JPH0317732Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案はテニスラケツトや釣竿などを、自動
車や釣船などの天井や壁に掛け置するときに使用
する合成樹脂製のホルダーに関するものである。

［従来の技術］ 支脚を中央に突設した円弧状のばね板の両端
に、内端をヒンジにより連結して外端を開閉自在
に突合わせた一対の抱持腕を、ヒンジを設け一体
に連結し、その抱持腕相互の接続部分が、ばね板
の両端部を結ぶ線を境にして外側に移動したとき
抱持腕が開き、反対に内側に移動すると閉じる小
さな合成樹脂製のホルダーは、米国特許第
4240604号公報により既に公知となつている。

［考案が解決しようとする問題点］ このようなホルダーは、抱持腕相互の接続部分
を押込むだけで、開いている抱持腕を閉ざすこと
ができるため、ドアーや電線のホルダーとして頗
る具合が良いが、このホルダーをテニスラケツト
や釣竿などを天井や壁に横架けする際のホルダー
として、そのまま寸法を大きく形成し、抱持腕を
上下に位置させて使用すると、下側の抱持腕に荷
重が加わり、更にばね板の下端が押圧されて、ば
ね板が撓み、抱持腕の接続部分が外側に移動し
て、抱持腕が自然に開放する欠点があつた。この
ような欠点も全体の肉厚を増して弾発力を大きく
すれば、或る程度改善することができるが、その
場合には抱持腕の開閉に力を要し、また開閉ごと
に大きな音が生ずるばかりか、開閉時にラケツト
の柄や釣竿などに傷が付くなどの問題が生じた。

［問題点を解決するための手段］ この考案は上記従来の欠点を、ばね板の肉厚を
増すことなく、一対の支持板と掛止具とを設ける
ことによつて解決し、比較的重量のある物品をも
天井や壁面に架け置くことができる合成樹脂製の
ホルダーを提供しようとするものである。

かかる目的によるこの考案は、円弧状に形成し
たばね板の内側に、内端をヒンジにより互に接続
して外端を開閉自在に突合わせた一対の抱持腕を
位置させ、その抱持腕をばね板の両端にヒンジを
設けてそれぞれ均等に連結するとともに、ばね板
の外側面両側に、ホルダー中心線と平行な一対の
支持板を突設して両支持板の端部に台板を一体形
成した合成樹脂製ホルダーにおいて、一方の抱持
腕の外面に突起を設け、その突起と係合する止環
をレバーの先端部に取付けた掛止具を、他方の抱
持腕の先端部に上記レバーの止環取付部より先方
を回動自在に軸着して取付けてなるものである。

［作用］ 上記構成からなるこの考案では、ばね板の両外
側面に突設した支持板によつて、ばね板が荷重に
より撓むのが防止され、また掛止具によつて、抱
持腕が荷重や衝撃などにより開くのが防止され
る。

更にこの考案を図示の例により詳細に説明す
る。

［実施例］ 図中１は円弧状のばね板、２，３は内端をヒン
ジ４により接続して、外端を互に開閉自在に突合
させた長さを事にする一対の半円形の抱持腕であ
る。

この抱持腕２，３は上記ばね板１の内側にて、
ばね板の両端に、ヒンジ５，６を設けてそれぞれ
連結してあり、そのヒンジ５，６を支点として互
に回動するとともに、抱持腕相互の接続部分との
関連によつて、ばね板１を撓ませることができる
ようになつている。

７，８はばね板１の外側面両側に一体形成した
長さを異にする一対の支持板で、閉鎖状態にある
上記抱持腕２，３の内外端を結ぶホルダー中心線
Ａ−Ａと平行に、そして下側を長く形成してばね
板１に突設してある。

この一対の支持板７，８の端部には台板９が一
体に形成してあり、これにより上記ばね板１及び
抱持腕２，３が台板９に対して上向きに設けられ
ている。

また上記支持板７，８と台板９とには支持板
７，８の撓みを防止する斜材１３が一体形成して
ある。

１０は両抱持腕２，３の外端にわたり設けた掛
止具で、レバー１０ａの先端部に一方の抱持腕２
の外面に設けた突起２ａと係合する止環１０ｂを
取付けたものからなり、そのレバー１０ａの止環
取付部より先方を、他方の抱持腕３に回動自在に
軸着して、レバー１０ａの往復動により突起２ａ
と止環１０ｂとの係合及び解除を行うことができ
るようになつている。

しかして、上記構造のホルダーは、台板９をも
つて第３図に示すように、抱持腕２，３を縦にし
て壁１１に取付けることができるばかりか、天井
などに下向きに取付けることができる。また掛止
具１０のレバー１０ａを引張つて、第２図のよう
に開放することもできる。

このホルダーにより、釣竿１２などを壁面或は
天井などに横架する場合には、釣竿１２を開放さ
れた抱持腕２，３内に押込み、ヒンジ４による接
続部分をばね板１の両端を結ぶ線Ｂ−Ｂよりも内
側に移動させるだけでよい。この押込みによりヒ
ンジ５，６を支点として前述のように抱持腕２，
３が回動するとともに、ばね板１を撓ませ、ヒン
ジ４の部分が線Ｂ−Ｂを通過するやいなや、ばね
板１の復元によつて、抱持腕２，３が、第１図の
ように閉じるからである。

またホルダーから釣竿１２を外すときには、釣
竿１２を引き戻して抱持腕３を外方へ引張ればよ
く、これにより上記と同様な回動と撓み作用が生
じて、抱持腕２，３が再び第２図のように開放す
るからである。したがつて釣竿１２の押込みと引
戻しとを行うだけで、釣竿１２は勿論のこと、テ
ニスラケツトなどの取付け及び取外しをも容易に
なすことができる。

また自動車内や釣り船など震動や衝撃を受け易
い乗り場の壁や天井に取付けたときには、釣竿１
２などを抱持腕２，３により保持させたのちに、
上記掛止具１０をもつて両抱持腕２，３の外端を
掛止めすればよい。これにより抱持腕２，３は掛
止具１０を外さない限り開くようなことはない。

［考案の効果］ この考案は上述のように、ばね板１の外側面両
側に、ホルダー中心線Ａ−Ａと平行な一対の支持
板７，８を突設して、両支持板の端部にわたり台
板９を一体形したことから、抱持腕２，３により
保持した物品の荷重を支持板が受け、ばね板の撓
みを防止する。このため、重量のある物品を掛け
止めしても荷重により抱持腕が自然に開くような
ことがない。

また一方の抱持腕２の外面に突起２ａを設け、
その突起２ａと係合する止環１０ａをレバー１０
ａの先端部に取付けた掛止具１０を、他方の抱持
腕３の先端部に上記レバー１０ａの止環取付部よ
り先方を回動自在に軸着して取付け、その止環１
０ａと上記突起２ａとの係合により、抱持腕の開
放を防止したので、荷重を受けた状態にて大きな
衝撃を受けても抱持腕が開かず、したがつて自動
車や船などの乗り物の壁や天井に取付けてテニス
ラケツトや釣竿などを掛け置きしても安全である
などの特長を有する。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案に係る合成樹脂製ホルダーを示
すもので、第１図は閉鎖時の側面図、第２図は開
放時の側面図、第３図は使用状態図である。 １…ばね板、２，３…抱持腕、４，５，６…ヒ
ンジ、７，８…支持板、９…台板、１０…掛止
具、Ａ−Ａ…ホルダー中心線。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 円弧状に形成しばね板の内側に、内端をヒンジ
   により互いに接続して外端を開閉自在に突き合わ
   せた一対の抱持腕を位置させ、その抱持腕をばね
   板の両端にヒンジを設けてそれぞれ均等に連結す
   るとともに、ばね板の外側面両端にホルダー中心
   線と平行な一対の支持板を突設して両支持板の端
   部に台板を一体形成した合成樹脂製ホルダーにお
   いて、一方の抱持腕の外面に突起を設け、その突
   起と係合する止環をレバーの先端部に取付けた掛
   止具を、他方の抱持腕の先端部に上記レバーの止
   環取付部より先方を回動自在に軸着して取付けて
   なることを特徴とする合成樹脂製ホルダー。