JPH031585Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ドア内に固着されたほぼ上下方向を
向くレールに、窓ガラスに固着されたキヤリヤプ
レートを摺動自在に装着するとともに、適宜の駆
動装置により、前記レールに沿つて往復回走し得
るように配設された索条の適所を、前記キヤリヤ
プレートに係止してなる自動車用ウインドレギユ
レータ装置に関する。

従来、この種の型式のウインドレギユレータ装
置のドアへの組付け作業においては、駆動装置か
ら延出するワイヤ等の索条を、予めキヤリヤプレ
ートに止着した状態で、キヤリヤプレートをレー
ルに装着しておき、レールと駆動装置とがワイヤ
により連結された状態とし、最後に、ワイヤが適
度の緊張度を保つように、ワイヤ用のガイド部材
をレールの上下部に取付けるようにしていた。

そのため、レールへのキヤリヤプレートの取付
け時に、ワイヤが邪魔となつたり、ドアパネルへ
のレールの取付け時に、駆動装置が邪魔となつた
りして、装置全体のアパネルの取付作業の迅速性
が阻害され、作業が煩雑となる等の問題点があつ
た。

また、このようにしてドア内に組付けられたウ
インドレギユレータ装置を補修する場合、ワイヤ
その他の一部品の交換等のために、他の大部分の
部品をドアおよびレールから取外さなければなら
ず、補修作業が煩雑であるという問題点もある。

本考案は、このような従来装置の問題点に鑑
み、キヤリヤプレートにおける索条の係止部に整
合するレールの適所に作業孔を穿設し、この作業
孔より、キヤリヤプレートへの索条の取付け、取
外し作業を行なえるようにすることにより、ドア
への組付け作業時に、駆動装置やレール等の各部
品を、個々別々にドアパネルに取付け、最後に、
索条をキヤリヤプレートに係止させたり、補修時
に、他の部品を外すことなく、索条をキヤリヤプ
レートから簡単に取外すことができるようにし
た、自動車用ウインドレギユレータ装置を提供す
ることを目的とするものである。

以下本考案を、添付図面に示す実施例に基づい
て説明する。

１は、窓ガラス２の所望の昇降軌跡と同一方向
に向けたほぼ上下方向をなすレールで、窓ガラス
２の曲率とほぼ同一曲率をもつて、中位部が前方
に向けてわずかに湾曲する板状の基片１ａと、こ
の基片１ａの一側縁を前方に向けて直角に折曲し
て形成した側片１ｂと、基片１ａの他側縁近傍
を、前方に向けてＵ字状に折曲して形成した側片
１ｃとからなり、全体として横断面がほぼコ字状
をなしている。

このレール１は、基片１ａの後面上下部に固着
された上下１対の足片３，４をもつて、ドアのイ
ンナーパネル（図示略）に止着されている。

レール１には、該レール１の各側縁部を抱持す
るような形状をなす適数個の滑子５，６，７をも
つて、キヤリヤプレート８が、円滑に摺動し得る
ように装着されている。

このキヤリヤプレート８には、窓ガラス２の下
端部が、ボルト・ナツト等の適宜の手段（図示
略）をもつて固着され、それらが一体となつて、
レール１に沿つて摺動し得るようになつている。

キヤリヤプレート８のほぼ中央には、前方に開
口する凹部９ａを備える矩形箱状のワイヤ係止部
材９が固着されている。このワイヤ係止部材９に
おける後壁９ｂの中央には、円形孔１０が穿設さ
れ、かつこの円形孔１０の上下部から、ワイヤ係
止部材９の上壁９ｃ及び底壁９ｄの中間部にかけ
て、上下方向をなす細いスリツト１１，１２が切
設されている。

このワイヤ係止部材９における凹部９ａ内の上
壁９ｃ側及び底壁９ｄ側には、上下方向よりスリ
ツト１１，１２を挿通してきた上下２本のワイヤ
１３，１４の各端末に固着された短円柱状のエン
ド部材１３ａ，１４ａが、それぞれ係止されてい
る。

一方のワイヤ１３は、キヤリヤプレート８より
レール１に沿つて上方に立ち上がつた後、レール
１の上部に軸１５着されたガイドローラ１６と可
撓性の索導管１７とに案内されて、駆動装置１８
におけるケース１９内に入り、該ケース１９内に
回転可能に設けられた巻取りドラム２０の外周に
巻回された後、その端末を、巻取りドラム２０の
外周に止着されている。

他方のワイヤ１４は、キヤリヤプレート８より
レール１に沿つて垂下した後、レール１の下部に
軸２１着されたガイドローラ２２を半回して、レ
ール１と平行に上方に立ち上がり、レール１の上
部より、該レール１の上部に固着されたガイド部
材２３における孤状の樋状ガイド片２３ａと、可
撓性の索導管２４とに案内されてケース１９内に
入り、巻取りドラム２０の外周に、上述のワイヤ
１３の巻取りドラム２０への巻回方向とは逆向き
に巻回された後、端末を巻取りドラム２０の外周
に止着されている。

駆動装置１８は、手動操作用のハンドル（図示
略）の操作、又はモータ（図示略）の作動によ
り、巻取りドラム２０を正逆回転させるようにし
た公知のものでよい。

ケース１９は、巻取りドラム２０を収納する有
底円筒部１９ａと、その接線方向に段違いの二股
状をなして延出し、上記各ワイヤ１３，１４を案
内する案内筒１９ｂ，１９ｃとを備え、有底円筒
部１９ａの後面開口部を適宜の蓋板（図示略）に
より閉塞した状態で、ドアのインナーパネルに固
着されている。

２５は、キヤリヤプレート８におけるワイヤ１
３，１４の係止部であるワイヤ係止部材９に整合
するレール１の基片１ａの中間部適所に穿設され
た、上下方向に長い長孔状をなす作業孔である。

２６は、ガイドローラ２２からのワイヤ１４の
外れを防止するため、レール１に固着されたガイ
ド部材である。

かくして、ハンドル操作又はモータの作動で、
巻取りドラム２０を正逆回転させることにより、
ワイヤ１３，１４を往復回走させ、キヤリヤプレ
ート８及びそれに固着された窓ガラス２を、レー
ルに沿つて昇降させることができるようになつて
いる。

本考案は、上述のような構成としてあるので、
第３図及び第４図に示すように、キヤリヤプレー
ト８におけるワイヤ係止部材９が作業孔２５と整
合する位置に、キヤリヤプレート８を停止させた
状態で、ワイヤ１３，１４の端末近傍部を作業孔
２５側からつまみ出して、エンド部材１３ａ，１
４ａを凹部９ａの中央までずらし、該エンド部材
１３ａ，１４ａを円形孔１０より抜き出すことに
より、ワイヤ１３，１４の端末をキヤリヤプレー
ト８から簡単に外すことができるとともに、逆
に、ワイヤ１３，１４の端末部を、一旦作業孔２
５側に引き出しておいて、そのエンド部材１３
ａ，１４ａを円形孔１０に挿入し、ワイヤ１３，
１４をスリツト１１，１２に沿わせて、レール１
と平行になるように引張ることにより、エンド部
材１３ａ，１４ａをもとの係止位置までずらせ
て、ワイヤ１３，１４を簡単にキヤリヤプレート
８に係止させることができる。

したがつて、ウインドレギユレータ装置のドア
への組付け作業において、ガイドローラ１６，２
２やガイド部材２３，２６を、予めレール１に取
付けておくとともに、このレール１や駆動装置１
８を、個々別々にドアのアウターパネルに取付
け、最後に、ワイヤ１３，１４をガイドローラ１
６，２２等に掛け回わした後、その端末を、上述
の要領でキヤリヤプレート８に係止させることが
でき、従来のように、ワイヤ１３，１４が他の部
品の組付け作業の妨げとなることはなく、組付作
業を簡単かつ迅速に行なうことができ、作業能率
を向上し得る利点がある。

また、すでにドア内に組付けられたウインドレ
ギユレータ装置の補修時においても、他の部品を
取外すことなく、ワイヤ１３，１４を、上述の要
領でキヤリヤプレート８から簡単に外したり、交
換したりすることができ、便利である。

なお、レール１に穿設する作業孔２５の位置
は、ドアのインナーパネルの作業孔（図示略）と
も整合するように定めるのがよい。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例の正面図、第２図
は、同じく要部の斜視図、第３図は、同じくワイ
ヤの取付け、取外し状態を示す要部の拡大縦断面
図、第４図は、第３図の−線矢視図である。 １……レール、２……窓ガラス、８……キヤリ
ヤプレート、９……ワイヤ係止部材、１０……円
形孔、１１，１２……スリツト、１３，１４……
ワイヤ、１６，２２……ガイドローラ、１８……
駆動装置、１９……ケース、２０……巻取りドラ
ム、２３，２６……ガイド部材、２５……作業
孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ドア内に固着されたほぼ上下方向を向くレール
   に、窓ガラスに固着されたキヤリヤプレートを摺
   動自在に装着するとともに、適宜の駆動装置によ
   り、前記レールに沿つて往復回走し得るように配
   設された索条の適所を、前記キヤリヤプレートに
   係止してなる自動車用ウインドレギユレータ装置
   において、前記キヤリヤプレートにおける索条の
   係止部に整合する前記レールの適所に、作業孔を
   穿設したことを特徴とする自動車用ウインドレギ
   ユレータ装置。