JPH0342882Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は彎曲管の構造を改良した内視鏡に関す
る。一般に内視鏡の挿入部は可撓管部の先端に彎
曲管部を介して先端構成部が連結してなり、上記
彎曲管部は、操作部において操作ワイヤを介して
遠隔操作し得るようになつている。この挿入部内
には体腔内を照明するためのライトガイドフアイ
バー、観察するためのイメージガイドフアイバ
ー、および送気用チヤンネル、送水用チヤンネ
ル、処置具挿通用チヤンネル等が挿通されてい
る。このように種々の内蔵体等が入つているので
挿入部の径が太くなり、特に彎曲管部においては
操作部の彎曲接続ノブの回動により彎曲した場合
内蔵体等が接触したりしてイメージガイドフアイ
バー、ライトガイドフアイバーの損傷を生じるこ
とがある。そのためできるだけ余裕をとらざるを
得ないため外径が太くならざるを得なかつた。こ
のため被検者の体腔内に内視鏡を挿入すると被検
者にとつては挿入部が太いために滑らかに入りに
くく苦痛を感じることが多かつた。そこでできる
だけ被検者に苦痛を軽減させるためには彎曲管部
をできるだけ細径にすることが考えられていた。

例えば彎曲管部の彎曲管の外周壁の一部を外の
方に突出させて彎曲管の内周面に凹部を形成し、
この凹部に彎曲させるための操作ワイヤを受ける
ワイヤ受けを固着したものがある。しかしこの彎
曲管によると凹部形成部に対応して彎曲管内に入
るイメージガイドフアイバー、ライトガイドフア
イバー、送気送水用チヤンネル処置具挿通用チヤ
ンネル等が凹部に押しつけられないようにするた
め、どうしても外径が太くなると共に加工上彎曲
管の内径、外径にひずみが生じて、必要寸法が正
確には出せない。また内視鏡を彎曲操作ノブで回
動して彎曲管を遠隔操作した場合、彎曲管の動き
が鈍くなることで必要なだけの彎曲が行なわれな
いという欠点があつた。

本考案は上記事情にもとづいてなされたもの
で、その目的とするところは内視鏡の彎曲管の円
筒部の一部を切欠くことにより従来よりも容易に
内視鏡の細径化を計ることができることで被検者
の苦痛を軽減できると共に管路内が圧迫されるこ
とがないので管路内のフアイバーの損傷をなく
し、さらにチヤンネルの破損や分離、脱落を防止
することができる内視鏡の彎曲管を提供すること
にある。

以下本考案の一実施例を図面を参照して説明す
る。第１図ないし第５図はこの一実施例であるが
第１図は内視鏡の全体図で、内視鏡本体１は操作
部２と挿入部３から構成されている。上記挿入部
３には可撓管部４の先端側に彎曲管部５を介して
先端構成部６が設けられている。また、上記操作
部２には上記彎曲管部５を彎曲させるための彎曲
操作ノブ７、体腔内の被検体を観察する接眼部
８、図に示してない光源装置に接続されるユニバ
ーサルコード９、挿入部３内を通して先端構成部
６から送気、送水を送るために操作する送気送水
ボタン１０、体腔内の汚物等を吸引する吸引ボタ
ン１１および鉗子等の処置具を挿入するための鉗
子栓１２等が設けられている。

上記先端構成部６には第２図および第３図で示
すように金属材料からなる先端部本体１３の先端
面１４に観察窓１５と２つの照明窓１６，１６、
および送気用ノズル１７、送水用ノズル１８、吸
引口１９がそれぞれ設けられている。また先端部
本体１３の先端面１４は電気絶縁性のカバー２０
によつて覆われており、このカバー２０は先端部
本体１３に対し接着剤を用いて接着固定されてい
る。上記観察窓１５の内側には観察光学系２１が
設けられ、その後部にはイメージガイドフアイバ
ー２２が対向し連結されている。このイメージガ
イドフアイバー２２は挿入部３および操作部２内
を通して接眼部８に接続されている。上記照明窓
１６，１６は観察窓１５の周囲に配置されてお
り、内側には後述するライトガイドフアイバー２
３，２３（第４図に示す）の先端が対向位置さ
れ、このライトガイドフアイバー２３，２３は挿
入部３、操作部２およびユニバーサルコード９の
各内部を通して図示しないコネクタに導かれ、さ
らにこのコネクタは図示しない光源装置に接続さ
れるようになつている。また送気用ノズル１７、
送水用ノズル１８の先端はそれぞれ観察窓１５の
表面に向けて設けられ、観察窓１５が汚物等で汚
れたとき洗滌するため空気または水を吹き付ける
役目をしているものである。上記送気用ノズル１
７はカバー２０を介して先端部本体１３に接続さ
れ送気用チヤンネル２４と連通している。上記送
気用チヤンネル２４には先端側から送気用パイプ
２５と送気用チユーブ２６が連結され、切離され
ることを防止するため送気用チユーブ２６の外周
を糸２７で巻回して接着剤で固着されている。こ
の送気用パイプ２５の後端側はテーパ状に形成さ
れ、そのテーパ状の外周を送気用チユーブ２６で
被覆し接続されている。この接続部２８は脱落防
止のため送気用パイプ２５に対して送気用チユー
ブ２６が盛り上がることで外径が太くなついる。

他の部分は平行に連結されている。また上記送
水用ノズル１８には第４図で示すように送水チヤ
ンネル２９が連通し、送気用チヤンネル２４と同
様に送水用パイプ３０と送水用チユーブ３１が接
続され、上記送水用パイプ３０の後端部のテーパ
ー状の部分で送水用チユーブ３１が被覆され外径
が太くなつている。

また吸引口１９は処置具挿入用チヤンネル３２
と兼用され、吸引ボタン１１、鉗子柱１２に連通
しており、上記処置具挿入用チヤンネル３２には
処置具挿入用パイプ３３と処置具挿入用チユーブ
３４が接続され、上記処置具挿入用パイプ３３の
先端側が先端部本体１３に固着されている。処置
具挿入用パイプ３３の後端側は外周にテーパー状
を形成し、処置具挿入用チユーブ３４が被覆され
接続されて、上記送気用チヤンネル２４、送水用
チヤンネル２９と同様に処置具挿入用チユーブ３
４の接続部３５も脱落防止のため外径が太くなつ
ている。

一方上記先端構成部６には送気用チヤンネル２
４、送水用チヤンネル２９、処置具挿入用チヤン
ネル３２、イメージガイドフアイバー２２、ライ
トガイドフアイバー２３等を取囲むように複数の
彎曲管が挿入部３の長手方向に沿つて配置され、
その先端部本体１３の先端側に向つて第１の彎曲
管３６が設けられ、一端が本体１３に固定され、
他端は取付穴４０で連結ピン（図示しない）によ
つて第２の彎曲管３７と回転自在に連結してい
る。第１，２の彎曲管３６，３７の外周には編成
した網管３８を被嵌してなり、さらに、その網管
３８の外周には被覆ゴム３９によつて被覆され、
その先端はカバー２０に接続されている。円筒形
をした第１の彎曲管３６は第５図に示すごとく、
一端に回転支点部の取付穴４０が、他端側にその
周面全周を外方に膨出してなる嵌合部４１が、ま
た中間部にその周面の均等的４個所を絞り加工に
より内側に凹部を突出させてなるワイヤ取付部４
２がそれぞれ配設され、上記中間部から取付穴４
０側には第３図および第４図に示された送気用パ
イプ２５の外周を送気用チユーブ２６で被覆され
た接続部２８および送水用パイプ３０の外周を送
水用チユーブ３１で接続した接続部が挿入される
一部切欠部４３と、処置具挿入用パイプ３３とチ
ユーブ３４で接続した接続部３５が挿入される一
部切欠部４４が２個所設けられている。上記ワイ
ヤ取付部４２には第４図に示すごとく彎曲操作ワ
イヤ４５が四方向に接続され、操作部２の彎曲操
作ノブ７を回動することで一方のワイヤ４５が引
張られ、他方が弛緩することで彎曲操作されるよ
うになつている。

このような構成によれば送気用チユーブ２６と
送気用パイプ２５の接続部２８および送水用チユ
ーブ３１と送水用パイプ３０の接続部、さらに処
置具挿入用チユーブ３４と処置具挿入用パイプ３
３の接続部３５はその外径が太くなつているので
第１の彎曲部３６の上記接続部２８，３５の当接
する部分に切欠部４３，４４が接することにより
送気用、送水用チユーブ２６，３１および処置具
挿入用チユーブ３４が収納できる。

したがつて従来の彎曲管部に挿入されていた送
気用チユーブ、送水用チユーブ、イメージガイド
フアイバー、ライトガイドフアイバー、処置具挿
入用チヤンネル等の太さに対し、彎曲管の一部を
切欠いたのでそれぞれの接続部の太さが一部切欠
部に挿入されるので全体として内蔵体に余裕がで
きることになりそれだけ彎曲管部の外径の細径化
が容易に出来る。また従来に比べ彎曲管が一体に
成型されているので加工工数が減少し、安価にで
きると共に組立作業が簡単に達成できる。そして
それぞれの管路が彎曲管により圧迫されることが
無いので各フアイバーの損傷も少なくてすみ、先
端構成部を細径に構成できるから、患者に対する
苦痛を軽減できるとともに、体腔内の細かな動き
も与えることができるものである。さらに、内視
鏡先端部に固定された接続用パイプのチユーブ接
続側端面開口部を外周方向へテーパ状に広げた形
状とし脱落防止構造としているので、パイプとチ
ユーブの脱落を防止することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので第１図は
内視鏡全体の斜視図、第２図は先端部の正面図、
第３図は先端部分を示す断面図、第４図は、第３
図−線に沿う断面図、第５図は第１の彎曲管
を示す斜視図である。 ３……挿入部、５……彎曲管部、６……先端構
成部、２４……送気用チヤンネル、２８，３５…
…接続部、２９……送水用チヤンネル、３２……
処置具挿入用チヤンネル、３６……第１の彎曲
管、３７……第２の彎曲管、４３，４４……切欠
部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 挿入部を構成する彎曲部内に複数の彎曲管を回
   動自在に連結し、これら彎曲管の内側に複数の管
   路を挿通させた内視鏡において、上記管路の少な
   くとも１つは上記内視鏡先端部に固定され後端部
   側が外周方向へテーパ状に広げて形成されたパイ
   プと、このパイプの後端部側のテーパ状に広げて
   形成された外周部を被覆し固着して接続されるチ
   ユーブとからなり、上記パイプとチユーブの太く
   なつた接続部に対面する上記内視鏡先端部に接続
   される第１の彎曲管の一部に切欠部を形成したこ
   とを特徴とする内視鏡の彎曲管。