JPH0324426Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は盲蓋の構造に係り、特に所定の機器乃
至は部材を装着するための孔部が、ハウジング等
の被装着部材に一体に設けられた盲蓋によつて覆
われ、必要時には、該盲蓋が容易に取り除かれ得
るようにされた盲蓋の構造に関するものである。

従来より、例えば車両のインストルメントパネ
ルに装着されるヒータコントロール装置では、第
１図、第２図に示されるように、そのハウジング
２の前面開口部に取り付けられるパネル４には、
エアコン等のオプシヨナル装備品に対するスイツ
チ等の制御手段を装着すべき穴６が設けられ、更
に、該穴６を略覆蓋する盲蓋８が、ハウジング２
の内側に向けて立設された適数個の継ぎリブ１０
を介して前記パネル４に一体に成形されている。

それ故に、オプシヨナル装備品のスイツチ等を
取り付けるために盲蓋８を取り除くに際しては、
前記継ぎリブ１０をニツパやカツタなどの道具を
用いてパネル４から切断するのであるが、該継ぎ
リブ１０がパネル４の裏面に取り付けられている
ため、表側からでは作業が困難で、パネル４自体
が組み付けられているハウジング２からパネル４
を取り外すことがどうしても必要となるのであ
り、従つて、作業工数の増加による作業能率の低
下が避けられなかつたのである。

ここにおいて、本考案は、かかる事情に鑑みて
為されたものであつて、その目的とするところ
は、極めてありふれた道具を用いて盲蓋に捩り作
用を加えることによつて、極めて簡単に、且つ容
易に盲蓋を取り外し得るようにした盲蓋の構造を
提供することにある。

そして、この目的を達成するために、本考案に
あつては、所定の機器乃至は部材を装着するため
に設けられたハウジング、パネル等の被装着部材
における孔部を一時的に閉塞し、前記装着時には
取り除かれる盲蓋において、その裏面の略中央部
に位置して後方に突出する所定厚さの突部を設け
ると共に、該突部に対応した盲蓋の表側に位置し
て該突部内に突入する溝部を設け、該溝部内に挿
入されたドライバ等の道具による捩り作用にて前
記孔部周縁部との接続部に対して破断を惹起せし
めるようにしたことを特徴とするものである。

かくして、かくの如き本考案に従つて、盲蓋に
設けられた溝部内に、ドライバ等のありふれた道
具を挿入して捩り作用を与えることによつて、一
挙動操作により孔部周縁部との接続部を破断に導
き、盲蓋を極めて簡単に且つ容易に取り除くこと
が可能となつたのであり、従来のように、少なく
とも２箇所以上において継ぎリブをニツパやカツ
タ等により切断する等の面倒な作業が省略され
て、作業能率の向上が達成されたのである。

また、かかる盲蓋にあつては、その溝部内にド
ライバ等を挿入して捩ることによつて、被装着部
材の表面側から取り除くことが出来ることから、
狭い部分や入り込んだ奥部等でも除去作業が容易
で、該盲蓋の除去のために、被装着部材を取り外
す必要もないのであり、それ故、特に車室内のパ
ネル等の盲蓋に対して、極めて有利に適用され得
るのである。

以下、本考案に係る盲蓋の構造を示す実施例に
ついて、図面にもとづいて、詳細に説明すること
とする。

第３図において、１２は車両に装備されるヒー
タコントロール装置のハウジングであり、その前
面開口部に取り付けられるパネル１４との間に
は、光源や該光源からの光をパネル１４の多くの
表示部分１６に導く透明な樹脂板からなる光誘導
体等の図示しない公知の部材が収納され、これら
によつて表示部分１６が照明されるようになつて
いるのであり、前記パネル１４に設けられたスリ
ツト１８内を移動する図示しない操作レバーによ
つて前記表示部分１６が指示されるようになつて
いるのである。

また、パネル１４には、オプシヨナル装備品と
してのエアコンのスイツチ等を装着すべき場所
に、所定形状のホール（第３図において長方形
穴）２０が穿設されている。そして、これをパネ
ル１４の裏側より覆う盲蓋２２がパネル１４に設
けられているのである。

この盲蓋２２は、第４図乃至第８図に示される
ように、パネル１４の裏側に立設された２つの脚
部２４，２４によつて支持されている。なお、四
角皿状の盲蓋２２の周縁部には内方に向けてフラ
ンジ部２６が突設、形成され、このフランジ部２
６と前記脚部２４の頂部とが接続腕２８によつて
それぞれ接続されている。そして、この接続腕２
８は、該盲蓋２２を挟んで四角皿状の盲蓋２２の
相対する辺の対角線近傍に配設されている。ま
た、盲蓋２２の中央部には、その長手方向に沿つ
て、表面（前面）側を開口とする凹溝３０が形成
されている。ここに、凹溝３０の周囲をとりまく
部分は、盲蓋２２の略中央部に位置して後方へ突
出する突部３１を形成する。

更にまた、前記接続腕２８には、第７図に示さ
れるように、斜面によつて肉厚を薄くされた切り
離し部２３が形成されており、盲蓋２２に捻り等
の外力が加わるとこの切り離し部３２から容易に
捻り切れるようになつているのである。

それ故に、このパネル１４にオプシヨン部品の
制御手段であるスイツチ等を取り付けようとする
ときには、その取付穴であるホール２０をパネル
１４に開口させるために、盲蓋２２を取り除くこ
とが必要とされ、この目的のために、ドライバー
等のありふれた道具３４の先端をパネル１４の前
面から盲蓋２２の凹溝３０に差し込んで軽く捻る
のである。かくすることによつて、接続腕２８の
最も薄くなつた切り離し部３２に集中応力が作用
して、盲蓋２２は容易に破断され、パネル１４か
ら極めて簡単に分離させられることとなるのであ
る。しかも、その作業としては、ドライバー等に
よる一挙動操作にて十分であり、形成されるホー
ル２０も既に仕上面が形成されており、何等の後
仕上げも必要としないのである。

かくの如く、本実施例になつては、ありふれた
道具であるドライバー等を用いて、パネル１４の
前面から盲蓋２２に捩り作用を与えるという単な
る一挙動操作によつて、極めて簡単に、且つ容易
にパネル１４より盲蓋２２を取り除くことが可能
となるのであり、パネル自体を取り外す必要もな
く、何等の面倒な前作業も後作業も不要であつ
て、作業時間の短縮による作業能率の向上が達成
されたのである。従つて、従来のように、盲蓋を
取り除く前に、パネルをハウジングから取り外し
たり、更に、少なくとも２箇所以上において継ぎ
リブをニツパやカツタ等により切断する等の面倒
な作業の必要性は完全に解消されることとなつた
のである。

また、上述の如き構造の盲蓋２２においては、
その除去に際して、盲蓋２２を把持する必要がな
く、ドライバ等を凹溝３０内に挿入して捩るだけ
で良いことから、車室内等の狭いスペースや入り
込んだ奥部でも、その除去作業が容易に実施され
得るのである。

更にまた、そのような除去時において、かかる
盲蓋２２には、ドライバ等による捩り力が、てこ
の倍力作用によつて有効に及ぼされ得ることか
ら、大きな力が必要とされることがないのであ
り、除去作業自体も極めて簡単となるのである。

さらに、かかる盲蓋２２の除去時には、その凹
溝３０に対してドライバ等を嵌合させることによ
つて、取外し後、該盲蓋２２を、ドライバ等と共
に孔部２０から取り出すことが出来るのであり、
パネル１４の裏側への落下が、効果的に防止され
得るといつた利点をも有しているのである。

また、オプシヨン装備品を取り付けない場合に
は、盲蓋２２はパネル１４に保護されていて、押
しても外れることはなく、そのままの状態を保持
し得て、ホール２０の盲蓋の役目を十分に果たす
ことができるのである。

なお、前記実施例においては、ヒータコントロ
ールのパネル１４，４０にエアコンのスイツチ等
を取り付ける際の盲蓋２２の構造を示したのであ
るが、本考案は何等この実施例に限定されるもの
ではなく、一般のパネル成形品のホールに対する
盲蓋の構造にも適用され得るものである。

また、盲蓋２２をパネル１４のホール２０部分
に接続する接続構造は、前記実施例のものに限定
されるものでは決してなく、各種の構造を採り得
るのであつて、例えば、３つ以上の接続腕によつ
て接続せしめることも可能である。

また、その他、本考案には、その趣旨を逸脱し
ない範囲内において、当業者の知識に基づいて
種々なる変形・改良などを加え得ることは言うま
でもないところである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の盲蓋を備えたパネルの正面図で
あり、第２図は第１図における−断面図であ
る。第３図は本考案の一実施例に係る盲蓋を備え
たパネルの部分正面図、第４図はその盲蓋近傍を
示す正面図、第５図は第４図に相当する部分の裏
面図、第６図は盲蓋を含む近傍の斜視図、第７
図、第８図はそれぞれ第４図における−、
−断面図である。 １２：ハウジング、１４：パネル、２０：盲
蓋、２２：盲蓋、２８：接続腕、３１：突部、３
２：切り離し部（接続部）、４８：爪部（突部）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 所定の機器乃至は部材を装着するために設けら
   れたハウジング、パネル等の被装着部材における
   孔部を一時的に閉塞し、前記装着時には取り除か
   れる盲蓋にして、その裏面の略中央部に位置して
   後方に突出する所定厚さの突部を設けると共に、
   該突部に対応した盲蓋の表側に位置して該突部内
   に突入する溝部を設け、該溝部内に挿入されたド
   ライバ等の道具による捩り作用にて前記孔部周縁
   部との接続部に対して破断を惹起せしめ得るよう
   にしたことを特徴とする盲蓋の構造。