JPH03153743A - 樹脂添加剤及びその製造法並びに樹脂組成物 - Google Patents

樹脂添加剤及びその製造法並びに樹脂組成物

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JPH03153743A
JPH03153743A JP1292362A JP29236289A JPH03153743A JP H03153743 A JPH03153743 A JP H03153743A JP 1292362 A JP1292362 A JP 1292362A JP 29236289 A JP29236289 A JP 29236289A JP H03153743 A JPH03153743 A JP H03153743A
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弘之 柏瀬
Tsunenosuke Hiramatsu
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はゼオライト粒子を改質した非晶質珪酸アルミニ
ウム系の樹脂添加剤及びその製造法並びにこれを配合し
た透明性に優れた樹脂組成物に関する。更に言えば、本
発明に係る樹脂添加剤は特にポリオレフィンやポリエス
テル等の透明な樹脂フィルムにおける抗ブロッキング剤
として有用なものである。
[従来の技術] 現在、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィ
ンのフィルムに代表される透明フィルムは各種の包装材
料として広く用いられている。しかしながら、これらの
透明フィルムは粘着性があるため、フィルム同士が相互
に付着して剥離しにくくなる所謂ブロッキングを起こし
易く、そのためフィルムの製造及びその高次加工におけ
る作業性を損なうのみならず、そのフィルムを使用して
梱包や包装する場合にトラブルを生じ易い。
従って、通常、この種のフィルムは抗ブロッキング処理
がなされており、抗ブロッキング剤としてシリカ、クレ
ー、炭酸カルシウム等の無機微粉末が知られている。
樹脂フィルムに抗ブロッキング性を付与するには、これ
らの抗ブロッキング剤を樹脂中に配合すればよいが、配
合量が多くなると無機質粒子の影響でフィルムの透明性
が低下する。
これらの抗ブロッキング剤において、近時合成ゼオライ
トがフィルムの透明性を損なうことなく優れた抗ブロッ
キング性を付与するものとして開発された。
例えばゼオライトを抗ブロッキング剤とするポリプロピ
レン組成物(特公昭52−16134号公報)、ゼオラ
イトを配合した不粘着性を有するプラスチックシートを
製造するための熱可塑性混合物(特開昭55−2149
6号公報)あるいは特定な粒子状態のA型ゼオライトを
配合した二軸延伸フィルム用ポリオレフィン組成物(特
開昭58−118221号公報)などが代表的に知られ
ている。
係る合成ゼオライトはフィルムの透明性を損なうことな
く抗ブロッキング性を付与するものとして優れているが
、結晶水を有するために、樹脂の成形、フィルム化の際
の加熱条件において、結晶水の蒸発離脱によりしばしば
フィルムに気泡を生ずるという欠点がある。この欠点を
改善する手段として、ゼオライトを加熱脱水して所謂活
性化ゼオライトとする方法が考えられているが、活性化
ゼオライトは水を容易に再吸着してしまうので、実質的
には、フィルム化の際の水の影響を除くことが不可能で
あった。
このようなことから、これを改善するものとしてゼオラ
イトを酸処理してゼオライトの形状や大きさなどの粒子
状態を保持した非晶質粒子は加熱脱水すると水の再吸着
が生じないところから、この無水非晶質珪酸アルミニウ
ムの抗ブロッキング剤が開発された(特開昭58−21
3031号公報、特開昭60−32836号公報、特開
昭62−20537号公報、特開昭62−135543
号公報、特開昭63−57671号公報、特開昭63−
60103号公報、特開昭63−182212号公報、
特開昭63−258512号公!>。
[発明が解決しようとする課題] 樹脂フィルムの抗ブロッキング性と透明性との関係は元
来不透明な無機粉末を抗ブロッキング剤として使用する
限りは矛盾するが、ゼオライトやそれを非晶質化した珪
酸アルミニウムは比較的透明性を損なうことがないこと
から実用されてきた。
しかしながら、ゼオライトを非晶質化した珪酸アルミニ
ウムは、その原体ゼオライトよりもフィルムの透明性を
損ない、この無水物はよりその傾向が強く、水による樹
脂加工の際、発泡トラブルの改善は期待できても前記理
由から不満足なものであった。
本発明は前記矛盾する二つの関係を矛盾することなく、
透明性、抗ブロッキング性を同時に満足する改善された
非晶質珪酸アルミニウム系の樹脂添加剤、その工業的な
製造法及びこれを配合した樹脂組成物を提供することに
ある。
[課題を解決するための手段] 本発明者等は上記の事実に鑑み、ゼオライトの抗ブロッ
キング剤としての優れた特性を生かしつつ、結晶水の悪
影響を排除すべく検討を重ねた結果、ゼオライトの陽イ
オン(通常ナトリウム)をアルミニウムイオン及び水素
イオンで同時に置換し、非晶質化せしめた珪酸アルミニ
ウムの加熱処理物が元のゼオライト粒子の形状及び大き
さをそのまま具備し、しかも水を再吸着しない事実を知
見し、その粒子性状と屈折率の故に透明性樹脂フィルム
に対し優れた抗ブロッキング効果をもたらすことを知見
し、本発明を完成した。
すなわち、本発明が提供する樹脂添加剤は、ゼオライト
の改質に基づくゼオライトの粒子状態を実質的に具備し
てなる非晶質珪酸アルミニウムにおいて、そのモル比S
 ! 02 / A 1203の改質前後の変化が減少
率として10〜50%の範囲にあり且つ屈折率が1,4
5〜1.55を有することを特徴とするものである。
ゼオライトは通常一般式 (1,0±0.2)MzO・^1203・xSi02−
yH20(ただし、MはNaまたはそれと当量の1価ま
たは多価金属を表し、Xは多くの場合1.5〜20の値
であり、yは0〜10の値である)で表される化学組成
とXm回折によって識別することのできる独特な三次元
結晶構造を有するアルミノ珪酸塩であり、各種の天然品
、合成品が知られている。
しかして、本発明に連用し得る改質前の原体ゼオライト
は酸によって結晶構造が壊れ易い5iOz/AZ、03
モル比が5以下の比較的小さい種類のものであると共に
平均粒子径が0.1〜10μM(好ましくは0.5〜5
μ饋)であり且つ平均粒子径の1/2から3/2の範囲
内の粒子径を有する粒子が全体の少なくとも50重量%
を占めるような粒度分布をもつ均一微細なものであり、
例えばA型ゼオライト、X型ゼオライト、P型ゼオライ
ト、ソーダライト、アカレサイム等が好適である。また
、上記の粒度分布をもった均一微細なゼオライト粒子は
種々の方法で調製することができるが、例えば特開昭5
7−3713号公報や特開昭57−166311号公報
の方法によって得られるA型ゼオライトやX型ゼオライ
トのような合成ゼオライトは特に好適である。
本発明に係る樹脂添加剤は係る合成ゼオライトを改質し
て非晶質珪酸アルミニウムに転換したものであって、こ
の非晶質粒子は改質前のゼオライトの粒子状態を破壊す
ることなく実質的に具備していることろに1つの特徴が
ある。
ここに実質的に具備しているというのは、後記の改質に
よってゼオライトの結晶構造は破壊されて非晶質化して
いるにも拘わらず、元のゼオライトの基本的粒子状態を
維持するものである。従って、このことは改質前後の二
つの粒子を例えば電子票微鏡観察により調べることがで
き、−次粒子の形状や大きさが改質前後で一見して変わ
っていない似たような状態から改質条件の如何によって
微細な粒子が一次粒子表面に沈着された状態をいう。
従って、非晶質珪酸アルミニウムの粒子状態は、その原
体であるゼオライトのそれに依拠しているものであり、
−次粒子の形状や大きさは勿論ゼオライトの前記粒度分
布も同様に具備したものとなっている。
樹脂への分散性を考慮すると一次粒子が球状ないし立方
体の角や稜が消失した実質的に球状粒子が好ましい。
なお、本発明で非晶質というのは、X線回折の回折図に
おいて、回折線が全く認められないものから回折線の強
度が元のゼオライトの1/3以下に低下して実質的に非
晶質化しているものをいい、ゼオライトとは明確に区別
できるものである。
次に、本発明に係る樹脂添加剤は前記の非晶質珪酸アル
ミニウムにおいて、モル比S io 2/A 1 t 
O3の改質前後の変化が減少率(R)として10〜50
%の範囲にあり、且つ屈折率が1.45〜1.55を有
することが第2の特徴となっている。
即ち、ゼオライトにおけるS ! 02/ A 120
3のモル比をM、非晶質珪酸アルミニウムにおけるその
モル比をM′とすると改質前後の変化は次の一般式: 
R=(M−M’)/MX 100で表した場合、常にM
’<Mの関係にあることが特徴的であり、減少率(R)
としては10〜50%の範囲となっている。この理由は
非晶質珪酸アルミニウムの粒子状態がゼオライトのそれ
を実質的に具備するための条件上や屈折率と相互に関連
して設定されたものである。
なお、非晶質珪酸アルミニウムのモル比M′は原体ゼオ
ライトの種類や製造条件及び改質条件によって変化する
が、多くの場合1.3〜3.0、好ましくは1.5〜2
,5の範囲となっている。
また、非晶質珪酸アルミニウムの屈折率は原体ゼオライ
トのそれよりも常に大きく変化しており、1.45〜1
.55の範囲に調整されているところに特徴があり、こ
の値はポリオレフィンやポリエステル等の通常の合成樹
脂の屈折率に近似しているので、樹脂に添加した場合、
特にフィルム化したときはその透明性を実質的に損なう
ことがない。
この非晶質珪酸アルミニウムはその性質上ゼオライトの
改質品であるため、含水または無水物を含むが、好まし
くは実質上無水物であり、残留ナトリウムがNa2Oと
して多くとも8重量%、好ましくは多くとも5重量%の
範囲内である。
ここで実質上無水物というのは後述するような加熱脱水
物を意味し、平衡水分は許容されることをいい、また、
−度無水物にすると、ゼオライトのように水を再吸着し
て含水することばない。
また、この非晶質珪酸アルミニラ11は後記する平衡p
Hが7.5〜9.5、好ましくは8.0〜9.0の範囲
にあるので、樹脂に添加した場合、アルカリによる着色
等の問題が生ずることはない。
更に、本発明に係る非晶質珪酸アルミニウムは多くの場
合、このもの自体で樹脂添加剤として好適に用いること
ができるけれども、必要に応じ使用目的によっては粒子
の表面処理を付加したちのであってもよい0例えば濃密
で且つ微細な不定形シリカの連続的皮膜を付与したもの
、あるいはアルミニウム、チタン、ジルコニウム、アン
チモン等の微細な含水酸化物を沈積させたもの、微細な
シリカ粒子を介在させたもの、または界面活性剤やシラ
ンカップリング剤、チタネートカップリング剤等で粒子
表面を処理したものが挙げられる。
本発明に係る非晶質珪酸アルミニウムは樹脂に対する透
明性に優れ、分散性も良好であるために、特徴的な樹脂
添加剤として適用でき、特に樹脂フィルムの抗ブロッキ
ング剤として好適であるが、係る樹脂添加剤は本発明に
おいてゼオライトの水性懸濁液とアルミニウム塩水溶液
とを混合して原体ゼオライトの粒子状態を破壊すること
なく非晶質化処理することを特徴として製造することが
できる。
前記のように、ゼオライトの改質を硫酸や塩酸の如き酸
で穏やかに中和することによりゼオライトの粒子状態を
破壊することなく非晶質化処理することは公知であるが
、本発明ではアルミニウム塩水溶液にて非晶質化処理す
るところに特徴がある。
ここで使用するアルミニウム塩としては、硫酸アルミニ
ウム、塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム、酢酸アル
ミニウム等が挙げられ、その添加量は最終製品の屈折率
を考慮すると、アルミニウムイオンとして原体ゼオライ
トの陽イオン交換当量の50%以上が好ましい。
また、原料ゼオライトは非晶質珪酸アルミニウムが原料
ゼオライトの種類や粒子状態に大きく依存するので、製
造に際しては原料ゼオライトが適切なものであることが
最も重要であり、前記したようなものを選択することが
必要である。
即ち、上記ゼオライト粒子を水中に分散させて水性懸濁
液(A液)、アルミニウム塩を水に溶解したアルミニウ
ム塩水溶液(B液)をそれぞれ調製し、常温または加熱
状態で両液を混合する。混合の方法は、(1)A液を撹
拌しながらB液を滴下する;(2)B液を撹拌しながら
A液を滴下する;(3)A・B両液を同時に加えて撹拌
する、の何れでもよい。混合、反応の間、懸濁液のpH
は3.5〜5の範囲に保持する必要がある。pHが3゜
5未満になると、原体ゼオライト粒子の骨格が破壊され
て、粒子の形状や粒度分布が著しく変化したり、粒子全
体が溶解、消失したりしてしまい、また、pHが5より
高いと、ゼオライトの非晶質化が不充分であるばかりで
なく、大部分のアルミニウムイオンが水酸化アルミニウ
ムとしてゼオライト粒子表面に沈澱析出してしまうため
に好ましくない、従って、混合、反応の際に必要に応じ
て酸またはアルカリを添加して懸濁液のpHを調整する
混合、反応終了後、通常の方法で固液分離及び洗浄を行
い、必要に応じて250℃以上、好ましくは300〜5
00℃の温度に加熱、脱水処理を施し、粉砕、分級して
製品として仕上げる。
なお、前記のような表面処理をこの操作の過程またはそ
の後必要に応じ付加できることは言うまでもない。
このようにして得られる無水非晶質珪酸アルミニウムは
、X11回折からもゼオライトとは物性上明確に区別さ
れるもので、最早吸着能力を失っており、大気中の水分
を吸着して含水状態に戻ることはない。
本発明に係る樹脂添加剤が適用される合成樹脂は格別限
定はないけれども、特にポリオレフィン、ポリエステル
、ハロゲン含有ポリマー等が好適である。
ポリオレフィンとしては透明且つ結晶性の自己支持性フ
ィルムの形成能を有するものであれば特に限定されるも
のではないが、例えば炭素数2〜12程度のα−オレフ
ィンの結晶性単独重合体あるいは二種以上の結晶性共重
合体、具体的にはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
−4−メチルペンテン−1、エチレン−プロピレンラン
ダムまたはブロック共重合体、エチレン−プロピレンブ
テン共重合体、エチレン−プロピレン−ヘキセン共重合
体等を挙げることができる。中でも、ポリプロピレンや
プロピレン過半重量のプロピレンと他のα−オレフィン
との共重合体あるいはエチレンと他のα−オレフィンと
の共重合体が好ましい また、ポリエステルとしては、テレフタル酸またはテレ
フタル酸ジアルキルエステルと一般弐HO(CH、)n
OH(式中、nは1〜10の整数を表す)で表される例
えばエチレングリコール、トリメチレングリコール、ヘ
キサメチレングリコール、シクロヘキサンジメタツール
などのアルキルグリコールとの反応生成物である。この
ほかにテレフタル酸またはテレフタル酸ジアルキルと反
応して線状ポリエステルを与える他の官能性化合物はパ
ラキシレングリコール、ヒドロキノン及び環式グリコー
ルであってもよい。他の合成樹脂として6−ナイロン、
6.6−ナイロンの如きポリアミド、ポリ塩化ビニルの
如きハロゲン含有樹脂にも適用できる。
本発明に係る樹脂添加剤を前記合成樹脂に配合すべき使
用量は樹脂の種類、フィルムや成形体など樹脂の用途等
によって一様ではないが、樹脂フィルムの抗ブロッキン
グ剤として使用する場合、樹脂100重量部に対して0
.01〜1重量部が適当で、特に0.03〜0.5重量
部が好ましい。
この理由は0.01重量部未満にあっては添加量が少な
いため目的とする効果の発現が不充分であると共に樹脂
に配合して均一に分散させる精度が低下するためであり
、他方、1重量部を越えるとフィルムの透明性を損なう
と共に添加量の割りには抗ブロッキング性が向上しない
からである。
また、充填剤として使用する場合には、特に限定はない
が、多くの場合1〜30重量部の範囲が透明性を確保で
きる点から実用的である。
本発明において、樹脂に使用される他の添加剤例えば種
々の酸化防止剤、安定剤、紫外線吸収剤、加工助剤、着
色料、帯電防止剤を使用できることは勿論であるが、む
しろ本発明に係る樹脂添加剤がそれらの添加剤の性能を
より助長して引き出す作用がしばしば見られる。
特に、本発明に係る無水珪酸アルミニウムを抗ブロッキ
ング剤として配合した樹脂を用いると、通常の方法によ
って作業性よく、発泡のない透明性及び抗ブロッキング
性の良好なフィルムを製造することができる。
[作  用] 本発明に係る樹脂添加剤はゼオライトの改質物で原体ゼ
オライトの粒子状態を実質的に具備している粉末である
が、その結晶構造が破壊された実質的に非晶質粒子であ
ること、改質前後においてモル比Si○、/Al2O,
や屈折率が変化しており、1.45〜1.55の屈折率
を有するなど原体ゼオライトとは物理化学的に改質され
た非晶質珪酸アルミニウムの粉末である。
このような改質の機構については詳細は不明であるが、
ゼオライトとアルミニウム塩水溶液との混合により反応
系内のアルミニウムイオン及び水素イオン濃度と相俟っ
てゼオライト構造中のナトリウムイオンを放出させる一
方でアルミニウムイオンとの置換が穏やかに行われるた
め結晶の構造破壊のみが行われ、原体ゼオライトの粒子
状態は破壊されることなく実質的に具備したままで非晶
質化すると思われる。
従って、改質後は原体ゼオライトよりもアルミニウム成
分が富化して屈折率にも影響を与え、樹脂のそれに近似
してくる。
このようなゼオライトのもつ整粒された粒子特性と非晶
質珪酸アルミニウムの物性とが樹脂添加剤に配合した場
合、透明性を実質的に損なわないという基本的性能を与
え、特に樹脂フィルムのブロッキング作用は優れている
本発明に係る非晶質珪酸アルミニウムは原体ゼオライト
粒子の表面よりも若干粗であり、微粒子の沈積が認めら
れるが、フィルムの抗ブロッキング剤としては有利に作
用する。
[実 施 例] 以下、実施例及び比較例を示し、本発明を更に具体的に
説明する。なお、実施例中の諸評価は次の試験によって
行った。
粒度分布 コールタ−カウンター〈コールタ−エレクトロニクス社
製)を用い、アパチャーチューブ30μ繭で測定した。
組成分析 原子吸光光度法及びICP法によって分析した。
水分 試料1gを磁製ルツボに秤り取り、800℃で1時間加
熱し、その減量から求めた。
屈折率 L arsenの油浸法により測定した。
結晶性 X線回折法により測定し、結晶質を○、実質的に非晶質
をX印で表す。
平衡pH 試料粉末5gを蒸留水100m1に分散させ、25℃で
30分撹拌したのち、p Hメーター(日立板場社製M
−5)で測定した。
粒子状態 電子顕微鏡により観察する。改質後の粒子状態が原体ゼ
オライトのそれとが実質的に変化していないものを○、
変化しているものをX印で表す。
実施例1 11ビーカーにナトリウムA型ゼオライト(原体Na−
A)100gを秤取り、水400ccを加えて撹拌し、
濃度20重量%のゼオライトスラリーを調製した。この
スラリーのp Hは11.2であった。スラリーを撹拌
しながら0.13モル硫酸アルミニウム溶液500cc
を添加後25℃で2時間撹拌を続けた。スラリーのpH
は硫酸アルミニウム溶液の添加により3.9まで急激に
下降し、次いで徐々に上昇して2時間撹拌後は5.0に
なった。
常法により濾過、水洗、乾燥、粉砕を行い、Na−Aゼ
オライトの硫酸アルミニウム溶液による処理物を得た0
次いで、処理物を温度400℃で1時間加熱して脱水し
、軽く粉砕することによってゼオライトを改質した樹脂
添加剤を得た。
得られた樹脂添加剤(試料1)及び原体Na−Aの粒子
状態を表す電子顕微鏡写真をそれぞれ第1図及び第2図
に示す、また、それらの物性と化学組成を測定した結果
を第1表にそれぞれ示す。
実施例2 実施例1と同じ原体Na−Aを使用し、0.13モル硫
酸アルミニウム溶液の代わりに0.3モル塩化アルミニ
ウム溶液を用いる以外は実施例1と全く同様の方法で樹
脂添加剤を得た。得られた樹脂添加剤(試料2)の物性
と化学組成を第1表に併記する。
実施例3 11ビーカーに0.16モル硫酸アルミニウム溶液(p
H2,9>を取り、撹拌しながら実施例1と全く同様に
調製したゼオライトスラリー500gを加え、添加終了
後温度60°Cに保ち、1時間撹拌を続けた。反応スラ
リーのpHはゼオライト添加後、徐々に上昇し、1時間
撹拌後に4゜8になった。
常法により濾過、水洗した後、温度350℃で2時間加
熱脱水、粉砕を行い樹脂添加剤(試料3)を得た。得ら
れた樹脂添加剤の化学組成と物性を同様に第1表に併記
する。
比較例1 実施例1と同じ原体Na−Aを用い、0,13モル硫酸
アルミニウム溶液の代わりに4重量%硫酸500ccを
使用する以外は実施例1と全く同様の方法で無水非晶質
珪酸アルミニウム(試料4)を得た。得られた無水非晶
質珪酸アルミニウムの物性と化学組成を第1表に併記す
る。
実施例4 ナトリウムX型ゼオライト(モル比5iOz/A12o
sは2,5、粒度は平均粒子径4.1μ赫で、且つ粒子
径が2〜6μ油の範囲内にある粒子が全体の83%を占
めるもの)100gを12ビーカーに取り、水400c
cを加えて撹拌し、濃度20%のゼオライトスラリーを
調製した。スラリーを撹拌しながら0.3モル塩化アル
ミニウム溶液500ccを滴下した後、25℃で2時間
撹拌を継続した1反応スラリーのpHは最終的に4.8
を示した6次いで、常法により濾過、水洗、乾燥及び粉
砕を行い、ナトリウムX型ゼオライトの塩化アルミニウ
ム溶液による処理物を得た。
次いで、この処理物を400℃で1時間加熱・脱水した
後、軽く粉砕して樹脂添加剤(試料5)を得た。
実施例5 ナトリウムP型ゼオライト(モル比SiO2/Al2O
5は2.6、粒度は平均粒子径0.9μ論で且つ0.5
〜1.5μmの粒子径を有する粒子が全体の68%を占
めるもの)100gを21ビーカーに取り、水11を加
えて撹拌し、ゼオライトスラリーを調製した。スラリー
を撹拌しながら0.16モル硝酸アルミニウム溶液ll
を加えた後、25℃で2時間撹拌を続けた。常法により
濾過、水洗した後、更に350℃で2時間加熱・脱水し
た後、粉砕して樹脂添加剤(試料6)を得た。
以上、実施例4及び実施例5で得られた各樹脂添加剤の
物性を測定したところ第2表の結果が得られた。
!−λ−退 実施f!46〜15、比較例2〜8 上記各実施例で得られた樹脂添加剤と、比較として原体
Na−A、比較例1の無水珪酸アルミニウム及び市販の
抗ブロッキング剤用の合成シリカを用いて下記要領で二
軸延伸ポリプロピレンフィルム、及び直鎖状低密度ポリ
エチレン(LLDPE)のインフレーションフィルムを
下記の操作で製造し、それらの品質を評価した。
(1)二軸延伸ポリプロピレンフィルム■フィルムの作
成 メルトフローレートが1.9g/10分であるポリプロ
ピレン樹脂100重量部に酸化防止剤として2.6−ジ
ーし一ブチルーp−クレゾール0.10重量部、イルガ
ソックス1010を0.05重量部、各種抗ブロッキン
グ剤を第2表の通り添加してスーパーミキサーで混合後
、押出機でペレット化した。各ベレットを押出機を用い
てシート状フィルムにし、縦方向5倍、横方向10倍に
逐次延伸して最終的に厚さ30μmの延伸フィルムを得
た。延伸フィルムの一面にはコロナ放電処理を施した。
こられの二軸延伸フィルムについて透明性、ブロッキン
グ性及び発泡性を測定し、その結果を第3表に示す。
■フィルムの評価 フィルムの透明性は^STM−D−1003に準拠して
フィルムを4枚重ねて測定した。
フィルムのブロッキング性は2枚のフィルムの接触面積
が1 cm2となるように重ねて2枚のガラス板の間に
置き、50g/eta’の荷重を掛けて40℃の雰囲気
中に7日間放置後、ショツパー型試験機を用いて引張速
度500 n+m/分にて引きはがして、その最大荷重
を読み取って評価した。
また、フィルムの発泡性は発泡の有無を目視観察するこ
とによって評価した。
(2)直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)インフ
レーションフィルム ■フィルムの作成 密度0.92Of/cm’、メルトフローレート1、O
y/10分のLLDPE100重量部にエルシン酸アミ
ド0.1重量部及び各穫の抗ブロッキング剤を第3表の
通り加え、ヘンシェルミキサーで混合したものを押出機
でペレット化した。各ペレットを二重エアスリットニア
リングを用い、200℃でフィルム厚み30μ論に押出
した。
このようにして得たフィルムの透明性、ブロッキング性
及び発泡性を測定した結果を第4表に示す。
■フィルムの評価 透明性は^STM−D−1003に準拠して測定し、ブ
ロッキング性は2枚の成形フィルムを温度45℃、引き
剥がすに要する最大応力を測定した。
50g/am’の荷重下で24時間密着させた後、ショ
ツパー型引張試験機を用いて引張速度500+ui/分
の条件でフィルム接着面10cm’を剪断的に実施例1
6〜20、比較例9〜12 ポリ塩化ビニル[Z eon103EP :日本ゼオン
(株)社製1100重量部、DOP50重量部、液状バ
リウム・亜鉛系複合安定剤[BZ−180P : (株
)IJI正社製]1,0重量部、バリウム・亜鉛のステ
アレート[PSE−801+ (株)耕正社製]1,0
重量部、エポキシ化大豆油3重量部及び充填剤として実
施例及び比較例または市販品の各種樹脂添加剤を配合し
た樹脂組成物を調製した。
次いで、170℃において5分間上記組成物を二本ロー
ルで混練した後、170℃で3分間プレスして40X7
0X2mmの塩ビシートを作成した。
このシートの透明性及び充填剤の分散性を肉眼で観察し
たところ、第5表の結果が得られた。
なお、透明性は充填剤を用いないブランクを1として不
透明の度合いを5段階で表し、5はシートの下の文字が
読み取れない程の不透明を表す。
また、分散度合いは、3段階で表し、1は分散性のよい
もの、2は中間、3は劣るものとして表す。
第5表 [発明の効果] 本発明に係る樹脂添加剤は特定な非晶質珪酸アルミニウ
ムの無機粉体であるにも拘わらず、ポリオレフィンやポ
リエステル等の通常の合成樹脂に添加しても透明性を損
なうことがない。
該粉末のもつ特異な物性の故に充填剤としての使用は勿
論特に樹脂フィルムの抗ブロッキング剤として有用であ
り、これを配合した樹脂組成物は他の無機物を配合した
ものと比べ著しい透明性を示す。
また、本発明に係る製造法によれば、係る樹脂充填剤を
工業的に有利に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図はいずれも樹脂添加剤の粒子構造を示
す電子盟微鏡写真(5000倍)であり、第1図は実施
例1で得られた樹脂充填剤であり、第2図は実施例1の
原体ゼオライトのものである。 児1図

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、ゼオライトの改質に基づくゼオライトの粒子状態を
    実質的に具備している非晶質珪酸アルミニウムにおいて
    、そのモル比SiO_2/Al_2O_3の改良前後の
    変化が減少率(R)として10〜50%の範囲にあり、
    且つ屈折率が1.45〜1.55であることを特徴とす
    る樹脂添加剤。 2、非晶質珪酸アルミニウムは、モル比SiO_2/A
    l_2O_3が1.3〜3.0の範囲である請求項1記
    載の樹脂添加剤。 3、非晶質珪酸アルミニウムは平均粒子径 (R_5_0)が0.1〜10μmの範囲にあり、且つ
    R_5_0の1/2〜3/2の範囲の粒度部分が全体の
    少なくとも50重量%を占めるものである請求項1また
    は2記載の樹脂添加剤。 4、非晶質珪酸アルミニウムは実質的に無水物である請
    求項1ないし3のいずれか1項記載の樹脂添加剤。 5、非晶質珪酸アルミニウムはA型ゼオライトを非晶質
    化したものである請求項1ないし3のいずれか1項記載
    の樹脂添加剤。 6、請求項1ないし5のいずれか1項記載の非晶質珪酸
    アルミニウムよりなるフィルムの抗ブロッキング用の樹
    脂添加剤。 7、ゼオライトの水性懸濁液とアルミニウム塩水溶液と
    を混合して原料ゼオライトの粒子状態を破壊することな
    く非晶質化処理することを特徴とする樹脂添加剤の製造
    法。 8、非晶質化処理はスラリーのpHを3.5〜5の範囲
    で且つアルミニウム塩水溶液をアルミニウムイオンとし
    て原料ゼオライトが有する陽イオン交換当量の50%以
    上使用する請求項7記載の樹脂添加剤の製造法。 9、請求項1ないし5のいずれか1項記載の樹脂添加剤
    を合成樹脂に添加配合させてなる合成樹脂組成物。 10、樹脂添加剤が合成樹脂100重量部当たり0.0
    1〜30重量部の配合量である請求項9記載の合成樹脂
    組成物。 11、請求項9記載の合成樹脂組成物をフィルム加工し
    てなる合成樹脂組成物。 12、合成樹脂はポリオレフィン、ポリエステル、ポリ
    アミド、ハロゲン含有樹脂から選ばれた1種または2種
    以上である請求項9ないし11のいずれか1項記載の合
    成樹脂組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003525990A (ja) * 2000-03-09 2003-09-02 ノベオン・アイピー・ホールディングズ・コーポレイション 改質ゼオライト安定剤を含有するハロゲン含有ポリマー配合物
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KR101663828B1 (ko) * 2016-01-22 2016-10-07 (주)서원푸드 만두냉동장치
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CN115536915A (zh) * 2022-10-31 2022-12-30 无锡市弘远塑业科技有限公司 一种pvc用低雾化钙锌稳定剂及其稳定性测试方法

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