JPH0320348Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は軟岩、砂岩等の無土壌岩盤法面や悪質
土壌岩盤法面に使用する植生マツトに関するもの
である。

（従来技術とその問題点） 従来、軟岩、砂岩等の無土壌岩盤、悪質土壌岩
盤の法面を緑化する方法としては、緑化用種子を
合成樹脂と共に吹き飛ばし合成樹脂によつて法面
に接着するもの、また客土と種子とを同時に吹き
付けて法面に附着させるものとがあつた。これら
のものは吹き付け時に風で飛散流出し法面への附
着率が悪かつた。また吹き付けられた種子は斑が
でき過密、過疎部ができ不揃いになることがあ
り、吹き付けられた種子は岩盤にぶつかり損傷し
て発芽生育が芳しくなかつた。さらに砂岩では吹
き付けられた種子が乾燥して枯死したり或いは傾
斜面では種子が雨水によつて流出したりして法面
の緑化の目的を達成できない場合が多かつた。

（考案の目的） 本考案は上記のような問題点をなくしたもの
で、植生の発芽生育が最適で長期間に亘つて緑化
に耐えられ軽量簡便で旋工性のよい植生マツトを
提供するものである。

（考案の構成） 上記目的を達成するため本考案の植生マツト
は、肥料入りのジユート繊維フエルトの上面に土
壌改良剤、有機質肥料、堆肥貨資材を混合して形
成した育成基盤を設け、該育成基盤の表面に種子
付布を包被し、幅方向の所定間隔毎に畝が形成さ
れるように三者を一体的に縫着したものである。

（考案の実施例） 以下、本考案の実施例を示す図面について説明
すれば、１は適度の柔軟性と保水性、保肥性に富
んだ長さ１ｍ、幅２ｍ、厚さ１〜２cmの横長状の
ジユート繊維から作られたフエルトで、その表面
に土壌改良剤をベースに有機質肥料、堆肥化資材
等を適当な割合で混合して形成した天然の土に近
似した粒状或いは砂状の育成基盤２を２〜３cm厚
さに敷設してある。３はジユート繊維の編織布と
綿体との間に種子を介在させニードルパンチング
することにより接合一体化した種子付布で、育成
基盤２の表面を包被するものである。そして三者
を一体化するため幅方向の所定間隔毎に９〜10cm
幅の畝４が形成されるよう縫着しマツト状にして
ある。フエルト１の厚さを１〜２cm、育成基盤２
の厚さを２〜３cmにしたのは、岩盤緑化の場合に
は長期緑化に必要な養分を供給する基体が草木の
種類にもよるが根系の発達に必要な厚さが最低３
〜５cmであるからである。

このように構成した本考案の使用例を説明する
と、法面の浮石、かぶり、軽石等を除去して法面
にマツトを段階的に設置していきその上面に金網
を被覆してアンカーを適宜間隔毎打込んで固着さ
せるものである。

（考案の効果） 本考案は肥料入りのジユート繊維フエルト１、
育成基盤２、種子付布３の三者を一体的に縫着し
たので、緩斜面は勿論、急斜面に施工した時でも
夫々の移動が全くなく滑らず確実に定着するもの
である。またマツトの幅方向の所定間隔毎に畝４
を形成してあるから、発芽生育の条件の日光、温
度、水分等が得られやすく発芽率が良くなると共
に雨による土砂の流出があつても表面が畝４で凹
凸になつているので土砂の流出が抑制され土壌侵
食の被害がなくなる。さらに法面と接する面はジ
ユート繊維フエルト１のため、保水性がよく法面
の凹凸によく密着し、降雨、融雪、風蝕、凍上等
のエローシヨン防止に効果を発揮できると共にジ
ユート繊維フエルト１は繊維密度が濃いので地表
面に完全に密着して保温性にもすぐれているか
ら、凍上現象を防ぎ、寒冷地、山岳地帯で凍上現
象のため芝草の生育が困難な場所の法面の緑化に
も威力を発揮する等の効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は
その斜視図、第２図は拡大縦断面図である。 １……肥料入りジユート繊維フエルト、２……
育成基盤、３……種子付布、４……畝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 土壌改良剤、有機質肥料、堆肥化資材を混合し
   て形成した育成基板２の下面に、肥料入りのジユ
   ート繊維フエルト１を設けると共にジユート繊維
   の編織布と綿体との間に種子を介在させた種子付
   布３で包被し、幅方向の所定間隔毎に畝４が形成
   されるように三者を一体的に縫着してなる植生マ
   ツト。