JPH0324507Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、例えば積層状の複写用紙を複写工
程に合わせて一枚ずつ分離給送するもの、あるい
は一連の複写原稿を一枚ずつ分離して原稿セツト
面上に給送するように、積載した用紙を一枚ずつ
確実に分離する給紙装置に関する。

〔従来の技術〕

一般に、この種の装置では、紙載台にローラ、
ベルトなどの繰り出し手段を配置し、この繰り出
し手段で用紙を分離手段に送り込み、その一枚を
分離して本体装置に給送する。

その際、分離手段に正常に用紙先端が送られる
と、確実に分離され、ノンフイード、ダブルフイ
ードなどのミスフイールドを招くことは少ない。

ところが、分離給送する用紙のサイズ、重量、
特に最大厚さの用紙収納時と最後の用紙とでは繰
り出し手段に対する摩擦力は著しく異なり、用紙
の分離手段への繰り出しが問題となる。

そこで、従来、紙載台の上部に繰り出し手段に
対向する押圧片を設け、この押圧片をソレノイド
で用紙に圧接することにより、用紙を繰り出し手
段に押し付けて最後の一枚までを繰り出すように
している。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかし、上記従来例では次の問題点がある。

すなわち、紙載台の用紙量に関係なくソレノイ
ドの作動により押圧片を用紙に圧接しているた
め、用紙が多い場合と少ない場合とではソレノイ
ドの駆動量、つまり吸引力が大きく異なり（駆動
量小では吸引力小、駆動量大では吸引力大）、そ
れぞれの場合で圧接力が大幅に異なつてしまい、
ダブルフイードを招いたり、逆に分離ローラの入
口部に重合した用紙先端が詰まつてノンフイード
を招くことが頻発する。

この考案の目的は、用紙の収納量にかかわらず
押圧手段によりほぼ一定の状態で用紙を繰り出し
手段に押圧し、最後の用紙に至るまで確実に送り
出すことができる給紙装置を提供することにあ
る。

〔課題を達成するための手段〕

上記目的を達成するためこの考案は、 繰り出し手段に対向して配置される押圧手段
と、 押圧手段を繰り出し手段に対して揺動自在に支
持した支持部材と、 押圧手段を前記繰り出し手段側へ付勢する付勢
手段と、 支持部材を押圧手段が用紙を圧接する方向に駆
動するソレノイドと、 ソレノイドによる押圧手段の圧接を解除する
際、支持部材の復帰動作を行う復帰手段と、 を備えている。

〔作用〕

この考案では、ソレノイドの駆動により押圧手
段を用紙に圧接させた際、押圧手段と支持部材と
は固定でないため、用紙量に応じて押圧手段と支
持部材との結合角度が変り、用紙量に関係なく、
ソレノイドを一定量駆動できる。

〔実施例〕

以下、図に基づいてこの考案の一実施例を説明
する。

第１図および第２図を参照して説明すると、１
は紙載台で、その上に積層上の用紙３を収納する
ようになつている。

２はこの紙載台１に配設したローラからなる繰
り出し手段で、図示しない駆動モータに連結して
ある。

この他、繰り出し手段２としては無端ベルトで
構成してもよい。この繰り出し手段２は、紙載台
１上の最下層紙に係合し、これを分離手段４側に
送り出すようになつている。

分離手段４として図示のものは、第１図矢印方
向に回転する回動ローラ４ａと、これに圧接した
固定ローラ４ｂとで構成している。

固定ローラ４ｂの代わりに摩擦パツトでも、あ
るいは給紙方向に対し逆転するローラでもよい。
さらに、負圧ノズルのピツクアツプなどいわゆる
バキユーム分離でもよい。

そして、機枠１０に支持部材例えば支軸１１が
回動自在に軸承してあり、この支軸１１には押圧
手段例えば押圧片７が揺動自在に取り付けられて
いるとともに、復帰手段例えばスプリング８およ
び作動ソレノイド９が取り付けられている。

押圧片７は、スプリング８で常時紙載台１から
離反する方向に付勢され、作動ソレノイド９でこ
のスプリング８に抗して用紙３を繰り出し手段２
に押圧するようになつている。

S₁，S₂は、用紙の検知センサである。

そして、この押圧片７は本体装置からの給紙指
示信号を得て繰り出し手段２の起動と相前後して
作動ソレノイド６が励磁され、スプリング８に抗
して用紙３の最上紙に係合して用紙全体を繰り出
し手段２側に押圧するようになつており、この繰
り出し手段２で最下層紙を分離手段４に送り込
み、最下層紙のみを分離して給送する。この用紙
先端がセンサS₁に至つた信号で作動ソレノイド９
をOFFして押圧片７を最上用紙から離反させる。

１５は押圧片７に形成した支軸１１への突き当
てストツパー部である。

さらに、押圧片７を用紙幅方向両側から繰り出
し手段２側に付勢する付勢手段例えば一対のスプ
リング１２が設けられている。スプリング１２
は、板バネでもコイルスプリングでもよい。

この装置の作用を次に説明する。

押圧片７を支持する支軸１１が使用過程のがた
つきその他で傾いて、押圧片７が紙載台１上の用
紙に対して第３図のように傾く傾向にあつても、
スプリング１２で同実線の状態でほぼ均等に用紙
を繰り出し手段２側に押圧する。同様に、繰り出
し手段２の左右が傾いても、押圧片７はスプリン
グ１２の作用で用紙に傲つてほぼ均一に用紙を押
圧する。

これとともに、押圧片７は第４図のように紙載
台１上の用紙量に応じてスプリング１２で確実に
用紙を繰り出し手段２に押圧し、確実な用紙繰り
出しを可能にする。

なお、この考案にあつて押圧片７のスプリング
１２は１か所以上あればよいが、図示のようにそ
の幅方向左右に一対のスプリング１２を配設する
ことがより確実な効果を期待できる。

〔考案の効果〕

この考案は、ソレノイドによつて駆動される支
持部材に押圧手段を揺動自在に支持し、かつ押圧
手段を付勢手段で繰り出し手段側に付勢するよう
にしたので、ソレノイドの駆動により押圧手段を
用紙に圧接させた際、押圧手段と支持部材とは固
定でないため、用紙量に応じて押圧手段と支持部
材との結合角度が変り、用紙量に関係なく、ソレ
ノイドを一定量駆動できる。このため、従来のよ
うにソレノイドの駆動量の変動による押圧手段の
圧力の大幅な変動を防止できる。

また、押圧手段は紙載台上の用紙量に関係な
く、付勢手段の弾性力で用紙を繰り出し手段に押
圧し最後の用紙に至るまで確実な給紙が可能であ
る。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示し、第１図は全
体説明図、第２図は要部平面説明図、第３図およ
び第４図は作動状態の説明図である。 １……紙載台、２……繰り出し手段、３……用
紙、７……押圧片、８……スプリング、９……ソ
レノイド、１１……支軸、１２……スプリング。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 繰り出し手段上に載置された用紙をこの繰り
   出し手段で順次給送する給紙装置において、 前記繰り出し手段に対向して配置される押圧
   手段と、 この押圧手段を前記繰り出し手段に対して揺
   動自在に支持した支持部材と、 前記押圧手段を前記繰り出し手段側へ付勢す
   る付勢手段と、 前記支持部材を前記押圧手段が用紙を圧接す
   る方向に駆動するソレノイドと、 このソレノイドによる前記押圧手段の圧接を
   解除する際、前記支持部材の復帰動作を行う復
   帰手段と、 を備えてなることを特徴とする給紙装置。 (2) 前記付勢手段は、前記押圧手段を用紙幅方向
   両側から前記繰り出し手段側へ付勢する一対の
   スプリングであることを特徴とする実用新案登
   録請求の範囲第１項記載の給紙装置。