JPH03207645A - ポリエチレン被覆金属体の製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、ポリエチレン被覆金属体の製造方法に関する
ものであり、更に詳しくは、シラングラフト変性ポリエ
チレン被覆金属体の製造方法に関するものである。

［従来の技術及び発明が解決しようとする課題］金属表
面には腐食防止の目的で樹脂が被覆され該樹脂には化学
的に安定でかつ安価であるポリエチレンが一般に用いら
れている。ところでポリエチレンは分子中に極性基を有
しないために金属とは接着性を有さず金属表面にポリエ
チレンを被覆させることは困難である。そのため従来よ
りポリエチレンと金属とを接着させるために種々の方法
が提案されている。例えば金属にエポキシなどのプライ
マーを塗布した後ポリエチレンを接着させる方法がある
。しかし、この方法ではプライマー塗布という工程が必
要となるのでコストが高くなり、生産性を阻害する。ま
た、ポリエチレン自体に接着性を付与する方法として特
開昭５７−１２６４４号に開示された酸無水物によりポ
リエチレンを変性することによりポリエチレン分子中に
極性基を持たせ、金属との接着性を向上させる方法があ
る。しかし、この方法では、ポリエチレンと金属がエス
テル基を介して結合しているため高温状態での接着耐久
性に問題がある。

ポリエチレンに接着性を付与させる方法として、前記酸
無水物によるポリエチレン変性の代わりにシランカップ
リング剤によりポリエチレンを変性する方法が提案され
ている。該方法は、ポリエチレンにシランカップリング
剤を用いてグラフト重合を行いポリエチレンにアルコキ
シシラン基を導入させる方法である。該アルコキシシラ
ン基を導入したポリエチレンは、室温で放置すると、空
気中の水分により加水分解反応を起こし該アルコキシシ
ラン基をシラノール基に変化する。該シラノール基は極
性基であるため金属との接着性をもち、しかも酸無水物
による変性と比べて高温状態での接着耐久性にも優れて
いる。しかしながら、前記アルコキシシラン基のシラノ
ール基への反応速度は遅いため、低温低湿度の冬場では
空気中の水分ではシラノール化が起こりに＜＜、そのた
めシラングラフト変性ポリエチレンと金属との接着強度
が十分ではなかった。

本発明は、前記の問題点を解決するものであり、金属と
の接着強度が十分であり、高温状態での接着耐久性にお
いても優れた変性ポリエチレン被覆金属体の製造方法を
提供することである。

ー３ 「課題を解決するための手段］ 本発明は、前記の課題を解決するためになされたもので
あり、金属表面にポリエチレンを溶融被覆させるポリエ
チレン被覆金属体の製造方法において、該ポリエチレン
としてシラングラフト変性ポリエチレンを用い、該シラ
ングラフト変性ポリエチレンに該溶融被覆の温度以下で
水和水を放出する無機金属塩水和物を混合した後、該金
属表面に該シラングラフト変性ポリエチレンを溶融被覆
することを特徴とする。

本発明において使用されるポリエチレンには、高密度ポ
リエチレン（ＨＤＰＥ）、中密度ポリエチレン（ＭＤＰ
Ｅ）、低密度ポリエチレン（ＬＤＰＥ）、線形低密度ポ
リエチレン（ＬＬＤＰＥ）などがあり、単一で、また、
２棟以上のものをブレンドして用いる。使用されるポリ
エチレンのメルトインデックス（Ｍｌ）は１〜３０ｇ／
１０分のものが好ましい。ＭｌがＩｙ／１０分未満では
グラフト化によりＭｌはさらに低下するため、成型加工
性が悪化し、一方３０ｙ／１０分を越える４一 とグラフト化しても引張特性が不十分となるからである
。

本発明において使用されるシランカップリング剤には、
ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトヰシシラン
、ビニルトリアセトヰシシランなどがある。シランカッ
プリング剤は、ポリエチレン１００重量部に対し０．２
〜５重量部の割合で使用される。シランカップリング剤
が０　．　２　重量部未満では、金属との十分な接着性
をもっシラングラフト化されたポリエチレンが得られず
、一方５重量部を越えると未反応のシランカップリング
剤が残存し好ましくない。

ポリエチレンのシラングラフト化にあたっては、シラン
カップリング剤とともζこ有機過酸化物が使用される。

該有機過酸化物としては、ジメチルパーオ手サイド、ジ
ーｔ−プチルパーオ手サイド、ジブロビオニルパーオ牛
サイドなどがある。

ポリエチレンのシラングラフト化は、例えば押し出し機
を用いてポリエチレンζこシランカップリング剤と有機
過酸化物を混合し、加熱溶融させて行う。

本発明において使用される無機金属塩水和物としては、
シラングラフト変性ポリエチレンを金属表面に溶融被覆
する温度以下で水和水を放出するものであればよく、例
えば硫酸カルシウム２水和物、硫酸アルミニウムカリウ
ム】２水和物、硫酸鉄アンモニウム】２水和物、しゅう
酸カルシウム１水和物などがあげられる。これらは２０
０℃程度に加熱することにより、水和水の一部または全
部を放出する。硫酸カルシウム２水和物は、１２８℃に
おいて水１．５分子を放出し、１６３℃で残りの水０．
５分子を放出する。硫酸アルミニウムカリウム１２水和
物は、６４．５℃において水９分子を放出し、２００℃
で残りの水３分子を放出する。硫酸鉄アンモニウム１２
水和物は、２３０℃において水１２分子を放出する。し
ゅう酸カルシウム１水和物は、２００℃において水１分
子を放出する。無機金属塩水和物はシラングラフト変性
ポリエチレンと混合をしやすくするために細かく粉砕す
るのが好ましい。また、各秤添加剤、分散剤を添加して
もよい。無機金属塩水和物とシラングラフト変外ポリエ
チレンとの混合比は無機金属塩水和物の種類により異な
る。硫酸カルシウム２水和物の場合は、シラングラフト
変性ポリエチレン１００重量部に対し０．２〜５重量部
用いるのが好ましい。０．２重量部未満においてはアル
コキシシラン基からシラノール基への反応カ不十分であ
り高接着性のシラングラフト変性ポリエチレンが得られ
ない。一方５重重部を越えると無機金属塩水和物のシラ
ングラフト変性ポリエチレンへの分散性が悪くなるばか
りでなく、未反応の水が増加し発泡しやすくなり金属へ
の外観も悪くなる。同様に硫酸アルミニウムカリウムｌ
２水和物の場合は、シラングラフト変性ポリエチレン１
００重量部に対し０．２〜５重量部用いるのが好ましい
。混合は、シラングラフト変性ポリエチレンが固体状の
ときに行い、無機金属塩の混合時の分散性を良くするた
めシラングラフト変性ポリエチレンを固体状、粉末状で
行うのが好ましい。

本発明にいう溶融被覆とは、シラングラフト変７ 性ポリエチレンと無機金属塩との混合物を加熱したもの
を溶融状態で金属表面に被覆することを言い、例えば押
し出し機中において加熱溶融し、金属表面に被覆する方
法がある。

本発明において使用される金属は、アノレミニウム、鉄
鋼、銅などがある。シラングラフト変性ポリエチレンを
溶融被覆する前に、金属の表面を脱脂、酸洗処理し該変
性ポリエチレンとの接着性１こ適した状態にするのが好
ましい。

［本発明の効果］ 本発明によれば溶融時にシラングラフト変性ポリエチレ
ンに混合した無機金属塩水和物より放出される水分によ
り、高接着性に必要な量のシラノール基がアルコキシシ
ラン基より該変性ポリエチレンに形成されているので金
属との接着強度が十分なポリエチレンが得られる。

以下、実施例、比較例により本発明を説明する。

実施例Ｉ ＬＬＤＰＥ　（Ｍｌ　：　５ｇ／１　０分）１００重量
部とビニルトリメトキシシラン（ＶＴＳ−Ｍ）１．８ Ｏ　ＭＪ　ｉｉｔ部とジーｔ−プチルバーオキサイド０
．０４重量部とを混合加熱溶融し、ペレット状のシラン
グラフト変性ＬＬＤＰＥ　（Ｍｌ　：　０．７ｇ／１０
分、弾性率：　２．２Ｘ　］　Ｏ’ｄ　ｙ　ｎ／ｃｍ’
）を製造した。ベレット状にしたＬＬＤＰＥＩＯＯ重量
部に硫酸カルシウム２水和物２重量部を混合し、押し出
し機中において加熱溶融し、アルミニウム板に、温度２
１０℃、圧力４　０　ｋｇ　ｆ　／　ｃ　ｍ　”で６分
間加熱プレスして、シラングラフト変性ポリエチレン被
覆金属体を製造した。このときアルミニウム板の厚みは
１　．　５　ｍｍ　、シラングラフト変性ポリエチレン
の厚みは２．０ｍｍであった。次に当該シラングラフト
変性ポリエチレン被覆金属体を幅２ｃＩＩ＋に切断して
Ｔ型剥離法により接着強度を測定したところ、２　０．
５ｋｇ　ｆの接着強度を得た。結果を第１表に示す。

実施例２ 硫酸カルシウム２水和物２重量部の代わりに硫酸アルミ
ニウムカリウム１２水和物１．５重量部を用いて行った
以外は実施例１と同様に行った。

結果を第１表に示す。

実施例３ 硫酸カルシウム２水和物２重景部の代わりに硫酸カルシ
ウム２水和物３重量部を用いて行った以外は実施例１と
同様に行った。結果を第１表に示す。

比較例１ 無機金属塩水和物をシラングラフト変性ＬＬＤＰＥに混
合しないこと以外は実施例１と同様にしてシラングラフ
ト変性ＬＬＤＰＥ被覆金属体を製造した。結果を第１表
に示す。

第１表

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 　金属表面にポリエチレンを溶融被覆させるポリエチレ
   ン被覆金属体の製造方法において、該ポリエチレンとし
   てシラングラフト変性ポリエチレンを用い、該シラング
   ラフト変性ポリエチレンに該溶融被覆の温度以下で水和
   水を放出する無機金属塩水和物を混合した後、該金属表
   面に該シラングラフト変性ポリエチレンを溶融被覆する
   ことを特徴とするポリエチレン被覆金属体の製造方法。