JPH031929Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、鉄骨鉄筋コンクリート構造物にお
いて、梁鉄骨とデツキプレートを使用して復合コ
ンクリートスラブを施工する場合のスタツドジベ
ルとスペーサー筋（捨筋）とを連結、支持する構
築用鉄筋支持具に関する。

従来、複合コンクリートスラブを施工する場合
のスラブ配筋に当つて、スタツドジベルの頭部に
スペーサー筋（捨筋）を溶接にて固着する方法が
とられていた。

しかし、この方法ではスタツドジベルの頭部に
サビやミルスケールなどがあると溶接欠陥の原因
になると共に、雨天においては溶接ができないた
め、目に見えない機械的損失が多大である等、信
頼性、施工性に劣る。

また、１本、１本溶接するのに手間が掛り、非
能率的で不経済である。

この考案は上述した従来の問題点に鑑みなされ
たもので、その目的は、スタツドジベルの頭部に
スペーサー筋（捨筋）を簡単に、しかも確実に取
付けられる等、施工性、信頼性にすぐれると共
に、安全、かつ迅速に作業が行なえる等、作業
性、経済性にすぐれた効果を有する構築用鉄筋支
持具を提供することにある。

上記目的を達成するためこの考案は、スタツド
ジベルの頭部に嵌着する冠部の上面に鉄筋嵌着部
を１体的に形設したことを特徴とする。

以下この考案の実施例を図面に基づいて詳細に
説明する。

第１図はこの考案の第１実施例による構築用鉄
筋支持具の斜視図、第２図は同上の中央縦断正面
図である。

１は合成樹脂製等による鉄筋支持具である。

２はスタツドジベルの頭部に嵌着すべく形成さ
れた底面開放筒状の冠部で、底面内周縁に環状の
係止片２ａを膨出してなる。

３は上記冠部２の上面中央部にそれと一体に形
成した鉄筋嵌着部で、所要の外径の鉄筋の嵌着溝
３ａを有するほぼＵの字形の受片３ｂ先端に案内
片３ｃ，３ｃを形設してなる。

上記のように構成した第１実施例の構築用鉄筋
支持具の使用例について下記に述べる。

第３図に示すように、鉄骨鉄筋コンクリート構
造物における梁鉄骨ＨとデツキプレートＤとを使
用して複合コンクリートスラブを施工する場合、
予め梁鉄骨Ｈのフランジ中央部に突設したスタツ
ドジベルＳの頭部に鉄筋支持具Ｉの冠部２を嵌入
し、該冠部２の上面中央部に形成した鉄筋嵌着部
３にスペーサー筋Ａ（捨筋）を嵌入した後、その
上面にスラブ筋Ｂを載置して配筋する。

その後、コンクリートを打設し、複合コンクリ
ートスラブを施工するものである。

このように、上記第１実施例の鉄筋支持具Ｉに
よれば、スタツドジベルＳの頭部にスペーサー筋
Ａ（捨筋）を簡単に、しかも確実に取付けられる
等、施工性、信頼性にすぐれると共に、安全、か
つ迅速に作業が行なえる等、作業性、経済性にす
ぐれた効果を有し、実用上非常に有効である。

次にこの考案に係る他の実施例を説明すると、
第４図は第２実施例の中央縦断面図で、２２は第
１実施例と同様の冠部である。

２３は上記冠部２２の上面中央部付近に一体に
形成した鉄筋嵌着部で、受片２３ｂ，２３ｂを対
設すると共に、該受片２３ｂ，２３ｂの内側上端
部には嵌着溝２３ａに向つて求心状に斜向する案
内片２３ｃ，２３ｃを形設してなる。

この場合も、第１実施例と同様の作用、効果が
期待できる他、スペーサー筋（捨筋）をより一層
強固に嵌着できる効果がある。

第５図は第３実施例の中央縦断正面図で、冠部
３２の上面中央部にリベツト４により鉄筋嵌着部
３３を回動可能に設けたものであり、前記と同様
の作用、効果に加え、スペーサー筋Ａの多少の変
形に対しても許容し得る効果がある。

なお、上記実施例における鉄筋嵌着部を他の嵌
着機能を有する形状にすることも容易に推考し得
る。

以上詳細に説明したように、この考案によれ
ば、溶接によらず、スタツドジベルの頭部にスペ
ーサー筋（捨筋）を簡単に、しかも確実に取付け
られる等、施工性、信頼性にすぐれると共に、作
業性、経済性にもすぐれ、実用上非常に有効な構
築用鉄筋支持具を得ることができるのである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の第１実施例による構築用鉄
筋支持具の斜視図、第２図は同上の中央縦正面
図、第３図は同上の使用状態を示す一部縦断正面
図、第４図は第２実施例の中央縦断正面図、第５
図は第３実施例の中央縦断正面図である。 １……鉄筋支持具、Ｓ……スタツドジベル、２
……冠部、Ｈ……梁鉄骨、３……鉄筋嵌着部、Ａ
……スペーサー筋（捨筋）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. スタツドジベルの頭部に嵌着する冠部の上面に
   鉄筋嵌着部を一体的に形設したことを特徴とする
   構築用鉄筋支持具。