JPH0315318Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、熱転写型印刷装置のインクシート剥
離機構に関するものである。

（従来技術） 熱転写型印刷装置は一般に、第１図に示すよう
に、サーマルヘツド１とプラテン２で構成された
印字部を、インクシート４と被印刷物５が通過す
る際、サーマルヘツド１によつて加熱されたイン
クシート４のインクが溶け、被印刷物５に転写さ
れる。インクシート剥離ロール（以下、ピールロ
ールと言う）３は、インクシート４と被印刷物５
を剥離する際、その剥離動作を円滑に行なう目的
のもので、インクの抜け・にじみ・尾引きなどを
防ぐためには、ピールロール３を欠くことが出来
ない。しかし、ピールロール３は適切な位置で、
一定の圧着力を維持し続け、かつ良好な動作をさ
せなければ、インクの抜け・にじみ・尾引きなど
を防ぐことは出来ないばかりか、被印刷物の状態
を不安定にし、印字ズレやインクシートのしわな
どを誘発させる原因となる。

従来におけるピールロールの取付方法は、例え
ば第２図のように、ピールロール３が８ａを支点
に持つレバー８に装着され、レバー８の先端部を
引張ばね７でプラテン２に圧着させるものなどが
あるが、この機構ではレバー８のレバー比によつ
てバネ力が変化するため、(1)プラテン２の中心と
レバー８の支点８ａの中心位置精度を高めなけれ
ばならない。(2)左右のレバーを介して圧着力を得
るために、プラテン２とピールロール３の平行度
を保つことが困難である。(3)ピールロールの両端
部分に設置される引張ばねの引張力が、決ずしも
左右均等にならない。その結果、ピールロールの
圧着力にアンバランスを生じ、良好なインクシー
ト剥離状態を作ることが難しい。このことは(2)の
内容にも関連する。(4)引張ばねだけに頼るため、
これらの機構を設置するために、広いスペースを
必要とし、機構が煩雑になりがちである。

（考案の目的） 本考案は、前述の如き問題点をなくすため、ピ
ールロールの圧着力が常に均一に保たれる、機構
が簡単で信頼性の高い、加えてコンパクトで部品
点数の削減につながる、インクシート剥離機構を
提供することを目的とする。

（考案の構成） 第４図は本考案の一実施例の側面図であり、１
１はサーマルヘツド取付板で、前記サーマルヘツ
ド取付板には、長穴部６ａを持つピールロール支
持板６が固定されている。３はピールロールで、
両端にフランジ付ベアリング９を有しており、ピ
ールロール取付板に前記ベアリングの外周が支持
されている。１０は板ばねでサーマルヘツド取付
板１１の裏面に、例えばねじ等の締結手段等を介
して固定され、フランジ付ベアリング９のフラン
ジ部外輪９ａを均一に押圧することにより、ベア
リング９が長穴部６ａを移動して、ピールロール
３をプラテン２に圧着させる。

板ばね１０の固定方法は、前述の様にねじ等の
締結手段等を用いて固定する場合は、板ばね１０
組付後、ピールロール３の圧着力に不均一が生じ
たときは、前記締結手段等をゆるめ、板ばね１０
の押圧力を調整することが可能である。またその
他の手段、例えば溶接等の固着手段に頼る場合
は、サーマルヘツド取付板１０の裏面に位置決め
部を設置してやり、板ばね１０の取付精度の向上
を計ることができる。もちろん、板ばね１０の取
付方法は前述以外の固定手段により固定されて
も、何ら問題のない事は言うまでもない。

（考案の作用） 前述構成において板ばね１０は、一部材によつ
て形成されているため、フランジ付ベアリング９
のフランジ部９ａに均一な押圧がかけられ、プラ
テン２に対するピールロール３の圧着力を常に均
一に保ち、また圧着力を変化させる必要が生じた
場合には、板ばね１０をばね力の異なるものと交
換する事も可能である。

（考案の効果） 以上説明したように、本考案によれば、プラテ
ン２に対するピールロール３の圧着力は、一体に
形成された一枚の板ばね１０から得るため、圧着
力を常に均一にかけることが可能であり、しかも
板ばねをサーマルヘツド取付板等に取付けるだけ
なので機構が非常に簡単になり、大きなスペース
を必要としない。加えて、部品点数が削減される
ため、保守性が向上し、信頼性も高まる。さら
に、安定した圧着力が得られるため、インクシー
トの剥離が円滑に行なわれ、インクの抜け・にじ
み・尾引きなどのない、良好な印字画面を得るこ
とができる。また、被印刷物やインクシートが安
定するため、印字ズレやインクシートのしわの発
生が押えられる。

【図面の簡単な説明】

第１図は熱転写型プリンタの基本構成図、第２
図は先に提案されたインクシート剥離機構の側面
図、第３図は本考案の一実施例の側面図、第４図
は本考案の一実施例の断面図、第５図は本考案の
一実施例の平面透視図である。 １……サーマルヘツド、２……プラテン、３…
…ピールロール、４……インクシート、５……被
印刷物、６……ピールロール支持板、６ａ……長
穴部、７……引張ばね、８……レバー、８ａ……
レバー８の支点、９……フランジ付ベアリング、
９ａ……フランジ部外輪、１０……板ばね、１１
……サーマルヘツド取付板である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 熱転写型印刷装置のインクシート剥離機構にお
   いて、サーマルヘツド取付板に支持された、イン
   クシート剥離ロール取付板の長穴部と、前記長穴
   部に装着された、両端に軸受を有するインクシー
   ト剥離ロールと、前記インクシート剥離ロールの
   軸受部を前記サーマルヘツド取付板に取付けられ
   た一体に形成された一枚の板ばねで押圧する、イ
   ンクシート剥離機構。