JPH03899Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、マスカラ等の化粧液を用いる化粧用
具に関する。

「従来の技術」 この種容器は、容器体口部に装着するキヤツプ
に、先端に設けた化粧ブラシが容器体底部に届く
長尺のブラシ軸を取付け、これを常時液中に漬け
ておき、化粧時にキヤツプを介し引き出して使用
する。この場合、口部に設けたゴム等の弾性材か
らなるしごき片で軸に付着している液をかき落す
と共に、ブラシに含まれている液量を適量に絞つ
ている。

「考案が解決しようとする問題点」 この種容器では、化粧を終えたあとキヤツプを
完全に閉蓋装着しないと液洩れが生じ、衣服やハ
ンドバツク等を汚したりする。この場合、キヤツ
プを装着したとき振動音が生じるので、この振動
音でキヤツプ閉蓋状態を確認すれば都合がよい
が、この振動音はゴム等のしごき片に吸収されて
しまうので確認がしにくい。

本考案は、キヤツプを閉蓋装着したとき大きな
クリツク音を発生させて閉蓋状態が確認できるよ
うにすると共に、液洩れが効果的に防止できる化
粧液を用いる化粧用具を得るにある。

「問題点を解決するための手段」 本考案の化粧液を用いる化粧用具は、口頚部６
外周面に波形に隆形した係合部７を形成した容器
体１と、弾性材からなり、前記口頚部６に内嵌固
定した筒状体８内周からしごき片９を内向きフラ
ンジ状に突設して中央部に絞り孔１０を開口した
液切り筒２と、前記口頚部６外面に嵌合し、かつ
内周面に前記係合部７に係合する対応した波形に
隆形した係合部１１を有し、回動でこの係合部１
１の谷部が係合部７の山部に乗ると嵌合が外れて
開蓋するキヤツプ３と、下端にブラシ１２を有
し、上端の拡径円筒部１３により前記キヤツプ３
に、このキヤツプ３裏面との間に空間イを設けか
つ適宜寸法上下動可能に挿入結合され、前記液切
り筒２の絞り孔１０を通して容器体１内に垂下さ
れたブラシ軸４と、このブラシ軸４上端の円筒部
１３と前記キヤツプ３裏面間に介挿されてブラシ
軸４を常時下方に押下げ付勢し、その円筒部１３
拡径段部を前記液切り筒２頂面に圧接させて液洩
れを防止すると共に前記空間イを保持するねじ５
とで構成している。

「作用」 上記にて、常時はキヤツプ３の係合部１１は口
頚部６の係合部７と上下に合致し、つまり山部と
山部、谷部と谷部が係合してキヤツプ３は口頚部
６外面に嵌合閉蓋し、この閉蓋状態は両者の係合
突条１４，１５が係合して保持している。またブ
ラシ軸４はばね５で下方に押下げ付勢され、空間
イを保持すると共に円筒部１３の下向き段部１６
が液切り筒２頂部のリング状凸部１７に圧接し、
外部への液洩れを確実に防止している。

ここで、使用時にはキヤツプ３を僅かに回動す
る。するとキヤツプ３の係合部１１の谷部が口頚
部６の係合部７の山部に乗り上げ、これにより係
合突条１４，１５の係合が外れて両者の嵌合状態
が解かれ、開蓋する。この後、キヤツプ３を把持
してブラシ軸４を引き出す。この場合、しごき片
９は斜め下向きに傾斜し、また絞り孔１０はやや
小さめにしてあるので、ブラシ軸４外面に付着し
ている液はしごき片９により殆んどかき落され、
同時にブラシ１２が含む液量も適量に絞られる。

つぎに、化粧を終えたあとキヤツプ３を閉蓋す
ると、キヤツプ３の係合部１１が口頚部６の係合
部７に係合し、また係合突条１４，１５が係合し
て図示の原状態に戻るが、この閉蓋装着時に振動
音が発生する。ここで本考案では、ブラシ軸４上
端とキヤツプ３裏面間に円筒部１３内に通じる空
間イを設けたので、この振動音は大きく反響しキ
ヤツプ３が完全閉蓋されたことを報知する。

「実施例」 容器本体１は角形の外形で、口頚部６と胴部１
８とは別体であり、胴部１８は装飾性を得るため
金属製であり、この胴部１８上部に口頚部６を角
形の外向きフランジ１９部迄固く嵌挿して一体に
形成している。口頚部６の下部外周には係合突条
２０があり、この係合突条２０を利用して下部に
ゴム等の弾性材からなるシールリング２１を深溝
を介し嵌め込み装着し、このリング２１を胴部１
８内面に密着させて胴部１８と口頚部６間からの
液洩れを防止している。

液切り筒２は、上端に外向きフランジ２２、下
部外周に係合突条２３があり、外向きフランジ２
２を口頚部６上端面に、係合突条２３を口頚部６
の中間段部に係合して内嵌固定されており、この
場合、第３図に示すように、口頚部６内周面との
間に小さなギヤツプｔを設けている。このギヤツ
プｔは液切り筒２外周の中間部に当該ギヤツプｔ
に相当する凹形部を凹設しておくことにより、組
立て時簡単に形成できる。これは、ギヤツプｔが
あれば、その分液切り筒２が外方にふくらむの
で、成形バラツキ等で製品寸法にバラツキが生じ
てもブラシ軸４の出し入れが円滑になしうるため
である。

キヤツプ３は、係合部１１上方の中間部に仕切
り壁２４を設け、この仕切り壁２４の中間部を凹
陥し、また外面に装飾性を得るため金属製の外被
筒２５を嵌着し、そして外形を角形の形状に形成
している。

ブラシ軸４は、上端の円筒部１３の上部周りに
係合突条２６を突出形成し、またこの円筒部１３
下部の前記しごき片９上面に位置する部分にテー
パーをつけて環状リブ２７を形成しており、円筒
部１３中間部の下向き段部１６を液切り筒２頂部
の凸部１７に乗せてキヤツプ３下部に幾分上下動
可能に挿入結合している。環状リブ２７は、ブラ
シ軸４を使用時引抜くとしごき片９のばね作用で
軸周りに液が付着するので、この付着液をこの部
に一時的に集め、これをブラシ軸４挿入時にかき
落とすために設けたものである。２８は軸４外面
の一部に設けた通気用溝である。

ばね５はコイル状のもので、キヤツプ３の仕切
り壁２４裏面とブラシ軸４上端の円筒部１３の中
間拡径部間に配設されている。

上記例では、外形形状を角形にしているが、こ
れは丸形とすることも可能である。またキヤツプ
３、ブラシ軸４、口頚部６は合成樹脂材で成形製
作する。

「考案の効果」 上記した如く本考案では、ブラシ軸４をキヤツ
プ３に固定せずにある程度軸方向に移動可能に組
込んでおき、そしてばね５でブラシ軸４を常時下
方に押下げ付勢し、これによりブラシ軸４上端と
キヤツプ３裏面間にブラシ軸４上端の円筒部１３
内に連通する空間イを形成すると共に、このブラ
シ軸４上部段部１６を液切り筒２頂部に圧接させ
るよう構成したので、キヤツプ３を閉蓋装着した
とき大きなクリツク音が発生して閉蓋状態が確認
できて便利であり、また液洩れが有効に防止でき
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案化粧液を用いる化粧用具の一実
施例の半部縦断面図、第２図は同実施例の分解斜
視図、第３図は要部拡大断面図である。 １……容器体、２……液切り筒、３……キヤツ
プ、４……ブラシ軸、５……ばね。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 口頚部６外周面に波形に隆形した係合部７を形
   成した容器体１と、弾性材からなり、前記口頚部
   ６に内嵌固定した筒状体８内周からしごき片９を
   内向きフランジ状に突設して中央部に絞り孔１０
   を開口した液切り筒２と、前記口頚部６外面に嵌
   合し、かつ内周面に前記係合部７に係合する対応
   した波形に隆形した係合部１１を有し、回動でこ
   の係合部１１の谷部が係合部７の山部に乗ると嵌
   合が外れて開蓋するキヤツプ３と、下端にブラシ
   １２を有し、上端の拡径円筒部１３により前記キ
   ヤツプ３に、このキヤツプ３裏面との間に空間イ
   を設けかつ適宜寸法上下動可能に挿入結合され、
   前記液切り筒２の絞り孔１０を通して容器体１内
   に垂下されたブラシ軸４と、このブラシ軸４上端
   の円筒部１３と前記キヤツプ３裏面間に介挿され
   てブラシ軸４を常時下方に押下げ付勢し、その円
   筒部１３拡径段部を前記液切り筒２頂面に圧接さ
   せて液漏れを防止すると共に前記空間イを保持す
   るばね５とからなる化粧液を用いる化粧用具。