JPH0322133B2 - - Google Patents
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- JPH0322133B2 JPH0322133B2 JP61005891A JP589186A JPH0322133B2 JP H0322133 B2 JPH0322133 B2 JP H0322133B2 JP 61005891 A JP61005891 A JP 61005891A JP 589186 A JP589186 A JP 589186A JP H0322133 B2 JPH0322133 B2 JP H0322133B2
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Landscapes
- Confectionery (AREA)
Description
「産業上の利用分野」
本発明はチヨコレート類とクリーム類を混合し
てなるガナツシユの如き水中油型乳化チヨコレー
ト加工食品及びその製造法に関するものである。 「従来の技術と問題点」 従来、ガナツシユはチヨコレートとクリームの
混合物で、通常、細かく刻んだチヨコレートを煮
立てたクリームに加え、これをよく混ぜ合わせた
後、冷却して製造されている。この作業は高度の
熟練が必要であり、熟練した洋菓子技術者が温
度、撹拌の方法を微妙にコントロールし、乳化破
壊や分離等が起こらないように細心の注意を払っ
て行われている。その用途としては、前述の方法
にて作成したガナツシユを使用に適する品温に温
調した後、スポンジ台等にエンローブしたり、ナ
ツペしたり、絞り出したりして使用に供されてい
る。 しかしながら、これらは多くの点で欠点を持っ
ている。例えば、製法上の難しさによって高度の
熟練が要求されたり、製造中乳化破壊や油分離が
起こりやすく、極端な場合はガナツシユ本来の
O/Wの乳化構造が反転し、麦面に白色の縞模様
が生じるといった不良が発生しやすい難点を有し
ている。 これらに加えて、ガナツシユを適度な流動性を
持った状態まで温調し、スポンジ台等にかけてス
ポンジ表面をガナツシユで被う所謂エンローブし
た場合、従来のガナツシユではエンローブした菓
子の表面にひびわれが生じ、菓子の商品価値を著
しく低下させている。また、ガナツシユを適当な
可塑性を持つ状態まで温調し、スポンジ台等にナ
ツペナイフで塗りつける所謂ナツペした場合も、
従来のガナツシユではナツペした菓子の表面にひ
びわれが生じ、菓子の商品価値を著しく低下さ
せ、製菓業界においては深刻な問題の1つとなっ
ている。 「問題を解決する為の手段」 本発明者らはこれらの状況に鑑み、この様な問
題点を解決する為に鋭意検討を重ねた結果、意外
なことに、通常のチヨコレートに含まれるレシチ
ンがエンローブ、ナツペの場合のひびわれに悪影
響を及ぼすと共に、シヨ糖脂肪酸エステルが作成
時の失敗率を著しく下げることを見い出した。換
言すれば、レシチン、シヨ糖脂肪酸エステルの含
量をある範囲内にコントロールすることによっ
て、チヨコレート類の原料及び生クリーム等の乳
原料を多様に組み合わせて容易に作ることがで
き、製品が乳化破壊や分離によって不良となるこ
とがなく、口どけがよく、美味であり、更に洋菓
子素材としてエンローブ、ナツペを行っても長時
間ひびわれが発生しないという、従来技術には全
く期待できない優れた物性及び機能を備えた画期
的な本発明を完成するに至った。 即ち、本発明の第1は、チヨコレート成分を5
〜70重量%、レシチンを0.01〜0.15重量%、シヨ
糖脂肪酸エステルを0.02〜1.5重量%含有し、そ
の水分が10〜14重量%であることを特徴とする水
中油型乳化チヨコレート加工食品を内容とし、本
発明の第2はチヨコレート成分を5〜70重量%、
レシチンを0.01〜0.15重量%、シヨ糖脂肪酸エス
テルを0.02〜1.5重量%含有し、その水分が10〜
45重量%である水中油型エマルジヨンを調製し、
これを90℃以下の温度にて殺菌を行うことを特徴
とする水中、油型乳化チヨコレート加工食品の製
造法をそれぞれ内容とするものである。 本発明に使用されるチヨコレート成分としては
カカオバター、カカオマス、カカオパウダー、ス
イートチヨコレート、ミルクチヨコレート、ホワ
イトチヨコレート、カバーチヨコレートなどを必
要に応じて1種または数種組合わせて目的とする
風味に合致したものを選択することができる。 チヨコレート成分の添加量は5〜70重量%とす
るのが好ましい。上記チヨコレート成分が5重量
%より少ないと風味が弱く、70重量%より多いと
本発明の他成分との制約によって目的とする風味
のものは得られない。レシチン及びシヨ糖脂肪酸
エステルについては、レシチン0.01〜0.15重量%
及びシヨ糖脂肪酸エステル0.02〜1.5重量%の組
合せによって好ましい結果が得られ、各々単独で
は目的とする効果は得られない。またレシチンは
0.01重量%より少ないと、エンローブしたばあい
に固化が遅く、その結果流れ落ちる量が多くな
り、スポンジ等に付着する量が少なくなりすぎ
て、作業性及びエンローブした菓子の商品性の面
より好ましくない。またレシチンが0.15重量%よ
り多いと、エローブ、ナツペしたものの表面にひ
びわれが入り、商品性を著しく害する。シヨ糖脂
肪酸エステルは0.02重量%より少ないと、乳化物
作成時に乳化破壊や分離が起こりやすく、1.5重
量%より多いと粘度が低くなりすぎてエンロー
ブ、ナツペ作業が困難になると共に風味も悪くな
る為、好ましくない。勿論、レシチン、シヨ糖脂
肪酸エステル以外に他の乳化剤を併用しても、こ
れら乳化剤の基本的特性を何ら阻害するものでは
なく、むしろ種類や添加率を選択することによっ
て付随的特性付与効果が得られる。また、チヨコ
レート等の原材料から由来するレシチン、シヨ糖
脂肪酸エステルは前記の含量に含めておく必要が
ある。また、水分は10〜45重量%のものが望まし
い物性が得られるが、特に20〜30重量%のものが
優れている。 本発明の好ましい実施態様を以下に述べる。 油相側として油脂及びチヨコレート成分5〜70
重量%及びレシチン0.01〜0.15重量%及び必要に
応じて他の油溶性乳化剤を加え60℃で溶解し、油
相を得る。一方、水相側としてシヨ糖脂肪酸エス
テル0.02〜1.5重量%(油溶性のシヨ糖脂肪酸エ
ステルの場合は油相に加える)及び必要に応じて
他の水溶性乳化剤及び糖、脱脂粉乳等の呈味物質
を水に加え60℃に加熱し、水相を得る。そして前
記水相及び油相を混合槽に入れ撹拌乳化を行い、
必要に応じて加熱殺菌を行って、水中油型乳化チ
ヨコレート加工食品を得る。加熱殺菌の程度とし
ては90℃以下の温度で行うことが望ましい。即
ち、90℃より高い温度がかけられた場合、エンロ
ーブ及びナツペしたものにひびわれが入りやすく
なる。好ましい殺菌条件としては、65℃×30分間
のバツチ殺菌や公知の連続式殺菌機を用いての80
℃×15秒殺菌等があげられる。 「実施例」 以下、本発明の実施例をあげて更に詳細に説明
するが、本発明にはこれらにより何ら制限を受け
るものではない。 実施例 1 水を40℃に加温して、この中に脱脂粉乳及び砂
糖を溶解して水相部とした。別にカカオマス、カ
カオバター対及び精製ナタネ油を60℃に加温して
溶解し、レシチンを添加して油相部とした。上記
水相部を60℃に加温し、これにシヨ糖脂肪酸エス
テルを添加溶解した。得られた水相中に上記の油
相部を徐々に添加しながら混合乳化した後、ゆる
い撹拌を行いながら65℃に加温した後、65℃に30
分間保持し殺菌を行った後、冷蔵庫にて品温が5
℃になるまで冷却して、本発明に係る水中油型乳
化チヨコレート加工食品を得た。組成は下記の通
りである。 脱脂粉乳 5.00重量% 砂 糖 24.00 水 24.87 カカオマス 20.00 カカオバター 4.00 硬化ナタネ油 21.80 レシチン 0.03 シヨ糖脂肪酸エステル 0.30 このものは表1に示す如く、失敗率20回中0回
と失敗が無く、口どけ、味ともに良好で、更にエ
ンローブテスト、ナツペテストに於いてもひびわ
れも認められず、付着性も良好で、油分離も全く
認められなかった。 実施例 2 予め精製ナタネ油、脱脂粉乳、シヨ糖脂肪酸エ
ステルを用い、下記の組成で水中油型クレーム状
組成物を均質化処理して調製した。 精製ナタネ油 44.0重量% 脱脂粉乳 10.0 シヨ糖脂肪酸エステル 0.8 水 45.2 別にカカオマス、カカオバター、精製やし油を
60℃に加温溶解後、レシチンを下記の組成にて溶
解し、チヨコレート組成物を調製した。 カカオマス 47.8重量% カカオバター 8.0 精製やし油 44.0 レシチン 0.2 次に、先に調製しておいた水中油型クリーム状
精製物を80℃に加熱し、これを1に対し砂糖0.5
を添加溶解後、調製したチヨコレート組成物0.5
を60℃に加熱して徐々に添加しながら乳化混合し
た。これを室温に放冷後、冷蔵庫にて品温5℃ま
で冷却した後、評価した結果は、表1に示す如
く、実施例1と同様良好な結果を得た。 実施例 3 実施例1において、加熱殺菌を掻取式VHT滅
菌装置を用いた135℃の殺菌に換えて実施した結
果、このものは表1に示す如く、失敗率20回中0
回と失敗が無く、口どけ、風味ともに良好であつ
た。また、エンローブテスト、ナツペテストでの
ひびわれは3日目で認められたが、後述の比較例
に比べて商品性の優れたものであつた。 比較例 1 チヨコレート1に対し、生クリーム1の組成と
した。予め生クリームを80℃に加熱しておいた中
に細かく刻んだチヨコレートを投入し、溶解しな
がら混合乳化した。この後、室温にて放冷後5℃
冷蔵庫にて品温5℃まで冷却した後、評価を行つ
た。この作業は失敗が予見されたので熟練度の高
い洋菓子技術者によつて行つたが、失敗率は20回
中6回と極めて高く、口溶け、味は良好であつた
が、エンローブテスト、ナツペテストでひびわれ
が0.5日目で認められた。 比較例 2 実施例1において、レシチンの添加量を0.20重
量%に換え、増加分だけ硬化ナタネ油を減じて全
体を100重量%として実施した結果、表1に示す
如く、失敗率は20回中3回と比較例1よりも改善
されたが、エンローブテスト、ナツペテストに於
いて1日目でひびわれが認められた。 比較例 3 実施例1において、シヨ糖脂肪酸エステルの添
加量を2.0重量%に換え、増加分だけ硬化ナタネ
油を減じて全体を100重量%として実施した結果
を表1に示す。失敗率は20回中0回と失敗は無く
なつたが、口どけが悪く、味も悪いものであつ
た。エンローブテストではひびわれは7日目でも
認められなかつたが、付着性が悪く、エンローブ
したものの商品性は極めて劣つたものであつた。
てなるガナツシユの如き水中油型乳化チヨコレー
ト加工食品及びその製造法に関するものである。 「従来の技術と問題点」 従来、ガナツシユはチヨコレートとクリームの
混合物で、通常、細かく刻んだチヨコレートを煮
立てたクリームに加え、これをよく混ぜ合わせた
後、冷却して製造されている。この作業は高度の
熟練が必要であり、熟練した洋菓子技術者が温
度、撹拌の方法を微妙にコントロールし、乳化破
壊や分離等が起こらないように細心の注意を払っ
て行われている。その用途としては、前述の方法
にて作成したガナツシユを使用に適する品温に温
調した後、スポンジ台等にエンローブしたり、ナ
ツペしたり、絞り出したりして使用に供されてい
る。 しかしながら、これらは多くの点で欠点を持っ
ている。例えば、製法上の難しさによって高度の
熟練が要求されたり、製造中乳化破壊や油分離が
起こりやすく、極端な場合はガナツシユ本来の
O/Wの乳化構造が反転し、麦面に白色の縞模様
が生じるといった不良が発生しやすい難点を有し
ている。 これらに加えて、ガナツシユを適度な流動性を
持った状態まで温調し、スポンジ台等にかけてス
ポンジ表面をガナツシユで被う所謂エンローブし
た場合、従来のガナツシユではエンローブした菓
子の表面にひびわれが生じ、菓子の商品価値を著
しく低下させている。また、ガナツシユを適当な
可塑性を持つ状態まで温調し、スポンジ台等にナ
ツペナイフで塗りつける所謂ナツペした場合も、
従来のガナツシユではナツペした菓子の表面にひ
びわれが生じ、菓子の商品価値を著しく低下さ
せ、製菓業界においては深刻な問題の1つとなっ
ている。 「問題を解決する為の手段」 本発明者らはこれらの状況に鑑み、この様な問
題点を解決する為に鋭意検討を重ねた結果、意外
なことに、通常のチヨコレートに含まれるレシチ
ンがエンローブ、ナツペの場合のひびわれに悪影
響を及ぼすと共に、シヨ糖脂肪酸エステルが作成
時の失敗率を著しく下げることを見い出した。換
言すれば、レシチン、シヨ糖脂肪酸エステルの含
量をある範囲内にコントロールすることによっ
て、チヨコレート類の原料及び生クリーム等の乳
原料を多様に組み合わせて容易に作ることがで
き、製品が乳化破壊や分離によって不良となるこ
とがなく、口どけがよく、美味であり、更に洋菓
子素材としてエンローブ、ナツペを行っても長時
間ひびわれが発生しないという、従来技術には全
く期待できない優れた物性及び機能を備えた画期
的な本発明を完成するに至った。 即ち、本発明の第1は、チヨコレート成分を5
〜70重量%、レシチンを0.01〜0.15重量%、シヨ
糖脂肪酸エステルを0.02〜1.5重量%含有し、そ
の水分が10〜14重量%であることを特徴とする水
中油型乳化チヨコレート加工食品を内容とし、本
発明の第2はチヨコレート成分を5〜70重量%、
レシチンを0.01〜0.15重量%、シヨ糖脂肪酸エス
テルを0.02〜1.5重量%含有し、その水分が10〜
45重量%である水中油型エマルジヨンを調製し、
これを90℃以下の温度にて殺菌を行うことを特徴
とする水中、油型乳化チヨコレート加工食品の製
造法をそれぞれ内容とするものである。 本発明に使用されるチヨコレート成分としては
カカオバター、カカオマス、カカオパウダー、ス
イートチヨコレート、ミルクチヨコレート、ホワ
イトチヨコレート、カバーチヨコレートなどを必
要に応じて1種または数種組合わせて目的とする
風味に合致したものを選択することができる。 チヨコレート成分の添加量は5〜70重量%とす
るのが好ましい。上記チヨコレート成分が5重量
%より少ないと風味が弱く、70重量%より多いと
本発明の他成分との制約によって目的とする風味
のものは得られない。レシチン及びシヨ糖脂肪酸
エステルについては、レシチン0.01〜0.15重量%
及びシヨ糖脂肪酸エステル0.02〜1.5重量%の組
合せによって好ましい結果が得られ、各々単独で
は目的とする効果は得られない。またレシチンは
0.01重量%より少ないと、エンローブしたばあい
に固化が遅く、その結果流れ落ちる量が多くな
り、スポンジ等に付着する量が少なくなりすぎ
て、作業性及びエンローブした菓子の商品性の面
より好ましくない。またレシチンが0.15重量%よ
り多いと、エローブ、ナツペしたものの表面にひ
びわれが入り、商品性を著しく害する。シヨ糖脂
肪酸エステルは0.02重量%より少ないと、乳化物
作成時に乳化破壊や分離が起こりやすく、1.5重
量%より多いと粘度が低くなりすぎてエンロー
ブ、ナツペ作業が困難になると共に風味も悪くな
る為、好ましくない。勿論、レシチン、シヨ糖脂
肪酸エステル以外に他の乳化剤を併用しても、こ
れら乳化剤の基本的特性を何ら阻害するものでは
なく、むしろ種類や添加率を選択することによっ
て付随的特性付与効果が得られる。また、チヨコ
レート等の原材料から由来するレシチン、シヨ糖
脂肪酸エステルは前記の含量に含めておく必要が
ある。また、水分は10〜45重量%のものが望まし
い物性が得られるが、特に20〜30重量%のものが
優れている。 本発明の好ましい実施態様を以下に述べる。 油相側として油脂及びチヨコレート成分5〜70
重量%及びレシチン0.01〜0.15重量%及び必要に
応じて他の油溶性乳化剤を加え60℃で溶解し、油
相を得る。一方、水相側としてシヨ糖脂肪酸エス
テル0.02〜1.5重量%(油溶性のシヨ糖脂肪酸エ
ステルの場合は油相に加える)及び必要に応じて
他の水溶性乳化剤及び糖、脱脂粉乳等の呈味物質
を水に加え60℃に加熱し、水相を得る。そして前
記水相及び油相を混合槽に入れ撹拌乳化を行い、
必要に応じて加熱殺菌を行って、水中油型乳化チ
ヨコレート加工食品を得る。加熱殺菌の程度とし
ては90℃以下の温度で行うことが望ましい。即
ち、90℃より高い温度がかけられた場合、エンロ
ーブ及びナツペしたものにひびわれが入りやすく
なる。好ましい殺菌条件としては、65℃×30分間
のバツチ殺菌や公知の連続式殺菌機を用いての80
℃×15秒殺菌等があげられる。 「実施例」 以下、本発明の実施例をあげて更に詳細に説明
するが、本発明にはこれらにより何ら制限を受け
るものではない。 実施例 1 水を40℃に加温して、この中に脱脂粉乳及び砂
糖を溶解して水相部とした。別にカカオマス、カ
カオバター対及び精製ナタネ油を60℃に加温して
溶解し、レシチンを添加して油相部とした。上記
水相部を60℃に加温し、これにシヨ糖脂肪酸エス
テルを添加溶解した。得られた水相中に上記の油
相部を徐々に添加しながら混合乳化した後、ゆる
い撹拌を行いながら65℃に加温した後、65℃に30
分間保持し殺菌を行った後、冷蔵庫にて品温が5
℃になるまで冷却して、本発明に係る水中油型乳
化チヨコレート加工食品を得た。組成は下記の通
りである。 脱脂粉乳 5.00重量% 砂 糖 24.00 水 24.87 カカオマス 20.00 カカオバター 4.00 硬化ナタネ油 21.80 レシチン 0.03 シヨ糖脂肪酸エステル 0.30 このものは表1に示す如く、失敗率20回中0回
と失敗が無く、口どけ、味ともに良好で、更にエ
ンローブテスト、ナツペテストに於いてもひびわ
れも認められず、付着性も良好で、油分離も全く
認められなかった。 実施例 2 予め精製ナタネ油、脱脂粉乳、シヨ糖脂肪酸エ
ステルを用い、下記の組成で水中油型クレーム状
組成物を均質化処理して調製した。 精製ナタネ油 44.0重量% 脱脂粉乳 10.0 シヨ糖脂肪酸エステル 0.8 水 45.2 別にカカオマス、カカオバター、精製やし油を
60℃に加温溶解後、レシチンを下記の組成にて溶
解し、チヨコレート組成物を調製した。 カカオマス 47.8重量% カカオバター 8.0 精製やし油 44.0 レシチン 0.2 次に、先に調製しておいた水中油型クリーム状
精製物を80℃に加熱し、これを1に対し砂糖0.5
を添加溶解後、調製したチヨコレート組成物0.5
を60℃に加熱して徐々に添加しながら乳化混合し
た。これを室温に放冷後、冷蔵庫にて品温5℃ま
で冷却した後、評価した結果は、表1に示す如
く、実施例1と同様良好な結果を得た。 実施例 3 実施例1において、加熱殺菌を掻取式VHT滅
菌装置を用いた135℃の殺菌に換えて実施した結
果、このものは表1に示す如く、失敗率20回中0
回と失敗が無く、口どけ、風味ともに良好であつ
た。また、エンローブテスト、ナツペテストでの
ひびわれは3日目で認められたが、後述の比較例
に比べて商品性の優れたものであつた。 比較例 1 チヨコレート1に対し、生クリーム1の組成と
した。予め生クリームを80℃に加熱しておいた中
に細かく刻んだチヨコレートを投入し、溶解しな
がら混合乳化した。この後、室温にて放冷後5℃
冷蔵庫にて品温5℃まで冷却した後、評価を行つ
た。この作業は失敗が予見されたので熟練度の高
い洋菓子技術者によつて行つたが、失敗率は20回
中6回と極めて高く、口溶け、味は良好であつた
が、エンローブテスト、ナツペテストでひびわれ
が0.5日目で認められた。 比較例 2 実施例1において、レシチンの添加量を0.20重
量%に換え、増加分だけ硬化ナタネ油を減じて全
体を100重量%として実施した結果、表1に示す
如く、失敗率は20回中3回と比較例1よりも改善
されたが、エンローブテスト、ナツペテストに於
いて1日目でひびわれが認められた。 比較例 3 実施例1において、シヨ糖脂肪酸エステルの添
加量を2.0重量%に換え、増加分だけ硬化ナタネ
油を減じて全体を100重量%として実施した結果
を表1に示す。失敗率は20回中0回と失敗は無く
なつたが、口どけが悪く、味も悪いものであつ
た。エンローブテストではひびわれは7日目でも
認められなかつたが、付着性が悪く、エンローブ
したものの商品性は極めて劣つたものであつた。
【表】
「作用・効果」
叙上の通り、レシチン及びシヨ糖脂肪酸エステ
ルの含有量及び/又は殺菌温度を特定の範囲に限
定することによつて、作成時の失敗がなく、口ど
け、味が良好で且つエンローブ、ナツペした場合
の耐ひびわれ性に優れた水中油型乳化チヨコレー
ト加工食品を提供することが出来る。
ルの含有量及び/又は殺菌温度を特定の範囲に限
定することによつて、作成時の失敗がなく、口ど
け、味が良好で且つエンローブ、ナツペした場合
の耐ひびわれ性に優れた水中油型乳化チヨコレー
ト加工食品を提供することが出来る。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 チヨコレート成分を5〜70重量%、レシチン
を0.01〜0.15重量%、シヨ糖脂肪酸エステルを
0.02〜1.5重量%含有し、その水分が10〜45重量
%であることを特徴とする水中油型乳化チヨコレ
ート加工食品。 2 チヨコレート成分を5〜70重量%、レシチン
を0.01〜0.15重量%、シヨ糖脂肪酸エステルを
0.02〜1.5重量%含有し、その水分が10〜45重量
%である水中油型エマルジヨンを調製し、これを
90℃以下の温度にて殺菌を行うことを特徴とする
水中油型乳化チヨコレート加工食品の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61005891A JPS62163658A (ja) | 1986-01-14 | 1986-01-14 | 水中油型乳化チヨコレ−ト加工食品およびその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61005891A JPS62163658A (ja) | 1986-01-14 | 1986-01-14 | 水中油型乳化チヨコレ−ト加工食品およびその製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62163658A JPS62163658A (ja) | 1987-07-20 |
JPH0322133B2 true JPH0322133B2 (ja) | 1991-03-26 |
Family
ID=11623516
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61005891A Granted JPS62163658A (ja) | 1986-01-14 | 1986-01-14 | 水中油型乳化チヨコレ−ト加工食品およびその製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS62163658A (ja) |
Families Citing this family (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5120566A (en) * | 1989-11-10 | 1992-06-09 | Fuji Oil Company, Limited | Process for producing water-containing chocolate |
JP2776939B2 (ja) * | 1990-02-01 | 1998-07-16 | 株式会社ロッテ | 耐熱性チョコレートおよびその製造方法 |
US5460847A (en) * | 1992-04-15 | 1995-10-24 | Fuji Oil Co., Ltd. | Chocolate component-containing food and method for preparing same |
JP4306848B2 (ja) * | 1998-12-22 | 2009-08-05 | 株式会社Adeka | 含水チョコレート類 |
JP3692938B2 (ja) * | 2001-01-17 | 2005-09-07 | 不二製油株式会社 | 含水チョコレート類及びその製造方法 |
CN1917774B (zh) * | 2004-02-20 | 2012-07-11 | 不二制油株式会社 | 含水巧克力和可用来作为其起始原料的巧克力 |
JP5515952B2 (ja) * | 2010-03-29 | 2014-06-11 | 不二製油株式会社 | 冷菓用含水チョコレート |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5233184A (en) * | 1975-09-08 | 1977-03-14 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | Automatic compensating device for dynamic unblance in rotating body |
-
1986
- 1986-01-14 JP JP61005891A patent/JPS62163658A/ja active Granted
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5233184A (en) * | 1975-09-08 | 1977-03-14 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | Automatic compensating device for dynamic unblance in rotating body |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS62163658A (ja) | 1987-07-20 |
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Legal Events
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