JPH0319203Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の技術分野］ 本考案は電極構造を改良したチツプバリスタに
関する。

［考案の技術的背景とその問題点］ 近年、バリスタの用途拡大に伴いリード線また
は外部端子を用いず、直接プリント基板へ組込み
使用できる小形軽量化の市場要求に応え得るチツ
プバリスタの需要が増大してきている。

しかして、従来一般化しているチツプバリスタ
は第６図および第７図に示すように角板状バリス
タ素体２１の両側面２２，２３をそれぞれ介して
対面の一部分まで連続して対向電極２４，２５を
設けた構造とし、該対向電極２４，２５が前記バ
リスタ素体２１の表裏両面で対向する部分Ｗでバ
リスタ特性を発揮するようにしたものである。

しかして、上記構成からなるチツプバリスタの
使用に際しては第８図に示すようにプリント基板
２６に平面的に載置して用いる訳であるが対向電
極２４，２５が接触するプリント基板１１部には
別な回路パターンがあるのでこのままの構造で直
接プリント基板に取付けるには実用上不都合な問
題をもつていた。また同一平面上（表面または裏
面）に対向電極２４，２５を形成した構造である
ためＷでバリスタ特性を得るためには対向電極２
４，２５間距離t2をバリスタ素体２１厚さt1より
大きく設定しなければならずバリスタ電圧が高く
なるほど距離t₂を大きくしなければならずバリス
タ素体の大きさを変えない場合はそれだけＷが小
さくなるためサージ吸収能力、エネルギー耐量が
小さくなり、またサージ吸収能力、エネルギー耐
量をそのまま確保する場合はＷを変えずに確保し
なければならず、それだけバリスタ素体を大きく
しなければならず、いずれにしても形成した電極
で有効電極として作用する比率が少なく、加えて
第９図に示すようにバリスタ素体２１綾部２７へ
の電極２５塗布が薄くなりサージ電流が集中する
ため綾部２７への電極材塗布を多くする必要があ
り電極形成作業を複雑化するとともに必要以上の
電極材使用をよぎなくされ低コスト化の阻害要因
となつていた。

［考案の目的］ 本考案は上記の点に鑑みてなされたもので、電
極引出し構造を改良することによつてプリント基
板と、電極間に隙間をもたせて載置することを可
能とし、しかも小形化に貢献できるチツプバリス
タを提供することを目的とするものである。

［考案の概要］ 本考案のチツプバリスタは、角板状に成形した
バリスタ素体両面の三周辺に外周縁を残して電極
を対称に形成し、該電極それぞれに一端を折返部
としたＬ形金属板を取着し、該Ｌ形金属板の他端
を前記バリスタ素体の対向側面それぞれを沿わせ
て前記電極との取着部と反対面の相対する関係と
なるＬ形金属板の最外表面と同一高さまで突出し
た構造とすることを特徴とするものである。

［考案の実施例］ 以下本考案の一実施例につき図面を参照して説
明する。すなわち第１図および第２図に示すよう
に例えば酸化亜鉛を主成分とし、他に数種の金属
酸化物を混合したセラミツク粉体を角板状に成形
焼結してなるバリスタ素体１両面の三周辺に外周
縁２を残して電極３，４を対称に形成し、しかる
後該電極３，４それぞれに第３図に示すように形
成してなる例えばニツケル、洋白などからなり一
端を折返部５としたＬ形金属板６の前記折返部５
の反対面となる内側一面７を例えばハンダ付けに
て取着しＬ形金属板６の内側他面８を前記バリス
タ素体１の外周まで延びて電極３，４が位置する
対向側面９，１０それぞれに沿わせせ、他端１１
を取着部の反対側に導出し前記Ｌ形金属板５の他
端１１を前記電極３，４との取着部と反対面の相
対する関係となるＬ形金属板６の前記折返部５面
と同一高さまで突出させた構成してなるものであ
る。

以上のように構成してなるチツプバリスタを使
用する場合は第４図に示すようにプリント基板１
２にバリスタのいずれか一方面を平面的に載置し
用いる訳であるがＬ形金属板６の他端１１が電極
３，４との取着部との反対面の相対する関係とな
るＬ形金属板６の前記折返部５面と同一高さまで
突出しているため該電極４がプリント基板１２面
に直接接触することなく該電極４の下部に位置す
るプリント基板１２にある他の回路パターンと電
極４の接触は皆無となる。また本考案によれば同
一面に対向電極を形成することなくＬ形金属板６
を用いることによつてチツプ化となり、従来のチ
ツプバリスタとは大きく違つた新規な構成を有し
ており、これによつて従来第５図および第７図に
示す構造が抱えていたその他の問題すなわちバリ
タ電圧が高くなるほどt₂を大きくしなければなら
ずそれだけバリスタ素体が大きくなり、しかもバ
リスタ素体綾部への電極材塗布量を含めた電極材
使用量の多量化による作業性および低コスト化の
阻害要因をも一気に解決できる利点を有する。

なお、上記実施例ではＬ形金属板の電極との取
着部を折返部の反対面となる内側一面としたもの
を例示して説明したが第５図に示すようにＬ形金
属板６の一端に設ける折返部５を内側一面の内側
とし、該折返部５を電極４と直接取着し、Ｌ形金
属板６の他端１１を電極４との取着部と反対面の
相対する関係となるＬ形金属板６の最外表面と同
一高さまで突出した構造としてもよい。第５図中
他の部分については上記実施例と同一番号を付し
て説明を省略した。

［考案の効果］ 本考案によればプリント基板へ直接組込んだと
しても他の回路パターンと接触することなく、小
形化ならびに低コスト化に貢献できる実用的価値
の高いチツプバリスタを得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第４図は本考案の一実施例に係り、第
１図はチツプバリスタを示す斜視図、第２図は第
１図Ａ−Ａ断面図、第３図は第１図を構成するＬ
形金属板、第４図は第１図に示すチツプバリスタ
をプリント基板に載置した状態を示す正面図、第
５図は本考案の他の実施例に係るチツプバリスタ
を示す平面図、第６図〜第９図は従来例に係り、
第６図はチツプバリスタを示す斜視図、第７図は
第６図Ｂ−Ｂ断面図、第８図は第６図に示すチツ
プバリスタをプリント基板に載置した状態を示す
正面図、第９図は第７図イ部拡大断面図である。 １……バリスタ素体、２……外周縁、３，４…
…電極、５……折返部、６……Ｌ形金属板、７…
…内側一面、８……内側他面、９，１０……対向
側面、１１……他端。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 角板状に成形焼結したバリスタ素体と、該素体
   両面の三周辺に外周縁を残して対称に形成した電
   極と、該電極それぞれに一端を折返部とした内側
   一面を取着し内側他面を前記バリスタ素体の対向
   側面に沿わせて他端を取着部の反対側に導出した
   Ｌ形金属板とを具備し、該Ｌ形金属板の前記他端
   を電極との取着部と反対面の相対する関係となる
   Ｌ形金属板の最外表面と同一高さまで突出させた
   ことを特徴とするチツプバリスタ。