JPH0321390Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は補強石材、更に詳しくは、補強材とし
てステンレスメツシユを裏打ちした補強石材に関
する。 従来技術と解決すべき問題点 一般に建築用の大理石や花崗石等の石材は、使
用時の所要荷重力や加圧衝撃に対して破断もしく
は亀裂破損が起らないように、その機械的強度
（破断強度、曲げ強度等）を付与するため各種の
補強材が裏打ちされている。 この種の補強材として例えばガラスクロスが汎
用され、ほぼ満足な機械的強度が得られている
が、石材表面にアルカリ成分等の移行による汚染
が見られることがある。また、ガラスクロスに接
着剤を含浸させるのに手間を要し、作業性に難点
があつた。 本考案者らは、かかるガラスクロスの代わりに
ステンレスメツシユを、特定の接着剤を用いて石
材裏面に貼着することにより、所望の補強効果が
得られることを見出し、本考案を完成させるに至
つた。 考案の構成と効果 即ち、本考案は、石材の裏面にチオコールエポ
キシ系接着剤を塗布し、該塗布面にステンレスメ
ツシユを埋設した後硬化させたことから成る補強
石材を提供するものである。 以下、添付図面に基づき本考案に係る補強石材
について詳述する。 第１図において、石材１の裏面１ａに接着剤２
をヘラまたはコテで均一に塗布（塗布量500〜800
ｇ／m²が好ましい）する。上記接着剤としては、
弾性や柔軟性を有するチオコールエポキシ系を使
用する。次いで、かかる塗布面にステンレスメツ
シユ３を埋設（塗布層にステンレスメツシユを埋
めこむ）した後、常温下で１日以上硬化養生を行
つて補強石材を得る。 このようにして得られる本考案補強石材は、ス
テンレスによる補強効果を帯有し、しかもアルカ
リ成分による汚染がなく、特に建築用の外装材と
して有用である。また当該補強石材を得るための
作業工程においても、従来のガラスクロスではク
ロス目が細かいので、接着剤を含浸したり、接着
剤に埋設するために押圧ローラでガラスクロスを
押込んだり、更に接着剤を２回に分けて塗布しな
ければならないという作業性の問題が解決でき
る。 次に実施例を挙げて本考案を具体的に説明す
る。 実施例 １ 石材としてイタリア原産の大理石（300×100×
20mm、熊取谷石材工業(株)の「ポテチノ」または
「セレベヂヤンテ」）の裏面に、チオコールエポキ
シ系接着剤（サンスター技研(株)製、「ペンギンコ
ートE7834N」）を800ｇ／m²の量で塗布し、これ
にステンレスメツシユ（300×100mm、40メツシ
ユ）を埋設し、常温（20℃）中７日間硬化養生す
る。得られる補強大理石について、オートグラフ
により曲げ試験を実施する。試験方法：支点間距
離250mm、中央の荷重速度５mm／分にて荷重をか
け、石材の破断時の強度（Kg）を測定。結果を表
１に示す。 なお、上記２種の大理石に対しステンレスメツ
シユの代わりにガラスクロス（酒井産業(株)の
ATG13100）について、同様な曲げ試験を行い、
結果を表１に併記する。 【表】

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案補強石材の一例を示す一部切断
斜視図であつて、 １：石材、２：接着剤、３：ステンレスメツシ
ユ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 石材の裏面にチオコールエポキシ系接着剤を塗
   布し、該塗布面にステンレスメツシユを埋設した
   後硬化させたことから成る補強石材。