JP4725874B2 - 液体化粧料容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、マスカラ、アイライナー、アイシャドー等の液体化粧料を塗布可能に収納する容器において、しごき落としにより容器の開口部に付着した内容物のあふれを防止し、軸汚れを改良した液体化粧料容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
マスカラ、アイライナー、アイシャドー等の液体化粧料を塗布可能に収納する容器の従来技術として、実開昭58−94414号公報に開示された第1の従来技術や、実公平5−3158号公報に開示された第2の従来技術がある。
【0003】
この従来技術の内、第1の従来技術は、先端に塗布部を設けて塗布機能部を構成する軸の基端外周面に、複数の凸部を周方向に沿って間隔を開けて突設して、軸を挿入してキャップで容器本体を閉じる際、容器本体の開口部に設けたしごき片が軸の凸部を乗り越える時に、しごき片と軸との間に隙間が形成されるようにし、この隙間を通して、軸を挿入することにより上昇する容器本体の内圧を逃がすようにしたものである。
【0004】
また、第2の従来技術は、先端に塗布部を設けて塗布機能部を構成する軸の基端外周面に、軸を容器本体内に挿入する閉蓋時に、容器本体の開口部面を頭部でしごく可動パッキンを設けることにより、閉蓋時に、しごき片でしごかれて、キャップから容器本体の開口部面に付着した付着内容物を、容器本体内に押し戻すようにしたものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来技術の内、第1の従来技術にあっては、閉蓋時に、しごき片でしごかれて、キャップ側から容器本体の開口部面に付着した付着内容物を、容器本体内に押し戻すことができず、このため容器本体の開口部面に付着した付着内容物の量が大きくなり、これが溢れて軸周辺が汚れを発生する、と云う問題があった。
【0006】
また、第2の従来技術にあっては、可動パッキンの頭部で容器本体の開口部面をしごきながら、すなわち容器本体を密閉したまま、軸を容器本体内に挿入してゆくので、容器本体は、その内部を加圧状態にして閉じられることになり、このためキャップの閉蓋操作が行い難いと共に、開蓋時に、引き出されるキャップの軸に、容器本体の開口部面に残存していた付着内容物が容易に付着し、汚れが発生し易くなる、と云う問題があった。
【0007】
そこで、本発明は、上記した従来技術における問題点を解消すべく創案されたもので、キャップの閉蓋動作により、容器本体の開口部面に付着した付着内容物の容器本体内への押し戻しと、この閉蓋動作による容器本体の内圧上昇の抑制とを達成することを技術的課題とし、もって容器本体の開口部面に残存する付着内容物の量を少なくすると共に、キャップの軸に対するこの残存する付着内容物の付着を阻止することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記技術的課題を解決する本発明の手段は、
開口部の下端に、軟質弾性材製のしごき片を内鍔状に設けた容器本体を有すること、この容器本体を着脱により開閉するキャップ本体に、先端に塗布部を設け、容器本体への出し入れの際に、容器本体のしごき片により表面の付着内容物がしごき取られる軸を、基端で固定したキャップを有すること、
閉姿勢で、しごき片よりも容器本体内に位置する軸の基端箇所に、容器本体のしごき片に対して、このしごき片を押し広げて通過し、容器本体側の付着内容物を掻き落とす軟質弾性材製のワイパー片を外鍔状に設けること、
キャップの軸を容器本体に挿入する際に、キャップのワイパー片の外周端が容器本体側に接触するに先立って、容器本体のしごき片の内周端に対向するキャップの軸の外周面箇所に、複数の縦溝部を刻設形成したこと、
にある。
【0009】
容器本体に収納されているマスカラ、アイライナー等の液体化粧料である内容物に、塗布部を浸した閉蓋状態からキャップを開蓋して、その軸を容器本体内から引き抜くと、軸および塗布部に付着した余分な内容物が、容器本体の開口部に設けたしごき片により、容器本体内にしごき落とされる。
【0010】
使用後、キャップを閉蓋すべく、キャップの軸を容器本体内に開口部から挿入すると、塗布部および軸の付着内容物が、しごき片でしごかれて容器本体の開口部面に付着し、同時に、しごき片により密閉された状態で、キャップの塗布部および軸が侵入してくるので、容器本体内は徐々に加圧状態となる。
【0011】
キャップの軸の容器本体内への侵入が進行して、容器本体のしごき片の内周端が軸の縦溝部に対向すると、それまで軸の外周面に密接触していたしごき片の内周端と軸との間に隙間であるリーク通路が形成され、このリーク通路により、容器本体内の加圧状態が消滅する。
【0012】
この状態から軸の容器本体内への侵入をさらに推し進めると、キャップのワイパー片が、容器本体の開口部面の付着内容物を掻き取り、そのまま容器本体のしごき片を押し広げて、容器本体内に掻き落とし、キャップは閉蓋状態となる。
【0013】
再び、開蓋操作をすると、キャップの軸の抜け出しにより、容器本体内が多少減圧状態となり、このため軸の縦溝部に容器本体のしごき片の内周端が対向する位置に達すると、リーク通路を通って外気が、容器本体の開口部面に残存して、軸に付着しようとしている付着内容物と一緒に容器本体内に吸引されるので、容器の開蓋時に、容器本体の開口部面の残存付着内容物が、キャップの軸に付着することが殆どなく、これにより汚れが発生し難くなる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例を、図面を参照しながら説明する。
容器本体1は、高い機械的強度および優れた装飾性を発揮するアルミにより、小径かつ肉薄な有底円筒状に成形された本体筒2の上端開口部に、軟質弾性材製のしごき体7を組付けた合成樹脂製の口部筒3を、密にかつ不動に嵌入組付けして構成されていおり、内部に内容物Nを収納している。
【0015】
口部筒3は、本体筒2の上端開口部に密にかつ不動に嵌入組付きする円筒状の組付き筒部4と、この組付き筒部4の上端に、本体筒2の上端から突出する姿勢で、外周面に螺条を刻設し、内周面を開口部6としたネジ筒部5を立設して構成され、開口部6は、下方に徐々に縮径したテーパー面となっている。
【0016】
しごき体7は、開口部6を避けて口部筒3内に嵌入組付けされており、下方に縮径したテーパー筒片状のしごき片8を、このしごき片8の内面を開口部6の内面に連続させて上端に設けており、また下端部を外方に湾曲反転させて、本体筒2と口部筒3との間に密に位置させることにより、本体筒2に対する口筒部3の密な組付き程度を高めている。
【0017】
キャップ9は、容器本体1のネジ筒部5に着脱自在に螺合する有頂円筒状のキャップ本体10と、このキャップ本体10に基端部の固定部14を不動に嵌合固定し、先端にブラシとか細筆等で構成された塗布部15を組付けた、しごき片8が形成する開口の口径よりも、わずかに大きい外径の細長円柱状をした軸11とから構成されている。
【0018】
容器の閉状態で、しごき片8に対向する軸11の基端部には、小径部12が形成されていて、この小径部12に、しごき片8が形成する開口の口径よりもわずかに大きい外径を有する細長円筒状をし、下端に、断面尖塔状のワイパー片17を外鍔状に設けた軟質弾性材製のワイパー体16が、不動に組付けられている。
【0019】
また、小径部12よりも先端側に位置し、軸11を容器本体1に挿入した際に、ワイパー片17が容器本体1側に接触するに先立って、軸11のしごき片8に対向する外周面箇所に、複数(図示実施例の場合、4つ設けられており、夫々は幅広となっている)の縦溝部13が設けられている。
【0020】
なお、ネジ筒部5の上端面に対向する軸11の固定部14の下面には、弾性材製のリング状をしたパッキン18が設けられており、閉蓋状態で高いシール性を発揮するようにしている。
【0021】
使用後、塗布部15を容器本体1内に挿入してゆくと、塗布部15の表面の付着内容物nがしごき片8でしごき取られて、容器本体1の開口部6面(開口部6の内面のこと)に付着する(図2参照)。
【0022】
この状態のまま、軸11の容器本体1内への挿入を推し進めてゆくと、図3に示すように、開口部6の付着内容物nの量が増大すると共に、しごき片8が軸11に密接して、容器本体1を密閉した状態のまま、塗布部15および軸11が容器本体1内に侵入してゆくので、容器本体1内の圧力が高くなる。
【0023】
さらに、軸11の容器本体1への挿入が進んで、図4に示すように、しごき片8が縦溝部13に対向すると、縦溝部13が形成する凹凸に対して、しごき片8の弾性変形が完全には倣い変形することができず(図5参照)、このため軸11としごき片8との間に隙間ができ、これがリーク通路Rとなって、容器本体1内の加圧された圧力が、このリーク通路Rおよび容器本体1側とワイパー片17との間を通って外部に開放され、容器本体1の内部を略大気圧に戻す。
【0024】
軸11の容器本体1内への侵入を、閉蓋状態まで推し進めると、ワイパー片17が、開口部6面およびしごき片8の付着内容物nの殆どを掻き落としながら、しごき片8を押し広げて、容器本体1内に侵入するので、図6に示すように、開口部6面およびしごき片8の付着内容物nはきわめて少量となり、その付着力により殆ど移動することが不可能となるので、溢れ出し等により軸の汚れを発生することはなく、また容器本体1の内圧上昇により閉蓋操作が不良となる、と云う不都合もない。
【0025】
開蓋の際に、軸11の容器本体1内からの引き出しにより、図7に示すように、しごき片8が軸11に密接して容器本体1を密閉した状態となっているので、容器本体1内は減圧状態となるが、図4に示した、しごき片8が縦溝部13に対向する位置に達すると、リーク通路Rを通して外気を吸入するので、容器本体1内の減圧が消滅すると共に、開口部6面およびしごき片8にわずかに残存している付着内容物nを強引に吸引回収し、軸11への付着を阻止する。
【0026】
縦溝部13は、軸11の基端部に形成されているので、開蓋操作の途中の、容器本体1内の減圧が大きくならない時点で、減圧消滅作用を発揮することになり、これによりキャップ9の開蓋、すなわち軸11の容器本体1からの引き抜きは、減圧による悪影響を殆ど受けることなく、スムーズに達成できることになる。
【0027】
【発明の効果】
本発明は、上記した構成となっているので、以下に示す効果を奏する。
請求項1記載の発明にあっては、キャップの閉蓋操作時に、容器本体の内圧上昇を抑制した状態で、容器本体の開口部面に付着した付着内容物を、容器本体内に押し戻すので、円滑な閉蓋動作状態を保ったまま、容器本体開口部の付着内容物を、確実に容器本体内に戻すことができ、もって軸の汚れの発生し難い、良好な使用状態を得ることができる。
【0028】
また、閉蓋時に発生する減圧による吸引作用により、引き出されるキャップの軸に付着しようとする付着内容物を、強制的に容器本体内に吸引回収するので、キャップの汚れの発生し難い状態を維持することができる。
【0029】
さらに、容器本体の開閉操作時に、キャップの軸の出入りに伴う、容器本体内の圧力の増減変化を抑制するので、キャップの着脱操作が円滑に達成され、これにより軸のしごきが良くなり、良好な使用状態を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す、閉状態時の半縦断した正面図。
【図2】図1に示した実施例の、塗布部挿入時の要部拡大縦断面図。
【図3】図1に示した実施例の、軸の挿入が進んだ時点の要部拡大縦断面図。
【図4】図1に示した実施例の、容器本体内の増圧解消時の要部拡大縦断面図。
【図5】図1に示した実施例の、縦溝部での軸の平断面を示す、拡大説明図。
【図6】図1に示した実施例の、閉状態時の要部拡大縦断面図。
【図7】図1に示した実施例の、開操作途中の要部拡大縦断面図。
【符号の説明】
1 ; 容器本体
2 ; 本体筒
3 ; 口部筒
4 ; 組付き筒部
5 ; ネジ筒部
6 ; 開口部
7 ; しごき体
8 ; しごき片
9 ; キャップ
10; キャップ本体
11; 軸
12; 小径部
13; 縦溝部
14; 固定部
15; 塗布部
16; ワイパー体
17; ワイパー片
18; パッキン
N ; 内容物
n ; 付着内容物
R ; リーク通路
Claims (1)
- 開口部(6)の下端に、軟質弾性材製のしごき片(8)を内鍔状に設けた容器本体(1)と、該容器本体(1)を着脱により開閉するキャップ本体(10)に、先端に塗布部(15)を設け、前記容器本体(1)への出し入れの際に、前記しごき片(8)により表面の付着内容物(n)がしごき取られる軸(11)を、基端で固定したキャップ(9)とから構成され、閉姿勢で、前記しごき片(8)よりも容器本体(1)内に位置する軸(11)の基端箇所に、前記しごき片(8)に対して、該しごき片(8)を押し広げて通過し、前記容器本体(1)側の付着内容物(n)を掻き落とす軟質弾性材製のワイパー片(17)を外鍔状に設け、前記軸(11)を容器本体(1)に挿入する際に、前記ワイパー片(17)の外周端が容器本体(1)側に接触するに先立って、前記しごき片(8)の内周端に対向する軸(11)の外周面箇所に、複数の縦溝部(13)を刻設した液体化粧料容器。
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JPH1023921A (ja) * | 1996-07-12 | 1998-01-27 | Shiseido Co Ltd | 汚れ防止機構を備えた液状化粧料容器 |
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2001
- 2001-04-27 JP JP2001133238A patent/JP4725874B2/ja not_active Expired - Fee Related
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