JPH0315042Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、内視鏡を通して鉗子等を挿入使用
するために供されるチヤンネル等を形成する可撓
性を備える合成樹脂材製チユ−ブの改良に関する
ものであり、特に他の構成部材との接続が強固で
あるようにしたチヤンネル形成用チユ−ブを提供
するものである。

（従来の技術） 現在、内視鏡には、胃・大腸等の体腔内を観察
対象とした医療用と、飛行機エンジン等の空洞内
を観察対象とした工業用とがある。そして、医療
用、工業用のいずれの内視鏡にあつても、最近の
使用状況をみるに単なる観察のみに使用するので
はなく、例えば医療用にあつては治療のためにも
利用され、また工業用にあつては、簡単な修理の
ためにも利用されている。このような使用目的に
対応して、使用される内視鏡には、例えば医療用
内視鏡について説明するに以下のように構成され
ているものが良く知られている。

第２図において、Ａは、内視鏡を示し、この内
視鏡Ａは、体腔内へ挿入される挿入部１と、この
挿入部１の基端側に接続された手許操作部２と、
この手許操作部２から延出され、外部光源装置Ｂ
に接続される連結部３とから構成されている。か
かる構成の内視鏡Ａには、鉗子挿通用チヤンネル
Ｃが設けられている。このチヤンネルＣは、鉗子
出口となる先端開口C₁が挿入部１の前端面に、
また鉗子挿入口となる手許開口C₂が手許操作部
２に図示のように配設されている。そして、この
チヤンネルＣは、上許挿入部１が硬質である先端
構成部１ａと、手許操作により自由に彎曲制御さ
れる彎曲部１ｂと、曲がりくねつた狭い体腔内に
沿つて挿入できるように可撓性が付与された軟性
部１ｃとから構成されている関係上、彎曲部１ｂ
と軟性部１ｃに相当する部分が少なくとも可撓性
を備える必要がある。従い、チヤンネルＣは、上
記部分が可撓性を備えるテフロン等の合成樹脂材
製チユ−ブによつて形成されている。更に、この
ように合成樹脂材製チユ−ブによつて形成されて
いるチヤンネルＣは、上記チユ−ブの端部を固定
保持するためにチユ−ブの先端側が第３図に示す
ように固定保持されて構成されていることも良く
知られている。

つなわち、第３図は、上記先端構成部１ａと彎
曲部１ｂの一部とを示す断面図である。上記先端
構成部１ａは、挿入部１の長手方向に沿つて複数
（図面では、その内の２個を示す。）の貫通孔４，
５を備える硬質の金属あるいは合成樹脂等によつ
て形成されたヘツド部材６によつて構成されてい
る。上記貫通孔の内の一方の貫通孔４は、観察光
学系を構成する窓ガラス７、対物レンズ群８及び
イメ−ジガイド用フアイバ−ハンドル９の入射端
部９ａを固定保持する鏡筒として利用されてい
る。また、他方の貫通孔５は、上記チヤンネルＣ
を合成樹脂材製チユ−ブ１０と共に形成する挿通
孔として作用するものであり、その先端側は、鉗
子出口C₁を形成している。上記貫通孔５とチユ
−ブ１０との接続は、上記貫通孔５内に嵌入固装
した接続筒１１の彎曲部１ｂ内に突出した部分の
外周に嵌装固着することによつてなされている。

なお、第３図において、符号１２，１３は、
各々、彎曲部１ｂを構成する周知のアングルリン
グ及び合成ゴム材製の外被材を示す。

（発明が解決しようとする問題点） 以上のように構成された内視鏡は、ヘツド部材
６の貫通孔５とチユ−ブ１０との接続に彎曲部５
側に長さｌだけ突出した接続筒１１を利用してい
るために、硬質部分が実質的にヘツド部材６の長
手方向の長さに上記突出長さｌが加わつたものと
なる。従つて、このように硬質部分を助長させる
ことは、曲がりくねつた狭い体腔内への挿入に際
し、できるだけ硬質部分が短かい方が好ましい内
視鏡にあつては不利であると言わざるを得ない。

このような点に鑑みて、これまでに上記貫通孔
５とチユ−ブ１０との接続方法として、チユ−ブ
１０の先端を貫通孔５内に嵌入し接着剤により固
着する方法が提案されたが、嵌合長が短かいこと
やチユ−ブ１０の外周面が平滑であること等に起
因して接続強度の点で不充分であり実用化されて
いないのが実情である。

（問題点を解決するための手段） そこで、この考案は、上述したところに鑑み
て、鉗子挿通用等のチヤンネルを形成する可撓性
を備える合成樹脂材製のチユ−ブの端部近くに螺
施溝を設けたものを提供するものである。

（作用） 端部近くに螺施溝を設けたチユ−ブは、このチ
ユ−ブに接続される他の構成部材に上記螺施溝を
設けることにより、その構成部材と螺合接続する
ことができる。

（実施例） 第１図は、この考案による内視鏡のチヤンネル
形成用チユ−ブを適用した一実施例を示す要部断
面図であり、第３図と同一部分には同一符号を用
いて示し、その部分の説明を省略する。

第１図において、符号２０は、この考案に基づ
くテフロンチユ−ブであり、このチユ−ブ２０
は、貫通孔５と連通接続されて鉗子挿通用チヤン
ネルＣを形成するものであり、その内径が上記貫
通孔５の内径と一致するものである。上記チユ−
ブ２０は、その先端部近く（チユ−ブ全長にわた
るものであつても良い。）に螺施溝２１が設けら
れている。この螺施溝２１は、施盤による機械加
工あるいはダイス加工によつて容易に設けること
ができる。

これに対して、貫通孔５には、その後方内周面
に上記螺施溝２１と螺合する螺施溝５ａが設けら
れている。なお、この螺施溝５ａは、上記チユ−
ブ２０の肉厚を考慮して設けられていることは言
うまでもない。

このように鉗子挿通用チヤンネルＣを形成する
ヘツド部材６の貫通孔（実用新案登録請求の範囲
に記載の他の構成部材に該当する。）５とチユ−
ブ２０とを構成しそれぞれの螺施溝５ａ，２１を
螺合させることにより、接続部が強固に接続され
た鉗子挿通用チヤンネルとすることができる。

このように形成された鉗子挿通用チヤンネルを
備えた内視鏡は、貫通孔５とテフロンチユ−ブ２
０とを直結接続したために従前の接続筒を用いる
ものに比較して硬質部分の長さをヘツド部材の長
さのみにすることができ使用上有利である。

なお、内視鏡における鉗子挿通用チヤンネル
は、鉗子挿通のみならず体液等の流体物を吸引排
除する吸引通路として利用されるため、上記螺合
接続時にシ−ル機能を有する接着剤を用いること
が好ましい。

更に、上記実施例は、この考案によるチユ−ブ
を鉗子挿通用チヤンネルを形成するチユ−ブとし
て例示したが、係るチヤンネルのみならず例えば
CO₂ガスの如き気体を送入するためのチヤンネル
を形成するチユ−ブに適用しても良いことは言及
するまでもないことである。

（考案の効果） 以上述べたように、この考案による内視鏡のチ
ヤンネル形成用チユ−ブによれば、接続部の接続
強度を格段に向上させることができること、接続
用の中継部材を必要とせずに接続できるために接
続部分長を短縮できることなどの多くの効果を奏
するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案による内視鏡のチヤンネル
形成用チユ−ブの一実施例を示す要部断面図であ
る。第２図は、内視鏡の全体的構成を示す概略図
であり、第３図は、従来の内視鏡の要部断面図で
ある。 Ｃ……鉗子挿通用チヤンネル、２０……テフロ
ンチユ−ブ、２１……螺施溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 鉗子挿通用等のチヤンネルを形成する可撓性を
   備える合成樹脂材製チユ−ブであつて、少なくと
   もその一端を内視鏡の先端構成部材に形成した接
   続孔と接続するようにした内視鏡のチヤンネル形
   成用チユ−ブにおいて、上記構成部材の接続孔内
   に形成した雌ねじに螺合接続する螺施溝を少なく
   とも上記一端の外周面に設けたことを特徴とする
   内視鏡のチヤンネル形成用チユ−ブ。