JPH0318003Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、圧延機の作業ロール水平曲げ装置に
関するものである。

［従来の技術］ 第４図に示す如く、小径のワークロールａをバ
ツクアツプロールｂに対して圧延材ｃのライン方
向にオフセツトｄし、該ワークロールａのずらし
側に、該ワークロールａに任意の曲げを与えるた
めの中間ロールｅ及び補強ロールｆからなる水平
曲げ装置ｇを設けて、前記ワークロールａの水平
曲げ形状を調整することにより圧延材ｃの形状を
制御することが行われている。尚、上記におい
て、中間ロールｅの軸箱ｈは前記ワークロールａ
の軸箱ｉに対してスリーブｊを介し矢印ｋ方向に
スライド可能に支持され、それにより中間ロール
ｅが横にはじき出されるのを防止されており、又
補強ロールｆは、前記ワークロールａの軸心ｌと
中間ロールｅの軸心ｍを結ぶ線ｎの延長上にその
軸心ｏが略一致する如く所要の傾斜角度θを有し
てシリンダ等により矢印ｐ方向に移動調整できる
ようになつている。図中ｑは大径のワークロール
を示す。

［考案が解決しようとする問題点］ しかし、上記従来装置においては、ロール径の
変化時に問題を生じていた。

即ち、第５図に示すように、各ロールａ，ｅ，
ｆの軸心ｌ，ｍ，ｏが線ｎ上にある状態から、第
６図に示すようにロール径がD₁からD₂に変化す
ると、中間ロールｅの移動方向ｋと補強ロールｆ
の移動方向ｐがずれてしまい、中間ロールｅの軸
心ｍが、ワークロールａの軸心ｌと補強ロールｆ
の軸心ｏを結ぶ線上から外れてしまう。

このため、従来は、ロール径が変るたびに、ロ
ールシヨツプにおいて偏心スリーブｊにより中間
ロールｅの軸心位置を調整するようにしている
が、その作業が非常に大変であり、しかも調整を
誤るとロールや軸受ベアリングの折損にもなりか
ねない問題を有していた。又、中間ロールｅの軸
箱ｈがワークロールａの軸箱ｉにガイドされてス
ライドするように構成されているため、スケール
等の噛み込みによつてステイツクし易い問題も有
していた。

本考案は、上記従来装置の問題点に着目してな
したもので、ワークロールの径が変更されても何
等の調整を要することなく、中間ロールの軸心を
常にワークロール軸心と補強ロール軸心を結ぶ線
上に略一致させることができる水平曲げ装置を提
供することを目的としている。

［問題点を解決するための手段］ 本考案は上記技術的課題を解決しようとしたも
ので、オフセツトされたワークロールを中間ロー
ル及び補強ロールにより支持してワークロールの
水平曲げ形状を制御するようにした装置におい
て、ワークロール径の変化時、前記中間ロールの
軸心がワークロール軸心と補強ロール軸心を結ぶ
線上に位置する如く、前記中間ロールの軸箱をワ
ークロール軸箱に設けた回動アームに支持せしめ
たことを特徴とする圧延機の作業ロール水平曲げ
装置、に係るものである。

［作用］ 従つて、本考案では、中間ロールを、ワークロ
ール軸箱に支持軸を介して回動自在に設けた回動
アームに取付けるようにしたので、支持軸の設置
位置と回動アームの長さを選定することにより、
ワークロール径が変化しても、中間ロールの軸心
を、ワークロール軸心と補強ロール軸心を結ぶ線
上に常に一致させるように自動調整することがで
きる。

［実施例］ 以下図面に基づいて本考案の実施例を説明す
る。

第１，２図は本考案の一例を示すもので、図中
１はオフセツトＳされた小径ワークロール、２は
その軸箱、３は大径ワークロール、４はその軸
箱、５はバツクアツプロール、６はその軸箱であ
る。

上記において、小径ワークロール１のオフセツ
ト側位置に、その軸箱７が小径ワークロール軸箱
２に取付けられた支持軸８を中心に回動する回動
アーム９に取付けられ、前記小径ワークロール１
に対して平行状態を保持しつつ近接、離反を行う
ようにスイングする中間ロール１０を設ける。

上記中間ロール１０の更にオフセツト側には、
所要の傾斜角度θを有して図示しない油圧シリン
ダ等により矢印方向１１に移動するようにした補
強ロール１２を設ける。

上記した支持軸８の位置、及び回動アーム９の
長さは、小径ワークロール１の径が変化しても、
中間ロール１０の軸心１０′が、常に小径ワーク
ロール１の軸心１′と補強ロール１２の軸心１
２′を結ぶ線上に常に略一致して移動するように
選定する。

上記構成によれば、例えば第３図の点線状態か
ら実線のように小径ワークロール１の径が変化
（D₁→D₂）しても、中間ロール１０は回動アーム
９により支持軸８を中心に回動され、中間ロール
１０の軸心１０′が小径ワークロール１の軸心
１′と補強ロール１２の軸心１２′を結ぶ線上に来
るように自動的に位置調整される。

このように、各ロール１，１０，１２の軸心
１′，１０′，１２′が自動的に一直線上に来るよ
うに自動調整されるために、面倒な手作業による
位置調整、それに要する手間、調整ミスによりロ
ールや軸箱に過大な力が作用して折損させてしま
うというようなことを完全に排除することができ
る。

尚、本考案は上記実施例にのみ限定されるもの
ではなく、ワークロールをオフセツトするように
した圧延機であれば、種々の圧延機に適用し得る
こと、その他本考案の要旨を逸脱しない範囲内に
おいて種々変更を加え得ること、等は勿論であ
る。

［考案の効果］ 上記したように、本考案の圧延機の作業ロール
水平曲げ装置によれば、中間ロールを、ワークロ
ール軸箱に対し、回動アームを介して支持軸を中
心に回動自在に支持させるようにしたので、前記
支持軸の設置位置と回動アームの長さを選定する
ことにより、ワークロール径が変化しても、中間
ロールの軸心をワークロール軸心と補強ロール軸
心を結ぶ線上に常に略一致するように自動調整さ
せることができ、よつて従来のようなロールシヨ
ツプでの調整作業を全く不要にし、且つ調整ミス
による問題の発生も防止でき、更に、スライド部
分をなくしたことによりスケール等の噛込みを防
止して確実な作動を行わしめることができる、等
の優れた効果を奏し得る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す説明用側面
図、第２図は第１図の方向矢視図、第３図は本
考案の作動説明図、第４図は従来装置の一例を示
す側面図、第５図及び第６図は従来装置の作動を
示す説明図である。 １は小径ワークロール、１は小径ワークロール
軸箱、７は中間ロール軸箱、８は支持軸、９は回
動アーム、１０は中間ロール、１２は補強ロール
を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. オフセツトされたワークロールを中間ロール及
   び補強ロールにより支持してワークロールの水平
   曲げ形状を制御するようにした装置において、ワ
   ークロール径の変化時、前記中間ロールの軸心が
   ワークロール軸心と補強ロール軸心を結ぶ線上に
   位置する如く、前記中間ロールの軸箱をワークロ
   ール軸箱に設けた回動アームに支持せしめたこと
   を特徴とする圧延機の作業ロール水平曲げ装置。