JPH0434496Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、内視鏡、詳しくは可撓管と弯曲管と
からなる挿入部内に、外装チユーブで被覆された
光学繊維束を挿通した内視鏡に関する。

［従来の技術］ 周知のように、この種の内視鏡は、第６図に示
すように、手元で各種の操作を行なう操作部本体
２１と、体腔内に挿入される挿入部２２とから構
成されており、操作部本体２１には、術者が患部
を観察する接眼部２７や挿入部２２の弯曲操作を
行なう弯曲操作ノブ２６等が設けられている。ま
た、同操作部本体２１には照明用の光源装置（図
示されず）に接続されるライトガイドコード２８
等が連設されている。上記挿入部２２は、上記操
作部本体２１に連設された可撓性を有する長尺の
可撓部２３と、この可撓部２３に連設されてい
て、上記弯曲操作ノブ２６の操作によつて屈曲
し、先端構成部２５を任意の所望の向きに変位さ
せる弯曲部２４と、上記先端構成部２５とからな
つている。そして、上記挿入部２２内には、イメ
ージガイドとしての観察用光学繊維束およびライ
トガイドとしての照明用光学繊維束がそれぞれシ
リコン等の柔軟な外装チユーブにより被覆されて
挿通されている。また、この外装チユーブは従
来、可撓部も弯曲部の内径の同じものが用いら
れ、実開昭60−63814号公報に示されているよう
に弯曲部は２重にして補強されていた。

［考案が解決しようとする問題点］ ところで、気管支等に用いられる極細径の内視
鏡においては、挿入部の外径をできる限り細くし
て、なおかつ、光学繊維束、鉗子チヤンネル等の
内蔵物をできる限り多く挿入しようとするため、
光学繊維束の外装チユーブを細くする傾向にあ
り、光学繊維束の外装チユーブ内の充填率が上つ
てしまう。充填率が上つてしまうと、弯曲部に弯
曲をかけた際、外装チユーブ内の光学繊維束が摩
擦力によつて軸方向へ動き難くなり、軸方向への
移動力が同光学繊維束を座屈させる力へと変化し
てしまう。

また光学繊維束の外装チユーブ内の充填率を低
くするため、外装チユーブの径を大きくすると、
短い弯曲部管内には全内蔵物を入れることはでき
ても、長い可撓部管内には内蔵物を全部挿入する
ことはできず組立てができなくなるという問題点
を有していた。

従つて、本考案の目的は、上述したような問題
点を解消し、内視鏡の組立に支障がなく、挿入部
の弯曲部を繰返し弯曲させても挿入部内視鏡の光
学繊維束が折損するようなことのない内視鏡を提
供するにある。

［問題点を解決するための手段および作用］ 本考案は、上記問題点を解決するために、光学
繊維束を被覆する外装チユーブの内径を可撓部管
内に対応する部分より弯曲部管内に対応する部分
を大きくして、後者の管内における光学繊維束の
充填率を低くしたことを特徴とする。

［実施例］ 以下、本考案を図示の実施例に基づいて説明す
る。

第１図は、本考案の一実施例を示す内視鏡挿入
部の先端部を示す要部断面図である。図において
符号１は先端構成部、２は弯曲部、３は可撓部、
４はライトガイド用光学繊維束、５はイメージガ
イド用光学繊維束、６は観察光学系対物レンズ、
７は弯曲部２内の長手方向に沿つて配設された複
数個の節輪、８は隣り合う上記節輪７を回動自在
に連結する連結軸、１０は外套被覆、１１は先端
構成部１の先端金具の上下対称位置に先端部が固
着され、挿入部内の内壁寄りに挿通されて後端部
を上記操作部本体２１（第６図参照）の弯曲操作
ノブ２６の弯曲操作機構に固着された一対の操作
ワイヤー、１２は上記操作ワイヤー１１の基端側
が引き通されるようになつていて、上記可撓部３
内に介装された密巻コイルからなる操作ワイヤー
ガイド、１３は上記可撓部３の可撓外套管、１４
は上記ライトガイド及びイメーギガイド用光学繊
維束４，５を被覆する、例えばシリコンゴム等の
ような弾力的、かつ柔軟な外装チユーブをそれぞ
れ示している。そして、上記上下の操作ワイヤー
１１を上記弯曲操作ノブ２６によつて押し引き操
作することによつて、弯曲部２は、上記節輪７、
連結軸８を介して上下に弯曲するようになつてい
る。上記弯曲操作ノブ２６の操作によつて先端構
成部１をほぼ180°方向転換した状態を第１図にお
いて破線で示してある。

本考案では、上述したような従来のこの種の内
視鏡が有する欠点を解消するために、上記ライト
ガイド、イメージガイドの光学繊維束４，５の
夫々を被覆する外装チユーブ１４の内径を、第２
図に示すように、可撓部３に相対する部分１４ｂ
により弯曲部２に相対する部分１４ａを大きくし
てある。このように弯曲部２に相対する部分１４
ａの内径、を大きくすることによつて、内蔵する
光学繊維束４，５の充填率を60〜80％という適性
な値とすることができ、そのため長手方向の動き
に対する摩擦力も小さく、座屈するようなことは
解消される。又、挿入部の組立に対しては、先端
構成部１に先端部を固着された光学繊維束４，５
等の内蔵物に対して、先ず弯曲部２の胴体を嵌装
する。弯曲部２は長さが短いので外装チユーブ１
４ａの外径が多少大きくても容易に嵌装させるこ
とができる。次いで、可撓部３の胴体に上記内蔵
物を嵌装する。この場合には、上述したように可
撓部３は長いが、同可撓部３に相対する上記外装
チユーブ１４ｂの外径は弯曲部２に相対する外装
チユーブ１４ａの外径より一段と小さくしてある
ので、可撓部３内での全体の内蔵物に対する充填
率は下り全体外径は小さくなるので容易に嵌装す
ることができ、組立も容易になる。

第３図は、本考案の第２実施例を示す内視鏡の
光学繊維束外装チユーブの要部断面図である。な
お、本実施例を含む以下の各実施例において、上
記第１実施例における構成部材と同一構成部材に
ついては単に同一符号を付すに止め、その説明は
省略する。

本実施例においては、図示のように、弯曲部２
に相対する部分の外装チユーブ１６とこれより内
外径が小さい可撓部３に相対する外装チユーブ１
７とを接着により一体化したものである。このよ
うに外装チユーブ１６を構成してもその作用およ
び効果は上記第２図の外装チユーブ１４の場合と
変ることなく、更に上記外装チユーブ１４に比
し、成型の必要がないだけ生産性が良くなる。

第４図は、本考案の第３実施例を示す内視鏡の
光学繊維束外装チユーブの要部断面図である。本
実施例における外装チユーブ１８は図示のように
全体の外径は一定であるが、内径は弯曲部２に相
対する部分１８ａの方が可撓部３に相対する部分
１８ｂより大きくしてある。

この実施例の作用および効果は、上記各実施例
における外装チユーブと全く同様であるが、外径
が一定であるため、弯曲部２への内蔵物の挿入が
やり易くなり、組立性がさらに向上する。又、図
示しないが操作部本体２１内はスペース的に狭く
なつているのでこの部分については、外装チユー
ブの内外径を小さくしても良く、従来の上述した
ような欠点は生じない。

［考案の効果］ 以上説明したように、本考案によれば、弯曲
部内における外装チユーブ内の光学繊維束の充填
率は適性値となつているため、弯曲部分の弯曲に
よつて光学繊維は容易に長手方向に動くことがで
き、座屈による折損は防止される。挿入部の組
立性を損なうことがない。構造が簡単で生産性
が良い、等の顕著な効果を有する内視鏡を提供す
ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例を示す内視鏡挿入
部の先端部の要部断面図、第２図は、上記第１図
の内視鏡の外装チユーブの要部断面図、第３図
は、本考案の第２実施例を示す内視鏡の外装チユ
ーブの要部断面図、第４図は、本考案の第３実施
例を示す内視鏡の外装チユーブの要部断面図、第
５図は、内視鏡の一例を示す斜視図である。 ２……弯曲部（弯曲管部）、３……可撓部（可
撓管部）、４，５……光学繊維束、１４，１６，
１７，１８，１９……外装チユーブ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 可撓管と湾曲管とからなる挿入部内に、外装チ
   ユーブで被覆された光学繊維束を挿通した内視鏡
   において、 上記外装チユーブの内径を可撓管内に対応する
   部分より湾曲管内に対応する部分を大きくしたこ
   とを特徴とする内視鏡。