JPH03202396A - 熱転写記録用受像シート - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、熱転写記録用受像シートに関し、特に受像シ
ートにおける受像層形成用塗被液の改良により、塗被適
性及び記録の保存性が著しく改善された受像シートを提
供するものである。

「従来の技術」 入力信号と同時に記録像の得られる熱記録方式は、装置
が比較的簡単で安価な上に低騒音であるため、ファクシ
ミリ、計算機用端末プリンター測定機器用プリンター等
多方面に利用されている。

これらの熱記録方式の使用される記録媒体としては、加
熱により物理的、化学的変化を起こして発色する記録層
を設けた所謂、発色タイプ感熱記録紙がもっとも一般的
に使用されている。しかし、発色タイプ感熱記録紙は製
造工程中や保存中に不用な発色を起こしやすく、また、
記録された像の保存安定性にも劣っており、有機溶剤や
化学薬品などとの接触によって退色現象を起こしてしま
う。

そのため、発色タイプ感熱記録紙にかわる記録媒体とし
て、有色の色材そのものを利用した記録媒体を用いる記
録方式が提案されており、例えば特開昭５１−１５４４
６号公報には、常温では固体または半固体状である色材
を紙、ポリマーフィルム等の支持体上に塗布しておき、
支持体上の色材と記録紙とを接触させ、熱記録ヘッドに
より支持体上の色材を加熱して、この色材を選択的に記
録紙に転移させて記録像を得る方式が提案されている。

この記録方式では支持体上の色材を熱によって溶融、蒸
発、昇華せしめ、記録紙に転移させて粘着、吸着、染着
によって記録像を得るものであり、記録紙として普通紙
が利用できる特徴があるとされている。そして、特に色
材として昇華性染料を用いる記録方式では階調性に優れ
た画像が得られるため、フルカラー記録用途への応用が
試みられている。

しかし、記録紙として普通紙を用いた場合には、特に染
着が起こり難く、且つ記録像の色濃度が低いばかりでな
く、経時によって著しい退色現象を起こしてしまう。そ
のため、特開昭５７−１０７８８５号公報、米国特許第
３６０１４８４号公報などに記載の如く熱可塑性樹脂を
主成分とする受像層を形成した受像シートが記録紙とし
て使用されている。

「発明が解決しようとする課題」 熱可塑性樹脂を主成分とする受像層を形成することによ
って、記録感度や保存性が一応は改良されるが、樹脂を
溶剤に溶解又は分散して受像層を形成する方法は作業性
の問題や火災の危険といった問題が付随する。

また、水溶性或は水分散性の樹脂を用いる場合には、形
成された樹脂の塗被膜が空気中の水分を吸収し易いこと
などが原因して印字物を高湿度の環境に保存すると、印
字かにじみ易いといった問題を生じる。また特開昭６２
−１０１４９５号公報、特開昭６１−２５８７９３号公
報などに開示のごとく、印字の適性などを改良する目的
で該熱可塑性樹脂の物性を改良するために樹脂を架橋す
るといった提案もなされているが、水溶性或は水分散性
の樹脂を用いる場合、架橋剤が溶媒の水と反応を起こし
たり、塗被乾燥を行う前に樹脂と反応を起こしてしまう
ために塗被液が不安定で変質し易いといった問題や、樹
脂自体を水中に安定に留めておくことが困難であるとい
った問題が付随する。

上記の如き実情から、本発明者等は有色の色材、特に熱
昇華性染料を熱転写させる記録方式において、有用な熱
転写記録用シートの改良について鋭意研究を行った結果
、塗被液の安定性を向上させる目的で、受像層を形成す
るために用いる樹脂水溶液、又は樹脂分散液が特定の組
成を持つことにより塗被液として安定となり、且つまた
、その塗被液を用いて形成された受像層に熱転写印字を
行ったものは湿度に対する安定性にも優れていることを
見出したのである。

「課題を解決するための手段」 本発明は、支持体上に色材転写シートからの転写像を受
理する受像層を設けてなる熱転写記録用受像シートにお
いて、該受像層を形成するために用いる水溶性樹脂液中
に、又は水分散性の樹脂分散液中にアンモニア及び／又
はアンモニウムイオンを含有せしめ、且つ該液のｐＨが
９．０以上であることを特徴とする熱転写記録用受像シ
ートである。

「作用」 本発明の熱転写用受像シート形成に用いる水溶性或いは
水分散性樹脂としては、熱可塑性樹脂が好ましく用いら
れ、例えばスチレン、ビニルトルエン、アクリル酸エス
テル、メタクリル酸エステル、アクリロニトリル、塩化
ビニル、酢酸ビニル等のビニル系モノマーの重合体及び
共重合体；ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネー
ト、ポリサルフォン、エポキシ樹脂、ポリウレタンなど
の縮合型重合体；或はセルロース系樹脂などの水溶液或
は水分散液が挙げられる。

このような樹脂は水中に溶解或は分散している場合、極
性を持った部分に水分子が配位して、安定に水中に留ま
っていられるように働くと想像されるが、樹脂の重合度
が大きくなったり、また樹脂の種類によってはこのよう
に安定に水中に留めておくことが困難になってくる。本
発明者は、水溶性或は水分散性樹脂の水溶液或は水分散
液がアンモニア及び／又はアンモニウムイオンを含有し
、且つｐＨが９．０以上であることによって、安定な熱
転写受像シートの受像層形成用塗被液とすることができ
、結果として塗被適性が大巾に改善されるのみならず、
受像層形成時に加えられる熱によってこれらのアンモニ
アやアンモニウムイオンは気体となって受像層から取り
除かれるために、旦受像層が形成された後は、受像層に
悪影響を及ぼす懸念がなくなることを見出し、本発明を
完成するに至った。

これらの熱可塑性樹脂は単独で使用してもよいが、性質
の異なる２種類以上の樹脂を併用しても良い。また、必
要に応じてメチルセルロース、エチルセルロース、ヒド
ロキシプロピルセルロース、澱粉、ポリビニルアルコー
ル、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、
尿素樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹
脂等の他の樹脂材料を含有せしめてもよい。

ところで、特願昭６３−３２２８９８号には、受像層を
構成する主成分として乳化剤を含まない樹脂分散体の例
として、対イオンがアンモニウムイオンであるポリウレ
タンアイオノマー樹脂を用いる例が開示されている。さ
らに、受像層における印字時の融着を起こり難くさせた
り、印字の安定性を向上させる目的で受像層形成用塗被
液に多価イソシアネート化合物、有機金属化合物、アジ
リジン誘導体化合物、エポキシ化合物等を添加すること
が示されている。しかしながら、上記の如き反応性物質
を用いることによって、塗被液中の樹脂の分散が不安定
になったり、樹脂と反応性物質との反応が起こり、結果
的に塗被液の増粘やゲル化が誘発され易いという難点を
抱えている。

そこで、本発明者等は鋭意研究を進めた結果、受像層形
成用塗被液にアンモニアを添加し、該液のｐＨ値を９．
０以上にすると、上記の如き難点が悉く解消され、然も
塗被工程における作業性を大巾に改善できることを見出
したものである。

なお、このような反応性化合物としては、ｐＨ値が高い
ときには反応が進行せず、乾燥の過程でアンモニア及び
アンモニウムイオンが除かれ、ｐＨ値が低くなると共に
反応が進行するものを選ぶことが望ましい。また、受像
層を構成する熱可塑性樹脂が熱可塑性を失わない範囲に
留める必要がある。

なお、受像層には筆記性向上等の目的で、例えば重質炭
酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、タルク、クレー、
天然或いは合成の珪酸類、酸化チタン、水酸化アルミニ
ウム、酸化亜鉛、尿素−ホルムアルデヒド樹脂粉末等の
無機顔料や有機顔料、更に、紫外線吸収剤、酸化防止剤
、帯電防止剤、離形剤、滑剤等の各種助剤を添加するこ
ともできる。このようにして配合された熱転写受像シー
トの受像層形成用塗被液は、ワイヤバー・コータ、ブレ
ード・コータ、エアナイフ・コータ、グラビア・コータ
等の既知の方法から適宜選び、通常の水性塗被液の塗布
と同様に支持体上に塗布、乾燥することができる。

本発明における受像層用塗被液の塗布量は、中間層を設
けた支持体上に受像シートの使用目的などに応じて適宜
選択されるが、一般には乾燥重量で２〜１５ｇ／ｒｒｆ
程度の範囲で調節される。

なお、受像層の上には、例えば特開昭５９−１６５６８
６号公報、特開昭６１−２７２９０号公報等に開示され
ているように、昇華性染料を透過する性質のあるシリコ
ーン系樹脂等を主成分とする薄層の耐熱性剥離層を形成
して、色材転写シートから染料や染料層が直接転写する
のを防ぐこともできる。

支持体としては普通紙、合成紙、合成樹脂フィルム、或
はこれらを貼合わせたシートなどが適宜選択して用いら
れる。合成紙や合成樹脂フィルム或いはこれら同士又は
これらを普通紙の表面に貼り合わせたシートなどの支持
体は均一性に優れるため好ましく用いることができる。

なお、ここでいう普通紙とは、例えばセルロースバルブ
を主成分とし、紙力増強剤、サイズ剤、定着剤、無機或
いは有機顔料等を添加して普通に抄造して得られた紙、
及びこのようにして得た紙に酸化澱粉等をサイズプレス
したり、クレー等の顔料を主成分とするプレコート層を
設けて表面物性を改良した紙が含まれるが、アート紙、
コート紙、キャスト塗被紙等の如く表面の平滑性に優れ
た紙が特に好ましく用いられる。また、これらに断熱性
やインキシートとの接触を良くするためのクツション性
を付与するために、柔軟な樹脂の層を設けたり印字の際
の色再現性を向上させる目的で増白剤や白色顔料等を適
宜使用することもできる。

かくして調製される支持体に中間層を設けた後に、或い
は中間層、受像層まで設けた後に平滑化処理を施すと、
得られる受像シートの記録感度、画質を一層高めること
ができる。この場合の平滑化処理は、例えばスーパーキ
ャレンダー等による加熱・加圧処理によって適宜行われ
る。このようにして得られる本発明の熱転写記録用受像
シートは、特に色材転写シートとして熱昇華性染料を含
有するシートを用いた場合の受像シートとして、極めて
優れた特性を発揮するものである。

次に、本発明でいう熱昇華性染料とは、通常の取扱条件
下では受像シートと接触しても色材の転移を起こさない
が、例えば６０℃以上の加熱によって初めて拡散、蒸発
、昇華などによって色材の転移を起こすような染料を意
味し、例えばアゾ系、ニトロ系、アントラキノン系、キ
ノリン系等に代表される分散染料、トリフェニルメタン
系、フルオラン系に代表される塩基性染料、油溶性染料
など種々の染料の中から適宜選択して使用される。

また、本発明の熱転写用受像シートは、例えば熱印字ユ
ニットなどの熱板、サーマルヘッドなどにより接触加熱
する熱記録方式のみならず、赤外線ランプ、ＹＡＧレー
ザーなどの熱線輻射による非接触加熱方式による熱記録
などにも有用である。

「実施例」 以下に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する
が、勿論かかる実施例に限定されるものではない。また
、特に断らない限り例中の「部」及び「％」はそれぞれ
「重量部」及び「重量％」を表す。

実施例　１ 対イオンがアンモニウムイオンであるポリエステル系ポ
リウレタンアイオノマー樹脂分散液（商品名：ハイドラ
ンＡＰ−４０、不揮発分２２．５％水分散液／大日本イ
ンキ化学工業製）に２８％アンモニア水を加えて分散液
のｐＨが９．５になるように維持し、水を加えて濃度が
変わらないようにしながら、９０℃で１０時間撹拌を行
った後、この分散液を受像層形成用塗被液とした（ｐＨ
９，５、不揮発分２３％）。この塗被液を市販のアート
紙（商品名：ＳＡ−金藤１坪量１５７ｇ／ｍ／神崎製紙
陣製）上に乾燥後の塗布量が５　ｇ／ｒｄとなるように
塗布し、１００℃のオーブンドライヤーで３０秒間乾燥
し、熱転写記録用受像層を形成した。

次いで、エポキシ変性シリコーン系繊維処理剤（商品名
：　Ｐｏ１ｏｎ　　ＭＦ−１１Ｂ、不揮発分３０％水分
散液／信越シリコーン製）６７部、ポリウレタンアイオ
ノマー樹脂（商品名：ハイドランＡＰ−４０）３３部、
の混合物を不揮発分７．７％の濃度としたものを離型層
形成用塗被液としてこの上に乾燥後の塗布量が０．５ｇ
／ｒｄとなるように塗布し、１００℃のオーブンドライ
ヤーで３０秒間乾燥した。更に、鏡面仕上げした金属ロ
ールと弾性ロールからなるスーパーキャレンダーで平滑
化処理（線圧２００　ｋｇ／ｃｍ）を行い、熱転写記録
用受像シートを得た。

比較例１ 対イオンがアンモニウムイオンであるポリエステル系ポ
リウレタンアイオノマー樹脂分散液（商品名：ハイドラ
ンＡ　Ｐ−４０）に０．５Ｎ水酸化ナトリウム水溶液を
加えた後、実施例１と同様の温度及び時間で加熱、撹拌
し、分散液から発生する蒸気中に水で濡らしたｐＨ試験
紙をかざしてｐＨが中性の状態にあることを確認し、対
イオンがナトリウムイオンに置き代わったことを確認し
た。このようにして得た分散液を受像層形成用塗被液（
不揮発分２３％）とした以外は、実施例１と同様にして
熱転写記録用受像シートを得た。

実施例２ 対イオンがアンモニウムイオンであるポリエステル系ポ
リウレタンアイオノマー樹脂分散液（商品名：ハイドラ
ンＡ　Ｐ　ｎｏ）に２８％アンモニア水を加えて分散液
ＯｐＨ値を９．５とした樹脂分散液９０部、水溶性の変
性シリコーンオイル（商品名：トーレシリコーンＳ　Ｈ
−３７７１／　）−レシリコーン■製）２部、エポキシ
系反応性物質（商品名：ＣＲ−５Ｌ、油状／大日本イン
キ化学工業■製）２部、コロイダルシリカ水分散液（商
品名：アデライトＡＴ−３０Ａ、不揮発分３０％水分散
液／旭電化工業■製）５部、エポキシ用架橋促進剤（商
品名：キャタリストＰＡ−２０／大日本インキ化学工業
■製）１部を混合して水を加え、受像層形成用塗被液（
ｐＨ値９．５、不揮発分２５％）とした。

この塗被液を市販のアート紙（商品名：ＳＡ金藤１５７
ｇ／ｎ（）上に乾燥後の塗布量が５　ｇ／ｒｒ？となる
ように塗布し、１００℃のオーブンドライヤーで３０秒
間乾燥し、熱転写記録受像層を形成した。

次ぎに、鏡面仕上げした金属ロールと弾性ロールからな
るスーパーキャレンダーで平滑化処理（線圧２００　ｋ
ｇ／ａｍ）を行い、熱転写記録用受像シートを得た。

実施例３ 変性ポリエステル樹脂分散液（試作品：ベスレジンＡ　
−２１０，不揮発分３０％水分散液／高松油脂■製）に
２８％アンモニア水を加えてｐＨＯ値を９．５とした樹
脂分散液９０部、水溶性の変性シリコーンオイル（商品
名：トーレシリコーンＳ　Ｈ−３７７１）２部、エポキ
シ系反応性物質（商品名：ＣＲ−５Ｌ）２部、コロイダ
ルシリカ水分散液（商品名ニアプライトＡＴ−３０Ａ）
５部、エポキシ用架橋促進剤（商品名：キャタリストＰ
Ａ−２０）１部を混合して水を加え、ｐＨ値９．５、不
揮発分２５％の受像層形成用塗被液を得た。この塗被液
を用いて実施例２と同様にして熱転写記録用受像シート
を得た。

実施例４ 変性ポリエステル樹脂分散液（試作品：ベスレジンＡ−
２１０）に２８％アンモニア水を加えてｐＨの値を１０
．５とした樹脂分散液９０部、水溶性の変性シリコーン
オイル（商品名：トーレシリコーン５Ｈ３７７１）　３
部、アジリジン系反応性物質（商品名：ＰＦＡＺ−３２
２，油状／５ＹＢＲＯＮケミカルズＩｎｃ、　（米国）
製）２部、コロイダルシリカ水分散液（商品名ニアプラ
イトＡＴ−３０Ａ）５部を混合して水を加え、受像層形
成用塗被液（ｐＨＨＩＯ２不揮発分２５％）を得た。

この塗被液を使用した他は実施例２と同様にして熱転写
記録用受像シートを得た。

実施例５ 対イオンがアンモニウムイオンであるポリエステル系ポ
リウレタンアイオノマー樹脂分散液（商品名：ハイドラ
ンＡ　Ｐ−４０）に２８％アンモニア水を加えてｐＨＯ
値を９．５とした樹脂分散液９０部、水溶性の変性シリ
コーンオイル（商品名二トーレシリコーン５Ｈ−３７７
１）　２部、エポキシ変性シリコーン系繊維処理剤（商
品名：　Ｐｏ１ｏｎ　　Ｍ　Ｆ　−１１Ｂ）２．５部、
コロイダルシリカ水分散液（商品名ニアプライトＡＴ−
３０Ａ、）５部、エポキシ用架橋促進剤（商品名：キャ
タリス）　Ｐ　Ａ　−２０）　０．５部を混合して受像
層形成用塗被液（ｐＨ値９．５、不揮発分２５％）を得
た。

この塗被液を市販の合成紙（商品名：　ＹＵＰＯＦＰＧ
−１５０，厚さ１５０ｕｍ／王子油化合威祇■製）上に
乾燥後の塗布量が５　ｇ／ｒｄとなるように塗布し、８
０℃のオーブンドライヤーで１分間乾燥し、熱転写記録
受像層を形成した。

次ぎに、鏡面仕上げした金属ロールと弾性ロールからな
るスーパーキャレンダーで平滑化処理（線圧２００　ｋ
ｇ／ｃｍ）を行い、熱転写記録用受像シートを得た。

実施例６ ポリウレタン樹脂分散液（商品名：　５ＯＬＵＣＯＴＥ
　６８−２６８　、不揮発分３５％水分散液／５ｏｌｕ
ｏｌケミカルＣｏ、、Ｉｎｃ、　　（米国）製）に２８
％アンモニア水を加えてｐＨの値を１０．５とした樹脂
分散液９０部、水溶性の変性シリコーンオイル（商品名
：トーレシリコーン５Ｈ−３７７１）　　３部、アジリ
ジン系反応性物質（商品名：ＰＦＡＺ−３２２）２部、
コロイダルシリカ水分散液（商品名ニアプライトＡＴ−
３０Ａ）５部を混合して水を加え、受像層形成用塗被液
（ｐＨＨＩＯ２不揮発分２５％）を得た。

この塗被液を使用した他は実施例５と同様にして熱転写
記録用受像シートを得た。

比較例２ ポリエステル系ポリウレタンアイオノマー樹脂分散液（
商品名：ハイドランＡＰ−４０）を比較例１と同様に対
イオンをナトリウムイオンで置き代えた樹脂分散液（不
揮発分２３％）９０部、水溶性の変性シリコーンオイル
（商品名二トーレシリコーン５Ｈ−３７７１）　２部、
エポキシ変性シリコーン系繊維処理剤（商品名：Ｐｏ１
ｏｎ　　ＭＦ−１１Ｂ）２．５部、コロイダルシリカ水
分散液（商品名ニアプライトＡＴ−３ＯＡ）５部、エポ
キシ用架橋促進剤（商品名：キャタリストＰ　Ａ　−２
０）　０．５部をｄ合して受像層形成用塗被液（不揮発
分２５％）とした。この塗被液を使用した他は実施例３
と同様にして熱転写記録用受像シートを得た。

比較例３ 変性ポリエステル樹脂分散液（試作品：ベスレジンＡ−
２１０）９０部、水溶性の変性シリコーンオイル（商品
名：トーレシリコーン５Ｈ−３７７１）　　２部、エポ
キシ系反応性物質（商品名：ＣＲ−５Ｌ）２部、コロイ
ダルシリカ水分散液（商品名ニアプライｌ−Ａ、Ｔ−３
０Ａ）５部、エポキシ用架橋促進剤（商品名：キャタリ
ストＰＡ−２０）１部を混合して水を加え、受像層形成
用塗被液（ｐＨ値９．５、不揮発分２５％）を得た。

この塗被液を使用した他は実施例３と同様にして熱転写
記録用シートを得た。

比較例４ 変性ポリエステル樹脂分散′ｔｉ、（試作品：ペスレジ
ンＡ−２１０）９０部、水溶性の変性シリコーンオイル
（商品名：トーレシリコーン５Ｈ−３７７１）　３部、
アジリジン系反応性物質（商品名：ＰＦＡＺ−３２２）
２部、コロイダルシリカ水分散液〈商品名ニアプライ１
−ＡＴ−３０Ａ）５部を混合して水を加え、受像層形成
用塗被液（ｐＨ値１０、不揮発分２５％）を得た。

この塗被液を使用した他は実施例３と同様にして熱転写
記録用受像シートを得た。

かくして得られたそれぞれ１０種類の受像層形成用塗被
液及び熱転写記録用シートについて、以下のごとく品質
比較試験を行なった。

受像層形成用塗被液は外観を観察して白濁、分離の有無
を確認した。さらに、この塗被液を使用した熱転写記録
用シートを用いて印字を行ない、塗被液の保存時間が長
くなると共に、記録シート面と転写シートのインキ面が
印字の際に加えられる熱によって融着を起こすようにな
るときは、塗被液が変質劣化していたことを示すことか
ら、記録シートと転写シートのインキ面との剥離性を塗
被液の安定性の指標として評価項目に加えた。

一方、上記の如く塗被液を使用して形成した熱転写記録
用受像シートは以下のようにして試験を行なった。

即ち、青色熱昇華製染料（商品名：　ＫＳＴ−Ｂ７１４
／日本化薬（株）製）　０．４５部、ポリビニルブチラ
ール樹脂（商品名：エスレックＢＸ−１／積水化学工業
（株）製）０．４部をメチルエチルケトン４．６部、ト
ルエン４．６部に溶解させ色材層形成用インキとし、背
面に耐熱処理を施した厚さ６μのポリエチレンテレフタ
レートフィルムに、乾燥重量が１．０ｇになるように塗
布、乾燥して色材転写シートを作成した。

次ぎに、色材転写シートと熱転写記録用シートの塗布面
を重ね合わせ、色材転写シートの背面から感熱ヘッドに
より熱を印加しく１２■、２〜８ｍ５ｅｃ　）受像シー
トの受像面上に熱転写記録像を形成せしめ、この記録像
を５０℃・９０％ＲＨ１及び７０℃の条件下で各々１０
０時間保存した後に生しる記録像の変化を下記の如く評
価し、得られた結果を表−１に示した。

〔評価方法〕

（塗被液の安定性） 塗被液の安定性は、これを調整した直後、調製後６時間
及び調製後２４時間の時点まで室温（約２２℃）で密閉
保存し、塗被液の外観を観察して白濁、分離の有無を確
認した。さらに、この塗被液を使用した熱転写記録用シ
ートを用いて印字を行ない、塗被液の保存時間が長くな
ると共に、該液を用いて形成された記録シートと転写シ
ートのインキ面との剥離性が低下しているかどうかを目
視観察し、塗被液の安定性を評価した。

（記録の高温安定性） 調製直後の塗被液を使用して形成された熱転写記録用受
像シートについて、記録像を５０℃・９０％ＲＨで１０
０時間保存した際に生しる記録像のにじみを２５倍のル
ーパで観察比較して評価した。

（記録の高温安定性） 調製直後の塗被液を使用して形成された熱転写記録用受
像シートについて、記録像を７０℃で１００時間保存し
た際に生しる記録像のにしみを２５倍のルーパで観察比
較して評価した。

評価基準 ◎−−−−−Δ−−−−−−ｘ 優−一一−−−−−−−−劣 「効果」 表−■の結果から明らかなように、本発明の実施例で得
られた熱転写記録用受像シート形成用塗被液は優れた塗
被適性を有し、且つその塗被液を用いて得た熱転写記録
用受像シートは優れた記録安定性を有するものであった
。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. （１）支持体上に色材転写シートからの転写像を受理す
   る受像層を設けてなる熱転写記録用受像シートにおいて
   、該受像層を形成するために用いる水溶性樹脂液中に、
   又は水分散性の樹脂分散液中にアンモニア及び／又はア
   ンモニウムイオンを含有せしめ、且つ該液のｐＨが９．
   ０以上であることを特徴とする熱転写記録用受像シート
   。
2. （２）水溶性樹脂液中に、又は水分散性の樹脂分散液中
   にエポキシ系反応性物質を含む請求項（１）記載の熱転
   写記録用受像シート。
3. （３）水溶性樹脂液中に、又は水分散性の樹脂分散液中
   にアジリジン系反応性物質を含む請求項（１）記載の熱
   転写記録用受像シート。