まない、いわゆる密着
折り曲げをOT、試験片と同じ厚さの板を挿んだ場合の
IT、以下5Tまでの折り曲げ方により、どの折り曲げ
方まで発錆がなっかったかによりT値で判定する。ここ
では、試料30枚について試験し、全てがITより良か
った場合を012Tが混じた場合を△、3Tが混じた場
合を×で評価した。
鉄溶出試験は、果実やジュースなどの缶内容物による腐
食の耐性を調べるもので、供試材にエポキシ系缶内塗料
を20μm塗り、205℃で10分間焼き付けた後、ク
エン酸1.5%と食塩1.5%含む水溶液に38℃で9
6時間浸漬し、この浸漬液に溶出、した鉄の量を測定し
た。
塗膜下耐食性試験としては、UCC試験とブリスター試
験とを行い、両試験のうち悪いほうの結果で塗膜下耐食
性を評価した。UCC試験では、鉄溶出試験と同様に缶
内塗料を焼き付けたのち、塗膜にナイフで十字に下地に
達する傷を付け、これを鉄溶出試験と同じ条件で浸漬し
た後、傷の周囲の劣化状況を観察した。劣化の状況は、
塗膜めくれ状況、素地の腐食状況を目視観察し、腐食が
認められない状態を○、腐食が若干認められるが実用に
耐える状態を△、−見して腐食が認められ状態を×で評
価した。
ブリスター試験では、鉄溶出試験と同様に缶内塗膜を焼
き付けた試片を、先ず、0.1%食塩中で120℃に加
温し、2kg/−の加圧下に1゜5時間曝す、この後頁
に、0.1%の食塩水に38℃で96時間浸漬し、塗膜
の劣化状況を観察する。観察は、塗膜にふくれの発生し
ている部分の面積が全体に占める率を判定する。率が5
%未満を015〜20%を△、20%を超えた場合を×
で評価した。
溶接性は同種の材料同士の接触電気抵抗を測定すること
で評価した。試験片を二枚重ねて直径5■■の銅電極間
に挿み込み、4000 k g / crAの圧力下で
通電し、このときの通電電流と試験片間の電位差とから
接触抵抗を求めた。
供試材及び試験の結果を第2表に示す。
実施例では好ましい条件範囲にある試験隘11から18
までは勿論のこと、全項目で十分に満足な結果が得られ
、Crめっき量のやや少ない試験N[L19及びNiめ
っき量の少ない試験Na2Oでは、他の実施例に較べ、
鉄溶出量がやや多かったが、両試験とも実用に耐える結
果であった。
これに対して、実施例と較べると比較例では、Crめつ
き量が極端に多い試験N[L21、及びSnめっき量の
少なすぎる試験隘22では接触抵抗が大きく溶接性に劣
り、Crめっき層及びNiめっき層の存在しない試験1
VkL23では、Snが殆ど合金化してしまい、鉄溶出
量が多く、塗膜下耐食性に劣ると共に溶接性も実用限界
近くに低下している。
第2表 iめっきを施していない従来例では、 実施例 と較べると、鉄溶出、塗膜上耐食性、溶接性共にやや劣
る。
Crめっき層の上にNiめっきが施されていることによ
って、薄いめっき層であっても、安定した緒特性を確保
しながら、Sn量を0.05g/m”まで節減すること
が可能となる。
[発明の効果] 以上のように、この発明によればCrめっき層の上にN
iめっき層、その上に均一なSnめっき層が存在する被
膜構造となっているので、Sn量は少なくても缶用材と
して必要な耐食性を維持しながら、優れた溶接性を具備
した溶接缶用極薄Snめっき鋼板となっている。このよ
うに、性能に優れ且つ省資源を実現したこの発明の効果
は大きいと言わざるを得ない。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明の詳細な説明するNi量と合金抑制
効果の関係を示す図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)冷延鋼板の表面にCrめっき層を有し、このCr
    めっき層の上にNiめっき層を有し、そのNiめっき層
    の上に0.05g/m^2以上1.0g/m^2以下の
    均一なSnめっき層を有することを特徴とする溶接缶用
    極薄Snめっき鋼板。
  2. (2)冷延鋼板の表面に均一にCrめっきを施し、形成
    されたCrめっき層の上にNi電気めっきを施し、その
    上に0.05g/m^2以上1.0g/m^2以下の均
    一なSnめっきを施すことを特徴とする溶接缶用極薄S
    nめっき鋼板の製造方法。
  3. (3)Crめっき層が片面当たりCr換算で0.01g
    /m^2以上0.2g/m^2以下である請求項1記載
    の溶接缶用極薄Snめっき鋼板。
  4. (4)Niめっき層が0.01g/m^2以上0.2g
    /m^2以下である請求項1又は請求項3記載の溶接缶
    用極薄Snめっき鋼板。
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