JPH0321866Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、自動車のステアリング・ホイール
中間シヤフトのように、内筒に相対摺動可能に嵌
合される外筒の摺動端部に、ゴム等の弾性体から
なるダスト・シールを取り付ける装置に関するも
のである。

（従来の技術） 自動車用ステアリング・ホイールの中間シヤフ
トの摺動端部には、摺動面に塵、水分等が入るの
を防止するため、内周面にシール部を形成された
環状のゴム製ダスト・シールが接合され、円筒状
のキヤツプによつて固定されている。キヤツプは
ダスト・シールの外側を覆い、一端に設けられた
係止部をダスト・シールの外側端面に係合し、反
対端を中間シヤフトの外周面に設けられた溝にか
しめられている。かしめに際しては、部品相互の
接合状態とシール効果を良くするため、キヤツプ
を介して加圧し、ダスト・シールを圧縮状態にし
ておく。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら上記かしめ工程において、部品寸
法のバラツキのため、ダスト・シールの接合が不
完全となつてシール効果が不十分であつたり、接
合時に加圧が過大でダスト・シールが内側にはみ
だしたり、破れたりする問題が発生していた。

この考案は、製品寸法のバラツキなどにかかわ
らず、固定用キヤツプの適正なかしめ付けによ
り、ダスト・シールに完全なシール効果を発揮さ
せる外筒摺動端部をダスト・シール装着装置の提
供を目的とする。

（問題点を解決するための手段） 上記目的を達成するため、この考案は、内筒に
相対摺動可能に嵌合される外筒と、前記外筒の摺
動端部に接合されるダスト・シールと、前記ダス
ト・シールを固定するキヤツプとからなるワーク
を一体に結合するダスト・シール装着装置であつ
て、前記内筒とほぼ同じ外径を有する軸部を仮組
付け状態のワークの前記摺動端部から挿入してワ
ーク端面を下方から支持するセツト治具と、前記
セツト治具に支持されたワークを下方に押圧し後
フリー状態とする加圧ヘツドと、前記外筒の側部
をクランプして下方に押圧し、前記ダスト・シー
ルを規定値だけ圧縮するストツパー付きバイス
と、前記ダスト・シールが圧縮された状態におい
て前記キヤツプの端部を前記外筒の溝にかしめ付
けるかしめヘツドとからなることを特徴とするダ
スト・シール装着装置である。

（実施例） 以下実施例を示す図面に基づいて、この考案を
説明する。Ｗ１は自動車用ステアリング・ホイー
ルの中間シヤフト（以下、外筒という）で、その
摺動端部に環状のゴム製ダスト・シールＷ２が接
合され、ダスト・シールの外側を覆う円筒状のキ
ヤツプＷ３が嵌められている。キヤツプＷ３は、
一端に設けられた係止部Ｗ３ａがダスト・シール
Ｗ２の外側端面に係合され、反対端Ｗ３ｂは外筒
Ｗ１の外周面に設けられた溝Ｗ１ａに面してい
る。以下この状態を、外筒Ｗ１とダスト・シール
Ｗ２とキヤツプＷ３とからなるワークＷの仮組付
け状態という。

１はセツト治具で、製品の内筒とほぼ同じ外径
を有する軸部１ａを、仮組付け状態のワークＷの
摺動端部から挿入してワーク端面を下方から支持
している。２は加圧ヘツドで、ワークＷを下方へ
押圧する。３は外筒Ｗ１の側部をクランプするバ
イスであり、ストツパ４を有している。ストツパ
４には、バイス３の下面と当接する段差状の当接
面４ａおよび４ｂが設けられ、アクチユエータ５
の作動により水平移動可能になつている。当接面
４ａ，４ｂ間の段差Ｌは、ダスト・シールＷ２の
圧縮量規定値に設定されている。またバイス３は
クランプ動作のためのアクチユエータ６、および
加圧動作のためのアクチユエータ７に連結されて
いる。８はかしめヘツドである。

上記のような構成のダスト・シール装着装置
は、図に示すようにセツトされる。次にセツト治
具１に支持された仮組付け状態のワークＷの上部
に加圧ヘツド２を当接し、下方に押圧した後、フ
リー状態とする。この操作により外筒Ｗ１、ダス
ト・シールＷ２、キヤツプＷ３の間における傾
き、〓間が除去される。次にバイス３の下面をス
トツパ４の当接面４ａに当接した状態で、アクチ
ユエータ６を作動させ、外筒Ｗ１の側部をクラン
プする。この状態のままストツパ４を水平移動さ
せ、当接面４ａをバイス３の下面から離して、当
接面４ｂがバイス３の下面と対向するようにセツ
トする。しかるのち、アクチユエータ７を作動さ
せてバイス３がワークＷをストツパの当接面４ｂ
に当るまで下方に加圧する。バイス３がストツパ
当接面４ｂに当接している状態で、かしめヘツド
８によりキヤツプの端部を外筒の溝にかしめ付け
る。以上によりダスト・シールＷ２が、適正に圧
縮された状態で、外筒Ｗ１に固定される。

（考案の効果） この考案は、以上説明したような構成の外筒摺
動端部のダスト・シール装着装置であるから、製
品寸法のバラツキなどにかかわらず、固定用キヤ
ツプのかしめ付けにより、ダスト・シールを適正
な圧縮状態で外筒摺動端部に装着することがで
き、したがつて完全なシール効果を発揮させるこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

図はこの考案によるダスト・シール装着装置に
ワークをセツトした状態の部分破断正面図であ
る。 １……セツト治具、１ａ……軸部、２……加圧
ヘツド、３……ストツパー付きバイス、８……か
しめヘツド、Ｗ……ワーク、Ｗ１……外筒、Ｗ１
ａ……溝、Ｗ２……ダスト・シール、Ｗ３……キ
ヤツプ、Ｗ３ａ……係止部、Ｗ３ｂ……反対端。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 内筒に相対摺動可能に嵌合される外筒と、前記
   外筒の摺動端部に接合され内周面にシール部を形
   成された弾性体からなる環状のダスト・シール
   と、前記ダスト・シールの外側を覆い一端に設け
   られた係止部を前記ダスト・シールの外側端面に
   係合し反対端を前記外筒の外周面に設けられた溝
   にかしめられる円筒状のキヤツプとからなるワー
   クを一体に結合するダスト・シール装着装置であ
   つて、前記内筒とほぼ同じ外径を有する軸部を仮
   組付け状態のワークの前記摺動端部から挿入して
   ワーク端面を下方から支持するセツト治具と、前
   記セツト治具に支持されたワークを下方に押圧し
   た後フリー状態とする加圧ヘツドと、前記外筒の
   側部をクランプして下方に押圧し、前記ダスト・
   シールを規定値だけ圧縮するストツパー付きバイ
   スと、前記ダスト・シールが圧縮された状態にお
   いて前記キヤツプの端部を前記外筒の溝にかしめ
   付けるかしめヘツドとからなることを特徴とする
   ダスト・シール装着装置。