JPH033791B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は錠に関し、特に、例えばドアや窓用の
安全チエーンを備えた錠に係る。

（従来の技術とその問題点） 屈伸自在な細長い部材を使用して窓の開閉を行
なう装置としては、例えば、実開昭54−125141号
公報及び実開昭55−24408号公報に開示されてい
るようなものが存在するが、これら公報に開示さ
れている装置は開かれた窓と窓の縦枠との間には
常に細長い部材が介在されていてこれを簡単に外
すことが出来ないから、人が出入するドアなどに
この装置を適用することはできない。

また、周知のドアのチエーン付錠というもの
は、チエーンの一端をドアに固着されたスロツト
付の部材に装着したり外したりするようになつて
いるが、このチエーンの一端の装着と取り外し
は、人手で、チエーンの端部に備えられているヘ
ツドをスロツト付の部材のスロツトの上部にある
穴に装着したり外したりすることによつて行なわ
れているものであつて、その操作がかなり面倒で
あつた。従つて、この周知のチエーン付錠は、ど
うしても、チエーンのヘツドをドアに装着したま
まにしておくか（これでは人は容易に通れない）、
またはチエーンのヘツドをドアに装置しないまま
にしておくか（これでは錠の役目を果たさない）、
してしまいがちであつた。本発明は、細長い部材
の端部にあるヘツドをドアの竪柱や窓枠などに装
着することと、取り外すこととが極めて容易にで
きる錠を提供することを目的とする。

（問題を解決するための手段） 本発明は、ばねと、該ばねに連結された細長い
部材と、この細長い部材に取り付けられたヘツド
と、第１の収容装置に前記ばねを装着する固着装
置と、第２の収容装置に取り付けられるハウジン
グであつて、前面壁と側面壁とを含む前記ハウジ
ングと、該ハウジングの側面壁に備えたスロツト
と、前記ハウジングの前面壁に備えた開口と、該
開口を少なくとも部分的に閉鎖するように可動で
ある閉鎖部材とを有し、使用にあたり、該閉鎖部
材が開いた位置にある場合には、前記第１及び第
２の収容装置間における相対的な閉鎖運動が前記
ヘツドを前記ハウジング内に位置せしめるととも
に前記細長い部材を前記スロツトを通して前記ハ
ウジング内に導入せしめ、前記閉鎖部材が閉じた
位置にあり且つ前記ヘツドが前記ハウジング内に
ある場合には、前記第１及び第２の収容装置間に
おける相対的な開放運動が生じると、前記細長い
部材の或る程度の曲げが生じて前記ヘツドは前記
ハウジングに係合したまま残留し且つ前記細長い
部材は前記開口を通つて延びるようになるが、前
記閉鎖部材が前記閉じた位置から移動されている
と、前記ヘツドは前記ハウジングから完全に解き
放たれるようになつていることを特徴とする錠を
提供する。

（発明の作用及び効果） 本発明は上述したような構成であるから必要に
応じて、ヘツドをハウジングに係合し得るように
するとことも、ドア又は窓等を完全に開くように
ヘツドがハウジングから解放され得るようにも、
ただ閉鎖部材を開閉することのみによつて簡単に
なし得る。かくて、従来周知のチエーン付錠のよ
うに、チエーンの一端をドアまたは窓に着脱する
のが厄介であるという問題が解消される。

（実施例） 以下、図面を参照して本発明の実施例について
説明する。

第１図は本発明の一実施例である安全ドアチエ
ーン付錠の概略断面図、第２図は第１図における
ハウジングの側面図、第３図は本発明の他の実施
例を示す斜視図、第４図は前記安全なドアチエー
ン付錠の平面図である。

第１図を参照して、錠１は好ましくは圧縮ばね
であるのが良い、ばね２を有し、この圧縮ばね２
には細長い部材である、例えばチエーン３が係合
されている。チエーン３は一方向にのみ曲がるこ
とができるチエーンであつて、安全チエーンとし
て用いられた時に安全性をより増大する。一方向
にのみしか曲がらないチエーン３は、第１の収容
装置を構成するドア６１を開けようとしたとき、
チエーン３がドア６１の〓間を通つて外側に引張
られるのを防止する。このため、チエーン３はピ
ン５により間隔をもつて組み合わせられた少なく
ともを一対の側板４を有する個々のリンクによつ
て構成されている。ピン５は、また、リンクの間
の連結部材６（１つが鎖線で示されている）に係
合されている。側板４は図示するように互いに端
部と端部が当接している近接したリンクであり、
且つ側面７が平らな面で、端部はほぼ直角をなし
ている。この直角の端部が、使用にあたつて、矢
印８の方向以外にはチエーンを曲がらせないよう
にしている。

チエーン３は軸線方向に圧縮ばね２を通つて延
びており、且つ以下記述するように圧縮ばね２に
係合している。すなわち、チエーン３はその基端
部９にロツド１０を連結させており、ロツド１０
はワツヤー１１に固定されている。そして、圧縮
ばね２の内側端部はワツシヤー１１に当接してい
る。ロツド１０にはねじが切られており、そのね
じ上には孔あき部材１２の内側ねじが螺合されて
いる。孔あき部材１２はロツド１０上に位置決め
されて、チエーン３が外方に引かれる長さを制限
するストツプの役目を果たす。

チエーン３の外側端部１３にはヘツド１４が取
り付けられている。このヘツド１４は好ましくは
球根形状のものであり、前面から見た時にはほぼ
円形であり、側面から見た時には楕円形である。
ヘツド１４は前面１５を有する。ヘツド１４は円
筒状部材１６によつてチエーン３に連結されてお
り、円筒状部材１６内にチエーン３が通されて固
定ピン１７でチエーン３が円筒状部材１６に固定
されている。固着装置は圧縮ばね２及びチエーン
３を例えばドア６１に装着する。この固着装置
は、孔１９を有する固着プレート１８と、固着プ
レート１８に係合している筒体２０とを含む。筒
体２０は例えば固着プレート１８の孔１９にプレ
ス嵌めされている。筒体２０は好ましくは陵部２
１を有しており、この陵部２１に圧縮ばね２の外
側端部が当接している。筒体２０はまたチエーン
３が通る開口２２を備えている。もし、筒体２０
がアセチルプラスチツクのような材料で作られて
いるならば、開口２２はチエーン３に対する自己
潤滑ガイドを提供することになろう。

ヘツド１４が係合するような固定装置が備えら
れており、この固定装置はハウジング２３を含ん
でいる。ハウジング２３は前方部分２４と後方部
分２５とを有している。側板２６が備えられてお
り、この側板２６はこれを例えばドアの、第２の
収容装置を構成する竪枠２８などにねじ（図示せ
ず）で固定するための孔２７を備えている。側板
２６は開口端３０（第２図参照）を有するスロツ
ト２９を含む。

前面板３１は側板２６から延びていて、そこに
開口３２を有している。チヤンネル部材３３がそ
の腕３４によつて側板２６に固定されている。ね
じ孔３５がまたチヤンネル部材３３に備えられて
いる。前方部分２４は頂板３６と、底板３７と、
端板３８とを含んでいる。

閉鎖部材３９がハウジング２３内に備えられて
おり、この閉鎖部材３９は、二又部材で成り、ギ
ヤツプ４１によつて分離された２つの腕４０，４
０を有している（第２図参照）。この閉鎖部材３
９はハウジング２３の前面板３１に備えた開口３
２を横切つて移動したり又は開口３２から離れる
ように移動することが可能であり、このように操
作する機構が備えられている。この機構は、頂板
３６と底板３７とに備えられた孔を通つて延びて
いる軸４２を有し、この軸４２には適当な調整部
材４３が固定されている。この調整部材４３は、
使用者によつて、前方部分２４の外側から手で触
れて操作できるようになつている。調整部材４３
は第１図の一点鎖線で示すような翼４４および翼
４５を有するほぼ扇形状の部材であつて、前面板
３１に備えられたギヤツプ４６を通つて外部に突
出している。かくて、翼４４又は４５のどちらか
を押すことによつて、閉鎖部材３９は回動され、
腕４０，４０を開口３２を横切るような装置にも
つてくるか、又は開口３２から離れた位置にもつ
てくるか、選択することができる。例えばばねで
付勢されたピン４７が頂板３６の下面に係合して
いて、調整部材４３を回動させようとする時に適
度な摩擦力が生ずるようにされ、調整部材４３が
安易には回動しないようにされている。

ヘツド１４、開口３２、及びチヤンネル部材３
３の腕３４の相対的寸法は、ヘツド１４は、側面
からだけは（第１図の状態においては）、開口３
２を通過して、チヤンネル部材の腕３４に沿つて
ハウジング２３内に自由に入つて行けるが、ヘツ
ド１４は、前面１５からは、開口３２を通過して
ハウジング２３内に入つて行けないようなものと
なつている。

ヘツド１４が開口３２を通過してチヤンネル部
材の腕３４に沿つてハウジング２３内に移動する
と、チエーン３はギヤツプ４１を通過して、スロ
ツト２９に沿つて移動する。ヘツド１４の大きさ
は、ヘツド１４がスロツト２９やギヤツプ４１を
通過することができないような大きさにされてい
る。

第３図に示した構造は、前述した実施例とほぼ
同じであるが、チエーン３及びばねが例えば窓の
枠に取付けられたハウジング５０内に装着されて
いることと、ハウジング５１が例えば窓のわき柱
５２に備えられていてヘツド１４を係止するよう
になつていることとが少し相違している。

第１図及び第２図に示した錠１の使用にあたつ
て、ハウジング２３はドアの竪枠２８に取り付け
られ、固着プレート１８はドア６１の前端６０に
取り付けられて、圧縮ばね２はドア６１に形成さ
れた穴６２内に配置される。

ドア６１を閉じた位置に移動させると、ヘツド
１４は開口３２を通過しチヤンネル部材の腕３４
に沿つてハウジング２３内に入つて行くが、チエ
ーン３はスロツト２９に沿つて移動して行く。こ
の場合において、もし閉鎖部材３９が開口を横切
るような位置にあつたとしても、ヘツド１４は閉
鎖部材３９にぶつかつて、これを押しのけて（第
１図で反時計方向に回動させて）、開口３２を通
り、チヤンネル部材の腕３４に沿つてハウジング
２３内に入つて行ける。

さて、ヘツド１４がかようにハウジング２３内
にある状態において、調整部材４３を手動で動か
して閉鎖部材３９を第１図で時計方向に回動せし
め、２つの腕４０，４０が開口３２を実質的に横
切つている位置にされると、今度は、ドア６１を
開いても、ヘツド１４が閉鎖部材３９の２つの腕
４０，４０にぶつかつてしまい、閉鎖部材３９の
時計方向の回動は開口３２の端部によつて制限さ
れているから、ヘツド１４は開口３２を通つて引
き出すことができない。従つて、閉鎖部材３９の
２つの腕４０，４０の間のギヤツプ４１からチエ
ーン３が延びて出ており、ドア６１を更に開こう
とするとチエーン３が開口２２を通つて引き出さ
れる。

かくて、ドア６１は圧縮ばね２に抗して小さな
距離だけ開かれ得る。これにより室内にいる人は
ドア６１を部分的に開いてドア６１の向う側にい
る人を見ることができるわけである。

ドア６１を完全に開くためには、調整部材４３
によつて閉鎖部材３９を反時計方向（第１図で）
に回動させるとともに、ひとたびドア６１を閉め
て、ヘツド１４をチヤンネル部材の腕３４の後方
に向けて移動させ、それから閉鎖部材３９を、調
整部材４３によつて反時計方向（第１図で）にも
う少し回動させ、開口３２を完全に開くようにす
る。そうすると、ドア６１を開いた時に、ヘツド
１４は閉鎖部材３９と干渉せずに、開口３２を通
つてハウジング２３の外部に移動することができ
るわけである。

閉鎖部材３９が開口３２を横切つた位置にあり
且つヘツド１４がハウジング２３の後方部分２５
にある時、ドア６１を開くと、ヘツド１４が前方
部分２４において閉鎖部材３９に衝突する。そし
て、ヘツド１４は前方部分２４の空間内で若干回
動し、チエーン３が２つの腕４０，４０の間のギ
ヤツプ４１から出るようになる。チヤンネル部材
３３及びヘツド１４及び後方部分２５の大きさ
は、この回動状態のままヘツド１４が後方部分２
５に向けて移動することができないようなもので
あるから、ヘツド１４を後方部分２５の方に向け
て戻すように移動させるためには、調整部材４３
によつて閉鎖部材３９を回動させつつ、ヘツド１
４の向きを元に戻すように若干回動させてやる必
要がある。

第３図に示された実施例の作動も上述した実施
例とほとんど同じであるから説明を繰り返えさな
い。

一方向にのみ曲がるチエーン３が備えられてい
るので、この一方向にのみ曲がるチエーン３は第
４図でドア６１の外側へドアの竪枠２８とドア６
１の間の間〓６３を通つて引つ張り出すことがで
きない。

以上説明したところにより、この錠は安全チエ
ーン又は夜間用錠として、ドア又は窓を部分的に
開いて外側の人を見るためのものとして利用し得
る。また、この錠の構造は、簡単にドア６１に固
定することができる。そしてドア６１を横切つて
作用するいかなる力もドア６１に固着プレート１
８を固定しているねじにかかるようにされる。ま
た、上述した実施例で判るように、ドア６１が一
部開いた位置において、ハウジング２３からヘツ
ド１４に力を加えるのは困難である。前述した好
ましき構成においては、錠は比較的に強く且つ使
用にあたつて、ドア６１及びドアの竪柱２８にか
くれるようになり、邪魔にならず外観上も優れて
いる。チエーン３をロツクすることはほとんど自
動的に出来、この錠の操作は簡単である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の錠をドアチエーン
に適用した場合の概略断面図、第２図は第１図の
錠におけるハウジングの側面図、第３図は本発明
の他の実施例の概要を示す斜視図、第４図は第１
図に示した錠の平面図である。 １…錠、２…圧縮ばね、３…チエーン、１４…
ヘツド、１８…固着プレート、２２…開口、２３
…ハウジング、２９…スロツト、３２…開口、３
９…閉鎖部材、４０腕、４２…軸、４３…調整部
材。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ばねと、該ばねに連結された細長い部材と、
   この細長い部材に取り付けられたヘツドと、第１
   の収容装置に前記ばねを装着する固着装置と、第
   ２の収容装置に取り付けられるハウジングであつ
   て、前面壁と側面壁とを含む前記ハウジングと、
   該ハウジングの側面壁に備えたスロツトと、前記
   ハウジングの前面壁に備えた開口と、該開口を少
   なくとも部分的に閉鎖するように可動である閉鎖
   部材とを有し、使用にあたり、該閉鎖部材が開い
   た位置にある場合には、前記第１及び第２の収容
   装置間における相対的な閉鎖運動が前記ヘツドを
   前記ハウジング内に位置せしめるとともに前記細
   長い部材を前記スロツトを通して前記ハウジング
   内に導入せしめ、前記閉鎖部材が閉じた位置にあ
   り且つ前記ヘツドが前記ハウジング内にある場合
   には、前記第１及び第２の収容装置間における相
   対的な開放運動が生じると、前記細長い部材の或
   る程度の曲げが生じて前記ヘツドは前記ハウジン
   グに係合したまま残留し且つ前記細長い部材は前
   記開口を通つて延びるようになるが、前記閉鎖部
   材が前記閉じた位置から移動されていると、前記
   ヘツドは前記ハウジングから完全に解き放たれる
   ようになつていることを特徴とする錠。 ２ 前記閉鎖部材は前記開口を横切つて移動可能
   の二又部材を含み、この二又部材の２つの腕が前
   記スロツトに近接して位置しており、この２つの
   腕の間の距離は、前記ヘツドの直径よりも小さい
   特許請求の範囲第１項記載の錠。 ３ 前記閉鎖部材は前記スロツトの軸線に対して
   ほぼ直角な軸線のまわりに回動可能である特許請
   求の範囲第１項又は第２項記載の錠。 ４ 前記ばねは圧縮ばねであり、また前記細長い
   部材は前記ばねを通つて該ばねの軸線方向に延び
   ている特許請求の範囲第１項から第３項までのい
   ずれか１つに記載の錠。 ５ 前記固着装置は開口を有する固着プレートを
   含み、前記細長い部材は前記固着プレートの開口
   を通過するようになつている特許請求の範囲第１
   項から第４項までのいずれか１つに記載の錠。 ６ 前記細長い部材はチエーンを含む特許請求の
   範囲第１項から第５項までのいずれか１つに記載
   の錠。 ７ 前記チエーンは、実質的に一方向にのみチエ
   ーンの曲げを許容するような形状のものである特
   許請求の範囲第６項記載の錠。