JPS5850052Y2 - 家具扉の開き止め金具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は構造が簡単で使用に便利な、家具扉の開き止め
金具に関するものである。

従来の家具の開き止め金具は、スプリングキャッチ、ロ
ーラーキャッチまたはマグネットキャッチを両開き扉の
夫々の戸先に取りつけて、扉を仮固定する方式の金具で
あり、つまみやハンドルを引けば仮固定がはずれ、内容
品の収納または取り出しができるようになっており、使
用には便利ではあるが、扉を固定する能力がないため、
例えば地震の振動で内容物がくづれて扉を内側から外側
へ押した場合には、仮固定がはずれてガラス器や瀬戸物
が落下破損する、という欠点があった。

また、両開扉の一方の扉（普通左側の扉）に小型の上げ
下げボルトを取りつけて該扉を底板に固定したのち、他
方扉をこれに閂止めにする方法は、扉の開放を阻止する
ことはできるが、開放と閉鎖とを繰り返す必要のある場
合、例えば厨房用吊戸棚の場合、には取扱いが面倒なた
め用いられなかった。

また、自動閉鎖式蝶番を用いて扉を取りつけた場合も、
地震による内容物の飛び出しを防ぐことは全く不可能で
あった。

本考案は、家具に用いる扉の開き止め金具において、一
端をＬ字形に曲折した回動鈑と、所要数の取付孔を有す
る固定鈑とを回動自在に軸合し、回動軸筒の外周面の一
部に平面部を設け、後端を固定鈑に固定した鈑ばねの先
端を該平面部に弾圧接し、回動鈑には指かけを突出させ
たこと、を特徴とする家具扉の開き止め金具を提供する
ことにより、従来の開き止め金具の欠点を除去した、簡
便で、しかも、効果の確実な、扉の開き止め金具を、安
価に供給せんとするものである。

図について本案の一実例を説明すると、１は固定鈑、２
は回動鈑、３は軸芯、である。

固定鈑１の両端には固定軸筒４が出ており、回動鈑２の
一端の回動軸筒５と組み合わされ、軸芯３により軸合さ
れている。

なお、軸筒４，５は何れも固定鈑１および回動鈑２の面
より下方にのみ突出するように巻曲されているので、第
２図に示したように、固定鈑１と回動鈑２とを一直線に
すると、固定鈑１と回動鈑２の背面には突起物がなく、
平面をなしている。

次に、固定鈑１の一端には板ばね６がかしめ鋲７により
固定されており、板ばね６の他端は回動軸筒５に弾力を
もって圧接されている。

なお、回動軸筒５の表面には回動鈑２と平行に平面部８
が作っである。

回動鈑２の一端は直角に折れ曲って留め金９を形成し、
また、回動鈑２の一部は突出して指かけ１０を形成して
いる。

固定鈑１には必要数の取付孔１１が設けである。

１２は扉、１３は底板、１４は板ばね６の先端、である
。

さて、本案金具を取りつけるには、先づ扉１２を正しく
閉じ、回動板２の留め金９を両扉１２の合せ目の下端に
当てながら、回動板２および固定鈑１を底板１３に密着
させ、固定鈑１の取付孔１１に本捻子を通して固定鈑１
を底板１３の下面に固定する。

しかるときは、回動板２の回動軸筒５の平面部８が板ば
ね６により強く弾圧されているので、留め金９は下方に
回動することなく、扉１２を保持し、しかも留め金９の
面は扉１２が開く方向に対して直交しているので、振動
により棚の内容物が扉１２を内側より押した場合にも、
極めて有効に扉１２を支えるので、扉１２が開くことは
ない。

次に、扉１２を開く場合には、指かけ１０を軽く下方に
押すと、回動軸筒５が回動し、留め金９が扉１２よりは
ずれるので゛、自由に扉１２を開くことができる。

この状態のときには、板ばね６が回動軸筒５の軸筒表面
を圧しているだけなので、指かけ１０から指を離すと、
回動軸筒５を回動する外力がなくなり、該軸筒は板ばね
６に圧されて、その位置に停止し、回動板２が自重で垂
れ下ることはない。

即ち、回動板２は任意の位置で停止する。

また、第２図に示したとおり、回動板２を押し下げてゆ
くと、回動板２が板ばね６の先端１４に衝当した位置で
回動板２の回動が制限される。

したがって、板ばね６の先端の長さを加減することによ
り、回動板２の回動角度の範囲を定めることができる。

次に、留め金９をかけるには、まづ扉１２を正しく閉じ
、回動板２を下から上に押しあげてゆくと、回動軸筒５
が回動し、板ばね６が回動軸筒５の平面部８にかかるや
いなや、板ばね６が該平面部８を押えて回動板２を閉じ
る方向に弾圧回動させるので、留め金９は止め位置に自
動的に回動して扉１２の前面に接してこれを押圧する。

本考案金具は以上のとおりの構造および作用であるので
、次のような特徴がある。

（イ）構造が簡単であるので、安価に供給することがで
きる。

（ロ）回動軸筒を板ばねで弾圧しているので、回動板を
適宜の位置で停止することができ、かつ、回動軸筒に平
面部を設けているため、留め金をかける場合には回動板
が最終行程を自動的に回動するので、使用に便利である
。

（ハ）留め金が扉を正面より押えているため、地震など
の場合、棚の内容物が振動のため倒れて扉を押し開けて
落下するのを有効に阻止することができる。

（ニ）スプリングキャッチ、ローラーキャッチ、マグネ
ットキャッチ、セルフクロージングヒンジなど、従来よ
り一般に使用されている扉の仮閉鎖金具とともに使用し
ても、従来の金具の効果を損することなく、それらの欠
点を補う効果がある。

なお、本案金具は、板ばねを除いて、金属ダイカストに
より、または可塑性体を成型することにより、製造する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本案金具の平面図、第２図は、同じく側断面
図で、取付状態を示したもの、第３図は、同じく斜視図
である。 図において、１・・・・・・固定鈑、２・・・・・・回
動板、５・・・・・・回動軸筒、６・・・・・・板ばね
、８・・・・・・平面部、１０・・・・・・指かけであ
る。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 家具に用いる扉の開き止め金具において、一端をＬ字形
   に曲折した回動鈑２と、所要数の取付孔１１を有する固
   定鈑１とを回動自在に軸合し、回動軸筒５の外周面の一
   部に平面部８を設け、後端を固定鈑１に固定した鈑ばね
   ６の先端を該平面部８に弾圧接し、回動鈑２には指かけ
   １０を突出させたこと、を特徴とする家具扉の開き止め
   金具。