JP2987568B2 - 乾燥地または沙漠地における緑化方法 - Google Patents

乾燥地または沙漠地における緑化方法

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JP2987568B2 JP9198519A JP19851997A JP2987568B2 JP 2987568 B2 JP2987568 B2 JP 2987568B2 JP 9198519 A JP9198519 A JP 9198519A JP 19851997 A JP19851997 A JP 19851997A JP 2987568 B2 JP2987568 B2 JP 2987568B2
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A40/00Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
    • Y02A40/10Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production in agriculture
    • Y02A40/22Improving land use; Improving water use or availability; Controlling erosion

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、乾燥地または沙漠地
(以下これを乾燥地・沙漠地と表記することがある)に
おける緑化方法に関し、特に土壌または砂の飛散し易い
乾燥地・沙漠地の保護を行うための吹き付け工法を採用
した緑化方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】乾燥地・沙漠地として多数の砂が存在し
ている海浜地区を例に採ってみると、通常図8に示した
ように、海辺の砂が風によって移動しないようにするた
めの防風林が形成してある。この従来から形成されてい
る防風林では砂の飛散を完全に防止することは困難で、
防風林やその手前にある道路上に飛散してきた砂は、こ
れを人力や機械力を使って集めて、そのまま砂浜に戻し
ていたのである。この飛砂の戻し作業は、費用や手間を
大量に投入しなければならないものであるだけでなく、
飛砂を単に元の位置に戻すだけであるから、飛砂現象が
再度生ずることは否めない。
【0003】この飛砂現象を無くすためには、防風林を
代表とする植生を海浜地区全体に施すことが有効である
ことは随分前から知られている。しかしながら、広い海
浜地区の全体を植生することは、生き物である植物を利
用すること、及び飛砂現象は日常的に生じるものであっ
て、植物が生育する前にこれを砂に埋めてしまうことか
ら、それ程簡単なことではない。このため、今日まで海
浜地区の植生を積極的に推し進めることはなされてこな
かったのであり、前述したように飛砂を元の位置に戻す
程度のことしかなされていなかったのである。以上のこ
とは、他の乾燥地・沙漠地においても同様である。
【0004】そこで、本発明者等は、上述したような乾
燥地・沙漠地において有効な緑化方法とするにはどうし
たらよいか、について種々検討してきた結果、飛砂や移
動した乾燥土壌等を元に戻す際に、ある特定の施工を施
すことにより、少なくとも植生植物が十分成長するまで
の間の乾燥地・沙漠地の表面から飛砂等の移動現象が生
じないようにするとともに、さらに、その乾燥地・沙漠
地に散乱あるいは存在している枯木等を有効に利用する
ことが良い結果をもたらすことを新規に知見して、本発
明を完成したのである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のよう
な経緯に基づいてなされたもので、その解決しようとす
る課題は、乾燥地・沙漠地における風による飛砂現象を
少なくとも植生植物が十分生育するまでの間抑えて、乾
燥地・沙漠地における植生を十分なものとすることであ
る。
【0006】すなわち、まず請求項1に係る発明の目的
とするところは、従来行っていた飛砂等の元位置への戻
し作業に少し手を加えることによって、砂または土壌の
散乱を防止することができて、植物の生育を促進するこ
とのできる緑化方法を提供することにある。
【0007】請求項2に係る発明の目的とするところ
は、請求項1の発明に凹凸部を形成するという工程を付
加することにより、請求項1の発明の目的を達成できる
ことができる他、植生植物の成育環境をさらに改善する
ことができて、植生効果を十分発揮させることのできる
緑化方法を提供することにある。
【0008】また、請求項3に係る発明の目的とすると
ころは、上記請求項1または2に係る発明に対して、さ
らに表面にマルチング層を形成するという工程を加える
ことにより、請求項1または2の発明と同様な目的を達
成することができる他、植生植物の成育をより一層促進
することのできる緑化方法を提供することにある。
【0009】そして、請求項4に係る発明の目的とする
ところは、上記請求項1〜2のいずれかの発明に対し
て、土壌改良した乾燥地・沙漠地の表面に穴を形成し、
この穴内にフロックを充填するようにし、また請求項5
に係る発明の目的とするところは、上記請求項3の発明
に対して、土壌改良した乾燥地・沙漠地の表面に形成し
たマルチング層に穴を形成し、この穴内にフロックを充
填するようにして、植生植物の成育をさらに一層促進す
ることのできる緑化方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
めに、まず請求項1に係る発明の採った手段は、「砂
丘、砂地盤地、少雨乾燥地等の土壌または砂が散乱し易
い乾燥地または沙漠地に対して、採取した土壌または砂
11に、セメントまたは水溶性の高分子系樹脂等からな
る結合材12と、保水材や保肥材等の培養土資材13と
を添加して混合し、これらを水と混合して吹き付けるこ
とにより、乾燥地または沙漠地の表面に前記土壌または
砂を中心にした団粒構造を形成して乾燥地または沙漠地
の土壌改良を行いこれにより、土壌または砂の散乱を防
止しながら植物の生育を促進するようにしたことを特徴
とする乾燥地または沙漠地における緑化方法」である。
【0011】すなわち、この請求項1に係る発明は、図
8に示したような防風林、道路及びその周辺に飛散して
いた土壌または砂11を、従来行っていたのと同様な方
法で集めて、これを元の位置に戻す際に、この土壌また
は砂11に結合材12と水とを加えてから培養土資材と
ともに吹き付け工法を採用して乾燥地・沙漠地上に戻す
ものである。
【0012】以上の緑化方法を行えば、乾燥地・沙漠地
の表面には、土壌または砂11が結合材12によって固
められた団粒構造の部分が多数形成されて土壌改良が行
われることになり、この団粒構造の存在により、土壌ま
たは砂11が自然の風によっては飛散しない状態とな
る。乾燥地・沙漠地の表面の土壌または砂11が飛散し
なくなれば、そこに自生している植物や、培養土資材1
3中等に混在させてある植物種子の発芽・生育が十分な
されることになる。何故なら、本発明の緑化方法を施し
た乾燥地・沙漠地の表面は、少なくとも植生植物がある
程度まで成育するまでの間、土壌または砂11が団粒構
造を形成して飛散することがなくて、当該乾燥地・沙漠
地の表面は風によっては変化しない安定化したものとな
っており、しかも団粒構造によって植物の生育が妨げら
れることもないから、植生植物やその芽が乾燥地・沙漠
地表面を十分覆い得る状態とすることができるのであ
る。
【0013】植生植物がある程度以上生育すれば、乾燥
地・沙漠地の表面は植生植物やその根によって固めら
れ、風が土壌または砂11に直接当らないようにもない
から、仮にこの段階で団粒構造が崩れ始めたとしても、
土壌または砂11が風によって吹き飛ばされることはな
く、乾燥地・沙漠地の表面は非常に安定したものとなる
のである。それだけでなく、一旦植生植物が成育すれ
ば、これの根等が保水作用を発揮し、風邪で飛んできた
植物種子が発芽し易い環境をも作ることになって、所謂
「善循環」が始まることになるのである。
【0014】以上のような緑化方法を施した乾燥地・沙
漠地の表面について、かりに「はげ地」ができたとして
も、それは部分的なものであるため、周囲の植生植物に
よる植生が期待できる他、人為的に植生を施してやれ
ば、非常に少ない手間で直ちに復活することができるも
のである。
【0015】この請求項1の緑化方法において採用され
る土壌または砂11は、前述した通り、乾燥地・沙漠地
の周囲に飛散したもの、つまり施工現場からそのまま採
取できるものであり、特に他の場所から搬入や客土する
必要がないものである。それと同時に、培養土資材13
として、海辺に打ち上げられている流木等の自然材を粉
砕してチップ化すること(植物切片体に形成すること)
により使用するようにするとよい。そうすれば、海辺の
ある程度の清掃が同時に行えるだけでなく、培養土資材
13の材料の一部を現場で入手することができるからで
ある。
【0016】勿論、この培養土資材13としては、ピー
トモスやバーク堆肥等の有機質多孔体を利用することが
できるものであり、これらや植物切片体(チップ化され
た流木等)は、植物の成育に必要な水や細菌・バクテリ
アのコロニーの作成等、植生についての重要な作用を発
揮することになるものである。さらに、施工現場である
乾燥地・沙漠地の表面の状況に応じて、この培養土資材
13として、肥料、保水材、保肥材、客土等種々なもの
が適用できるが、前述したように、施工現場にあるもの
を採用すれば、費用的にも有効である。
【0017】本発明に係る緑化方法を採用するにあたっ
ては、結合材12が重要である。何故なら、この結合材
12が土壌または砂11による団粒構造を形成して、土
壌または砂11の飛散を防止することになるものだから
である。
【0018】結合材12としては、無機系のものと有機
系のものとに大別することができるが、無機系の代表例
はセメントである。ただし、大量のセメントと土壌また
は砂11とを水によって混合して吹き付ければ、団粒構
造ではなくコンクリートが生成されてしまうから、この
セメントを結合材12として使用する場合には、流木チ
ップやピートモス等の培養土資材13が混入される割合
によって異なるが、概略5キログラム〜10キログラム
/m3 である。つまり、培養土資材13が殆どない場合
には、水を除いた全体1m3 当り5キログラムが適当で
あり、培養土資材13が十分な場合には、水を除いた全
体1m3 当り10キログラムのセメントを混入すればよ
い。なお、コンクリートを形成する場合には、1m3
砂及び骨材に対して、セメントは約40キログラム程度
入れられるものである。
【0019】結合材12として、有機系のものを採用す
る場合には、所謂水溶性の樹脂が採用されるものであ
り、例えば酢酸ビニル、ポリアクリル樹脂、あるいは所
謂PVCが採用される。その混入量については、前述し
たセメントの場合と同様に考えて、土壌または砂11に
よって団粒構造が形成できる程度であればよい。
【0020】さて、上記課題を解決するために、請求項
2に係る発明の採った手段は、上記請求項1に係る緑化
方法について、「土壌改良した乾燥地・沙漠地の表面
に、突起形状または風紋状等の凹凸部14をさらに形成
するようにしたこと」である。
【0021】すなわち、この請求項2に係る発明は、請
求項1に係る緑化方法によって土壌改良した乾燥地・沙
漠地の表面に凹凸部14を、図2または図4等に示すよ
うに積極的に形成するようにしたものであり、これによ
り、図7に示すように、保水のため雨貯めを形成した
り、直射日光を和らげるための斜面を形成するようにし
たものである。
【0022】この請求項2に係る緑化方法における凹凸
部14は、鍬や鍬を利用して人力によって形成する他、
耕運機や畝立機等の農業機械を導入して行われる。勿
論、この凹凸部14は、図4に示したように、乾燥地・
沙漠地の表面のできるだけ全面に形成するのが好まし
く、図4の右側半分にて示したように、互いに平行な波
形状(風紋状)の他、図4の左側半分にて示したよう
に、互いに平行な直線状に形成して実施されるものであ
る。
【0023】従って、この請求項2に係る緑化方法によ
れば、各凹凸部14によって雨水溜まりを形成して保水
性を高めることができるとともに、日陰部を形成して植
物の成育環境を十分なものに整えることができて、乾燥
地・沙漠地における良好な植生を発揮することができる
ものである。また、各凹凸部14が雨水溜まりを形成す
るということは、培養土資材13中に含ませてある肥料
等の流亡を防止することができて、培養土資材13によ
る植生植物の培養を長期間維持することができることを
意味している。
【0024】以上の請求項1または請求項2に係る緑化
方法において、その培養土資材13中に植生植物の種子
や根系を混入させれば、その発芽・成育が周囲の団粒構
造や培養土資材13によって図られることになるため、
緑化方法としては非常に有効となる。勿論、上記のよう
に土壌改良した乾燥地・沙漠地に対して、後から植生植
物の植込みや種子蒔きを行ってもよいことは当然であ
る。
【0025】そして、上記課題を解決するために、請求
項3に係る発明の採った手段は、上記請求項1または2
に係る緑化方法について、「土壌改良した乾燥地または
漠地の表面に、枯れ草、枯れ木、稲わら、麦わら等の
植物切片体、または堆肥のいずれか1種類または2種類
以上からなるマルチング材を、水溶性の高分子系樹脂等
からなる結合材12とともに吹き付けて、表面にマルチ
ング層15を形成するようにしたこと」である。
【0026】すなわち、この請求項3に係る緑化方法で
は、上記請求項1または2の緑化方法によって土壌改良
した乾燥地・沙漠地の表面に対して、さらに植生植物の
成育に有効なマルチング層15を、吹き付け工法を採用
して形成するようにしたのである。
【0027】勿論、マルチング層15は乾燥地・沙漠地
の最表面になるものであるから、これを構成している各
資材が風によって吹き飛ばされては意味がない。そこ
で、本発明では、このマルチング層15を形成するに際
しては、これを構成する植物切片体等のマルチング材
を、前述したのと同様な結合材12によって結合するよ
うにしている。
【0028】従って、この請求項3に係る緑化方法によ
れば、土壌または砂11の結合材12による団粒構造を
有した土壌改良の他に、さらにその表面に積極的に形成
したマルチング層15によって、これを形成している各
資材は勿論、土壌または砂11についてもその飛散防止
が図られるのであり、植生植物の発芽・発根がより一層
促進され、その後の成育もマルチング層15によって保
護され助長されて、乾燥地・沙漠地表面の有効な植生が
なされることになるのである。
【0029】最後に、上記課題を解決するために、請求
項4に係る発明の採った手段は、上記請求項1〜2の
ずれかに係る緑化方法について、「土壌改良した乾燥
または沙漠地の表面の穴20内に、水、肥料、保水材、
種子植物成育基盤材を繊維状物に絡めてダンゴ状のもの
にするとともに、このダンゴ状のものの中に、植生植物
の種子、根茎、球根等を包み込んで形成したフロック2
1を充填するようにしたこと」であり、請求項5に係る
発明の採った手段は、上記請求項3の緑化方法につい
て、 「土壌改良した乾燥地・沙漠地の表面に形成したマ
ルチング層15に穴20を形成し、この穴20内に、
水、肥料、保水材、種子植物成育基盤材を繊維状物に絡
めてダンゴ状のものにするとともに、このダンゴ状のも
のの中に、植生植物の種子、根茎、球根等を包み込んで
形成したフロック21を充填するようにしたこと」であ
る。
【0030】すなわち、この請求項4に係る緑化方法で
は、上記請求項1〜2のいずれかに係る緑化方法につい
て、その土壌改良した乾燥地・沙漠地の表面に多数の穴
20を形成して、この穴20内にフロック21を充填す
るようにしたものであり、このフロック21内の植物種
子、根茎、球根等により、乾燥地・沙漠地の植生をより
積極的に行うようにしたものである。また。請求項5に
係る緑化方法では、上記請求項3の緑化方法について、
その土壌改良した乾燥地・沙漠地の表面のマルチング層
15に多数の穴20を形成して、この穴20内にフロッ
ク21を充填するようにしたものである。これらの請求
項4または請求項5に係る緑化方法の完了後において
は、フロック21内の植物種子等が良好に発芽・発根し
て、乾燥地・沙漠地の植生がより一層効果的になされて
いるのである。
【0031】この場合のフロック21は、水、肥料、保
水材、種子植物成育基盤材を繊維状物に絡めてダンゴ状
のものにするとともに、このダンゴ状のものの中に、植
生植物の種子、根茎、球根等を包み込んで形成したもの
であり、上記穴20内に埋め込まれるものである。
【0032】
【発明の実施の形態】次に、上記のように構成した各請
求項に係る発明を、図面に示した各実施例について説明
すると、以下の通りである。
【0033】(実施例1)図1には、請求項1に係る発
明を実施した後の乾燥地・沙漠地の表面側の部分断面図
が示してあるが、この実施例1では、乾燥地・沙漠地の
表面を、土壌または砂11に、結合材12と培養土資材
13とを混入したものに水を加えて、吹き付け工法を採
用して形成したものである。この請求項1の緑化方法を
採用するに当たっては、図3の実線で示した各工程がな
される。
【0034】まず、土壌または砂11であるが、これ
は、例えば図8に示した道路上や防風林に飛散したもの
を、従来の方法と同じように、大型の掃除機やスクレー
パ付ブルドーザ等で回収するものである。つまり、飛散
している土壌または砂11をリサイクルするのである。
【0035】培養土資材13は、ピートモスやバーク堆
肥等の有機多孔質体を利用することもあるが、最良の方
法は、施工現場にある枯木や枯草をそのまま利用するこ
とである。枯木等は、そのままでは有効利用できないし
吹き付け工法にそぐわないから、ある程度の大きさのも
のにチップ化(細片化)して利用するとよい。このチッ
プ化は、施工現場に機械を導入して行えばよい。勿論、
枯木や枯草のその場での入手が困難であれば、麦わらや
稲わら等を持ち込んだり、堆肥や緑肥形成体等を他から
導入してもよい。そして、この培養土資材13内には、
生植植物の種子や根系、その発芽・成育に必要な保水材
や肥料等、植生に必要となるあらゆるものを混入させる
ことができる。
【0036】土壌または砂11による団粒構造を形成す
るための結合材12としては、上記手段の項で述べたよ
うな種々のものが採用されるものであるが、これらは施
工現場の環境条件に応じて選択・採用されるものであ
る。
【0037】そして、以上のような土壌または砂11、
結合材12及び培養土資材13に水を混ぜて例えば方面
の緑化工法において採用されているような吹き付け機を
利用して、乾燥地・沙漠地の表面の土壌改良を行なうの
である。これで本発明の緑化方法の基本は終了するの
で、後は、図3に示したように、必要な後片付けや清掃
を行い、追跡調査を定期的に行なうのである。
【0038】(実施例2)図2には請求項2に係る緑化
方法が完了した状態が示してあるが、この請求項2の緑
化方法では、上記請求項1の緑化方法で土壌改良した乾
燥地・沙漠地の表面に、畝立機等により、凹凸部14を
積極的に形成するようにしたものであり、図3に示した
施工順序を示すフローチャートの実線部分に、「凹凸部
形成」という工程を付加したものである。
【0039】これらの凹凸部14は、図4の図示左側に
て示したように、直線状の平行線として形成してもよい
が、図4の右側にて示すように、各凹凸部14を波形に
形成して風紋状とすることもなされる。この風紋状にし
た各凹凸部14では、植生植物のための日蔭部分を複雑
形状のものとすることができて、日照の時間的変化や季
節的変化にも拘らず、常にどこかに日蔭部分を作ること
ができるのであり、植生に有効な場所をいずれかに確保
することができて有効である。
【0040】また、各凹凸部14は、図5に示したよう
な切り立ったものとしたり、図7に示したように、曲線
状のものとしたりすることが可能であるが、実施例で
は、高さが5cm程度である。図5に示した凹凸部14
では、上辺が8cmであり下辺が27cm程度であっ
て、隣接する両凹凸部14間の距離は16cm(ピッチ
約43(m))程度であった。
【0041】(実施例3)図6及び図7には、請求項3
に係る緑化方法を採用して土壌改良を行った乾燥地・沙
漠地の部分断面図が示してあるが、この緑化方法では、
土壌改良した乾燥地・沙漠地の表面に、マルチング層1
5を吹き付け工法によって更に形成したものである。つ
まり、この請求項3に係る緑化方法は、図3に示した施
工順序を示すフローチャートの実線部分に、「マルチン
グ層吹付」という工程を付加したものである。勿論、こ
の請求項3に係る緑化方法は、図1に示した乾燥地・沙
漠地の表面(凹凸部14のない表面)にマルチング層1
5を形成して実施されることもある。
【0042】図6に示した例では、前述した凹凸部14
の表面に、厚さが1cm程度となるマルチング層15が
形成されているものであり、このマルチング層15は、
マルチング材を、水溶性の高分子系樹脂等からなる結合
材12とともに吹き付けることにより、乾燥地・沙漠地
の最表面のものとして形成したものである。マルチング
材としては、施工現場にある枯れ木や枯草を利用するの
が最も有効である。何故なら、その運搬コストを省略す
ることができることは当然として、乾燥地・沙漠地付近
の清掃と枯れ木等のリサイクルが行えるからである。そ
のような枯れ木等がなければ、このマルチング層15と
しては、稲わらや麦わら、堆肥や緑化形成体等が利用さ
れる。
【0043】そして、図7に示した実施形態のものにお
いては、以上のように土壌改良した乾燥地・沙漠地の表
面、またはマルチング層15に多数の穴20を形成し
て、この穴20内にフロック21を充填したものであ
り、このフロック21内の植物種子により、乾燥地・沙
漠地の植生をより積極的に行うようにした請求項4また
は請求項5に係る緑化方法を実施したものである。
【0044】すなわち、この図7に示した請求項4また
は請求項5に係る緑化方法の完了後においては、フロッ
ク21内の植物種子等が良好に発芽・発根して、乾燥地
・沙漠地の植生がより一層効果的になされているのであ
る。
【0045】この場合のフロック21は、水、肥料、保
水材、種子植物成育基盤材を繊維状物に絡めてダンゴ状
のものにするとともに、このダンゴ状のものの中に、植
生植物の種子、根茎、球根等を包み込んで形成したもの
であり、上記穴20内に埋め込まれるものである。
【0046】
【発明の効果】以上、詳述した通り、まず請求項1に係
る発明においては、上記実施形態にて例示した如く、
「砂丘、砂地盤地、少雨乾燥地等の土壌または砂が散乱
し易い乾燥地または沙漠地に対して、採取した土壌また
は砂11に、セメントまたは水溶性の高分子系樹脂等か
らなる結合材12と、保水材や保肥材等の培養土資材1
3とを添加して混合しこれらを水と混合して吹き付ける
ことにより、乾燥地・沙漠地の表面に前記土壌または砂
を中心にした団粒構造を形成して乾燥地・沙漠地の土壌
改良を行い、これにより、土壌または砂の散乱を防止し
ながら植物の生育を促進するようにしたこと」にその構
成上の特徴があり、これにより、従来行っていた飛砂等
の元位置への戻し作業に少し手を加えることによって、
砂または土壌の散乱を防止することができて、植物の生
育を促進することのできる緑化方法を提供することがで
きるのである。
【0047】この請求項1に係る緑化方法について、
「土壌改良した乾燥地・沙漠地の表面に、突起形状また
は風紋状等の凹凸部14をさらに形成するようにした」
のが請求項2に係る緑化方法であるが、この請求項2の
緑化方法では、上記請求項1と同様な効果を得ることが
できる他、植生植物の成育に必要な雨溜りや日蔭を各凹
凸部14によって確保することができて、植生植物の発
芽や成育を一層良好なものとすることができるのであ
る。
【0048】また、請求項3に係る発明においては、上
記請求項1または2の緑化方法について、さらに、「土
壌改良した乾燥地・沙漠地の表面に、枯れ草、枯れ木、
稲わら、麦わら等の植物切片体、または堆肥のいずれか
1種類または2種類以上からなるマルチング材を、水溶
性の高分子系樹脂等からなる結合材12とともに吹き付
けて、表面にマルチング層15を形成するようにした」
ことにその構成上の特徴があり、これにより、請求項1
または2に係る発明と同様な効果を発揮できる他、乾燥
地・沙漠地の表面に植生植物の成育等に重要な役目を果
たすマルチング層15を存在させることができるから、
植生植物の成育をより一層促進することができるのであ
る。
【0049】そして、請求項4に係る発明においては、
上記請求項1〜2のいずれかの緑化方法について、「土
壌改良した乾燥地・沙漠地の表面の穴20内に、水、肥
料、保水材、種子植物成育基盤材を繊維状物に絡めてダ
ンゴ状のものにするとともに、このダンゴ状のものの中
に、植生植物の種子、根茎、球根等を包み込んで形成し
たフロック21を充填するようにしたこと」に、また、
請求項5に係る発明においては、上記請求項3の緑化方
法について、 「土壌改良した乾燥地・沙漠地の表面に形
成したマルチング層15に穴20を形成し、この穴20
内に、水、肥料、保水材、種子植物成育基盤材を繊維状
物に絡めてダンゴ状のものにするとともに、このダンゴ
状のものの中に、植生植物の種子、根茎、球根等を包み
込んで形成したフロック21を充填するようにしたこ
と」にそれぞれその構成上の特徴があり、これにより、
各フロック21からの植生植物の発芽・成育を有効なも
のとして、乾燥地・沙漠地表面の植生を、非常に簡単な
手段によって効果的かつ確実に行うことができるのであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 請求項1に係る緑化方法を実施した後の乾燥
地・沙漠地の表面を示す部分断面図である。
【図2】 請求項2に係る緑化方法を実施した後の乾燥
地・沙漠地の表面を示す部分断面図である。
【図3】 請求項1〜3に係る緑化方法の作業工程順を
示すフローチャートである。
【図4】 凹凸部を形成した状態の乾燥地・沙漠地の表
面を示す部分平面図である。
【図5】 請求項2に係る緑化方法を実施したときの凹
凸部を示すもので、図4中の1−1線に沿ってみた部分
拡大断面図である。
【図6】 請求項3に係る緑化方法を実施したときの凹
凸部を示すもので、図4中の1−1線に沿ってみた部分
拡大断面図である。
【図7】 請求項3または請求項4に係る緑化方法を実
施したときの凹凸部を示すもので、図4中の1−1線に
沿ってみた部分拡大断面図である。
【図8】 乾燥地・沙漠地の現状を示す部分縦断面図で
ある。
【符号の説明】
11 土壌または砂 12 結合材 13 培養土資材 14 凹凸部 15 マルチング層 20 穴 21 フロック
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 富晴 茨城県つくば市妻木1232−3 (72)発明者 山本 慶市 岐阜県大垣市宿地町1045番地の6 (56)参考文献 特公 昭52−46003(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A01G 1/00 A01G 7/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 砂丘、砂地盤地、少雨乾燥地等の土壌ま
    たは砂が散乱し易い乾燥地または沙漠地に対して、採取
    した土壌または砂に、セメントまたは水溶性の高分子系
    樹脂等からなる結合材と、保水材や保肥材等の培養土資
    材とを添加して混合し、これらを水と混合して吹き付け
    ることにより、前記乾燥地または沙漠地の表面に前記土
    壌または砂を中心にした団粒構造を形成して前記乾燥
    または沙漠地の土壌改良を行い、これにより、前記土壌
    または砂の散乱を防止しながら植物の生育を促進するよ
    うにしたことを特徴とする乾燥地または沙漠地における
    緑化方法。
  2. 【請求項2】 前記土壌改良した乾燥地または沙漠地の
    表面に、突起形状または風紋状等の凹凸部をさらに形成
    するようにした請求項1に記載の乾燥地または沙漠地に
    おける緑化方法。
  3. 【請求項3】 前記土壌改良した乾燥地または沙漠地の
    面に、枯れ草、枯れ木、稲わら、麦わら等の植物切片
    体、または堆肥のいずれか1種類または2種類以上から
    なるマルチング材を、水溶性の高分子系樹脂等からなる
    結合材とともに吹き付けて、表面にマルチング層を形成
    するようにしたことを特徴とする請求項1または2に記
    載の乾燥地または沙漠地における緑化方法。
  4. 【請求項4】 前記土壌改良した乾燥地または沙漠地の
    面の穴内に、水、肥料、保水材、種子植物成育基盤材
    を繊維状物に絡めてダンゴ状のものにするとともに、こ
    のダンゴ状のものの中に、植生植物の種子、根茎、球根
    等を包み込んで形成したフロックを充填するようにした
    ことを特徴とする請求項1〜請求項2のいずれかに記載
    の乾燥地または沙漠地における緑化方法。
  5. 【請求項5】 前記土壌改良した乾燥地または沙漠地の
    表面に形成した前記マルチング層に穴を形成し、この穴
    内に、水、肥料、保水材、種子植物成育基盤材を繊維状
    物に絡めてダンゴ状のものにするとともに、このダンゴ
    状のものの中に、植生植物の種子、根茎、球根等を包み
    込んで形成したフロックを充填するようにしたことを特
    徴とする請求項3に記載の乾燥地または沙漠地における
    緑化方法。
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