JPH0321311Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車、殊に乗用車に装着する装飾体
に関する。

車のデザインは年毎に斬新なものへと発展し、
近年に於てはフロント部にバンパーを組込んだ
り、ヘツドライトを格納式にするなど、メーカー
側では各部材をボデイと一体化してスポーテイ感
覚を持たせる傾向にある。又使用者側において
も、側面にストライプを配したり、後部にスポイ
ラを装着するといつた車の個性創りが盛んであ
る。

その中にあつて点滅方向指示灯、車幅灯といつ
たランプ群は、依然として一昔前の形態そのまま
に車の全面及び背面の左右対称位置に取り残され
た如く備えられている。該ランプ群は、殊に点滅
方向指示灯は目立ち易いように橙色のプリズム屈
折板で反射機能を有するように形成されており、
そのためせつかくの斬新な車のデザインが損なわ
れてしまいがちである。しかし上記ランプ群は、
車の安全性を確保するためには必須な存在であつ
て、いかに流れる様なボデイラインを持つ車であ
つても、目立たなくしたり、又省いたりすること
は許されないのである。さりとて該ランプ群を中
央にまで廻り込ませて一体化し、近代的なデザイ
ンと調和するように形成した場合は、大変高価
で、しかも法的規制に適合しなくなつてしまうの
である。

そこで本考案は、簡単、合理的な構成から成る
装飾体を車の点滅方向指示灯間に取付けることに
より、法的規制内において従来の車であればより
斬新に、今後開発される新車であれば優れたデザ
インを如何なく発揮した超モダンな車に仕上がる
ため、自動車の点滅方向指示灯間に装着する装飾
体の装飾面を、プリズム屈折板のプリズム面側を
可透性カバーで覆うと共に、裏側に遮光膜を設け
ることによつて点滅方向指示灯カバーと略同一で
無反射の意匠に形成し、更に該装飾面を点滅方向
指示灯と上下幅を同一にすると共に、該点滅方向
指示灯カバーと同じレベルに取付可能に構成し、
点滅方向指示灯と装飾体とを一体感を有する一連
の部材に似せ、点滅方向指示灯のアンバランスな
存在感を無くすと共に、車のデザインを引き立た
せんとするものである。

次に本考案の実施一例を図面に従つて説明する
と次の通りである。

図面は本考案に係る自動車の装飾体を示したも
ので、１は前面装着用の装飾体、１′は背面装着
用の装飾体を夫々示す。前面装着用の装飾体１は
自動車の前面における点滅方向指示灯間がラジエ
ターグリルによつて占められ、しかも該ラジエタ
ーグリル部分は点滅方向指示灯カバー表面より奥
まつているので、装飾面を点滅方向指示灯カバー
と同一レベルにするため、装飾体１の本体１１断
面を略コ字状に形成し、取付けた場合、装飾面に
相当するコ字状背面がグリル面より浮いた位置、
即ち点滅方向指示灯カバーの表面と同一レベルに
することができるようになつている。本体１１は
橙色の透光性を有する合成樹脂で形成されてい
て、その背部内側に、片面にプリズムカツトが施
されたプリズム屈折板１２のプリズム面側を当接
し、該プリズム屈折板１２の裏面に遮光膜１３を
貼着し、これらを板バネ１４で本体１１側へ押付
け密着させている。装飾面１ａはこのように構成
されることによつて、点滅方向指示灯カバーと一
見しただけではその判断が困難な程酷似した意匠
に形成されるのである。ただ点滅方向指示灯カバ
ーは、その機能上反射面に形成されているが、本
考案の装飾体は、装飾面が無反射面に形成されて
おり、その点が唯一の相違と云える。従つて上記
の装飾体をラジエターグリルの前面に装着する
と、装飾面の両側の点滅方向指示灯カバーと横一
列に並び、恰も一体的に形成された如く成る。本
体１１の上側片には、ラジエターグリル取付用ビ
スの相当位置に取付孔１５が穿設されていて、装
着する場合はラジエターグリル取付用ビスを一旦
取り外し、両ビス孔を合致させて装飾体を該ラジ
エターグリルに被せ、両者を先に取り外した取付
用ビスで止着固定する。

尚図面に示す１６はゴム製の被覆体であり、車
のボデイと接触する端縁部保護の役目をする。又
装飾体はビスで止着させると共に、両面接着テー
プを利用してグリル面に貼付ければ、振動によつ
て脱落する虞れはなくなる。

以上の如く構成した自動車の装飾体は、装着す
ると両側の点滅方向指示灯カバー２と一体化さ
れ、点滅方向指示灯の存在による違和感が薄れ、
車のデザインを一層引き立てるのである。

次に背面装着用の装飾体について説明すると、
後部における点滅方向指示灯間は、該点滅方向指
示灯カバーの表面よりわずかに低いパネル面とな
つているので、薄板状の装飾体を該パネル面へ貼
付けるだけで、装飾体を点滅方向指示灯カバーの
表面レベルと同一にすることができる。そのよう
な理由から、背面装着用の装飾体１′は板状に形
成されており、装飾面１a′は前記前面装着用の装
飾体１と全く同じ構造、即ち橙色の透光性カバー
裏面のプリズム反射板の反射面を当接し、該プリ
ズム反射板の裏側へ遮光膜を施すことによつて、
装飾面を点滅方向指示灯カバーと同一意匠で無反
射に形成してある。装飾体１′の上下端部には被
覆体１６が取付けられているので、車体との接触
部に傷が付かず、裏面の左右には取付用のクリツ
プ１７が備えられ、該クリツプ１７を利用して車
体への取付けを行なうのである。又要すれば前記
前面装着用の装飾体と同様両面接着テープを並行
することもできる。

装飾体の装着手段は、取付け対象である車種に
より大きさ、形状、方法等は全て異なるため、車
種毎に工夫した取付け方法によつて行なわれるの
であつて、上記実施例はそのほんの一例にすぎな
い。

当該後部取付け用の装飾体も、前記前面装着用
の装飾体と同様、装着することによつて車のデザ
インを一新させるといつた効果を発揮するのであ
る。

尚装飾面の構造は、橙色に着色したプリズム屈
折板と無色透明のカバーとを組合せたり、遮光膜
を塗料の吹付けにより形成したりすることもでき
る。

以上の様に本考案の装飾体は、点滅方向指示灯
と組合わせられ、左右に連続して一体感を呈し、
それがアクセントとなつて車のデザインを引き締
め、デザイン上点滅方向指示灯の違和感を薄れさ
せるので優れたデザインが充分生かされる。従つ
て従来の車に装着した場合は、マイナーチエンジ
された新型車と見間違うほどであり、一方新型車
に装着すれば近代感覚あふれたハイセンスな車と
なつて購買力をそそり、装飾効果は抜群である。
しかも該装飾体は無反射に形成されているため、
法的規制上も全く問題がない。

依つて、本考案は車のデザイン向上を図る上で
大きな役割を果たし、自動車業界に与える実益は
多大である。

【図面の簡単な説明】

第１図ａ，ｂは夫々前面装着用の装飾体を示す
斜視図、第２図はＡ−Ａ線断面図、第３図は前面
の装着状態を示す説明図、第４図ａは後面装着用
の装飾体を一部切欠いた斜視図、第４図ｂは同じ
く後面装着用の装飾体を示す斜視図、第５図はＢ
−Ｂ線断面図、第６図は後面の装着状態を示す説
明図である。 １，１′……装飾体、１ａ……装飾面、２……
点滅方向指示灯カバー、１１……本体、１２…プ
リズム屈折板、１３……遮光膜、１４……板バ
ネ、１５……取付孔、１６……被覆体、１７……
クリツプ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 自動車の点滅方向指示灯間に装着する装飾体
   であつて、その装飾面を、プリズム屈折板のプ
   リズム面側を可透性カバーで覆うと共に、裏側
   に遮光膜を設けることによつて点滅方向指示灯
   カバーと略同一で無反射の意匠に形成し、更に
   該装飾面を点滅方向指示灯と上下幅を同一にす
   ると共に、該点滅方向指示灯カバーと同じレベ
   ルに取付可能としたことを特徴とする自動車の
   装飾体。 (2) 前記可透性カバーが、橙色の着色樹脂製であ
   る実用新案登録請求の範囲第１項に記載の自動
   車の装飾体。