JPH0318813Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はサイレント部材を備える式の燃焼装置
に関する。

（従来の技術） 従来空気とガスとの予混合気が強制的に導かれ
る拡散室の前面に、炎孔の多数個を有する燃焼部
を備えたガスバーナユニツトを、燃焼室に臨ませ
た燃焼装置は一般に知られ、このような燃焼装置
にあつては燃焼部に供給される予混合気が整流さ
れた状態にないと、炎の乱れを生じ、これにもと
ずく騒音を生じることも知られ、更に該燃焼部の
裏面に金網その他の整流作用を伴うサイレント部
材を設けることでかかる騒音の発生を防ぐように
したものも特公昭54−43736号公報に知られる。

（考案が解決しようとする問題点） しかしこのような整流作用を該サイレント部材
に伴わせるには、該サイレント部材としてきわめ
て孔径の小さな多孔板を用いなければならず、こ
れによれば該多孔板にほこり、虫等が付着して目
詰りを生じこれによれば燃焼部側に至る混合気の
圧損を生じ、これにもとずく燃焼不良を生じる等
の不都合がある。

（問題を解決するための手段） 本考案はかかる不都合を解消した燃焼装置を提
供するもので、燃焼用空気の全てを一次空気とし
てフアンで供給する式のガスバーナユニツトであ
つて、該ガスハーナユニツトは、一次空気とガス
との予混合気を強制的に導く拡散室と、該拡散室
の前面に設けた炎孔の多数個を有する燃焼部と、
該拡散室に臨むサイレント部材と該燃焼部の前面
周囲に設けた保炎壁とからなり、該予混合気を該
サイレント部材を介して燃焼部に供給するように
したものであつて、該ガスバーナユニツトの燃焼
部を燃焼室で囲わせたものに於いて、該サイレン
ト部材の側端に切欠きを設けて成る。

（作用） 通常は燃焼部の上流側の大半の部分を該サイレ
ント部材によつて覆いこれを通過して混合気が燃
焼部側に流れるので燃焼部の全域に亘つてほぼ整
流された予混合気が供給されて燃焼が安定し、こ
れにもとづく騒音の発生もない。

そして切欠きサイレント部材の側端に設けてあ
るのでここを通過する予混合気は未整流であるが
ここを通過した予混合気により燃焼する燃焼部は
その前面周囲に保炎壁があるからこれによつて安
定して燃焼する。

そして、該サイレント部材に万一ほこりなどが
詰るようなことがあつても該切欠きを通つて予混
合気が燃焼部に供給されるので燃焼部前面での燃
焼が維持される。

（実施例） 本考案実施の一例を別紙図面につき説明する。
図面で１は、燃焼用空気の全てを一次空気として
フアンで供給するガスバーナユニツトであつて空
気とガスとの予混合気が強制的に導かれる拡散室
２の前面開口部３に、これを覆つて炎孔４ａの多
数個を有するセラミツク等からなる燃焼板等を取
付けて構成した燃焼部４を備えるガスバーナユニ
ツトを示し、該拡散室２には送風フアン５と該送
風フアン５の負圧部に臨むガスノズル６とを連通
させて、該送風フアン５からの送風とガスノズル
６から供給されるガスとを混合して拡散室２に供
給する。７は、該ガスバーナユニツト１の燃焼部
４の前面を囲ませた燃焼室を示し、図示するもの
は該燃料室７内に水熱交換器９を設けて湯沸型に
構成した。８は該燃焼部４の前面周囲に臨ませた
保炎壁、１０はガスノズル６と連なるガス通路に
介在させたガス制御部を示す。これまでの構成
は、従来知られているものと特に変るところはな
く、更に該燃焼部４の上流側に金網その他の整流
作用を伴うサイレント部材１１を設けた点で特公
昭54−43736号公報に開示されているものと特に
変るところはない。

本考案はかかるサイレント部材１１の側端に切
欠き１２を設けたもので、以下これを詳述する
と、図示するものは長方形の燃焼部４の裏面に前
記サイレント部材１１としてこれと同形の金網１
１ａの複数枚を積層して設け、その金網１１ａの
側端である両側に前記切欠き１２を設けたもので
該金網１１ａを積層するに当つて該金網１１ａは
長方形の金属枠１４にこれを張設し、該金属枠１
４の内側と金網１１ａの両側との間に前記切欠き
１２を形成すると共に該金属枠１４と同形のパツ
キング１５を各金属枠１４間に介在させて各金網
１１ａ間に５mm程度の間隔を形成させた。

尚図面で１３はこれら金網１１ａの裏面に、更
に前述するパツキング１５を介して積層したパン
チング板を示す。かくするときは、金網１１ａ，
１１ａに万一ほこり等が付着するようなことがあ
つても該切欠き１２を介して混合気が燃焼部４側
に流れるので燃焼部４側に流れる混合気の圧損を
生じることがない。尚このように切欠き１２を設
けるときは、これを流れる混合気が未整流の状態
で燃料部４側に流れこの部分の燃焼が僅かに不安
定となる可能性があるが前記切欠き１２をサイレ
ント部材１１の側端に設けたので、燃焼部４の前
面周囲に設けた保炎壁８によつてかかる燃焼の不
安定さを解消出来る。

尚金網１１ａとしては、10＃線径0.5mm程度の
ものを用いるのが好ましく該切欠き１２の総面積
は、燃焼部４に設けた炎孔４ａの総面積とほぼ等
しいかこれより僅かに大きい程度とする。

尚上述の実施例ではサイレント部材１１として
金網１１ａを用いたがこれは燃結金属等からなる
多孔板であつても良い。

（考案の効果） このように本考案によるときは、サイレント部
材によつて騒音の発生を防げると共に該サイレン
ト部材に万一ほこり等が詰まるようなことがあつ
ても切欠きを介して予混合気を燃焼部側に供給す
ることが出来て、サイレント部材の目詰りによる
混合気の圧損にともなう燃焼不良の発生等を防
げ、しかもサイレント部材の側端に該切欠きを設
けたことで該切欠きを介して燃焼部の側端で予熱
混合気が未整流のままであつても、これは該燃焼
部の前面周囲に設けた保炎壁が燃焼を安定させる
方向に働くため該部の燃焼が安定になることもな
く、全体としても燃焼が安定するの効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案実施の一例の截断面図、第２図
はその一部の拡大図、第３図は要部の分解斜面図
てある。 １……ガスバーナユニツト、２……拡散室、４
……燃焼板、７……燃焼室、１１……サイレント
部材、１２……切欠き。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 燃焼用空気の全てを一次空気としてフアンで
   供給する式のガスバーナユニツトであつて、該
   ガスバーナユニツトは、一次空気とガスとの予
   混合気を強制的に導く拡散室と、該拡散室の前
   面に設けた炎孔の多数個を有する燃焼部と、該
   拡散室に臨むサイレント部材と該燃焼部の前面
   周囲に設けた保炎壁とからなり、該予混合気を
   該サイレント部材を介して燃焼部に供給するよ
   うにしたものであつて、該ガスバーナユニツト
   の燃焼部を燃焼室で囲わせたものに於いて、該
   サイレント部材の側端に切欠きを設けて成る燃
   焼装置。 ２ 該切欠きは、該燃焼部に形成された炎孔の総
   面積と等しいこれより大きくしたことを特徴と
   する実用新案登録請求の範囲第１項所載の燃焼
   装置。