JPH0324528Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は、リールによりウエブを巻取るウエブ
の巻取装置に関し、例えば自動現像機より現像処
理を終えて排出されるウエブ状の感光材料を自動
的に巻取る感光材料の巻取装置などに好適なもの
である。

〈従来技術〉 第１０図はウエブ状の感光材料の自動現像機を
示す概要図であり、カセツト２に収容された露光
済みのウエブ状感光材料（以下、単に感光材と呼
称する）４は、現像槽６、定着槽８、水洗槽１
０、乾燥部１２を通過する間に現像処理され、巻
取装置１４において巻取られる。

巻取装置１４は第１１図に正面図を、第１２図
にその断面図を示したように、一対の側板１６，
１６間に軸支された２本の支持ローラ１８，２
０、巻取軸２１の両端をフランジ部２２で支え両
端フランジ部２２が前記支持ローラ１８，２０に
より支持されたリール２４及びリール２４の左右
方向の移動を規制するストツパ２５等より構成さ
れる。

リール２４は支持ローラ１８，２０の両方もし
くはいずれか一方をモータ２６により回転させる
ことにより、支持ローラ１８，２０とフランジ部
２２の間の摩擦力によつて回転するが、リール２
４の回転速度は自動現像機内の感光材料４の搬送
速度により規制されるため、リール２４のフラン
ジ部２２と支持ローラ１８，２０の間には常にあ
る程度のすべりが生じている。

〈考案が解決しようとする問題点〉 自動現像機においては、感光材料４の搬送に伴
い感光材料４が左右方向に蛇行する場合がある。
感光材料が蛇行した場合には、リール２４の軸芯
方向と感光材料４の巻取方向とが直交せず、感光
材料４の両端部における張力が異なるため、リー
ル２４に巻き取られる感光材料４は、その一方の
端部において巻きだるみが生じ、均一に巻き取る
ことができないという問題点がある。

〈問題点を解決するための手段〉 本考案は、上記問題点を解決するための手段と
して、ウエブ巻取用リールの両端フランジ部を２
本の支持ローラにより支持し、該支持ローラの回
転によりリールを回転させ、ウエブをリールに巻
き取るウエブ巻取装置において、前記支持ローラ
の少なくとも一方に互いに反対方向に向くテーパ
ー部を有する一対のカラーを配設し、該カラーに
よりリールの両端フランジ部を支持したウエブ巻
取装置を提供するものである。

〈作用〉 感光材料の蛇行が発生した場合には、感光材料
の張力の大きい側の端部方向にリールを移動させ
ようとする偏位力が発生するが、この偏位力によ
りリールのフランジ部がカラーのテーパー部上を
移動し、リールの軸芯が蛇行した感光材料の巻取
方向と直交する方向に変位するため、感光材料に
取きだるみを生ずることなく、正確に巻き取りが
おこなわれる。

〈実施例〉 以下、本考案に係る実施例を図面に基づいて説
明するが、第１１図及び第１２図と同一のものは
同一付号を付して説明を省略する。

第１図は本考案に係るウエブ巻取装置の正面図
であり、第２図は第１図の平面図である。

これらの図において３０は支持ローラ１８に遊
嵌された一対のカラーであり、互いに反対方向を
向くテーパー部３２を有している。また３４はカ
ラー３０の外側に設けられたストツパであり、ね
じ３６によつて支持ローラ１８に固定されてい
る。従つて、一対のカラー３０は一対のストツパ
３４の内側において、支持ローラ１８に沿つて移
動可能となつている。

上述した装置において、モータ２６を駆動する
と、モータ２６に連結された支持ローラ２０及び
モータ２６とタイミングベルト２８を介して連結
された支持ローラ１８が回転し、それに伴ないリ
ール２４を回転する。ただし、前述したように、
リール２４の回転速度は自動現像機内の感光材料
４の搬送速度により規制されているため、リール
２４のフランジ部２２と支持ローラ２０の間、フ
ランジ部２２とカラー３０の間及びカラー３０と
支持ローラ１８の間にはある程度のすべりが生じ
ている。

上述した構成において、リール２４を回転させ
ることにより、感光材料４をリール２４に巻き取
つている際に、感光材料４の蛇行が発生した場合
には、感光材料４の左右両端部において張力の差
が発生する。第１図、第２図において感光材料４
の右側端部の張力が左側端部の張力より大きくな
つた場合においては、リール２４を右側、すなわ
ち張力の大きい側に移動させようとする偏位力が
発生し、その偏位力によりリール２４は右側へ移
動する。

第３図は、リール２４が右側へ移動した状態を
示す正面図であり、第４図はその平面図である。
これらの図に示したように、リール２４が右側へ
移動すると、リール２４のフランジ部２２は、右
側のカラー３０におけるテーパー部３２上に移動
する。また、左側のカラー３０は左側のフランジ
部２２の移動に伴い右側に移動する。

第５図は、リール２４の右側フランジ部２２の
移動を示す要部側面図であり、この図において二
点鎖線ａは第１図及び第２図に示したように、フ
ランジ部２２がカラー３０のテーパー部３２に乗
る前の状態を示し、実線ｂは第３図及び第４図に
示したように、フランジ部２２がテーパー部３２
に乗つた後の状態を示す。第５図に示したよう
に、フランジ部２２の中心は、支持ローラ２０の
軸芯を中心とし、支持ローラ２０の半径とフラン
ジ部２２の半径の和を半径とする円周に沿つて距
離ｌだけ移動したことになる。

この右側のフランジ部２２の移動に伴い、第３
図及び第４図に示したように、リール２４の軸芯
は蛇行した感光材料４の巻取方向に対して直交す
る方向に変位し、感光材料４の右側端部の張力は
小さくなる。従つて、リール２４に巻き取られる
感光材料４は、巻きたるみを生じることなく、正
確に巻き取られることとなる。

感光材料４の蛇行がなくなれば、リール２４は
第１図及び第２図に示した状態まで復帰し、また
感光材料４が第３図及び第４図に示した状態と反
対方向に蛇行した場合には、リール２４は上述し
た説明と反対方向に移動する。

第６図は、カラー３０を取り付けるべき支持ロ
ーラの位置を示す概要図である。カラー３０によ
るリール２４の一端のフランジ部２２の移動は、
感光材料４の巻取方向に平行な方向に向くことが
好ましく、第６図において、感光材料４をＡの方
向より巻き取る場合においては、支持ローラ１８
に前述したカラー３０を取り付ければよい。ま
た、感光材料４を第６図におけるＢの位置より巻
き取る場合においては、支持ローラ２０にカラー
を取り付けることが好ましいが、この場合には支
持ローラ２０はリール２４に対し、感光材料４の
巻取方向前段に存在するため、第１図乃至第５図
に示したカラー３０と逆方向のテーパー部、すな
わち外側に向つてその直径が小さくなるテーパー
部を有するカラーを配設する必要がある。

本考案に使用するカラー３０は、第１図乃至第
４図に示した形状のものに限定する必要はなく、
例えば第７図に示したよに全面にテーパー部３２
を有するものでもよく、また第８図に示したよう
にカラー３０を支持ローラ１８に直接固定したも
のでもよい。ただし、カラー３０を支持ローラ１
８に固定する場合には、リール２４の横方向の移
動によつても、リール２４のフランジ部２２がカ
ラー３０より外れないように、カラー３０の支持
ローラ１８方向の長さをある程度長く構成する必
要がある。テーパー部の角度は、リール２４の重
量や巾、巻き取る感光材料４の長さ、もしくは予
想される蛇行量にもよるが、2゜〜30゜程度が好ま
しい。さらに、本考案に使用するカラー３０とし
ては、第９図に示したように連続する曲面状の斜
面３３を有するものであつてもよく、本明細書で
述べるテーパー部とはこのような構成をも含むも
のである。

〈考案の効果〉 本考案に係るウエブ巻取装置は、支持ローラに
配設したテーパー部を有するカラーにより、ウエ
ブが蛇行した際に、自動的にリールの軸芯方向
を、ウエブの巻取方向と直角な方向に変位させ、
ウエブの両端部の張力差を緩和することができる
ので、リールに巻き取られるウエブに巻きたるみ
等を生じさせることなく、正確に巻き取りをおこ
なうことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第５図は本考案に係るウエブ巻取装
置を示し、第１図はウエブ巻取装置の正面図、第
２図はウエブ巻取装置の平面図、第３図はリール
が偏位した状態を示す正面図、第４図はその平面
図、第５図はリールが偏位した状態を示す要部側
面図、第６図はカラーを取り付けるべき支持ロー
ラとフランジ部との関係を示す要部側面図、第７
図乃至第９図はそれぞれカラーの他の形状を示す
断面図、第１０図はウエブ状感光材料の自動現像
機の概要図、第１１図及び第１２図はそれぞれ従
来の装置を示す正面図及びその要部側面図であ
る。 ４……ウエブ状感光材料、１４……巻取装置、
１８，２０……支持ローラ、２２……フランジ
部、２４……リール、２６……モータ、３０……
カラー、３２……テーパー部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ウエブ巻取用リールの両端フランジ部を、２本
   の支持ローラにより支持し、該支持ローラの回転
   によりリールを回転させ、ウエブをリールに巻取
   るウエブ巻取装置において、前記支持ローラの少
   なくとも一方に、互いに反対方向を向くテーパー
   部を有する一対のカラーを配設し、該カラーによ
   りリールの両端フランジ部を支持したことを特徴
   とするウエブ巻取装置。