JPH0316100Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はテープレコーダの制御装置に関し、特
に単一の制御モータでヘツドベースの前進後退制
御と該ヘツドベースに載置された磁気ヘツドのア
ジマス調整制御を行なう装置を提供するものであ
る。

従来、テープレコーダにおいては磁気ヘツドが
載置されたヘツドベースの前進後退制御を制御モ
ータで駆動制御することが行なわれ、また磁気ヘ
ツドのアジマス状態を制御モータで調整制御する
ことが提案されている。しかしながら、かかるヘ
ツドベースの駆動制御と磁気ヘツドのアジマス調
整制御をそれぞれ別個の制御モータで行なおうと
するとコスト高になると共に、特に車載用テープ
レコーダにおいては装置が大型化してしまう欠点
がある。

本考案はかかる欠点を解決することを目的と
し、以下その一実施例をもつて説明する。

第１図においてシヤーシ１上に配置されたモー
タ２の回転軸３に取り付けられた駆動歯車４はシ
ヤーシ１上に回転自在に軸支された第１の被駆動
歯車５と噛合され、またこの被駆動歯車５は同様
にシヤーシ１上に回転自在に軸支された第２の被
駆動歯車６と後述する所定の位置関係で噛合され
ることにより、被駆動歯車５及び６は共にモータ
２によつて回転駆動される。

被駆動歯車５の上面にはその回転中心からそれ
ぞれ等しい距離をもつて回転中心に近い位置及び
遠い位置に回転角180度及び90度に亘つて形成さ
れた第１のカム周面７１、及び第２のカム周面７
２と、両カム周面間に回転角90度に亘つて形成さ
れた第３のカム周面７３とからなる第１のカム７
が配設されている。また被駆動歯車６の上面には
カム周面８１，８２及び８３をもつて第１のカム
７と同一形状に形成された第２のカム８が配設さ
れている。被駆動歯車５と６はこのカム７と８の
対応する各カム周面が回転角で90度ずれた関係で
噛合状態をとつている。

ヘツドベース９はその長孔１０，１０がシヤー
シ１上に植立されたピン１１，１１に案内される
ことにより図の矢印Ａ方向に摺動自在に配置さ
れ、その一端に設けられた係合ピン１２が常にカ
ム７のカム周面と衝合するようにスプリング１３
によつて矢印Ａ方向に付勢されている。

第１のレバー１４はシヤーシ１上に植立された
ピン１５を支点として回動自在に軸支されると共
に、その一端に設けられたトレースピン１６がカ
ム８のカム周面と衝合することによりカム８の回
転に従つて回動するように配置されている。略中
央部がヘツドベース９上の軸１７に回動自在に軸
支された第２のレバー１８はその一端の長孔１９
がトレースピン１６に、またその他端の長孔２０
がアジマス調整子２１の他端に植立されたピン２
２にそれぞれ遊嵌されることにより、レバー１４
とアジマス調整子２１を連結している。このレバ
ー１８はレバー１４に設けたトレースピン１６が
カム周面を常にトレースするようにスプリング１
７によつて時計回りに弾性賦与されている。アジ
マス調整子２１はレバー１８の回動に応じてヘツ
ドベース９に載置された磁気ヘツド２３のアジマ
ス状態を変化させる。ここで、アジマス調整子２
１を含むアジマス調整機構の一例につき第２図を
用いてその概略構成を説明すると、レバー１８が
回動するとアジマス調整子２１は図示の矢印方向
に摺動する。これにより磁気ヘツド２３が支点Ｐ
を中心に回動し、そのアジマスが変化される。

以上の構成において、第１図の状態は係合ピン
１２がカム７のカム周面７２に衝合してヘツドベ
ース９を後退せしめ、磁気ヘツド２３をテープ２
４から離間させた停止モードの状態であり、この
状態においてトレースピン１６はカム８のカム周
面８１と衝合している。

第３図はモータ２が時計回りに所定量回転され
被駆動歯車５と６が第１図における位置から反時
計回り、時計回りに夫々90度回転された録画モー
ドの状態を示す。この停止モードから録再モード
への切り換えによりカム７の係合ピン１２と衝合
するカム周面は周面７２から周面７３さらに周面
７１と変化するので、ヘツドベース９はスプリン
グ１３によつて図の矢印方向Ａに移動され磁気ヘ
ツド２３を磁気テープ２４との当接状態に持ちき
たす。このときトレースピン１６は依然としてカ
ム８のカム周面８１との衝合状態に保たれている
ので、レバー１８は回動せず、従つてアジマス調
整は行なわれない。

第３図に示す状態からモータ２を更に時計回り
に所定量回転し、被駆動歯車５と６を反時計回
り、時計回りに夫々更に45度回転した状態を第４
図に示す。

被駆動歯車５，６が第３図の状態から第４図の
状態まで変化する間において、カム７の係合ピン
１２が衝合されるカム周面は依然として周面７１
に保たれるので、磁気ヘツド２３と磁気テープ２
４との当接状態はそのまま保たれる。一方、トレ
ースピン１６と衝合するカム８のカム周面は周面
８１から周面８３に変化し、トレースピン１６は
このカム周面８３の略中間位置で周面８３と衝合
することになる。これに伴つて、レバー１８は回
動し、磁気ヘツド２３を予め設定した基準アジマ
ス状態に持ちきたす。

この第４図の状態において、周知のアジマス検
出手段（図示せず）は磁気テープ２４に対する磁
気ヘツド２３のアジマス状態を検出し、そのアジ
マス状態が適切でないとこれを修正すべく制御信
号を出力してモータ２を回転制御する。このモー
タ２の回転制御はカム８のカム周面８３の領域に
おいて行なわれるもので、磁気ヘツド２３はその
磁気テープ２４に対するアジマス時計、反時計両
方向において修正される。

なお、本考案は上記の実施例に限定されること
なく、例えば一つの被駆動歯車の上下面にカム
７，８を設けることも可能である。

以上の本考案によればコスト的、スペース的に
優れたテープレコーダの制御装置を提供できるも
のである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の説明に供する図、
第２図はアジマス調整機構の一例を示す概略図、
及び第３乃至第４図は第１図に示すカムの回転状
態の説明に供する図をそれぞれ示す。 ２……モータ、４……駆動歯車、５，６……被
駆動歯車、７，８……カム、９……ヘツドベー
ス、１２……係合ピン、１４，１８……レバー、
１６……トレースピン、２１……アジマス調整
子、２３……磁気ヘツド。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 磁気ヘツドを載置し、前進位置と後退位置との
   間を移動可能なヘツドベースと、 前記磁気ヘツドのアジマスを変化させるアジマ
   ス調整手段と、 第１の回転領域において前記ヘツドベースを移
   動させ、これに続く第２の回転領域において前記
   ヘツドベースを前進位置に保持すべく回転される
   第１のカム手段と、 前記第１のカム手段における前記第２の回転領
   域内での回転中において、前記アジマス調整手段
   を制御すべく回転される第２のカム手段と、 前記第１及び第２のカム手段を同時に回転制御
   する制御モータとからなることを特徴とするテー
   プレコーダの制御装置。