JPS5923234Y2 - カセツトレコ−ダ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はヘッドを載置するヘッド基板をシャシに摺動自
在に配置し、ヘッドがカセット内の磁気テープより離隔
された後退位置と磁気テープに係合する前進位置の間を
移動するカセットレコーダに関し、特に前進位置におけ
るヘッド基板の位置を調整出来るようにしたものである
。

ヘッド基板を摺動する型式のカセットレコーダにあって
は、ヘッドが前進位置で磁気テープに対する適正位置よ
り前進し過ぎると録音再生の際、両者の間に大きな摩擦
力を生じてヘッドの摩耗が激しくなったり、また逆に両
者の接触が不十分であると録再ヘッドに関しスペーシン
グ損失が大きくなり良好な録音再生が出来ないため、ヘ
ッド基板の前進位置を正確に決定することが要求される
。

このため従来ヘッドをヘッド基板に対して所要量スライ
ド可能にした装置などが提案されているが、これはヘッ
ドをヘッド基板に固定するネジをゆるめてヘッドをスラ
イドさせ調整後ネジをしめてヘッドを調整位置に固定す
るものであり、その調整作業は作業スペースがせまいこ
ともあってきわめて煩雑であり容易に調整が出来ないな
どの欠点があった。

本考案はかかる従来の欠点を解決するものであり、以下
図面に従って詳細に説明する。

第１図は本考案装置の一実施例であり、消去ヘッド１、
録再ヘッド２及びリール台３，４に載置されるカセット
内の磁気テープ（図示せず）をキャプスタン５と協働し
て移送するピンチローラ６をそれぞれ所定位置に載置す
るヘッド基板７は、ヘッド基板７に形成された長孔８□
〜８３とシャシ１０に植立されたピン９１〜９３に案内
されてシャシ１ｏに対し矢印Ａ方向において摺動自在に
配置されている。

図示の状態では、レコーダはストップモードでありヘッ
ド基板７はシャシ１０との間に設けたスプリング１１．
１２の張力によって録再ヘッド２等が磁気テープより離
隔された後退位置にある。

シャシ１０にその中心部で回動自在に軸支１３されたＬ
字状のレバ１４の一方のアームにはヘッド基板７との間
に、スプリング１１．１２に比べて強い弾性を有するス
プリング１５が張架され、また他方のアームの先端はレ
コーダのプレイ或はストップ等の操作スイッチ（図示せ
ず）の操作によって偏心１６′シて回動するカム板１６
の周縁に係合するもので、例えはプレイスイッチが操作
されるとカム板１６が所要角度回動してレバ１４は図示
のストップモードの位置から時計方向に所要量回動する
よう形成されることによりスプリング１５を介して弾性
的にヘッド基板７を矢印Ａ方向の前進位置に駆動する。

ヘッド基板７の略中心部の下面側にカム板１７が回動自
在に設けられている。

カム板１７は第２図に示すごとくヘッド基板７に形成さ
れた透孔１８に遊嵌された軸部１９を介してヘッド基板
７の上面側の調整部２０と連結され、軸部１９及び調整
部２０と共にカム部材３０を形成して一体的に回動する
。

調整部２０はロック手段を構成するロック片２１を備え
、ロック片２１の先端にはヘッド基板７方向に延びる突
起部２２が形成されている。

ヘッド基板７にはロック片２１の突起部２２が嵌合され
るロック孔２３が多数所要の間隔をおいて軸部１９を中
心とする同一円周上に形成されている。

カム板１７は軸部１９に対して偏心した円板状に形成さ
れており、透孔１８及びロック孔２３を形成したヘッド
基板７に所要の金型を配し弾性を有する合成樹脂等で射
出成形により軸部１９及び調整部２０などと共に一体に
成形できる。

またシャシ１０の所定位置にはヘッド基板７が前進位置
に駆動された際、カム板１７の周面１７′と衝合する保
合部材２４が形成されていて、カム部材３０と共に位置
規制手段を構成する。

以上の構成をとる本考案装置において、ストップモード
からレコーダのプレイスイッチが操作されるとヘッド基
板７は第１図の後退位置がらスプリング１５に引張られ
て矢印Ａ方向の前進位置へ駆動されカム板１７の周面１
７′がシャシ１ｏの係合部材２４に衝合してスプリング
１５の付勢力が制限される前進位置で弾性的に定位され
る。

このとき録再ヘッド２等がカセット内の磁気テープに対
する適正な位置より前進し過ぎている場合は、ロック片
２１をその弾性よりもち上げて突起部２２とロック孔２
３のロック状態を解除してカム板１７を所定方向に回動
して軸部１９がら大きい距離を有する周面１７′が保合
部材２４に衝合するように選択すればヘッド基板７はス
プリング１５の付勢力に抗して後退位置方向に所要量ス
ライドするので、磁気テープに対するヘッドの位置を適
正位置に調整出来る。

調整後ロック片２１を元に戻して所要のロック孔２３に
突起部２２を嵌合し、カム板１７の自由な回動を禁止す
る。

逆に録再ヘッド２等に磁気テープの接触が不十分の場合
はカム板１７を軸部１９から小さい距離の周面１７′が
保合部材２４に衝合するように選択して回動すれば良い
。

上述の実施例においては、カム板１７をヘッド基板７に
、係合部材２４をシャシ１０にそれぞれ設けたが、これ
に限らずカム板１７をシャシ１０に係合部材２４をヘッ
ド基板７に設けても実施出来ることは勿論である。

また実施例においてカム板１７は回動するようヘッド基
板７に設けたが、これに限らず直線移動するものであっ
ても良いし、或いはヘッド基板７自身に形成することも
可能である。

上述した本考案装置によれば、簡単な構成に拘らずヘッ
ド基板の前進位置を適正な位置に規制することによりヘ
ッドと磁気テープの接触状態を良好に保ち、特性の優れ
たテープレコーダを提供できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置の一実施例の平面図を、第２図は第
１図の要部を拡大したものでａは平面図、ｂは要部側断
面図をそれぞれ示す。 １．２・・・ヘッド、７・・・ヘッド基板、１０・・・
シャシ、１５・・・付勢手段、２４・・・係合部材、３
０・・・カム部材。

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）ヘッドが磁気テープに係合する前進位置と、磁気
   テープから離隔する後退位置との間を移動するよう該ヘ
   ッドを載置してシャシ上を摺動するヘッド基板を備える
   カセットレコーダにおいて、 前記ヘッド基板を前記前進位置に弾性力を介して移動す
   るよう該ヘッド基板を付勢する手段と、 前記前進位置を規制すべく前記ヘッド基板と前記シャシ
   との間に設けられた位置規正手段とを具備してなり、 前記位置規制手段は、前記ヘッド基板及び前記シャシの
   一方に設けたカム部材及び他方に設けられ且つ前記カム
   部材に係合する保合部材とからなり、該カム部材及び保
   合部材は前記付勢手段による弾圧状態においてその係合
   する位置が選択されることにより前記ヘッド基板と前記
   シャシとの相対位置を変えることを特徴としたカセット
   レコーダ。
2. （２）カム部材は回動するものであることを特徴とする
   実用新案登録請求の範囲第１項記載のカセットレコーダ
   。
3. （３）位置規正手段は選択された係合位置にロックされ
   ることを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項又は
   第２項記載のカセットレコーダ。