JPH0317774Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 イ 考案の目的 産業上の利用分野 本考案はマスカラ等の化粧液を用いる化粧用具
の改良に関する。

従来の技術 この種化粧用具は、下端にブラシを設けたブラ
シ軸を液中に漬けておき、化粧時にこれを引き出
して使用するので、液容器体の口部にゴムのよう
な弾性材からなる小径の絞り孔を持つしごき片を
設けておき、このしごき片で軸に付着している液
をかき落すと共にブラシに含まれている液量を適
量に絞るようにしている。

この場合、絞り孔径は軸径よりかなり小径とし
ているので、しごき片の位置する軸外周に環状溝
を形成ししごき片の変形を防止すると共に通気可
能としており、このためブラシ軸は実質的に小径
となり強度に問題があつた。しかし、実際上しご
き片の変形は問題とならない。

また、ブラシ軸は上部のキヤツプ部により液容
器体に螺合装着しており、使用の都度回し操作し
て引き出し、差し入れするので操作が面倒なばか
りでなく、その出し入れが円滑になされない欠点
があつた。

考案が解決しようとする問題点 本考案は、キヤツプ部の装脱がワンタツチ形に
簡便で、しかもブラシ軸の強度が実質的に強める
ことができ、さらにブラシ軸の出し入れが円滑に
なしうる改良した化粧液を用いる化粧用具を得る
にある。

ロ 考案の構成 問題点を解決するための手段 本考案における化粧液を用いる化粧用具は、口
頸部５外周面上面に波形に隆形した係合部６を形
成した容器体１と、弾性材からなり、前記口頸部
５に適宜のギヤツプｔを設けて内嵌固定した筒状
体７の中間部内周から、内向きフランジ状に中央
部に絞り孔８を開口したしごき片９を斜め下向き
に突設した液切り筒２と、前記口頸部５外面に嵌
合し、かつ内周面下部に前記係合部６に上方から
係合する対応した波形に隆形した係合部１０を有
し、回動でこの係合部１０の谷部が係合部６の山
部に乗ると嵌合が外れて開蓋するキヤツプ３と、
下端にブラシ１１を有し、上端を前記キヤツプ３
に固定し、前記液切り筒２の絞り孔８を通して容
器体１内に垂下され、絞り孔８に対応した外面の
一部に溝１２を凹設したブラシ軸４とで構成して
いる。

作用 上記にて、常時はキヤツプ３の係合部１０は口
頸部５の係合部６と上下に合致し、つまり山部と
山部、谷部谷部が係合してキヤツプ３は口頸部５
外面に嵌合（閉蓋）した状態にある。

ここで、使用時にはキヤツプ３を僅かに回動す
る。するとキヤツプ３の係合部１０の谷部が口頸
部５の係合部６の山部に乗り上げ、この状態にて
両者の嵌合状態が解かれ、開蓋する。この後、キ
ヤツプ３を把持してブラシ軸４を引き出す。この
場合、しごき片９は斜め下向きに傾斜し、また絞
り孔８はやや小さめにしてあるので、ブラシ軸４
外面に付着している液はしごき片９により殆んど
かき落され、同時にブラシ１１に含有する液量も
適量に絞られる。

実施例 容器体１は、口頸部５と胴部１３とは別体であ
り、胴部１３は装飾性を得るため金属製であり、
この胴部１３上部に口頸部５を外向きフランジ１
４部迄固く嵌挿して一体に形成している。口頸部
５の下部外周には係合突条１５にあり、この係合
突条１５を利用して下部ゴム等の弾性材からなる
シールリング１６を深溝を介し嵌め込み装着し、
このリング１６を胴部１３内面に密着させて液洩
れを防止している。

液切り筒２は、上端に外向きフランジ１７、下
部外周に係合突条１８があり、外向きフランジ１
７を口頸部５上端面に、係合突条１８を口頸部５
の中間段部に係合して内嵌固定されており、この
場合、第４図に示すように、口頸部５内周面との
間に小さなギヤツプｔを設けている。このギヤツ
プｔは液切り筒２外周の中間部に当該ギヤツプｔ
に相当する凹形部を凹設しておくことにより、組
立て時簡単に形成できる。

キヤツプ３は、係合部１０上方の中間部に仕切
り壁１９を設け、この仕切り壁１９の中央部を凹
陥し２０、また下端近い内周に係合突条２１を突
設し、そして外面を角形、例えば６角形の形状と
し、この外面に装飾性を得るため金属製の外被筒
２２を嵌着して形成している。

ブラシ４は、上端部を円筒部２３とし、その周
りにとびとびに縦形のリブ２４を数個突出形成
し、また円筒部２３下方の前記しごき片９上面に
位置する部分にテーパーをつけて環状リブ２５を
形成し前記リブ群２４直下部には係合突条２６を
設けており、上端円筒部２３を前記凹陥部２０に
嵌合し、かつリブ群２４を内周に圧着し、そして
係合突条２６を係合突条２１に係合してキヤツプ
３下部に挿入固定されている。環状リブ２５は、
ブラシ軸４を使用時引抜くとしごき片９のはね作
用で軸回りに液が付着するので、この付着液をこ
の部に一時的に集め、これをブラシ軸４挿入時に
かき落すために設けたものである。

キヤツプ３、ブラシ軸４は合成樹脂で成形製作
する。

ハ 考案の効果 本考案では上述したように、ブラシ軸４に設け
る溝１２を部分的に１個所（多くても両側で２個
所）としたので、このブラシ軸４は環状溝とする
従来のものに対し充分な強度を保持することがで
き、またキヤツプ３は口頸部５に対し波形の係合
部１０にて係合した嵌合構成なので、キヤツプ３
を僅かに回動するワンタツチで開閉できるので操
作は著しく簡単化する。

また合成樹脂材の成形製品の場合、成形バラツ
キ等で製品寸法にバラツキが生じ易く、特にブラ
シ軸４と液切り筒筒２間に組込み寸法の余裕がな
いと、ブラシ軸４の出し入れが固くなり出し入れ
が困難となることが多いが、本考案では液切り筒
２と口頸部５間にギヤツプｔを設け、液切れ筒２
がその分外方にふくらむことができる構造とした
ので、ブラシ軸４の出し入れが円滑になしうる効
果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案化粧液を用いる化粧用具の一実
施例の半部縦断面図、第２図は同実施例の分解斜
視図、第３図はしごき片部におけるブラシ軸の一
部を示した拡大断面図、第４図は液切り筒と口頸
部との間のギヤツプを示す一部拡大断面図であ
る。 １……容器体、２……液切り筒、３……キヤツ
プ、４……ブラシ軸、５……口頸部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 口頸部５外周面に波形に隆形した係合部６を形
   成した容器体１と、弾性材からなり、前記口頸部
   ５に適宜のギヤツプｔを設けて内嵌固定した筒状
   体７内周から、内向きフランジ状に中央部に絞り
   孔８を開口したしごき片９を突設した液切り筒２
   と、前記口頸部５外面に嵌合し、かつ内周面に前
   記係合部６に係合する対応した波形に隆形した係
   合部１０を有し、回動でこの係合部１０の谷部が
   係合部６の山部に乗ると嵌合が外れて開蓋するキ
   ヤツプ３と、下端にブラシ１１を有し、上端を前
   記キヤツプ３に固定し、前記液切り筒２の絞り孔
   ８を通して容器体１内に垂下され、絞り孔８に対
   応した外面の一部に溝１２を凹設したブラシ軸４
   とからなる化粧液を用いる化粧用具。