JPH0319457Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車の燃料タンクに連結されるフイ
ラーパイプ、特にフイラーパイプの内壁に給油ガ
ンの位置決めを行なう部材を取付けた自動車のフ
イラーパイプに関する。

自動車のフイラーパイプは車体構造や燃料タン
クの取付場所によりその形状を大きく規制され
る。たとえば実公昭52−36891号公報に開示され
るように車体内板と外板との間の上下に伸びる間
隙にフイラーパイプが取付けられる場合、注入口
近傍は大きく折曲され、このため、給油ガンより
吐出する燃料がフイラーパイプ内壁を直射し、燃
料が注入口側へ吹返すという問題が生じる。これ
を防ぐため高速燃料注入をやめ、速度ダウンする
と注入作業時間が増加し、作業性ダウンによる売
上減を招くことにもなる。更に、通常の給油ガン
は燃料自動停止装置を備え、その自動停止時を負
圧変化により検出する自動停止ポートをガン先端
部に開口している。このため、給油ガンを過度に
フイラーパイプ内に挿入させると、燃料タンクの
満量液面より下に自動停止ポートが達してしま
い、燃料タンクに燃料を満量注入することができ
ないという不具合が生じる。このような不具合を
解決するため、たとえば、実開昭58−86726号公
報に開示されるような受金具１や綱２を、第５図
に示すように、ストツパ部材３の先端に取付ける
ことが行なわれるが、この場合、高速噴射する燃
料が受金具１や綱２に直射されることによる抵抗
を受け、注入口側への燃料の吹返しが生じ易い。

このように注入口に差込まれる給油ガンはその
先端の自動停止ポートの上下位置により燃料注入
満量が規制される。このため、自動車停止ポート
を確実に開放させると共に、給油ガン先端部の上
下位置を正しく規制する必要がある。更に、注入
燃料の吹き返しを防ぐため、燃料噴射方向を正し
く規制する必要があり、しかも、給油ガン先端部
の位置規制金具等により生じる流入抵抗を防ぐ必
要もある。本考案は上述の不具合を解決できる自
動車のフイラーパイプを提供することを目的とす
る。

本考案の適用された自動車のフイラーパイプを
第１図を用い説明する。

燃料タンク１０のフイラーパイプ連結口１２と
注入口１３との間を結ぶものであつて、注入口１
３近傍のフイラーパイプ内壁１４に略筒状のガイ
ド部材１５を取付け、ガイド部材１５は注入口１
３側より燃料タンク１０側に向け内部空間１６を
狭める湾曲壁１７を形成され、湾曲壁１７の燃料
タンク１０側端は給油ガン１８の先端部外径Ｄよ
り小さい内径（第３図参照）ｄを確保するストツ
パ部１９として形成され、ガイド部材１５により
給油ガン１８の燃料噴射方向がフイラーパイプ連
結口１２に向うよう給油ガン１８の位置決めをす
るものである。特に、ガイド部材１５の燃料タン
ク側端部のストツパ部１９は、湾曲部１７の内方
へ突出すビード２９を有するよう形成される（第
３図参照）。しかも、この燃料タンク側端部には、
ここより注入口側に延びる切欠部１１が形成され
る（第３図参照）。

このような自動車のフイラーパイプは、ガイド
部材に給油ガンを差し込み装着することにより、
この給油ガンの噴射する燃料がフイラーパイプ連
結口１２に向かうよう位置決めできる。

第１図に示した自動車のフイラーパイプをより
詳細に説明する。

自動車のフイラーパイプ（以下単にフイラーパ
イプと記す）２０を連結した燃料タンク１０は、
第２図に示すように、軽トラツク２１の荷台２２
の下側空間に装着される。燃料タンク１０と荷台
２２との間隔Ｈは比較的小さく、燃料タンク１０
より延出するフイラーパイプ２０の注入口１３は
荷台２２の下面に近接して配置される。このた
め、燃料タンク１０の満量液面Ａと注入口１３と
の高低差は比較的小さい。フイラーパイプ２０
は、燃料タンク１０の側壁１０１に形成されたフ
イラーパイプの連結部１０２に外嵌すると共にク
ランパ２３により固定されるフイラーホース２４
と、このホースの他端に差込まれクランパ２５に
固定される鋼製のフイラーパイプ本体（以後単に
パイプ本体と記す）２６とにより形成される。パ
イプ本体２６はその上端である注入口１３を環状
の受金２７により形成する。この受金２７はその
内側端を折曲させており、折曲部２７に形成した
フツク部（図示せず）に図示しないフイラーキヤ
ツプを係止させることができる。パイプ本体２６
の内壁１４には略筒状のガイド部材１５の注入側
接合片部１５１が溶接され、このガイド部材１５
の燃料タンク側接合片部１５２も同じく内壁１４
に溶接される。ガイド部材１５は板金物であり、
板金をテーパを有する筒状に湾曲させることによ
り形成される。即ち、ガイド部材の内壁は湾曲壁
１７として形成されている。ガイド部材１５の注
入口側端は第４図に示すように略環状断面形状を
呈し、燃料タンク側端は第３図に示すように下側
に切欠部１１を有する環状断面形状を呈する。こ
のガイド部材１５は長手方向において、注入口側
半分をほぼ完全なテーパ筒状に、燃料タンク側半
分を下部が切欠されたテーパ筒状にそれぞれ形成
されており、上部は長手方向全体にわたり一様な
湾曲板状を呈する。このため、注入口側の内径d₁
より燃料タンク側の内径ｄのほうが小さく形成さ
れており、ガイド部材１５の内壁である湾曲壁１
７が囲む内部空間２８は注入口側より燃料タンク
側に向けその容積を徐々に狭めるよう形成され
る。このようなガイド部材の湾曲壁１７の燃料タ
ンク側端には、第３図に示すように互いに対向す
る一対のビード２９を形成され、両ビードの間隔
d₂は更に内径ｄより小さい。このように、給油ガ
ン１８の先端部外径Ｄよりｄ及びd₂は小さく設定
されることにより、これら部分がストツパ部１９
として形成される。このようなガイド部材１７に
給油ガン１８が注入口１３側より差込まれると、
ストツパ部１９に給油ガン１８の先端部が係止さ
れ、この位置の給油ガン１８の自動停止ポート１
８１の位置と燃料タンク１０の満量液面Ａとが概
略で一致するよう形成される。更に、給油ガン１
８はその先端部をストツパ部１９に係止されると
同時に中ほどをパイプ本体の受金２７に当接し、
これにより給油ガン１８はパイプ本体２６に片持
支持される。このようにパイプ本体２６は給油位
置に給油ガン１８を支持するが、その際、燃料の
噴射方向を第１図に２点鎖線で示す方向、即ち、
連結部１０２に形成されるフイラーパイプ連結口
１２の中央に向けるよう形成される。

このようなフイラーパイプ２０に燃料を注入す
る場合、注入口１３を開き、給油ガン１８を差込
むと、そのガンは先端部をストツパ部１９に係止
され、そのガンの中ほどが受金２７に当接し、給
油ガン１８は給油位置に位置決めされる。これに
より高速噴射する燃料はフイラーパイプ連結口１
２の中央を通り、燃料タンク１０内に流入する。
そして、燃料が満量液面Ａに達すると給油ガンの
自動停止ポート１８１が塞がれ、燃料注入がスト
ツプする。

このように本考案によるフイラーパイプ２０は
給油ガン１８から高速噴射される燃料をフイラー
パイプの内壁１４に直射せず、燃料タンク１０内
に流入させる。しかも、給油ガンから噴射される
燃料流を直接横切り、流入抵抗を生じさせるよう
な部材がなく、注入口１３側への燃料の吹返しを
確実に防止できる。更に、ストツパ部１９が給油
ガン先端の上下位置を正しく規制するので、注入
燃料が確実に満量供給される。しかも、ガイド部
材に切欠部１１が形成されたので、自動停止ポー
ト１８１が確実に開放され、燃料噴出時に燃料が
ガイド部材によりはね返り、これが自動停止ポー
ト１８１を塞ぐという誤作動を防止できる。更
に、ガイド部材１５を板金により略筒状に形成し
た場合、堅固構造となり、給油ガン挿入時の過大
入力にも十分な耐久性を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例としてのフイラーパ
イプの断面図、第２図は同上フイラーパイプを備
えた軽トラツクの後面図、第３図は第１図のＹ−
Ｙ線断面図、第４図は第１図のＸ−Ｘ線断面図、
第５図は従来フイラーパイプの断面図をそれぞれ
示している。 １０……燃料タンク、１１……切欠部、１２…
…フイラーパイプ連結口、１３……注入口、１４
……フイラーパイプ内壁、１５……ガイド部材、
１６……内部空間、１７……湾曲壁、１８……給
油ガン、１９……ストツパ部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 燃料タンクのフイラーパイプ連結口と注入口と
   の間を結ぶ自動車のフイラーパイプにおいて、上
   記注入口近傍のフイラーパイプ内壁に略筒状のガ
   イド部材を取付け、上記ガイド部材は注入口側か
   ら燃料タンク側に向け内部空間を狭める湾曲壁に
   より形成され、さらに上記湾曲壁の燃料タンク側
   端部に給油ガンの先端部外径より小さい内径とな
   るように上記湾曲壁内方へ突出するビードを有す
   るストツパ部が形成されると共に上記湾曲壁の下
   側に上記燃料タンク側先端から上記注入口側に延
   びる切欠部が形成され、上記ガイド部材により給
   油ガンの燃料噴射方向がフイラーパイプ連結口に
   向うよう給油ガンの位置決めをすることを特徴と
   する自動車のフイラーパイプ。